12月31日、横浜市緑区新治市民の森
大掃除が早く終ったので、新治市民の森に集うお仲間達に挨拶でもして来ようと家を出た。散策は昨日で終わりにしたので、手ぶらで野鳥のポイントまで行ってみるつもりであったが、根が貧乏性、せっかく来たのだからと、デジスコをセットして歩き始めた。ポイントへ到着すると新治に集う方々はもちろん、なんと舞岡公園のオールドボーイズの面々が、雑木林の茂みに隠れて野鳥が来るのを待っていた。皆さん、超お金持ちだから貧乏暇無しではないようだ。それとも家にいられると粗大ゴミだからと、奥様に放り出されたのかもしれない。肝心要の鳥の出は、大晦日のためか、風がかなり強くて気温が低いためか、芳しいとは言えなかった。それでも、これまで何度となく若隠居兄さんと遊んでくれたカワセミとジョウビタキの雌がいてほっとした。昨日に引き続いて、皆様、丸5年の長い間の御愛読、本当に有難う御座いました。
<今日観察出来たもの>鳥/カワセミ(写真上左)、ジョウビタキの雌(写真上右)、ルリビタキ、ミソサザイ、ホオジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、コサギ、ハシブトガラス、スズメ等。
12月30日、横浜市青葉区寺家ふるさと村
今日の散策で撮り納め、また、丸5年間続けて来た、この「つれづれ観察記」の最終最後の日となった。そんな訳でかなり期待し、また、気合も入っていたのだが、天気は晴れながらも風が物凄く強い。午前中はやや暖かい南よりの風だが、きっと、木枯らしピューピュー寒い季節風に変わるだろう。本格的な寒波がやって来たのだ。今日ははじめ早野の里へ行ったのだが、風が強くてお手上げで、回りが山で囲まれている寺家ふるさと村の居谷戸なら、きっと風が和らいでいる筈と転戦した。この予想は見事に当たって、風待ちをすればなんとか写真が撮れる程度であった。
散策を開始すると、ソシンロウバイが咲いていたが枯葉をつけているものが多く、また風でかなり揺れていた。これでは今日は貧果かもと予想されたので、ヤマグワの幼木に絡まった普通種たるヘクソ
カヅラの実を撮った。お次は葉痕を撮っておこうと見回すと、ゴンズイの幼木がかなり見られた。しかし、葉がまだ落ちたばかりで葉痕が緑色をしていたので、ヤマウルシの冬芽葉痕を撮影した。何故だか寺家ふるさと村にはヤマウルシが多い。私はかぶれた事がないのだが、図鑑を開くとかぶれるとあるから要注意である。
その後、池の周りを一回りしたが、ナンテンやソヨゴの実は風に揺れ、背の低いベニシタンの実を撮った。これでカメラの中になんとか3枚もの写真が納まったので、後一枚、もしここで撮れなかった、畑へ戻ってモンシロチョウの蛹を見つけようと思ったが、居谷戸の一番奥でクサギカメムシとクビキリギリスを見つけた。共に成虫で越冬する。以上、前述した今年最後、この「つれづれ観察記」の最後を飾るにはちょいと役不足かもしれないが、何とか今年も無事に30日まで続けられ、しかも4枚の写真が撮れたのだから大満足としよう。皆様、丸5年の長い間の御愛読、本当に有難う御座いました。
<今日観察出来たもの>花/ソシンロウバイ、オオイヌノフグリ等。蝶/ムラサキシジミ等。昆虫/クビキリギリス(写真上左)、クサギカメムシ等。その他/ベニシタンの仲間の実(写真上右)、ヘクソカヅラの実(写真下左)、ヤマウルシの冬芽(写真下右)、ゴンズイの冬芽、ソヨゴの実、スイカヅラの実、ナンテンの実等。
12月29日、東京都多摩市豊ヶ丘南公園
朝起きてみると雨は止んでいたが、道路はかなり濡れていて、せっかく洗車したばかりの小野路号を汚したくないので、しばらく出発するのは見合わせた。しかし、空はどんよりとしていて、なかなか路面が乾かない。結局、11時に出発となった。何処へ行こうかとさんざん考えたが、ヨシガモのヨシ坊に会いに行ったのに、トモエガモのトモちゃんに会いに行かないのもなんとなく釈然としない。そこで久しぶりに小田急線を越えて多摩市まで行った。時々、遠足に出かける癖のあるトモちゃんだから、いるかなあと心配したが、池の杭の上で昼寝をしていた。夜勤の疲労が溜まっているのだろう。これは待たされるかなあと思ったが、30分程で目覚めて活動を開始した。そこで様々な仕草をカメラの中に納める事が出来た。3年前はパトカーが来る位に鳥撮りマンで混雑したが、皆さん、もう飽きたらしくて来る方はほんの僅かだと地元の方が言っていた。
<今日観察出来たもの>鳥/トモエガモ(写真上)、オナガガモ、キンクロハジロ、カルガモ、マガモ、カワセミ等。
12月28日、横浜市港北区新吉田町
今年も残すところ今日も入れて後4日となった。明日は雨という事なので、フィールド散策も後2回位になるだろう。そして、丸5年間も続けて来たこの「つれづれ観察記」も無事に完となる。本人は左程疲れたとは思わないものの、この5年間に目に見えぬ疲労がかなり蓄積した筈である。来年は早々に手術入院。退院したら、のんびりと気ままに散策を再開するつもりでいる。
道端を散策して様々な生き物を観察し写真を撮る。これはあくまでも個人の楽しみ、生活を豊かにし健康増進にもプラスとなる筈のものである。このHPにアクセスしてくれる方々の為に、「つれづれ観察記」を更新しなければと、無理して出かけて行くものではなかろう。また、同好の趣味の方々を意識しての粘りと頑張りなんていうのも、実にくだらない事である。いつも微笑みと余裕のある散策及び写真撮影、これこそが
ウィークエンド・ナチュラリストの極意である。そんな原点にたち戻って、これからも末永く続けて行く事になるに違いない。
今日は何処へ行っても鳥撮り以外は無駄と思ったが、鳥の絵柄だけ満載するのも不本意なので、新吉田町へ行ってみた。丘の上の植木屋さんの畑へ行ってみると、ソシシンロウバイは花開き、ロウバイは蕾がかなり膨らんで来たし、シナマンサクの蕾は割れて黄色い花弁が顔をのぞかせていた。雑木林の縁では、まだコウヤボウキが咲いていて驚いた。また、草木の葉が落葉したから、今まで散策した時には気づかなかった様々な実が見られた。こんな所にサルトリイバラの実があったのといった具合である。そんな中で、まだしぶとく残っているトキリマメの実とその蔓が作り出す絵柄が、なんとなく鏡餅の御飾りに思えて慎重にシャッターを切った。道端からの自然観察及び写真撮影、本当に一度として同じ姿はないなあとほくそ笑んだ。
<今日観察出来たもの>花/コウヤボウキ、ベニバナボロギク、ハキダメギク、ノゲシ、ボケ、サザンカ、ツバキ、ソシンロウバイ、ニホンスイセン等。蝶/モンシロチョウの蛹等。キノコ/エノキタケ、ヒイロタケ等。その他/シナマンサクの蕾(写真上左)、トキリマメの実(写真上右)、イボタの実(写真下左)、ヒカンザクラの葉痕(写真下右)、ツルウメモドキの実、ヒヨドリジョウゴの実、アオツヅラフジの実、サルトリイバラの実、スイカヅラの実、ヘクソカヅラの実等。
12月25日、東京都大田区洗足池
一昨日の雨と昨日の風で、家の周りには面白いように落葉が溜まった。そこで30リットルのポリ袋を用意して掃除をした後、時間を見るとまだ10時、そこで片道210円の洗足池へ行った。噂によるとキクイタダキが出ているようで、到着するとすぐに4羽も出迎えてくれた。初めて見る鳥で、メジロを二回り程小さくした体である。成る程、日本一小さい鳥だわいとほくそ笑む。しかし、動きが素早く、曇り空だし、近くに来ると目の先3メートル、デジスコではお手上げである。手ぶれ防止付の300ミリクラスのレンズで、手持ち撮影ならなんとかなるだろう。そんな訳で、キクイタダキは諦めて、池にいるオナガガモやバンやカワセミを撮影した。ここは東京都大田区、なんとはなしにオナガカモもカワセミもバンもみんな美しく見えるのだから不思議である。これといったものは撮影出来なかったが、片道210円の洗足池に、また来てみようと思った。
<今日観察出来たもの>鳥/オナガガモ(写真上左)、バン(写真上右)、キクイタダキ、カワラヒワ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、ツグミ、ヒヨドリ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オナガガモ、カワセミ、ゴイサギ、スズメ等。
12月24日(午後)、神奈川県大和市泉の森公園
こんなに風が強くてはどうしょうもないと、池辺町を早々に切り上げて泉の森公園へ行った。ここなら丘に囲まれているから、風は幾分和らぐだろうと思ったのである。その予想は見事に当たって、デジスコでも鳥が撮れる位の風となっていた。池の方に降りて行くと、鳥撮りマンがたくさんいてカワセミを撮っていた。最近出がとても悪かったようだが、今日は午前中から出っぱなしの大サービスで、一眼レフの方々はカワセミの飛びを狙っていた。私も数枚カメラの中に収めた後に付近を散策したが、これといったものには出会わず、大好きなヨシガモのヨシ坊が杭に上って、羽づくろいを始めたので、これはラッキーと至近距離でばしばしシャッターを切った。その後、ふれあいの森まで行ってワカケホンセイインコを狙ったが、梢に10数羽もみられたものの、枝かぶりがあり背景も猥雑で、とうとうカメラの中に残す気にはなれなかった。
<今日観察出来たもの>鳥/ヨシガモ(写真上左)、ヒドリガモ(写真上右)、ホシハジロ、キンクロハジロ、オナガガモ、コガモ、マガモ、カルガモ、カイツブリ、カワセミ、カワラヒワ、ワカケホンセイインコ、ハクセキレイ、コサギ、ヒヨドリ等。
12月24日(午前)、横浜市都筑区池辺町
一昨日、とても面白かったので、まだ観察し残しているものがあるのではないか、また、散策し残している所もあるので、今日も池辺町へ行ってみた。しかし、雨の後の西高東低の冬型で季節風がとても強く、花や実等は風に揺れて撮影するどころではなかった。遠く丹沢や富士山を望むと、富士山が真っ白なのは当然だが、丹沢にも雪が着いていて驚いた。やはり冬なのである。そんな悪条件ながら、日溜りにムラサキツバメが羽を開いて日光浴をしていた。これはしめたとカメラに納めたが、なんと触覚の一部が折れて無くなっていた。そんなこんやで今日は惨敗となったが、樹木の葉痕なら何とか撮れそうなので、まずはニワトコの葉痕を撮った。他に何か面白いものはないかと探してみたら、畑に植栽されている樹木におどけた顔を発見した。種名(
*)はすぐに分かると思ったが、図鑑を開いてみても分からなかった。
<今日観察出来たもの>花/ボケ、ソシンロウバイ、サザンカ等。蝶/ムラサキツバメ等。昆虫/ハラビロカマキリの卵のう等。その他/ニワトコの冬芽葉痕(写真上左)、モミジバフウの葉痕
*(写真下左)、ボケの実、ニシキギの実、ネズミモチの実、イヌツゲの実、シオデの実、スイカヅラの実、ムラサキシキブの実、マユミの実等。
*知人がモミジバフウの葉痕と教えてくれました。落葉はカエデの仲間に見えました。
12月23日、横浜市緑区新治市民の森
久しぶりに昨日の夕方より雨が降り、朝まで降り続いた。農作物や草木にとっては恵みの雨となった事だろう。また、お湿りは風邪に対する特効薬でもあるから有り難い。午前中はどんよりとした曇り空だったので、コーナンにお正月を迎える為の品々を買いに行った。お昼近くになると青空が広がり、気温も高くなったので鳥撮りに出かけてみた。最初、茅ヶ崎公園へ寄ってみたが、最近、草刈がなされて鳥影はかなり薄くなり、恩田川の田んぼにも行ってみたものの、チョウゲンボウは今日もトラクターの運転席の屋根にはいなかった。そこで最後の望みをかけて新治市民の森へ行った。散策を開始すると電柱のワイヤーにカワラヒワが止っていた。河川敷に行けば普通な鳥だが、自宅近辺ではなかなか撮影出来ない野鳥である。そこでしっかりとカメラの中に収めると、野鳥のポイントまで足を運んだが、集った鳥撮りマンが嘆く程に鳥影は薄かった。
<今日観察出来たもの>鳥/カワラヒワ(写真上)、ジョウビタキ、アオジ、ミソサザイ、モズ、ハクセキレイ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、キジバト、ハシブトガラス、スズメ等。
12月22日、横浜市都筑区池辺町
今日は冬至、何処の家庭でもユズ湯に入るに違いない。厳密的には異なるらしいが、一般的には今日が昼の長さが一番短くなる日である。朝起きて外の様子を見に行くと、どんよりとしていて今にも雨が降り出しそうな曇り空であった。こんな日は自宅蟄居が一番良いのだが、明日は雨という事なので仕方なしに出かける事にした。しかし、雑木林周辺に出かけても、今日の天気と同じようなどんよりとした被写体しかないであろう。青空に抜くのならまだしも、鉛色の空に抜いたら絵にならない。そこで、今までほとんど散策した事の無い池辺町へ行ってみた。ここなら農家がかなり点在し、植木屋さんの畑もたくさんあるから、色鮮やかな被写体がきっとあるに違いないと思った訳である。
その予想は見事に当たって、ボケが美しく咲いていた。このボケは他のものと異なって11月頃から咲き出し、白やピンクの花が混ざって咲く。
いったいなんという品種のボケだろうと、ネットで調べてみると「東絞り」という品種に一番良く似ている。中国原産のボケは現在200品種ほどあるのだから、似たような品種も他に多い。今日は花だけではなく実もまだ残っていて、大きさこそ小さいがカリンや洋ナシに似ている。それも当然で、ボケはバラ科ナシ亜科ボケ属の落葉性低木なのである。ボケの花と実を撮ると、その横にナナカマドの実があり、また、赤く塗られた波板の塀にはアゲハの蛹がついていた。あっという間にカメラの中は曇天とは思えないカラフルな写真で賑やかとなった。最後に冬芽葉痕を撮ろうと隣接する東方公園に行き、まだ残るモミジの紅葉をバックに入れてトチノキの冬芽を明るく撮影した。その後、小雨がぱらつき始めて身体がとても冷えて来たので、すぐ近くにある横浜家のぎとぎとするラーメンを食べに行った。
<今日観察出来たもの>花/ボケ、ソシンロウバイ、サザンカ等。蝶/アゲハの蛹(写真上右)等。その他/トチノキの冬芽葉痕(写真上左)、ナナカマドの実(写真下左)、ボケの実(写真下右)、ニシキギの実、ネズミモチの実、イヌツゲの実、シオデの実、ヘクソカヅラの実、スイカヅラの実、ムラサキシキブの実、マユミの実等。
12月21日、東京都世田谷区砧公園
今日は電車で楽ちん鳥撮りに砧公園へ行った。電車とバスを乗り継いだから片道400円であった。まずはバードサンクチュアリを覗いて見た。すると対岸のクヌギの木の枝にノスリが止まっていた。ノスリは新治市民の森にも小野路町にも生息し、埼玉の田んぼへ行けば数多くお目にかかれるのだが、人の接近に非常に敏感で、なかなか撮影出来ない鳥である。ここは観察窓からなので、かなり近い距離であったが、なんと枝かぶりがひどくてシャッターを切る気にはなれなかった。また、オオタカが上空を旋回し、池の湿地にはアカハラ、シロハラも見られ、写真撮影はともかく、バードウォッチィングには最適な場所だと思った。また、広大な公園内を少し散策してみたが、小川の工事が行なわれている事もあってか、鳥影はとても少なかった。そこでバードサンクチュアリに戻って、ヒヨドリやオナガやシメを撮った。
<今日観察出来たもの>鳥/ヒヨドリ(写真上左)、オナガ(写真上右)、オオタカ、ノスリ、アカハラ、シロハラ、シメ、モズ、ハクセキレイ、シジュウカ、ハシブトガラス等。
12月19日(午後)、横浜市緑区恩田川
午後からは、またチョウゲンボウと遊ぼうと恩田川へ行った。しかし、お気に入りのトラクターの運転席の屋根には止っていなかった。一昨日もいなかったので、とうとうチョウゲンボウは他の場所に移動したようである。きっと、美味しい獲物であるバッタやカマキリがこの寒さでいなくなり、他のものを求めての移動であるに違いない。そんな訳で寂しさひとしおであったが、デジスコをセットして散策を開始した。今日はモズがやたらに多く目についたが、モズはさんざん紹介しているので、何か今まで紹介していない野鳥はいないかと恩田川を覗いて見ると、オオバン、イソシギ、ヒドリガモ、オナガガモ、コガモ、カルガモ等がいた。そこで、じっとしているコガモの雄を撮った。また、電柱の天辺にセグロカモメがいたので撮影した。セグロカモメは大型カモメの仲間では、かなり川を遡った場所でも見られると図鑑に書かれてあった。
<今日観察出来たもの>鳥/セグロカモメ(写真上左)、コガモの雄(写真上右)、モズ、ハクセキレイ、オオバン、イソシギ、オナガガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシブトガラス、スズメ等。
12月19日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園
もう何処へ行っても、これといったものには出会えないだろう。茅ヶ崎公園なら尚更そうだろう。しかし、しばらく行っていないから出かけてみよう。そんな軽い気持ちで行ってみた。まずは少し薄暗い谷間に入ってみると、乾燥で萎びてはいるがエノキタケとアラゲキクラゲが生えていた。この他は、これといったものが見当たらないので、1ヶ月前にも紹介した事のあるニシキギの実を撮った。1ヶ月経って葉は全て落ちたが、実は左程の変化が無い事に驚いた。同じニシキギ科のマユミもそうだが、かなり粘り強く実が残っている。何の為だろうなあと小首を傾げた。
その後、散策路に戻って、今日の貧果が予想されたので、また、来年はネズミ年であるから、ネズミモチの実を撮った。なんでネズミモチなんていう名がついているのだろう、実がネズミに似ているからかなと思って図鑑を開いて見ると、あんりゃまあ、実がネズ
ミの糞に似ているからそう名付けられたとある。ノウサギの糞なら知っているが、ネズミの糞なんて見たことが無い。そこで、ポケット版/学研の図鑑H「フィールド動物観察」を開いて見ると、成る程、ネズミの糞、殊にドブネズミの糞に一番似ていた。
ネズミモチの実で絵になるものは他にはないかなと探していたら、葉に銀紙のようなウラギンシジミが越冬していた。普通、ウラギンシジミは常緑樹の葉裏で越冬するのだが、何を間違ったのか葉の表側にへばりついていた。かなり試行錯誤を繰返して撮影したが、ネズミモチの葉の濃緑と白に近いウラギンシジミの羽の裏のコントラストの差があまりにもあり過ぎて、また、今一絵になる場所では無かったので、撮るには撮ったものの、ここでの紹介は止めにした。その後、エノキの根元で落ち葉捲りをして、今年もゴマダラチョウの幼虫を見つけて嬉しくなった。
<今日観察出来たもの>花/サザンカ等。蝶/ゴマダラチョウの幼虫(写真下右)、ウラギンシジミ等。キノコ/エノキタケ、アラゲキクラゲ等。その他/アジサイの冬芽葉痕(写真上左)、ニシキギの実(写真上右)、ネズモモチの実(写真下左)、ムラサキシキブの実、マユミの実等。
12月18日、東京都渋谷区明治神宮
去年の今頃は埼玉の秋ヶ瀬公園を中心に、毎週のように埼玉へ通ったものだが、冬鳥の飛来が少ない事、体調が思わしくない事、ガソリン代が高騰した事等で行く気が起きない。そんな訳で、近場の恩田川の田んぼや新治市民の森ばかりで、そろそろ違った場所へ行ってみようと、今日は片道370円の明治神宮へ行った。もっとも御苑を覗いて見たので、入苑料が別に500円かかった。御苑では、クロジ、アオジがたくさんいたが、今一絵にはならなかった。また、ヤマガラがご婦人の掌に乗ってピーナッツを食べていた。その他、期待したルリビタキがいたものの雄の若で、これまた今一絵にはならなかった。そこで今日は万事休すかなと思ったが、代々木駅近くの北池に行ってみたら、オシドリがかなり見られてほっとした。埼玉に冬鳥が満ち溢れるまで、これからも電車で楽ちん鳥撮りに行こうかなと、ほくそ笑んで代々木駅へ向った。
<今日観察出来たもの>鳥/オシドリ(写真上)、マガモ、キンクロハジロ、カルガモ、オオタカ、クロジ、アオジ、ルリビタキ、ジョウビタキ、カワセミ、ヤマガラ、シジュウカラ、コゲラ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、スズメ等。
12月17日、横浜市緑区新治市民の森
昨日は風がかなり強かったので、落ち葉がたくさん散らばっていて、まずは掃除をしなければならなくなった。また、お小遣いが減って来たので、年賀状を投函しがてら郵便局へ行ったら、かなりの混雑で、お金をおろすのにかなり待たされた。やはり師走である。そんな訳で午前中はかなり疲れたので、午後からはのんびりしようと新治市民の森へ行った。鳥が来れば儲けもの、鳥が来なければ日向ぼっこの健康森林浴。平日の新治市民の森は、数人の鳥撮りマンしかいないのだから、まさに別天地である。以前良く行った公園は人出が多く、賑やかな幼稚園の子供達、犬の散歩等で、のんびり出来ないばかりか子鳥達も寄りつかない。今日はアオジやシジュウカラやカワセミ等の常連さんばかりであったが、デジスコのシャツターを切れれば幸せなのだから、まあ健全で楽しい午後の一時となった事は言うまでも無い。
<今日観察出来たもの>鳥/アオジ(写真上左)、シジュウカラ(写真上右)、ルリビタキ、ジョウビタキ、カシラダカ、カワセミ、ヤマガラ、キセキレイ、コゲラ、ハシブトガラス、モズ、コサギ、ヒヨドリ、スズメ等。
12月16日、東京都町田市小野路町
今日は北風が強く、風によるブレが心配なデジスコによる野鳥撮影には最悪である。そこでジャコウアゲハの蛹「お菊さん」に会って来ようと、久しぶりに小野路町へ行ってみた。しかし、ジャコウアゲハの蛹の数は例年より極端に少なく、一つだけ見つけたが頭上遥か上にある小枝についていた。これは困ったなあと他のものを撮影して昼飯に行き、また戻って来ると、運が良いことに「森のきのこ」さんとばったり会った。そこで氏が見つけたジャコウアゲハの蛹の場所を案内して貰って、どうにかこうにか目的は達成出来た。森のきのこさん、有難うという訳である。
話は前後するが、今日の散策で一番の特筆観察事項は、まだアキアカネが日向ぼっこをしていた事である。しかも2匹もいたのだから驚いた。アキアカネは6月上旬に里山の水田等で羽化して、夏はご存知
のように高原や山地へ避暑に出かけ、秋になるとまた平地に戻って来る。ということは、今日観察したアキアカネは約半年間も生きていた事になるし、また、遠距離の往復飛行もこなしている事になる。極々普通に見られるアキアカネだが、かなり強靭な昆虫なのだと感嘆した。
今日は森のきのこさんのお陰でジャコウアゲハの蛹が無事に撮れた事だし、この風では鳥撮りは無理。そこで早々引き上げようと思ったのだが、もう少しパラエティーに富んだものをカメラの中に収めたいと思い、キノコ山に登ってTさん宅前を通り、美しい雑木林経由で車に戻る事にした。キノコ山では本当に粒の大きな美しいヤブムラサキの実や般若の様な顔のハリエンジュの葉痕を撮影した。また、閉じていたがリンドウを一輪見つけて嬉しくなった。その後、これといったものには出会えなかったが、深々と溜まった落ち葉を、かさかさと音を立てて蹴散らしながらの楽しい散策となった。
<今日観察出来たもの>花/リンドウ、ヤクシソウ等。蝶/ジャコウアゲハの蛹(写真上左)等。昆虫/アキアカネ、クロスジフユエダシャク、オオカマキリの卵のう、チョウセンカマキリの卵のう、ウスタビガの空繭及び卵等。その他/ノイバラの実(写真上右)、ヤブムラサキの実(写真下左)、ハリエンジュの葉痕(写真下右)、カラタチバナの実、ヘクソカヅラの実等。
12月15日、横浜市緑区長津田町
今日は12月の15日、年賀状はすべて書き上げたし、これで年内にやらなければならないことは無くなった。普通なら気分すっきりの筈だが、毎年の事として12月の中下旬は元気が出ない。日はとても短くなり寒さは一段と増して、ぐずついた天候や北風が強く吹く事もある。太陽の軌道は今が一番低いのだから、身体的及び精神的なバイオリズムが低調となるのも当然かもしれない。それに私には各種の身体の不調が加わっているのだから尚更だ。また、ガソリン代は上がりに上がって、軽自動車なのに満タンにすると3500円を越えるのだから嫌になる。なお更に、冬鳥の飛来が遅れていて、フィールドでは閑古鳥だけが高らかに囀っている。
そんな訳で、今日もガソリン代がかからない長津田町の(仮称)国道246号線の森へ行った。昨年、ここでウスタビガの空繭を観察しているので、
今年もあるのでは無いかと思った訳である。しかし、そんな思惑は見事に裏切られて、今日の散策は低調なものとなった。そこで、毎年ここの植木屋さんの畑で撮影している可愛らしい坊や顔のアキニレの葉痕を撮った。雑木林の中を覗いて見ると、クロスジフユエダシャクがひらひら舞っている。いつもなら静止するのをじっと待って撮影するのだが、今年はそんな気が起こらない。別段、美しいわけでは無く、季節の生き物暦の代表選手なのだが、かつてさんざん撮影しているのでパスという訳である。しからば他に何か被写体はないかと探してみるのだが、やっと萎び始めたガマズミの実を見つけた。その後、各種の実には遭遇するのだが、以前に紹介したものばかりである。しかし、民家のマンリョウの実が真赤に色付いて、しかも背景にモミジの落ち葉が散らばっていて、とても美しい写真となるのでシャッターを切った。
<今日観察出来たもの>花/ノゲシ、ボケ等。蝶/ムラサキシジミ等。昆虫/クロスジフユエダシャク、オオミノガの巣等。その他/アキニレの葉痕(写真上左)、ガマズミの実(写真上右)、マンリョウの実(写真下左)、オオムラサキシキブの実(写真下右)、ゴンズイの実、ヒヨドリジョウゴの実、カクレミノの実、サンシュユの実、ウメモドキの実、ネズミモチの実、シロヤマブキの実等。
12月14日(午後)、横浜市緑区恩田川
午後からは、一昨日今一歩の写真だったので、もう一度チョウゲンボウに挑戦しようと恩田川の田んぼへ行った。すると一昨日と同様に、小型トラクターの運転席の屋根に止っている。双眼鏡で見ると、まるで置物のようである。慎重にデジスコを組み上げ、気づかれないように近づいたが、今日もデジスコの2500ミリ位の焦点距離の所で飛立たれてしまった。一昨日のように、もう一羽いないかと付近に双眼鏡を向けてみたが何処にもいない。そこで仕方なく他の鳥を撮ろうと付近を散策したが、ジョウビタキの雌とモズの雄がいる位で、これといった野鳥はいなかった。しかも空に巨大な黒い雲が現われて、雨がぱらついて来た。西の空は気味が悪くなるような黒い雲の大スペクタクルで、きっと上空には寒気が侵入しているのだろうと予測出来た。その予想は当たって気温は急激に低くなり、チョウゲンボウどころか他の鳥たちの姿も消えた。
<今日観察出来たもの>鳥/チョウゲンボウ(写真上左)、ジョウビタキの雌(写真上右)、モズ、ハクセキレイ、アオサギ、オナガガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシブトガラス、スズメ等。
12月14日(午前)、横浜市緑区新治市民の森
以前、この観察記で記したと思うが、かつては、都筑区、緑区、青葉区も港北区であった。鶴見川中流域の全てが同じ区であった訳である。下流部は鶴見区で、上流部は町田市の南部である。このかつての広大な港北区において、もっとも自然が残っている所は新治市民の森である。最近、鳥撮りがメインとなって、一般撮影機材で旭谷戸方面を散策していないなあと思い、今日はペンタックスにタムロン90ミリマクロのお散歩機材で散策してみた。
まずは梅田川に沿って新治小学校裏へ行ってみた。ここにある畑の垣根は背の低いサンショウで、アゲハの蛹がついているのではないかと期待した訳である。この予想は見事に当たって二つの蛹を発見したが、小枝が込み入っていて絵にならないから撮影はパスした。その後、新治里山公園を過ぎて左の薄暗い谷間へ入って行くと、杉林の林床になにやら赤く光
っている実がある。近づいてみるとカラタチバナであった。更に、近在では希少種となりつつあるウバユリの実があって嬉しくなった。硬く厚い外皮が割れて、中から種子が今にも飛び出しそうであった。やっぱり新治市民の森は自然度が高いやとほくそ笑んで農道に戻り、土留めの波板に注視していたら、スジグロシロチョウの蛹を発見した。
更に谷戸奥へ足を進めると、旭谷戸で唯一残った谷戸田に出るが、ここの両サイドの小道は野の花の宝庫で、リュウノウギク、ヤクシソウ、ノハラアザミが咲いていた。町田市の小野路町や図師町まで行けばリュウノウギクは普通だが、久しぶりのご対面となった訳である。また、日溜りには、ルリタテハ、キタテハ、クロコノマチョウ、ムラサキシジミ、キチョウと、成虫で越冬するチョウ達が日向ぼっこに現われ、草むらにはツチイナゴやハネナガイナゴが見られた。
<今日観察出来たもの>花/リュウノウギク、ヤクシソウ、ノハラアザミ等。蝶/スジグロシロチョウの蛹(写真下左)、ルリタテハ、キタテハ、クロコノマチョウ、キチョウ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、アゲハの蛹等。昆虫/ツチイナゴ、ハネナガイナゴ、ナナホシテントウ等。その他/ウバユリの実(写真上左)、ネムノキの葉痕(写真上右)、イヌツゲの実(写真下右)、カラタチバナの実、アオツヅラフジの実、ムラサキシキブの実、ヘクソカヅラの実、マユミの実等。
12月12日(午後)、横浜市緑区恩田川
午後からは新治市民の森へ行くつもりであったが、なんとなく恩田川の田んぼが気になって寄り道してみると、いつものように小さなトラクターの運転席の屋根にチョウゲンボウが止っていた。トラクターが置かれている場所は、車や散歩する方々の道から離れていて、しかも田んぼの真ん中だから、チョウゲンボウのお気に入りの場所となった訳だが、それにしても何処のフィールドへ行っても、チョウゲンボウは人工物が好きである。こうなったら色々角度を変えて、なんとか絵にしてやろうという気になった。そこで三脚を低くして背景に人工物が入らないようにして撮影した。しばらくするとチョウゲンボウは飛び去ったが、もう一羽が鉄パイプの上にいたので、民家のモミジを背景にして撮影した。しかし、こちらの方が何故かヤラセ写真のようになってしまった。いずれにしても挑戦のしがいのある鳥が近くにいて、お楽しみが増えて大助かりである。
<今日観察出来たもの>鳥/チョウゲンボウ(写真上)、アオサギ、スズメ、ハシブトガラス等。
12月12日(午前)、横浜市鶴見区三ッ池公園
越冬している昆虫や各種樹木の冬芽葉痕等を除くと、本当に撮るものが無くなって来た。そんな事を考えていたら、ユリカモメを撮りたいなあという気になった。鳥撮りマンの多くは、ユリカモメ等の極々普通の鳥なんてパスという方が多い筈である。また、ユリカモメは都心の神田川や自宅近くの鶴見川でも見られ、野鳥観察を始める前はスズメやカラスと同じく一年中見られる留鳥だと思っていた。しかし、列記とした冬鳥なのである。春になると繁殖地であるカムチャッカ半島やシベリアへ渡るのだと図鑑に書かれてある。また、夏羽に変身して、顔がなんと焦茶色になるらしい。ずっと写真の様な羽以外は真っ白と思っていたのだからびっくりした。ユリカモメはわざわざ三ッ池公園へ行かなくとも、前述したように鶴見川にわんさかいるのだが、オシドリや珍しいカモが来てないかと期待したのだが、これといった鳥は見られなかった。
<今日観察出来たもの>鳥/ユリカモメ(写真上)、メジロ、ハクセキレイ、カワウ、マガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カルガモ、ヒヨドリ、ハシブトガラス等。
12月11日、横浜市港北区新吉田町
「サザンカ、サザンカ、咲いた道、焚き火だ焚き火だ、落ち葉焚き」の季節は、11月下旬頃から始まっているのだが、いよいよ最後のシーズンとなった。強い木枯らしが吹けば、葉はほとんど落ちるだろう。我が家も風が強く吹くと、どこからともなく落ち葉がやって来て掃除をせねばならなくなる。落ち葉だけなら風情もあるが、ビニール袋、お菓子の包み、煙草の吸殻等もやって来るから困ったものである。今日は朝食を済ませると、まずは外の掃除をせねばならなくなって、少しは遠くへ行かなければと思っていたのだが、またしても一昨日と同様に新吉田町へ行った。
まずは例によって爆生するエノキタケを見に行ったが、そろそろ終期のようで、また、雨が降らずに乾燥しているから、美味しそうだなあと感ずるには程遠い状況となっていた。他には生えていないかと竹薮近くの日陰の場所に行ってみると、エノキタケは生えてい
なかったが、ヒヨドリジョウゴの実がクリスマスツリーの飾りのようにたくさんあった。近づいて見ると、赤、緑、黄、黒、茶と、五色沼ならぬ五色の実があって笑ってしまった。他の木の実、草の実にも、こんなバラエティーに富む色合いの実があるのだろうか。
ヒヨドリジョウゴの実を無事に撮影すると、付近にヌルデの幼木がたくさん生えていた。そのは葉痕は馬の蹄につける蹄鉄のようで、何かの顔には見えないのだが、とても印象的な葉痕である。丘の上の畑に登って行くと、雑木林の縁で草刈がまったくなされないブシュがある。今まで気づかなかったのだが、回りの背の高い草が刈れ、また、外皮が破れて真赤な実が出て来たからか、ツルウメモドキの実がたくさんあるのを発見した。また、陽当りが良いので、生き残っているヤマトシジミが羽を開いて暖をとっていた。
<今日観察出来たもの>花/ベニバナボロギク、ハキダメギク、トキワハゼ、ノゲシ、ボケ、サザンカ、キク等。蝶/ヤマトシジミ、キアゲハの蛹等。虫/ナナホシテントウ等。キノコ/エノキタケ、アラゲキクラゲ等。その他/イボタの実(写真上左)、ツルウメモドキの実(写真上右)、ヒヨドリジョウゴの実(写真下左)、ヌルデの葉痕(写真下右)、アオツヅラフジの実、ヘクソカヅラの実等。
12月9日(午後)、横浜市緑区新治市民の森
午後からは安楽亭の焼肉ランチを食べて、心身の疲れを取り、新治市民の森へ行った。しかし、今日は日曜日で、ニコンから発売された57万円もするD3を試写する方々で賑わっていた。一人元気の無い方がいたが、こちらはキャノンのマークVを買ったのだが、初期不良で連写時のピントが合わないらしい。一度修理に出して戻って来たのだが、それでも直らないとの事である。やはり働くものを大切にしたニコンと、ちょとねと言いたくなる御手洗流キャノンの差が、歴然となったようである。そんな訳で、ごった返す方々の中には入らず一人静かに紅葉するモミジの前でカワセミを待った。モミジとカワセミは薬師池公園が有名だが、ここはカメラマンが多く、良いポジションが取れ良い機材を持っている方には敵わない。また、同じ絵柄を何十人もの方が撮影しているので、来年の作品展に出す気にもなれない。やはり写真は、オリジナリティーが大切である。
<今日観察出来たもの>鳥/カワセミ(写真上)、ヤマガラ、シジュウカラ、アオジ、ハクセキレイ、コゲラ、ハシブトガラス、スズメ等。
12月9日(午前)、横浜市港北区新吉田町
本当に心身ともに疲れが取れない。今日も寝坊となって、午前中は近場散策しかないと自宅を出た。何処にしようかと思ったが、5日に観察したエノキタケが気になって、またしても新吉田町へ行った。キノコは花の命より短いものが多いが、この時期は寒さが厳しく乾燥しているから生長が遅いのだろう、エノキタケはかなりスローペースで生長していた。こんな路傍に美味しいキノコが生えているなんて誰も気づかないから、また、前回より傘が開いているものが多いから、実に見事なエノキタケの群生となっていた。
エノキタケの観察が終ると、前回5日とは異なったコースで散策を開始した。畑に何故だか葉が完全に落ちて、もう大きくなる事も無く萎びる運命のイチヂクの実がたくさんついていた。どうして残してあるのだろう、観賞用かな、それとも野鳥達の為かなとも思ったが謎である。しかし、私にとっては良い被写体なの
で青空に抜いて撮影した。その後、やはり12月、これといった被写体には巡り会えず、とりあえず毎回一つづつ紹介しようと思っている冬芽葉痕を撮ろうと、クサギがたくさん生えている所へ行った。おどけたおじさんの葉痕がたくさんあって、背景が良いものを選んで撮影した。
更に散策を進めるとイチョウがたくさん植栽されている場所に出るが、落葉は既に始まっていて、ジョロウグモの網に引っかかっているもの等、たくさん絵になるような場面に出くわした。色々なイチョウの葉にカメラを向けたが、無難なところで妥協して、逆光に輝く可愛らしいものを素直に切り取った。雑木林の縁に足を進めると、何故だか蔓性植物がたくさん見られる場所に出るが、今日は良い按配にエビズルの黒い実が釣り下がっていたのでシャッターを切って車に戻った。
<今日観察出来たもの>花/ノゲシ、ボケ、キミガヨラン、サザンカ、キク等。虫/チャバネアオカメムシ、ハラビロカマキリの卵のう等。キノコ/エノキタケ等。その他/イチヂクの実(写真上左)、イチョウの黄葉(写真上右)、エビズルの実(写真下左)、クサギの葉痕(写真下右)、ナンテンの実、ノブドウの実等。
12月8日、横浜市港北区新羽町
整形外科に通って、やっと五十肩が良くなって来たと思ったら、持病の悪化で、新年早々手術入院となった。また、先だって人的トラブルに巻き込まれて、かなり疲れ果てた。それでも、何とか12月を乗り切って、この「つれづれ観察記」に“完”の一字が打てそうなのでほっとしている。贅沢は出来ぬとも珍鳥等の珍しい生き物が写せなくとも、病気もせずに毎日平穏無事な生活が、少なくとも丸3年位は続いて欲しいものである。
今日は午前中は通院日だったので、またしても近場の新羽町へ短時間だが出かけてみた。楽しみにしていたイヌビワがたくさん見られる場所へ行ってみたが、ほとんど実をつけていないのでがっかりした。他の木の実は豊作なのにどうしてなのだろう。その後、これといったものに出会えなかったが、植木屋さんの畑で特徴あるサネカズラの実を見つけた。しかし、絵
になる場所にあるものは太陽光線が良く当たるためかひび割れしていて、日陰の美しいものはどうカメラを向けても絵にならないので撮影を断念した。
そこで付近の民家の垣根のマサキの実を撮った。その格好から理解は容易いと思われるが、マユミと同じニシキギ科の樹木である。今でこそ生垣は貴重品だが、私の幼い頃はマサキの青々とした生垣に囲まれた民家がたくさんあった。雑木林では見られないので中国あたりが原産かなと思って図鑑を開いて見ると、北海道南部から日本全国の海岸近くに自生しているとある。生垣に適した刈り込みに強い樹木なのだが、その性質は海岸の過酷な気象条件によって培われた結果であろう。最後に、今日の新羽町散策の最大の目的たるチャンチンのたくさん生えている場所へ行った。チャンチンの可愛らしい葉痕が出迎えてくれた事は勿論だが、子供の頃、石鹸遊びをしたムクロジの実が萎びてはいるが観察出来て、とても嬉しくなった。
<今日観察出来たもの>花/ツワブキ、サザンカ、ボケ、キク等。蝶/キチョウ等。虫/ナナホシテントウ等。その他/カラスウリの実(写真上左)、ムクロジの実(写真上右)、マサキの実(写真下右)、チャンチンの葉痕(写真下左)、ゴンズイの実、クコの実、マユミの実、サネカヅラの実、センダンの葉痕等。
12月7日(午後)、横浜市緑区恩田川
午後からは鳥撮り仲間が集っている新治市民の森へ、デジスコを担いで再び行くのも良いかなとも思ったが、散策ローテーションから恩田川へ行った。もちろん目的はチョウゲンボウなのだが、いることはいたのだが、トラクターの運転席の屋根の上という按配で、一応シャッターは切ったものの、ここにUPする気になる写真は撮れなかった。そのままじっと待って何処か別の場所へ止ってくれるのを待つのが、野鳥を愛する人間のマナーで、その方が結局は良かったのだが、しびれを切らしてしまって、何処か別の所へ止ってよと一歩足を踏み出すと、飛立って遠くへ行ってしまった。その後、待てども探せどもチョウゲンボウの姿は無く、モズの雄やスズメを撮って終了となった。ここしばらくモズの雌ばかり撮っていたから、まあいいやとも思ったが、今度、チョウゲンボウに出会ったら、待てば海路の日和有りを実践しようと、反省した事は言うまでも無い。
<今日観察出来たもの>鳥/モズの雄(写真上左)、スズメ(写真上右)、チョウゲンボウ、タヒバリ、ハクセキレイ、コサギ、コガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシブトガラス等。
12月7日(午前)、横浜市緑区新治市民の森
今日はのんびりと散策つもりであったが、なんと2人の知人から電話が有り、約1時間も散策時間が少なくなってしまった。まったく人気者は辛いものである。また、野鳥のポイントも何だか気になって行って見ると、お仲間が来ていたので、これまた話し込んでしまった。まったく人気者は辛いものである。そんな訳で、4枚以上の写真を撮る予定でいたが、たったの2枚となってしまった。まあ、こんな事も長い散策人生にはあるものよと微笑んだ。今日は寒さがだいぶ進んだので、植栽されている栗畑の葉もみんな落ちただろうと思って行ってみたが、まだまだしぶとく小枝についているものが多かった。これからソシンロウバイやニホンズイセンが咲き出すまで花とはしばしのお別れ、越冬する昆虫の姿や各種樹木の冬芽葉痕の観察が中心となる。その初日と意気込んだが、ハラビロカマキリの卵のうとキュウイの葉痕のみとなってしまった。
<今日観察出来たもの>花/ノゲシ、サザンカ等。昆虫/ハラビロカマキリの卵のう(写真上左)、オオカマキリの卵のう、クロスジフユエダシャク等。その他/キュウイの葉痕(写真上左)、トキリマメの実、ムラサキシキブの実、ヘクソカヅラの実、マユミの実、サルトリイバラの実等。
12月5日、横浜市港北区新吉田町
昨日は、ほんのちょっと遠くへ行って、多くの鳥撮りマンの中で撮影した為か本当に疲れてしまって、夏休み以外は欠かさなかったブログ「光溢れるフィールド」の更新を忘れてしまった。今でこそ我が住む町はとても賑やかだが、ご幼少の頃は横浜の偉大なる田舎と言われていた。また、大学生活は信州の地方都市で過ごした為か、人込みが大の苦手となった。鳥の撮影は多くの方々が集合する事が多いので、そんな中で撮影するととても疲れてしまう。そこで今日はたっぷりと睡眠をとり、自宅から至近の新吉田町へ行った。
散策を開始すると貧果が予想されたので、まずはカキの畑へ行ってカキの葉痕を撮った。まるで微笑んでいるかのような人の顔に見えるので、かつて友人が「笑みちゃん」と名付けたのも頷ける。カキなら細い枝でも笑みちゃんに出会える訳だが、栄養条件の良
いひこばえに近い太い小枝の方が、やはりにっこり度が上だと思う。カキの葉痕を無事に撮り終えていつものコースを散策したが、これといった被写体には巡り合わない。今日は本当に万事休すかなと思ったら、雑木林の縁の歩道脇に切り倒されて置かれている丸太からエノキタケがたくさん出ていた。今まで他のフィールドでも探したが見つからなかったから、今年は不作かなと思っていたが、一昨日の雨で、俄然元気が出て来たのだろう。なお、エノキタケはその名の通りエノキから出るのが普通だが、置かれていた丸太はイイギリであった。
こうなると探し出す目が俄然冴えて来たのか、白っぽい実のノブドウをまずは見つけた。次に、黒い種子がまだ残っているトキリマメの実も見つけた。また、まだ咲き残っていたのと驚いたコウヤボウキの花も見つけた。これで、あっという間にカメラの中はとても賑やかになったので早々と車に戻った。
<今日観察出来たもの>花/コウヤボウキ、ベニバナボロギク、ノゲシ、ハキダメギク、ボケ、キク等。蝶/ヒメアカタテハ、ヤマトシジミ等。キノコ/エノキタケ仲間(写真上左)、ヒイロタケ等。その他/カキの葉痕(写真上右)、ノブドウの実(写真下左)、トキリマメの実(写真下右)、ムラサキシキブの実、マンリョウの実、マユミの実、ニシキギの実等。
12月4日(午後)、神奈川県相模原市相模川
シジュウカラガンは種類数の少ない図鑑には載っていない、なかなかお目にかかれない野鳥らしい。私の鳥友がさんざん撮影していて掲示板等にアップしているが、なんとなくガチョウの様で撮りに行く気が起きなかった。ガチョウは古代エジプト人が野生のガンを飼い馴らしたと言うことなので、ガチヨウに似ているのは当たり前だ。近場ではなかなか見られないガンやハクチョウやツルには左程の興味が湧かない。また、これらの大型の野鳥は雄大な風景の中にあってこそ絵になるとも思っているのだ。そこで夕陽に染まる水面とシジュウカラガンとの思いで、午後に行ったのだが、雲行きが悪くなって、とうとう鉛の様な色の空となってしまった。そんな訳で寒々しい最悪の写真となってしまったが、せっかく行ったのだから御紹介することにする。また、機会があって近くを通る事があったら寄ってみたいと思う。
<今日観察出来たもの>鳥/シジュウカラガン(写真上)、ヒドリガモ、カイツブリ、カワウ、オオバン、カワセミ、トビ等。
12月4日(午前)、東京都町田市薬師池公園
モミジの紅葉をバックにしたカワセミを、誰が名付けたのかモミカワと呼ぶらしい。ハスの花に止るカワセミをハスカワと言うのだから、その辺から来ているのだろう。私が鳥撮りを始めた頃は、鳥撮りマンは左程来なかったのだが、今年は異常なまでに大賑わいである。そんな訳で今年はパスとも思ったが、年中行事だから一度位は行ってみようと腰を上げた。実は昨日ゆっくり起床してから午後に行くつもりであったが、生憎の雨で今日となった訳である。モミカワは晴れだとコントラストが強すぎて良い写真が撮れない。曇り空が一番なのだが、今日は晴れとなった。そこで少し早起きをして現地に行ってみたが、もう5名程の方が見えていた。カワセミの出は左程良いとは思わなかったが、モミジの紅葉を映す水面に抜いて何とか撮影出来た。午後からは売店近くのモミジの枝に来るのは知っていたが、午後からはシジュウカラガンを撮りに行く事にした。
<今日観察出来たもの>鳥/カワセミ(写真上)、カルガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カワウ等。
12月2日(午後)、横浜市緑区恩田川
午後からは、チヨウゲンボウを狙って恩田川の田んぼへ行った。同所で11月24日にチョウゲンボウを撮影しているのだが、距離が遠かったり電線の上だったりして、何とか棒杭に止るものを撮りたいなあと思っていたのだ。しかし、今日はいつもの場所にチョウゲンボウの姿が無い。そこで恩田川を挟んで反対側の田んぼに行ってみた。するとチョウゲンボウがまた電線に止っていた。しばらく観察していると、電線から畑に降りてカマキリのようなものを捕らえて同じ場所に戻った。またしても電線チョウゲンボウとも思ったが、撮れない時の保険にとシャッターを切った。次に白い鉄製の柵に止ったが、こちらは近づきすぎて逃げられてしまった。その後、待てども探せどもチョウゲンボウの姿は無く、上空を2度程旋回しただけであった。そんな訳で、またしても再挑戦せねばならなくなったが、近くでチョウゲンボウと戯れる事が出来るのだから本当に幸せな事である。
<今日観察出来たもの>鳥/モズの雌(写真上左)、チョウゲンボウ(写真上右)、ジョウビタキの雌、コサギ、カルガモ、ハクセキレイ、ハシブトガラス、スズメ等。
12月2日(午前)、横浜市緑区三保町
昨日、この「つれづれ観察記」は今年一杯で終了と書いたら、複数の方から止めないでメールが届いた。本当に有り難い事である。しかし、決意は石のように固いから、今回は自分の思いを通らせてもらう事にしよう。そこで最後のご奉仕とばかりに、今日もフィールドへ出向いた。何処へ行こうかなあ、港北ニュータウンの「ささぶねの道」のモミジ谷の紅葉もさぞかし綺麗だろうなあとも思ったが、マメガキの可愛らしい実とオニグルミの羊顔の葉痕を撮りたくて、三保町へ行った。
車を三保市民の森の駐車場に停めると、いつもとは異なって引き返すが如くに歩き始めた。農家や民家や畑、雑木林の縁等、別段これといったボイントがある訳ではないのだが、だからこそ自然度の高いフィールドとは異なったものが観察出来て、とても面白いのだ。これこそ道端観察の奥義だわいと私自身は
思っている。各分野のマニアの方は珍しい物ばかりが優先で、極く極く普通なものや人工的植栽のもの等には興味を示さないものである。しかし、いざ写真の被写体となると、こういった道端のありふれたものでも、とても味わい深い写真が撮れるのである。例えばスズメでも、撮り方によっては本当に絵になるのだ。
そんな訳で、ほとんど平坦で危険の無い道をぶらぶら歩いたら、目的のマメガキの実とオニグルミの葉痕はもちろんの事、アオツヅラフジやヒヨドリジョウゴの実等、様々な被写体に巡り合えて、昼食までの2時間の間に、なんと10枚もの写真がカメラの中に納まった。マメガキは中国原産で、もちろん植栽ものだが、図鑑を開いて見ると、11月になって霜が降りる頃になると食べられると記されている。しかし、こんなに小さいといくら食べてもお腹は一杯になりそうも無く、可愛いなあと嘆息を上げて愛でてあげるのが一番のようである。
<今日観察出来たもの>花/ノハラアザミ、オオケタデ等。その他/マメガキの実(写真上左)、アオツヅラフジの実(写真上右)、オニグルミの冬芽(写真下左)、ヒヨドリジョウゴの実(写真下右)、サンシュユの実、ツルウメモドキの実、ナンテンの実、マユミの実、アオツヅラフジの実、サンショウの実、ドウダンツツジの実、クマヤナギの蕾、カラスザンショウの葉痕等。
12月1日(午後)、横浜市緑区新治市民の森
午後からは新しく購入した、カシオEXILIM、 EX-Z1080の試し撮りに、新治市民の森へ行った。今のカメラでも充分なのだが、感度をせめてISO200まで上げてもノイズの少ない写真が撮れたら良いなあと思っていたのだ。かなり割高な商品ばかりのデジスコ専門のD社のものはなるべく使わずに良いものはないかなあと思っていたら、コーワから上記カメラ用の接続金具が発売された。なんとD社のものに比べると半額の予算で済むので、大至急取り寄せてみた。今日試し撮りをした限りでは上々で、心がとても軽やかになった。最近の鳥撮りは連写してその中の良いものを拾うという撮影方法が主流らしいが、撮ったのではなく撮れちゃったといった感じで、私には馴染まない。EX-Z1080は、なんと1.5秒に1コマの信じられない程のろい単写であるが、これからのんびりと写真撮影して行くには、もってこいの機材だと微笑んだ。
<今日観察出来たもの>鳥/コサギ(写真上左)、ジョウビタキの雌(写真上右)、カワセミ、アオジ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、ハシブトガラス等。
12月1日(午前)、神奈川県川崎市麻生区早野の里
今日より12月に入った。今月一杯で丸5年間も続けて来た、この「つれづれ観察記」は無事に終了する。思い起こせば5年前、キノコのHPを開設している方が、観察記をUPしてからアクセス数が急に多くなったと言うので、早速始めてみた。アクセス数は視聴率のようなものなので、その頃はとても気になっていたのだ。当初は3年で終了と思っていたが、ご婦人方の止めないでコールに抗せず続けてしまった。更に翌年の秋、4年で終了しようと思ったら、寺家ふるさと村に出没するHドクターが、切りの良い5年は続けなければとい言うので、それもそうだなあと思い続けてしまった。しかし、誰がなんと言おうとも、今度は完全に終了する。
この観察記を丸5年続けて、もちろん良いこともたくさんあった。しかし、サービス精神旺盛な私は、観察記の為に、なるべく足繁くフィールドへ出向
いて写真を撮影しようという日々が続いた。この為に映画や展覧会や観光旅行等へも行かず、大好きな魚釣り等も控えるようになった。更に、写真が単調なポストカード的なものばかり撮るようになった。このHPの当初の目論見は、カメラ片手に身近な自然に親しむであった筈が、当の私がHPの為の写真ばかりを撮り、また、のんびりと自然に親しむ余裕をも失ったかのようであった。全く本末転倒なので、来年からは私にとっての良い写真と、たっぷり自然に親しむ方向へハンドルを切る事にした。
そんな訳で大切な12月の初日、今日は久しぶりに早野の里へ行った。気温はぐんぐん上がって散策日和となり、ここでは普通なヤブムラサキの実や植栽されているフユザクラを撮った。今月で観察記が終了し肩の荷がぐーんと楽になると思うとるんるん気分で、この時期としてはかなり多くの写真をカメラの中に収める事が出来た。
<今日観察出来たもの>花/フユザクラ(写真上左)、ノハラアザミ、キダチダリア、キク等。蝶/キタテハ等。虫/マルハナバチの仲間(写真上右)、クロスジフユエダシャク等。その他/ヤブムラサキの実(写真下左)、サルトリイバラの実(写真下右)、ムラサキシキブの実、トキリマメの実、ナンテンの実、マユミの実、スイカヅラの実等。