2005年:つれづれ観察記

(5月)


5月31日、横浜市戸塚区舞岡公園

 前回は到着するや否やアカシジミやアカスジキンカメムシの黒化型に出会えたので、その再現を期待して出かけてみた。また、ゼフィルスのトップバッターである、ウラゴマダラシジミが発生しているのではないかとも期待したのだ。しかし、柳の下にまたドジョウがいないのは山中湖と同じで、写欲を誘うものはこれと言って無く、おまけにピーカンで風が強いからお手上げであった。午後からはデジスコに変えて、ホトトギスに挑んだが、その出は悪く、前回来た時とは行動パターンが変わったらしい。これで万時急須かなと思ったら、ゴイサギが飛来して田植え前の田んぼで餌を漁り始めた。ゴイサギは昼間は木の枝が込み入った場所で寝ている場合が多く、良い写真を手にしていなかったのである。これはまたまたラッキーと、シャッターをばしばし切った事は言うまでも無い。終わり良ければ全て良しの今日の舞岡公園であった。

<今日観察出来たもの>花/オカタツナミソウ、イモカタバミ、セリバヒエンソウ、ウツギ、スイカズラ(写真上右)、ハコネウツギ、ガマズミ等。蝶/モンキアゲハ、アオスジアゲハ、アサギマダラ、キタテハ、アカボシゴマダラ、イチモンジチョウ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ等。昆虫/アカスジキンカメムシ、オジロアシナガゾウムシ、ヒメシロコブゾウムシ、マダラアシゾウムシ、シロテンハナムグリ、サビキコリ、クサギカメムシ、ハサミツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシ等。鳥/ゴイサギ(写真上左)、ホトトギス、コゲラ、ウグイス、カワラヒワ、モズ、ムクドリ、ヒヨドリ、スズメ等。


5月29日、山梨県南都留郡山中湖

 一週間前の山中湖はとても楽しかったので期待して出かけたのだが、柳の下にまたドジョウが必ずいる訳がないように、とんでもない貧果に泣いた。どうやら夏鳥達はテリトリーも決まり、子育ての準備も終わって、落ち着いたようである。それでも身体の大きな見ごたえあるアカゲラが、度々観察出来たのはラッキーであった。しかし、幹を登って餌を探している時の動きはかなり早く、デジスコで捉える事は出来なかった。相変わらずキビタキは美しい声で囀り、各所で見られたが、前回以上に美しい写真を撮るとなると難しい。動植物・キノコの写真は、被写体がある場所によって作品の出来が左右されるのは当然だが、特に蝶や野鳥は動きや表情までもが加わるのだから尚更だ。今日はお金と時間と体力を使った割には2枚の写真しか撮れなかったが、これに懲りずにまた行ってみようと思っている。

<今日観察出来たもの>蝶/ウスバシロチョウ、アサギマダラ、ツマキチョウ等。鳥/キビタキ(写真上左)、オオルリ、コルリ、コサメビタキ、センダイムシクイ、ホオジロ(写真上右)、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、アカゲラ、メジロ、カワラヒワ、クロツグミ、アカハラ、ヒヨドリ、キジバト等。


5月28日(午後)、東京都町田市小野路町

 午前中、アオバズクの撮影で体力気力をすっかり使い果たしてしまったので、今日の小野路町の散策は、短時間でしかも気の抜けたものとなってしまった。それでも、エビズルの葉上で金属光沢を持つ美しいアカガネサルハムシを見つけたり、これまた美しい緑色に光るアカスジキンカメムシの成虫にも出会った。厚い雲が去って青空が見え始めると、各種の蝶が飛び始めた。羽化したばかりのイチモンジチョウやキマダラセセリは本当に綺麗である。本来なら、かなりしつこくこれらの蝶を追い回すのだが、前述したようにアオバズク疲労に陥っていたので無理であった。やはり蝶を撮るには煙草を止め、ストレッチ体操でもして、はち切れんばかりの健康と柔軟性が必要だなあと実感した。あり難い事に7月から煙草が大幅に値上がりするらしい。オオムラサキや高原の蝶の撮影まで、どうにか禁煙は間に合いそうになった。

<今日観察出来たもの>花/ドクダミ、ハルジオン、ノアザミ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン等。蝶/キタテハ、イチモンジチョウ、コミスジ、モンキチョウ、クロヒガゲ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、キマダラセセリ(写真上左)、イチモンジセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/ヤマサナエ、シオヤトンボ、アカガネサルハムシ(写真上右)、ヒゲナガハナノミ、アカスジキンカメムシ等。鳥/ホトトギス、キジ、アオサギ等。


5月28日(午前)、東京都町田市(仮称)アオバズク郷土の森

 鳥撮りの方々のHPにアオバズクが載るようになった。そこで(仮称)アオバズクの森へ行ってみた。コーワの双眼鏡を出して、巣穴となる大木のほこらの周辺の樹木の枝を丹念に探したのだが見つからない。これは困ったなあと思っていたら、BMWの高級車に乗って、10万円以上はするだろう双眼鏡を持った方が現われた。この方ならきっとアオバズクを見つけてくれるだろうとほくそ笑んで、一生懸命探しているふりをしていたら、「あそこにいますよ!」と探してくれた。鳥を探すのは下手だけど、撮るのは自信があるので本当に助かった。しかし、一眼レフでは見上げる形となり、どうプラス補正しても上手く撮れない。これはデジスコの出番だなと素早くセットした。アオバズクは大きいからかなりバックしたが、見上げるアングルは解消した。ずっと一人ではどうなったかと思うと、BMWさんの出現は本当にラッキーであった。

<今日観察出来たもの>鳥/アオバズク(写真上)。


5月27日、横浜市港北区新吉田町

 朝起きてみると天気予報どおりに雨が降っている。家族を送り出すと、連日の疲れを癒すためにまた寝床へ入った。たっぷりと眠ったために気分は爽快で、外を見ると道路が乾いている。「あれれー、これはいったいどうしたの?」と驚いた。そこで昼食を済ませると、ちょっとだけよと新吉田町へ行った。しかし、結果としては、またすぐに雨が降って来て、約1時間の散策となってしまった。それでも雨に濡れたドクダミやツユクサは風情があって美しかった。これらの野の花やハナショウブ等の梅雨の代表的な園芸品種の花を、ピーカンの日に撮ったらとんでもない事になる。画像ソフトでシャプネスとコントラストを思いっきり高めた写真のようなものとなってしまうのだ。今日は撮りたかったシュンギクも柔らかく撮れ、何故か野菜の花は、観賞用に育種されたものではないからこそ、味わい深い楚々とした美しさがあると思う。

<今日観察出来たもの>花/シュンギク(写真上左)、ドクダミ(写真上右)、ツユクサ、カラスノエンドウ、ハルジオン、アカバナユウゲショウ、スイカズラ、ハコネウツギ、シラン、ムラサキツユクサ、オオキンケイギク、ムシトリナデシコ、マーガレット、ミカン等。蝶/モンシロチョウ。昆虫/セボシジョウカイ、トホシテントウ等。鳥/ウグイス、ムクドリ、スズメ等。


5月26日、神奈川県中郡大磯町照ヶ崎

 ハトといえば青っぽい灰色の伝書鳩や褐色がかったキジバトを思い出すが、鶯色のアオバトなるものが図鑑に載っていて、かつて良く釣りに出かけた大磯港脇の照ヶ浜に海水を飲みに来ると書かれてある。また、少し前に相互リンクしている藤沢のMさんが行かれて、素晴らしい写真を撮られていたので行ってみた。久しぶりの湘南で心はうきうきする。茅ヶ崎を過ぎると、左から真鶴、箱根、富士山、丹沢と素晴らしい眺めだ。いまでこそ様々な建物が並んでいるが、安藤広重が東海道五十三次を書いた頃は、一級の景勝地であったに相違ない。目的としたアオバトは、10羽の群れと4羽の群れが交互に飛来して飽きることは無かったが、瞬時に海水を飲んで飛び立ち、また、海岸だから風が強く撮影には梃子摺った。しかし、なんとか証拠写真程度のものは得られたし、アオバトの美しさも堪能出来た。

<今日観察出来たもの>花/ハマヒルガオ、モッコク、シャリンバイ等。鳥/アオバト(写真上右)、トビ、ハシブトガラス、スズメ、ツバメの仲間、カモメの仲間等。


5月25日、横浜市戸塚区舞岡公園

 本当に久しぶりの舞岡公園である。車をいつもの所に停めて、煙草を吸いながら、昆虫がいつもたくさん見られるアジサイの植え込みまで行った。すると美麗なアカシジミが止まっているではないか。脱兎のごとくの速さでカメラを取りに戻って引き返した。無事にカメラの中に納めて辺りを見回すと、舞岡のKさんがやって来た。蝶が大好きな方だから、招き猫の格好をした事は言うまでも無い。その後、チャリコバさんや上永谷のOさんも見え、アカシジミの大撮影会となった。一同が撮影を終わった頃、舞岡のKさんがアカシジミの近くを指差して、「この虫なんですか?」と聞く。チャリコバさんが覗いてみると、なんと珍しいアカスジキンカメムシの黒化型ではないか。今日はその後これといったものには出会わなかったが、到着後僅か30分で素晴らしき出会いを果たしてしまった。これだから止められない止まらない舞岡公園なのである。

<今日観察出来たもの>花/セリバヒエンソウ、ウツギ、スイカズラ、ハコネウツギ等。蝶/アカシジミ(写真上右)、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、イチモンジチョウ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、コチャバネセセリ等。昆虫/アカスジキンカメムシの黒化型(写真上左)、ハスジカツオゾウムシ、コフキゾウムシ、イタドリハムシ、ヒメカメノコテントウ、アトジロサビカミキリ、エサキモンキツノカメムシ、チャバネアオカメムシ、ヤマサナエ等。鳥/ホトトギス、コゲラ、ウグイス、ムクドリ、ヒヨドリ、スズメ等。


5月24日、神奈川県川崎市麻生区黒川

 一昨日、山中湖へ行ってとても楽しい思いをしたために、なんだか急に身近な里山が色褪せてしまった。特に小鳥は毎週のように山中湖へ通っていれば、ほとんどのものが撮れそうなのである。そんな訳で今日はデジスコを自宅に残して、久しぶりに黒川へ行った。マクロレンズのみカメラに装着して、気軽に散策したのだが、やはり季節の端境期で野の花はとても少ない。それでもキンポウゲとノアザミは、まだ撮っていなかったので素直に切り取った。ハコネウツギも撮ろうと頑張ったのだが、絵になるように美しく咲いていなかった。そこで昆虫に目を向けると、下記に記したように、様々な昆虫が見られた。日陰の風の無い農道脇の下草を、それこそ国会の牛歩戦術のようにじっくりと歩いて目を注いだ。その気になれば、何種類もの昆虫写真がたくさん撮れたことだろう。

<今日観察出来たもの>花/ノアザミ(写真上左)、キンポウゲ(写真上右)、ドクダミ、フタリシズカ、ハルジオン、キツネアザミ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、ニガナ、カタバミ、ムラサキカタバミ、コゴメウツギ、スイカズラ、ハコネウツギ、ベニバナウツギ、コンフリー、シュンギク等。蝶/キアゲハ、ジャコウアゲハ、クロアゲハ、ヒメアカタテハ、キタテハ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/カツオゾウムシ、ハスジカツオゾウムシ、コフキゾウムシ、オジロアシナガゾウムシ、ヒメクロオトシブミ、アカガネサルハムシ、ベニカミキリ、ジョウカイボン、トホシテントウ、クサギカメムシ、エビイロカメムシ、チャバネアオカメムシ、ハナアブ、アシブトハナアブ、シマハナアブ、ヤマサナエ、シオヤトンボ等。鳥/ホトトギス、ガビチョウ、ウグイス等。


5月22日、山梨県南都留郡山中湖

 先週行く予定でいたのだが、天候が悪くて今日になった山中湖である。ゴールデンウイークあたりから、鳥を撮影している方々のHPに、盛んに山中湖で撮影したオオルリやキビタキがUPされ、更に、相模原のぶん師匠や厚木のおコマさんも、良い作品をたくさん撮ったようだ。しかし、何とか多摩丘陵の里山でこれらをゲットしようと頑張ったのだが、お手上げであった。そこで、「あそこで撮っても、みんな人と同じ絵柄になるから絶対に行かないぞ」と思っていた山中湖の小鳥の水場へ、とうとう行く事となってしまった。
 そんな時間に起床するなんて、久しぶりの5時に起床して出発した。途中、朝食、トイレ、洗面を済ませたのだが、午前8時には現地に到着した。今日は平日だから人が少ないのではと思ったのだが、たくさんの車が止まっている。しかも、何とポイントに到着すると、日限山機長をはじめ舞岡公園の鳥仲間が3人、八丁湖や北本自然観察公園で御一緒した東松山のHさん、更には後から連雀が丘北公園で御一緒した方が2人もやって来た。そんな訳で顔見知った方が計6人となり、何となく遠征した気分は吹っ飛んで、舞岡公園の瓜久保で撮っているような奇妙な感覚に捕らわれた。
 今日の目的であるオオルリ、コルリ、キビタキは、キビタキこそ度々現われたのだが、午前中は姿を見せなかった。常連さんによると午後の3時半から、特に5時に必ず現われると言うので、弁当をぱくついた後にポイント以外の場所を散策して、キビタキとコサメビタキをゲットした。そして時刻がやって来たので、グリコのチョコレートポッキーをおやつとして食べてから、ポイントに降りていった。すると午前中とは異なって、オオルリ、コルリはもとより、たくさんの野鳥が現われて、思う存分楽しむ事が出来た。

<今日観察出来たもの>花/ヤマシャクヤク、ミヤマキケマン、タチツボスミレ等。鳥/キビタキ(写真上左)、オオルリ(写真上右)、コルリ(写真下左)、コサメビタキ(写真下右)、ゴジュウカラ、センダイムシクイ、ツメナガホオジロ(?)、コガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、キクイタダキ、エナガ、イカル、アカゲラ、コゲラ、メジロ、カワラヒワ等。


5月21日、東京都町田市小野路町

 今日はからっと晴れ上がった清々しい陽気で、雑木林から「東京特許許可局」とホトトギスの囀りが響きわたって心地よい。まだ卯の花(ウツギ)は咲いてはいないものの、季節は確実に進行しているようである。谷戸では、ほとんどのシオヤトンボの雄は成熟して、腹部が水色となった。また、腹部末端の数節が青黒いシオカラトンボもお出ましになり、オニヤンマと見間違う程の大きさのヤマサナエもたくさん発生していた。更に溜池では、クロスジギンヤンマが疲れを知らないのか、休むことなく旋回していた。しかし、全般的には初夏と梅雨の端境期で野の花は少なく、また、ピーカンで少々風が強いから撮影には梃子摺った。既にアカシジミの発生している所もあるようだから、いよいよ来週は待望のゼフィルスに会えるかもしれない。花虫とおるの撮影農繁期はもうすぐそこである。

<今日観察出来たもの>花/オカタツナミソウ(写真上左)、フタリシズカ、ハルジオン、キツネアザミ、ノアザミ、アメリカフウロ、ムラサキサギゴケ、ケキツネノボタン、ニガナ、コゴメウツギ(写真上右)、ハコネウツギ等。蝶/キアゲハ、ジャコウアゲハ、イチモンジチョウ、コミスジ、テングチョウ、クロヒガゲ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ等。昆虫/ジンガサハムシ、ジョウカイボン、マルムネジョウカイ、トホシテントウ、クロスジギンヤンマ、ヤマサナエ、シオカラトンボ、シオヤトンボ等。鳥/ホトトギス、ホオジロ、キジ、ガビチョウ、ウグイス、カルガモ等。


5月20日、横浜市緑区三保市民の森

 台風から変わった低気圧が通過したので、久しぶりに青空が広がった。しかし、湿度は蒸すように高くかなり気温が上昇するので、熱中症に注意との報道がなされていた。熱中症なんていう言葉は、本当に久しぶりに聞くような気がする。もちろん風はとても強くピーカンだから、こんな日は最悪の撮影日和である。しかし、三保市民の森の谷道なら、風は遮られ日陰だから、なんとかなる筈と出かけてみた。その予想は見事に当たって、ほとんど風も無く、様々な昆虫に出会うことが出来た。谷道の入口を入るやいなや、ヤマサナエ、カワトンボ、ベニカミキリ等がお出迎えしてくれた。今年はなんとなく昆虫の観察に熱が入らないが、久しぶりの昆虫三昧で、特に顔が分かるような構図でばしばしシャッターを切った。昆虫は地球上で最も種類数の多い生き物だが、だからこそ、その顔は千差万別でとても面白いのである。

<今日観察出来たもの>
花/タツナミソウ、ハルジオン、フタリシズカ、アメリカフウロ、ニガナ、コゴメウツギ等。蝶/モンキアゲハ、イチモンジチョウ、コミスジ、キマダラヒカゲ、コジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリ。昆虫/カワトンボ(写真上左)、ヤマサナエ、ベニカミキリ、アオジョウカイ、ジョウカイボン、トホシントウ(写真上右)、チャバネアオカメムシ、ホオズキカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫等。その他/ウグイスカグラの実、モミジイチゴの実等。


5月19日(午後)、神奈川県厚木市(仮称)アマサギの里

 高校時代にヴィレッジ・シンガーズが歌う「亜麻色の長い髪を、風が優しくつつむ。乙女は胸に白い花束を、羽根のように丘をくだり、やさしい彼のもとへ、明るい歌声は恋をしてるから」という爽やかな歌が流行った。もちろん歌の名は「亜麻色の髪の乙女」である。現在はいやらしい出会い系サイトなるものが、このHPの掲示板にも投稿されるご時世なのだから、隔世の感に涙がこぼれてしまう。私が通っていたYS高校にも、亜麻色の髪の乙女が藤沢から通っていたし、また、舞岡公園で時たま出会う亜麻色の髪のご婦人は鎌倉に住んでいるという。どうやら亜麻色の髪の女性は湘南がお似合いのようだ。今日撮影して来たアマサギも、神奈川県では藤沢から厚木にかけての相模川沿いの水田が好きなようである。数多い野鳥の中で、やはり亜麻色の髪をしているのだから納得という訳である。

<今日観察出来たもの>鳥/アマサギ(写真上)、コサギ、オオヨシキリ、ヒバリ、カワラヒワ、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、カルガモ、ハシブトガラス等。


5月19日(午前)、横浜市港北区新羽町

 今日も昨日に続いて「どうせ雨やろ!」と朝寝坊したのだが、外へ出てみると雨は降っていない。しかし、いつ雨が降って来てもおかしくない曇り空なので、至近距離の新羽町へ行った。車を降りて歩き始めると、ナワシロイチゴ、スイガズラ、ノイバラが早くも咲き始め、農家の庭先にはユキノシタの独特で可愛らしい花や純白のドクダミも咲いていた。「こりゃー、どう見たって梅雨の季節だよな」と一人ごちた。鶴見川の土手の方へ歩いて行くと、ヘラオオバコ、ナガミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、アメリカフウロと、帰化植物の花々で百花繚乱と美しい。ハナウドが咲く河川敷からは“ギョギョシ、ギョギョシ”とオオヨシキリの囀りがとても長閑だ。たくさん生えているオニグルミの実は、小ぶりな梅の実位の大きさに成長していた。本格的な夏前の河川近くの農耕地は、とても快適で楽しさ一杯であった。

<今日観察出来たもの>
花/ユキノシタ(写真上左)、ドクダミ、ハナウド、シロツメクサ、アカツメクサ、コバンソウ、ヘラオオバコ、ムラサキカタバミ、ハルジオン、ナガミヒナゲシ、アメリカフウロ、アカバナユウゲショウ、セイヨウタンポポ、ジャガイモ、スイカズラ、ナワシロイチゴ、ノイバラ、ハコネウツギ等。その他/ソメイヨシノの実(写真上右)等。


5月17日(午後)、横浜市緑区(仮称)横浜キノコの森

 こんなに雨が降ったのだから、さぞかしキノコがたくさん発生しているのではないかと期待して、横浜キノコの森へ行ってみた。しかし、ムジナタケが爆生している位で、目ぼしいキノコは見当たらない。やっぱりキノコの大発生は6月からだと変に納得する。雑木林の周りのウグイスカグラが真っ赤に熟し始めて可愛らしい。子供の頃は今のように何でもコンビニやスーパーで手に入らなかったから、ウグイスカグラの実をおやつ代わりにしたものであるが、今ではそれほど美味しいとは思わない。また当時、グミと呼ばれていたが、ナワシログミやナツグミの属するグミ科グミ属ではない。全て試食した訳ではないが、グミ属の実でもナワシログミのように渋いものが多いのではなかろうか。美味しいなあと思ったのは、今のところナツグミやビックリグミだけである。グミ属の美味しさランキング表でも誰かに作って貰いたいものである。

今日観察出来たもの>
花/ホタルカズラ、ハルジオン、コゴメウツギ等。蝶/サトキマダラヒカゲ、コジャノメ、コミスジ、ベニシジミ。昆虫/ヤマトシリアゲ、シオヤトンボ等。キノコ/ムジナタケ(写真上右)、ホコリタケ、アラゲキクラゲ等。その他/ウグイスカグラの実(写真上左)等。


5月17日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 明後日、山中湖へ遠征しようと思っていたので、今日は自宅蟄居のつもりで遅く起きた。しかし、ネットで天気予報を見ると、今日だけ曇りで、なんと土曜日まで雨とある。それならば山中湖へ行こうかなと思ったが、こんなに遅く出発したら、到着がお昼となってしまうと諦めた。しかも、今日だって天気予報は少々外れて、正午過ぎに一時小雨がぱらついて来た。まったく天気予報官泣かせ道端自然観察者泣かせの天候が続いている。いっそのこと、早々と梅雨入り宣言でもしてくれたら、心の中がすっきりするに違いない。そんな訳で、午前中は至近距離の茅ヶ崎公園へ行った。住宅街の空き地には、びっしりとニワゼキショウやシロツメクサが咲いてとても綺麗である。雑木林を見上げるとエゴノキが咲き出していた。毎年観察しているヌルデの幹を丹念に調べたら、樹肌に擬態したマダラアシゾウムシが3匹もいて嬉しくなった。

<今日観察出来たもの>
花/ニワゼキショウ(写真上左)、シロツメクサ、アカツメクサ、イモカタバミ、ハルジオン、アメリカフウロ、ブタナ、コウゾリナ、ニガナ、ハクウンボク、エゴノキ、ベニバナウツギ、キショウブ、ジャガイモ、アサツキ等。蝶/アオスジアゲハ、ヤマトシジミ。昆虫/マダラアシゾウムシ(写真上右)、コフキゾウムシ、チャバネアオカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫等。


5月16日、神奈川県秦野市弘法山

 今日は、いったい何しに弘法山へ行ったのか分からない。昨晩は昼前後は雨と予報されていたが、今朝起きてみると一日中曇りとなっていた。しからば自宅近辺の散策も飽きて来たので、久しぶりに弘法山へ行ってみた。しかし、昨晩の予報の方が正解だったようで、大切な昼前後の2時間、正味4時間が雨となってしまった。そんな訳で、午前中は一般撮影機材にて散策し、午後は権現山の野鳥観察施設で鳥を撮るという計画はふいとなった。雨が止んだので野鳥観察施設へ行ってみたが、ヒヨドリが水浴びに来るだけで何も来ない。雨の後の水場は鳥が来ないというのは本当であるなあと変に感心し、ISO1600にしても恐ろしくシャッター速度が低いから鳥撮りは諦めた。そこで弘法山にて園芸植物も何だが、アイスランドポピーが美しく咲いている草原でしばし遊んでから帰宅した。

<今日観察出来たもの>花/アイスランドポピー、ハナビシソウ、ムラサキツユクサ、ハルジオン、ノアザミ、クサノオー、コウゾリナ、キリ、コゴメウツギ等。蝶/モンキアゲハ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ヤマトシジミ。昆虫/ヤマトシリアゲ、コアオハナムグリ(写真上左)、ナガメ、ハナアブ等。鳥/ガビチョウ、ヒヨドリ、ムクドリ等。その他/シロカネグモの仲間(写真上右)等。


5月14日(午後)、東京都町田市野津田公園

 午後からはデジスコを携えて何処へ行こうかと考え、いったん長池公園へ行ってみたが、キビタキやガビチョウの囀りは聞こえるものの姿が見えない。やはり葉が生茂った里山での鳥撮りはしばらく難しそうである。そこでバラでも撮影しようと野津田公園へ行ったが、ここのバラは開花が他所より遅いようで、あとしばらく時間がかかりそうである。そこでバラの広場に隣接する草原に、マツバウンランがたくさん咲いていたので撮影した。最近、河川の土手等で良く目にする帰化植物だが、多摩丘陵で見るのは初めてだ。雑木林の裾の小道を歩くと、ブタナがたくさん咲いている。これもヨーロッパからの帰化植物である。しかし、サルトリイバラの葉にフタホシオオノミハムシを久しぶりに観察して嬉しくなった。そこでまたしてもデジスコに変えて散策したが、野鳥の姿はほとんど無く、梢高く咲くホオノキの花を撮った。

今日観察出来たもの>
花/ホオノキ(写真上左)、キリ、マツバウンラン(写真上右)、ハルジオン、キランソウ、ブタナ、ニガナ、キショウブ、カキツバタ等。昆虫/フタホシオオノミハムシ、ヒゲナガハナノミ、ハナアブ等。


5月14日(午前)、東京都町田市小野路町

 いったいどうした事なのだろう、梅雨のような天気が続いて良く雨が降る。雨が止んでもすかっと晴れる事は無い。今日も一時は薄日が射したものの、ほとんど一日中曇りであった。このため蝶の出は今一であったが、風もほとんど無いから、野の花や昆虫を撮るのには最高の日和であった。今日の特筆事項としては、小野路町で初めてカワトンボを観察した事である。もう何年も足を運んでいる筈なのに出会っていなかったのだ。万松寺谷戸の野の花は春の花が終わって一服の状況で、帰化植物のアメリカフウロがびっしりと咲いていて、困ったことだなあと眉をしかめたが、咲き始めた在来のノハラアザミを見てほっとした。キノコ山に登って一回りしたが、キノコはほとんど無かったが、エゴツルクビオトシブミ、ヒメクロオトシブミを始め様々な昆虫が出現していた。

<今日観察出来たもの>花/キンラン、ギンラン、ハルジオン、キツネアザミ、ノアザミ、アメリカフウロ、キランソウ、カキドオシ、ムラサキサギゴケ、ケキツネノボタン、ブタナ、ジシバリ、ニガナ、コゴメウツギ等。蝶/クロヒガゲ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、モンキチョウ、スジグロシロチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミ、ダイミョウセセリ。昆虫/エゴツルクビオトシブミ(写真上右)、ヒメクロオトシブミ、ホソヒラタアブ(写真上左)、ハナアブ、カワトンボ、シオヤトンボ等。鳥/キジ、ガビチョウ、ウグイス、カルガモ等。


5月12日、神奈川県川崎市多摩区登戸多摩川河川敷

 とうとう首都圏平地の公園や里山は青葉が茂る季節となって、デジスコの出番が遠のいてしまった。これからは山中湖の水場とか権現山の野鳥観察施設とか、江ノ島を始めとする海岸へ行けば良いのだろうが、今一行く気が起きない。そこで多摩川の河原へ行ったら、何かしらの鳥が撮れるのではないかと思ったのだ。1900円も出して買ったのに、一度として良い思いをしたことがない「探鳥地図館」なる本には、ササゴイ、ゴイサギが見られるとあるので期待したのだが、今回も見事に裏切られてしまって、常連さんばかりであった。そこで、今日の「つれづれ観察記」は書くのはよそうと思ったのだが、せっかく撮れた写真もあることだし、明日から天気が思わしくないということなので、間遠うになってもと記す事にした。一般撮影機材で、様々な帰化植物の花を撮った方がよっぽど楽しかったに違いないと感じた半日であった。

<今日観察出来たもの>花/ニセアカシア、ノイバラ、ヘラオオバコ、シロツメクサ、アカツメクサ、アカバナユウゲショウ等。蝶/アゲハ、ジャコウアゲハ、ヒメウラナミジャノメ。鳥/アオサギ(写真上左)、コサギ、ダイサギ、カワウ、カルガモ、コアジサシ、シギの仲間、モズ(写真上右)、ムクドリ、スズメ等。


5月10日、東京都町田市大地沢

 今日は、昨年発生が遅かったのでウスバシロチョウを見られずにがっかりした去年のメンバーと、今年こそはと連れ立って行った。朝起きたら雨が降っていたので心配したが、早戸川のポイントに到着すると薄日が射して来た。しかし、なんとなんと恐ろしいヤマビルがたくさんいて、メンバーのズボンに張り付いているではないか。これを見て、一目散に町田市の大地沢へ逃げ出したが、それは大正解だったようで、下記に記したごとくの多数の蝶に巡り合う事が出来た。目的のウスバシロチョウも薄曇りが幸いして、飛翔も緩やかでたくさん見られ、下草やハルジオンやタンポポに止まってくれた。今年は去年来た時より遅かったので、ヤマルリソウやマルバスミレ等は終わっていたが、大地沢は山野草の種類数の多さも特筆物で、春は何回足を運んでも、楽しさ一杯のフィールドであると再認識に至った。

<今日観察出来たもの>花/ギンリョウソウ、キンポウゲ、イチリンソウ、ニリンソウ、ケキツネノボタン、フデリンドウ、マムシグサ、カラスビシャク、ハルジオン、ナヨクサフジ、レンゲソウ、タツナミソウ、ホウチャクソウ、クサノオー、ジロボウエンゴサク、ミツバウツギ、ヤマツツジ等。蝶/ウスバシロチョウ(写真上左)、ミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、アサギマダラ、テングチョウ、アカタテハ、キタテハ、コミスジ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、モンシロチョウ、モンキチョウ、スジグロシロチョウ、ツマキチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミ、アオバセセリ、ミヤマセセリ。昆虫/クロハネシロヒゲナガ(写真上右)、カメノコテントウ、ジョウカイボン、ダビドサナエ、シオヤトンボ、カワトンボ等。鳥/オオルリ、キビタキ、ガビチョウ等。


5月9日、横浜市港北区新吉田町

 生まれ持ったせっかちで貧乏性の性格は困ったもので、ゆっくりと温泉療養のつもりでいた新潟への旅が、いつも通りの道端自然観察及び写真撮影のペースとなってしまった。そんな訳で旅の疲れが完全に取れないから自宅に蟄居していようと思ったが、雨が止んだのでほんの少しだけ新吉田町へ行ってみた。連休前に比べると木々の梢は緑一杯となり、純白の可憐なカマツカの花が咲いていた。また、スイカズラが咲き始め、ウグイスカグラの実が真っ赤に色づき始めているのには驚いた。タチツボスミレ等の春の野の花は完全にお終いになったようだが、花壇の花は今が盛りと美しい。大好きなヤグルマギク、アイリス、シラー、ナデシコ等が咲き誇っていた。今日は曇り日だから蝶の出は悪かったが、それでも今年初めてのアオスジアゲハとヤマトシジミを観察した。いよいよ初夏のフィールドが賑やかに始まったようである。

<今日観察出来たもの>花/アカバナユウゲショウ、ナガミヒナゲシ、ヒメフウロ(写真上左)、カラスビシャク、ハルジオン、スズメノテッポー、トキワハゼ、シャガ、カラスノエンドウ、オオアラセイトウ、アイスランドポピー、シバザクラ、ビオラ、アヤメ、アイリス、ヤグルマギク、シラー、ナデシコ、スイカズラ、カマツカ等。蝶/アオスジアゲハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ(写真上右)、ベニシジミ。昆虫/ヒメカメノコテントウ、マルムネジョウカイ、クサギカメムシ、オオニジュウヤホシテントウ、ナナホシテントウ、ヤブキリの幼虫等。キノコ/アミスギタケ、アラゲキクラゲ等。鳥/ウグイス、キジ、コジュケイ等。


5月7日、群馬県北群馬郡伊香保町伊香保森林公園

 帰りがけに伊香保森林公園へ寄ってみるつもりでいたが、天気の具合が思わしくない。そこでのんびりと一般国道で三国峠越えで帰ろうやと出発した。関越自動車道は事故のため沼田と渋川伊香保間が通行止めとあるから尚更だ。しかし、群馬県に入ると雨は止んでいて、気持ちは伊香保に向いているのに、渋滞の為、車が進まない。そんな訳で、シダの池には、午前11時と遅い到着となった。しかし、地元の方がコルリを見つけてくれて、すぐに撮影出来た。また、「ここまで来たのだからコマドリを撮って行きなさいよ」とポイントを教えてくれので、菓子パンをぱくつきながら行ってみた。すると、駐車場に秋が瀬公園でお会いしたスワロ夫妻がいて、詳細な撮影ポイントまで教えてくれたのだから、コマドリもすぐに撮影出来た。そこでまたシダの池に戻ったが、大きな石の下から顔を出す子キツネが出迎えてくれた。

<今日観察出来たもの>花/シロバナエンレイソウ、エイザンスミレ等。キノコ/エノキタケ等。鳥/コルリ(写真上左)、コマドリ(写真上右)、コガラ、シジュウカラ、ヤマガラ等。その他/キツネの子供等。


5月6日、新潟県長岡市雪国植物園








































 今日は予定通り長岡市にある雪国植物園へ行った。ここまで下れば残雪も消え去っている。しかし、面白いことに、ここでは春の進み具合がほんの少しだが去年よりも進んでいた。去年満開でとても美しかったサンカヨウはもう花を散らしていた。それでも各種の山野草の花が見られ、ユキワリソウ(オオミスミソウ)もほんの僅かだが咲き残っていた。また、昨日は一輪だに見られなかったオオバキスミレが咲いていて、とても嬉しかった。更にわずかの一頭だがオオイワカガミに吸蜜に訪れたギフチョウにも出会えた。これで赤城山のヒメギフチョウ、新潟のギフチョウと両目が開いて、今回の遠征の第一目標は達せられた。
 午後からはデジスコを担いで、教えて頂いた野鳥観察に好適なポイントへ行ってみた。するとコサメビタキ、キビタキがたくさんいて、陽気な声を上げて囀り、お仲間と追いかけごっこをして飛び回っていた。キビタキはその名の通り胸が鮮やかな黄色だから、見慣れてくると遠くの枝に止まっていてもすぐに見つける事が出来た。しかし、大自然の中での鳥撮りは難しく、なんとか使えそうな写真を手にしたのみとなった。しかし、今年もユキワリソウ、シラネアオイ、オオバキスミレに出会え、更にギフチョウ、尚更にキビタキにも出会えたのだから、それはそれは大満足の一日となった事は言うまでもない。

<今日観察出来たもの>花/シラネアオイ(写真中右)、オオイワカガミ(写真中左)、ニシキゴロモ、ツボスミレ、ナガハシスミレ、マキノスミレ、オオタチツボスミレ、オオバキスミレ(写真上左)、エンコウソウ、サワオグルマ、ミツガシワ、オオミスミソウ(写真上右)、オキナグサ、エチゴルリソウ(写真上中)、チゴユリ(写真中中)、イカリソウ、トキワイカリソウ、ハルリンドウ、ミズバショウ、コシノコバイモ、シュンラン、ニリンソウ、エチゴキジムシロ、ウマノアシガタ、ユキツバキ、オオカメノキ、オオバクロモジ、ユキグニミツバツツジ等。キノコ/ベニヤマタケ、ヒトクチタケ(写真下左)、ニガクリタケ等。蝶/キアゲハ、ギフチョウ、ルリタテハ、ミヤマセセリ。昆虫/ニワハンミョウ、カワトンボ、シオヤトンボ。鳥/キビタキ(写真下中)、コサメビタキ(写真下右)、ヒヨドリ等。


5月5日(午後)、新潟県北魚沼郡堀之内町

 午後からは少し下れば雪の量が減っている筈と、堀之内町のギフチョウのポイントへ行った。しかし、ここも残雪の量が物凄く多くて、これでは駄目だなとすぐに悟った。それでも陽が良く当たる斜面は雪が無く、カタクリがたくさん咲いている。時折、ルリタテハ、ヒオドシチョウ、テングチョウが飛んで来る。もしや一頭でもギフチョウが観察出来るのではないかと期待したが、その思いは叶えられなかった。ギフチョウの蛹は、まだ厚い残雪の中なのだろう。それでも薄青い花弁のキクザキイチゲが群落をつくって咲いていて、とても美しかった。春の新潟で一番好きな花である。この時期でも雪が少なく春の進み具合が早いと咲き終わってしまうから、今日はこれで良しとしようと微笑んだ。いつもなら黄色いスミレであるオオバキスミレが眩しく咲く林道脇は、斜面から滑り落ちた残雪で埋っていた。

<今日観察出来たもの>花/カタクリ、キクザキイチゲ(写真上左)、ヤマエンゴサク、ショウジョウバカマ(写真上右)、フキノトウ、ユキツバキ等。蝶/ルリタテハ、ヒオドシチョウ、テングチョウ。鳥/キビタキ、ホオジロ等。


5月5日(午前)、新潟県南魚沼市六万騎山

 朝起きて六日町温泉国際ユースホステルの外を見回すと、本当に雪がたくさん残っていた。去年も記録的な大雪であったが、今年はそれを上回るものであると言う。見上げる八海山等の越後三山も雪で真っ白である。これではギフチョウのポイントへ行っても、残雪に埋もれて何にも撮れないなあと感じた。そこでカタクリが満開との情報を頂いて、六万騎山へ行ってみた。321メートルの城があった山で、車を停めて登山道へ足を踏み入れるやいなや、すぐにカタクリやスミレサイシンがお出迎えしてくれた。たいした山ではなかろうと思ったが道はかなり急で、一汗かいて山頂に辿り着いたが、そこには平らな場所一面にカタクリが随所に咲いていた。お隣の坂戸山にはギフチョウが生息しているので、もしや飛来するのでは期待してじっと見回したが、マルハナバチが吸蜜に訪れているだけであった。

<今日観察出来たもの>花/カタクリ(写真上左)、イカリソウ(写真上右)、スミレサイシン、キクザキイチゲ、コシノコバイモ、アブラチャン、ユキツバキ等。昆虫/マルハナバチ、クマバチ等。


5月4日、群馬県勢多郡赤城村モロコシ山

 去年は5月3日に訪れたが、今年は1日遅いにもかかわらず、春の進み具合が約5日間位遅いようである。キャンプ場周辺の赤みの強いヤマザクラは満開でとても美しいものの、登山道を登って行くとたくさん見られるウスバサイシンの伸びが今一であった。また、楽しみにしていた可憐なヒゴスミレも、ほとんど咲いてはいなかった。これではヒメギフチョウの出は少ないのではと思ったが、やはり10時を過ぎると現われた。去年は山頂までの間でもかなり見られたものの数が少ない。これは困ったなと思ったが、山頂付近ではかなり飛来していてほっとした。4月の初旬に神奈川県藤野町の石砂山でのギフチョウの乱舞の光景が、このモロコシ山ではヒメギフチョウとなって再現された。しかし、風がほとんど無いのは有り難いが温はぐんぐん上昇して、ヒメギフチョウは飛んでばかりいてなかなか止まらない。また、ヒゴスミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ等の各種のスミレの開花も遅れているから、吸蜜のチャンスもぐんと少ない。それでもなんとかヒメギフチョウの姿をカメラで捉える事が出来てほっした。正午を過ぎると飛来数はがくんと減ったので早々の下山となったが、今年もヒメギフチョウを見られて、足取りは軽かったのは言うまでも無い。
 午後からは野鳥観察を長年続けて来られた若者と一緒に、キャンプ場周辺や鈴ケ池を散策した。デジスコによる写真撮影こそ出来なかったものの、オオルリ、キビタキ、ノジコ、クロツグミ等に出会えた。また、楽しい群馬県の鳥見鳥撮り情報をたくさん頂いて、帰宅の途中に伊香保森林公園のシダの池へ寄ってみたらと勧められた。

<今日観察出来たもの>花/ヒゴスミレ、ヒナスミレ(写真上右)、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、シロバナエンレイソウ、カタクリ、ウスバサイシン、アブラチャン、ヤシオツヅジ等。蝶/ヒメギフチョウ(写真下左)、アカタテハ、ルリタテハ、シータテハ、スジボソヤマキチョウ、スギタニルリシジミ、コツバメ、ミヤマセセリ(写真下右)。昆虫/ビロードツリアブ。鳥/オオルリ、キビタキ、ノジコ、クロツグミ、センダイムシクイ、コガラ、シジュウカラ、ウグイス等。その他/カラマツの芽吹き(写真上左)。


5月2日、横浜市戸塚区舞岡公園

 明日からの新潟県六日町温泉にての療養を前にして、舞岡公園のコゲちゃんはどうしているだろうかと気になった。そこで天気は思わしくないが出かけてみた。しかし、雷鳴は轟き小雨もぱらつき、ついに巣穴のコゲちゃんには出会えなかった。そこで小谷戸の里の事務所で、「どうなりましたか?」と聞いてみると、どうやら卵を産んだようである。作業小屋の外壁には、大学野球アオゲラさんの撮った、行って来ますと飛び立つコゲちゃんと、それを見送る伴侶の写真が飾ってあった。本当に素晴らしい写真で、氏はずば抜けた才能の持主であると再認識するに至った。日限山のデジスコSおじさんが、「大学野球アオゲラさん以上の写真は撮れないと、みんなコゲちゃんを撮るのを止めてしまった」というのも頷ける。今日は天候が悪かったから、セリバヒエンソウやヒメシロコブゾウムシ等をほんの少し撮って帰宅した。

<今日観察出来たもの>花/セリバヒエンソウ(写真上左)、キリ、ヒメコウゾ、ヤマブキ、レンゲソウ、ツボスミレ、ケキツネノボタン、タガラシ、ムラサキケマン等。昆虫/ヒメシロコブゾウムシ(写真上右)、サキグロムシヒキ。鳥/ウグイス、アオサギ、ムクドリ等。


5月1日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 先月はまるで気が狂ったようにフィールドへ行ってしまって、とても疲れたし、これでは自然に親しむ及び良い写真を撮るという本来の目的もままならない。そこで今月からは良い按配にして行かなければならないなあと思い、まずは片目だけでも開けておこうと、朝食後の散歩がてらに茅ヶ崎公園へ行った。はじめは双眼鏡片手にバードウォッチング及び鳥撮りのつもりでいたが、見られる鳥は常連さんばかりで、聞いたことの無い囀りの鳥は梢高くで観察する事が出来ない。しかし、ふと雑木林の林床を見ると、なんとキンラン、ギンランがたくさん咲いているではないか。前回の大原みねみち公園にはフデリンドウがたくさんあったし、本当に侮るなかれの港北ニュータウンの公園である。そこで機材を変えて形良く切り取ってみた。5月のスタートとしては、まことに相応しい出発となったなあと微笑み、牛丼を食べて帰宅した。

<今日観察出来たもの>花/キンラン(写真上左)、ギンラン(写真上右)、クサイチゴ、ホウチャクソウ、シャガ、フジ、ツツジ等。蝶/ツマキチョウ、キチョウ。鳥/ツグミ、ムクドリ、ヒヨドリ、シジュウカラ、スズメ等。



2006年4月へ戻る