2005年:つれづれ観察記

(2月)


2月27日、埼玉県(仮称)ミヤマホオジロの森

 今日は風も無くとても穏やかな天候と言う事で、週に1回の埼玉県野鳥巡りの日にあてた。午前中は(仮称)カヤクグリの里へ、午後は(仮称)ミヤマホオジロの森へという、20日と同じコースである。(仮称)カヤクグリの里で観察出来た野鳥は、前回とほとんど同じであったが、前回一羽も見られなかったベニマシコがなんと5羽もいた。しかし、ヤナギの芽を食べていて、すっきりとした絵柄とはならず、まことに残念であった。そんな訳で(仮称)カヤクグリの里でカメラに納めたもので、なんとかこの観察記で紹介しても良いかなと思えるものは、アトリとスズメだけとなった。そこで、今日の観察記は、午後に行った(仮称)ミヤマホオジロの森だけとした。
 今日もさすが埼玉、色々な野鳥に出会ったのだが、その前に記しておかなければならないのは、多くの知人友人との出会いである。今日はどうしても撮りたい鳥を探しに行った訳ではなく、のんびりと一人静かに作品作りでもしようと思っていたら、ここが埼玉と疑問符を打ちたくなる方々に出会ったのだ。横浜市栄区のTさん、泉の森で良く出会う綾瀬市のAさん、更に舞岡公園の名物田んぼ指導員のKさんまで、ほぼ一日中のご一緒となった。更に前回ご一緒した練馬区のご一行、秋ヶ瀬公園で出会った感じの良い鳥撮りのご夫婦、そして埼玉の花ちゃんにも出会った。まあまあ、そんな訳で、盆暮れ正月がいっぺんにやって来たという賑やかさであった。
 もちろん、(仮称)ミヤマホオジロの森では、ベニマシコ、ミヤマホオジロ、アトリ、ウソ、ヒガラ、ルリビタキ等はもちろんの事、なんとオオマシコやトラツグミにまで出会った。なんだか今日の穏やかで暖かい日を楽しむかのように、入れ替わり立ち代わり現われたのだから、時間はまるで「のぞみ」に乗ったかのように超特急で過ぎ去った。ことに圧巻だったのは、最後のお食事ですよとばかりに、これらの野鳥がそろってやって来た時である。あっちにミヤマホオジロ、こっちにオオマシコ、むこうにウソといった具合で、もうてんてこ舞いの忙しさとなった。こうなったら野鳥の種の識別やカメラの露出補正等にはいちいちかまってられなくなって、良い場所良い枝に止ったものをばんばん撮った。それはまるで、宝塚のレビューか常磐ハワイアンセンターのフラダンスか徳島の阿波踊りか、我が住む町である綱島の夏祭りかといった按配で、みんな綺麗どころばかりだから、目がちかちかする程のきらびやかさであった。
 以上、今日は知人友人に出会い心がくらくら、多くの野鳥に出会い目がくらくら、これだから埼玉県野鳥巡りは、止められない止らないカルビーのカッパえびせんなのである。

<今日観察出来たもの>鳥/オオマシコ(写真上左)、ウソの雌(写真上右)、ヒガラ(写真中左)、アトリの雄(写真中右)、ミヤマホオジロの雄(写真下左)、ミヤマホオジロの雌(写真下右)、コゲラ、シロハラ、トラツグミ、ルリビタキ、アオジ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、カケス等。


2月26日、東京都(仮称)クイナの里

 今日はゆっくり自宅静養のつもりでいたが、雑用をすませて時計を見ると、まだ午前10時半である。そこで、電車の中で寝ていれば到着してしまう(仮称)クイナの里へ行ってみた。お陰さまで今年もばんばん初撮りの鳥が増えて、もうこの辺でいいやという感じになって来た。後は大物のフクロウや身近だがなかなか撮れないホトトギス等を撮れば、一応、里山の野鳥は一件落着。後は作品として良い写真を気楽に撮ろうと思い始めている。しかし、クイナという里山の鳥が見られると聞いたので、これは是非撮っておきたいと思ったのである。クイナは非常に警戒心が強い鳥で、全身像を捕らえる事が難しいが、(仮称)クイナの里では容易く至近距離で撮れるらしい。その話は本当で、30分おき位に現われてくれた。行きも帰りも電車でうとうと、本当に落珍な電車鳥撮りが大好きとなったが、ルミックスFZ50を早く手に入れたくなった。

<今日観察出来たもの>鳥/タシギ(写真上左)、クイナ(写真上右)、トラツグミ、ツグミ、ムクドリ、モズ、ジョウビタキ、アオジ、セイタカシギ、キンクロハジロ、ホシハジロ、コサギ、アオサギ等。


2月25日、東京都(仮称)アカハラの森

 今日は昨日に比べると、かなり風は治まったものの、気温はとても低くなった。現地に到着すると、午前10時だというのに、日陰には雪が降ったのではと疑うほどの霜が降りていた。久しぶりの(仮称)アカハラの森だが、目的はアカハラではなくマヒワであった。しかし、日曜日の為か散策者が多く、マヒワは証拠写真程度にしか撮れなかった。もし良い写真が撮れていたら、もちろん(仮称)マヒワの森になる予定であったが、そう簡単には問屋は卸してくれないようである。
 この森に見られるアカハラは、オオアカハラであるとされている。アカハラは2亜種に分類されるらしい。千島列島の中部から北で繁殖するものをオオアカハラとし、それより以南で繁殖するものをアカハラと分けているのだ。オオアカハラは体色が濃くて身体も大きいとされているが、厳密な識別は、相当な野鳥専門家でないと無理のようである。他の生物の分類でも、このような微妙な変異によって、種、亜種、品種、変種等と分けているのをよく見かけるが、微妙な変異は生息する環境によってかなりあるのだから、無理に分ける必要はないのではないか。移動能力の乏しい生物ならば、いずれ品種や変種から亜種へ、やがて種へと変化する事だろうが、羽があって移動能力のすこぶる高い野鳥に関しては、果たしてどうなのかなと思ってしまう。種の識別に関しては、現在ではDNA鑑定をすれば一発で明らかになるのだが、人為的に交配して生まれる子供が生殖能力を持っているかどうかが最大のポイントとなろう。
 話は随分難しい方向に逸れてしまったが、アカハラは今日も度々現われて、きょとんとした表情を見ているだけでも心がなごんで来た。この他、ルリビタキの雄も現われ、今日の寒の戻りのように、冬鳥達の旅たちは、まだだいぶ先のようである。

<今日観察出来たもの>鳥/アカハラ(写真上)、ルリビタキの雄(写真下左)、シジュウカラ(写真下右)、ヒヨドリ、マヒワ、アオジ、ヤマガラ、メジロ、キンクロハジロ、ホシハジロ等。


2月24日、神奈川県大和市泉の森公園

 昨日はかなり雨が降った。この季節、雨の後は気温が下がり風が吹く、風が吹くと桶屋が儲かると言うが、カメラマンには貧乏風である。おまけに、すかっと青空が広がるかと思ったら、時折陽は差すものの、かなり寒々しい雲が低く浮かんでいる。きっと上空にはかなりの寒気が残っているのだろう。こんな日は、私が学生時代を送った信州なら、山から粉雪が吹き飛ばされて来る。
 そんな訳で、今日こそ青空をバックにカワズザクラをカメラの中に納めようと期待してやって来たのに、青空はほんのちょっぴりで、しかも、まだ二分咲き程度であった。東京の井の頭公園は満開のようなのだけど、いったいどうした事だろう。きっと、植栽されている場所が、地形的にあまり気温が上がらない所なのだろう。来週もう一度、カワズザクラに挑戦しなくてはならなくなった。それにひきかえ、雑木林の縁にあるアジサイは早くも芽吹いて、今日の寒さには不釣合いな美しい緑があちこちで見られた。また、池の周りに植栽されているサンシュユは、今が見頃撮り頃で、可愛らしい姿に、またまたカメラを向けた。
 午後からも風は治まる気配は無かったが、デジスコに変えて、大和駅近くまで歩いて行った。もちろん風があるから鳥の出は悪かったが、一羽のワカケホンセイインコが飛んで来て枝に止まった。これは頂きとデジスコを向けたが、どうにも絵にならない。何処か違う所に止ってよと、しばし待っていると付近にある巣箱に入ってしまった。しかし、顔を出してあたりをきょろきょろ見回していたので、シャツターを切った。しばらくすると顔を引っ込めて、再び顔を出す事はなかった。ワカケホンセイインコは篭脱けの鳥で、故郷はアフリカ中部以北からインドにかけてなのだが、困った事に、すっかり首都圏が気に入ったようである。

<今日観察出来たもの>花/カワズザクラ(写真上左)、サンシュユ(写真上右)、マンサク、ミツマタ、ウグイスカグラ、ウメ、ロウバイ、アブラナ、ツバキ、フキノトウ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ等。鳥/ワカケホンセイインコ(写真下左)、カケス、ヒヨドリ、ムクドリ、カワラヒワ、シジュウカラ、アオジ、エナガ、コガモ、コサギ、キジバト、カワウ等。その他/アジサイの芽吹き(写真下右)、コクサギの実等。


2月22日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは久しぶりに新治市民の森のハンノキ林の池まで、デジスコを担いで行ってみた。このところ(仮称)ミソサザイの里や(仮称)レンジャクの里ばかりに行っていたので、足が遠のいていたのだ。今日はこれといって撮りたい鳥があった訳ではないものの、普通に見られるものを美しく撮影出来れば良いかなと思った訳である。するとコサギが飛来して、枯れて途中で折れた木の幹の天辺に止った。コサギは身体が大きいからかなりバックして撮影したが、その結果、背後に雑木林が入って、少し感じの異なる絵柄となって、にんまりとした事は言うまでもない。野鳥撮影、しかも常連さんでも、止る場所や背景、ポーズ等で、様々なバリエーションに富んだ写真が撮れるんだなあと、新たなる天地が開けたようにも感じた。更に、池にはコガモが見られ、今年はまだ撮っていなかったので、こちらは図鑑的に撮影した。

<今日観察出来たもの>鳥/コサギ(写真上左)、コガモ(写真上右)、コゲラ、ジョウビタキ、アオジ、シジュウカラ、ヤマガラ、カルガモ等。


2月22日(午前)、横浜市港北区新吉田町

 いくら暖冬とはいえ、この時期、左程の変化はないだろう。他所で撮って紹介した花などが見られるだけに違いないとも思ったが、一週間ぶりに、隣町の新吉田町を散策してみた。
 車を停めて歩き出すと、オウバイが相変わらず咲き続けている。どんな花でもそうだが、盛期を過ぎると、その華やかさはかなり失われてしまう。ネコヤナギはもう咲いたかなと寄り道してみると、だいぶ綿毛が膨らんで来て、ほんのわずかだが雄しべらしきものが覗いている。恐らく後一週間程で花開く事だろう。それではボケはどうなっただろうかと期待したが、意外や意外、ちらりほらりと咲いているに過ぎなかった。しかし、陽の良く当たる雑木林と道が接する斜面には、早くもオオアラセイトウが薄紫の花をつけていた。また、ハナニラも前回より花の数が増して、野の花では、トウダイグサやタネツケバナが勢いを増していた。タネツケバは水田の雑草の代表格だが、苗代用の種籾を水に漬ける頃に満開となるので「種漬花」となった訳で、ということは、農家の稲作作業がもうじき始まるのだろう。
 その後、今日の目的とはいってはなんだが、植木屋さんの畑に、ジンチョウゲの花を見に行った。こちらも春の進み具合が気になるのか、ほんの少しだけ花開いているに過ぎなかった。各種の梅は満開を過ぎていたが、ジンチョウゲの花の匂いはせずに、梅の香りが漂って来た。あちこちに植栽されているユキヤナギは、数輪だが咲き始め、もう芽吹いても良い筈のアジサイが、まだ枯葉をつけたままだったので苦笑いを浮かべた。その他、今日の散策の特筆事項としては、日溜りでアカタテハが日光浴をしていた事だろう。このまま暖かい日が続けば、3月は入った途端、春が至る所に満ち溢れる事だろう。

<今日観察出来たもの>花/オオアラセイトウ(写真上左)、タネツケバナ(写真上右)、ユキヤナギ(写真下左)、カワズザクラ、ウメ、シナマンサク、ジンチョウゲ、ヒイラギナンテン、ボケ、オウバイ、ツバキ、フキノトウ、ハナニラ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ナズナ、ウグイスカグラ等。蝶/アカタテハ。昆虫/ナナホシテントウ、オオカマキリの卵のう等。その他/アジサイの冬芽(写真下右)、クズの葉痕、ネコヤナギの蕾、ニワトコの蕾等。


2月20日(午後)、埼玉県(仮称)ミヤマホオジロの森

 午後からは(仮称)カヤクグリの里から車で20分程の、(仮称)ミヤマホオジロの森へ行ってみた。ミヤマホオジロの出るポイントは、午後になると逆光になるし、ミヤマホオジロの雄の頭の黄色い部分が、しっとりと撮影出来るのは曇り日に限ると思ったからだ。ポイントに到着すると、即座にミヤマホオジロが出迎えてくれた。しかし、雌が多く、雄はいくぶん若いのか、去年に比べると黄色い部分の色が薄いようである。それでも、ここでしか簡単には撮れない鳥なので、ばしばしシャッターを切った。雄も雌も冠羽という名称の頭の天辺が逆立っていないと、この鳥らしくはないので、簡単だといえども、かなりの辛抱が必要である。この他、ウソ、ヤマガラ、シジュウカラ、シメ、メジロ、時折、可愛らしいまん丸目のルリビタキのお嬢さんがやって来て、本当に楽しい鳥見鳥撮りの時間は、あっと言う間に過ぎ去った。

<今日観察出来たもの>鳥/ミヤマホオジロの雄(写真上左)、ミヤマホオジロの雌(写真上右)、アカゲラ、コゲラ、シロハラ、ツグミ、ヒヨドリ、ウソ、ルリビタキ、アオジ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、メジロ、カケス等。


2月20日(午前)、埼玉県(仮称)カヤクグリの里

 天気予報では、気温が低いものの風も弱く一日中曇りらしい。このところ野鳥撮影というと晴れの日がほとんどで、午前中と夕方しか光線具合が良くなかった。そこで思い切って、埼玉県までプチ遠征を試みた。まずは(仮称)カヤクグリの里へ行ってみた。ターゲットは曇り日でこそ美しく撮れるベニマシコであったが、今年は数が少なく見ることが出来なかった。そこで、カヤクグリにターゲットを変えた。図鑑によると、カヤクグリは日本固有種で、亜高山から高山で繁殖し、冬は低山に下って越冬すると書かれている。だから、どちらかというと里山の鳥ではないのだが、多摩丘陵あたりでも見られる事もあるという。漢字で書くと「萱潜」だから、低木の枝にも止まったが、今日はあえて、枯れたブッシュの上に止るものを撮影した。それにしても(仮称)カヤクグリの里では人馴れしていて、90ミリマクロレンズでも撮れそうな所までやって来た。

<今日観察出来たもの>鳥/カヤクグリ(写真上)、アトリ、アオジ、スズメ、シジュウカラ、カシラダカ、シロハラ、カケス、ガビチョウ、クイナ等。


2月18日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 このところ写真撮影がずっと続いたので、カメラを持つのも見るのも嫌だと感じ、今日は完全休養日にしようと思っていた。このため、朝はいつもより遅く起き、雑用を済ませたが、まだ午前11時半、午後はどうしようかなと思ったが、寺家ふるさと村の四季の家で、グループ彩のメンバーである、ドクターHさんの写真展が開かれているのを思い出した。また、このところ昼食は、吉野家、すき屋、松屋等と続いたので、美味しい焼き魚定食が食べたくなった。寺家ふるさと村の近くに、少々値段が高いものの、美味しい焼き魚定食を食べさせてくれる蕎麦屋さんもある。と言う訳で、午後は寺家ふるさと村へ行ってみようと即座に決まった。
 ただ胃袋に流し込む牛丼等とは異なって、ゆっくりと味わいながら昼食をとってから、四季の家のドクターHさんの写真展を見に行った。ドクターHさんは、このところ木の実、草の実に凝っていたが、今回は、寺家ふるさと村で見られるスミレの写真が展示されていた。スミレ、コスミレ、ヒメスミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、ナガバノスミレサイシン、ノジスミレ、アカネスミレ、ツボスミレ、マルバスミレ、アリアケスミレ、アオイスミレ、アケボノスミレ。寺家ふるさと村で見られるスミレが、ほぼ全種類展示されていた。しかも、イメージ的に撮ったもの、図鑑的に撮ったもの、広角接写で風景的に撮ったものと、素晴らしい写真の数々であった。やっぱりスミレはいいなあと溜息をつくと、ことによったらアオイスミレが咲いているかもしれないと思い、今日は見るのも持つのも嫌だなあと感じていた筈のカメラ片手に探してみた。しかし、まだ、アオイスミレは咲いていなかった。しかし、ボケ、トサミズキ、マンサク、ウメ、サンシュユ等の早春の樹の花が出迎えてくれ、今日もまた写真を撮ってしまった。

<今日観察出来たもの>花/ボケ(写真上左)、トサミズキ(写真上右)、マンサク(写真下左)、ツバキ、サンシュユ、ウメ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、クロッカス等。その他/クサギの葉痕(写真下右)、トキリマメの実等。


2月18日、神奈川県(仮称)ミソサザイの里

 今日は一日中雨で、自宅静養の日かなと思ったら、正午を過ぎると西の空が明るくなって来た。こんな日は鳥撮りマンの出は少ないが、鳥の出はすこぶる良いから、(仮称)ミソサザイの里へ行ってみた。ミソサザイは渓流の鳥で、里山の鳥ではないと思っていたが、冬には多摩丘陵の各所で見られるし、秋ヶ瀬公園はもちろん、上野の山にもやって来るらしい。ミソサザイは日本で一番小さい鳥の部類に入り、とても敏捷でじっとしている事が少なく、デジスコ泣かせの野鳥である。人に聞いた話だが、身体が味噌のような焦げ茶色なので、そう名が付いたらしいが、図鑑を開いて見ると、「鷦鷯」と、なんともとても難しい漢字で書かれている。随分と長い期間、バーダーや鳥撮りマンを楽しませてくれたが、来週末に里山管理作業が予定されていて、もう見られなくなるかもしれない。そう思うと、ばんばんとシャッターを切った。

<今日観察出来たもの>鳥/ミソサザイ(写真上)、シジュウカラ、ヤマガラ、シロハラ、アオジ、スズメ、カケス、キセキレイ等。


2月17日、神奈川県大和市泉の森公園

 例年より一週間も早く、海沿いの伊豆半島や湘南地方では、カワズザクラ(河津桜)が咲いているらしい。薄紅色した美しい桜である。ネットで調べてみると、その名のごとく、原木は伊豆半島の河津町の飯田さんという方の庭にあるらしい。山の中に咲いているものを見つけて移植したらしく、オオシマザクラとヒカンザクラとの自然交雑品ではないかと考えられている。私が立ち回るフィールドでも、早咲きのカワズザクラは各所で植栽されるようになったが、中でも大和市にある泉の森公園の古民家周辺には、たくさん植えられている。
 そこで、ことによったらもう咲いているのではないかと思って出かけてみると、ぽつりぽつりと花開いていた。そんな訳で、賑やかで明るい写真を撮るつもりでいたのだが、曇り日で青空に抜けない事もあって、少し寒々しい写真となってしまった。きっと、来週末あたりが写真撮影には適期と思われるし、池には様々な種類のカモも浮かんでいるので、とっても楽しい散策ポイントとしてお勧めしたい。この他、古民家の庭にはミツマタが植栽されていて、こちらもやっと花が開いたばかりであった。また、花壇には、背の低いアブラナがびっしりと植えられ、雑木林との境の斜面にはフキノトウがたくさん見られた。
 雑木林の中に入ると、可愛らしいウグイスカグラが咲いていて、枯れた褐色の葉をつけたままのヤマコウバシが一際目立った。日当りの良い林縁にあるニワトコは芽吹きが始まり、まるでブロッコリーのような可愛らしい蕾をのぞかせていた。カルガモ、マガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、オナガガモ、ホシハジロ等が浮かぶ池へ降りて行くと、各所に植栽されたサンシュユの蕾が黄色く色づいて、こちらも来週末あたりが見頃のようである。

<今日観察出来たもの>花/ミツマタ(写真上左)、カワズザクラ(写真上右)、ウグイスカグラ(写真下左)、ニワトコの蕾(写真下右)、サンシュユ、ウメ、ロウバイ、アブラナ、ツバキ、フキノトウ、ヒメオドリコソウ等。鳥/カケス、ヒヨドリ、ムクドリ、シジュウカラ、アオジ、エナガ、ウソ、カルガモ、マガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、オナガガモ、ホシハジロ、オオバン、キジバト、カワウ等。その他/コクサギの実等。


2月16日、埼玉県(仮称)アトリの里

 三日前に、埼玉の鳥友からアトリの情報をいただいた。どちらかと言うとアトリは山の鳥だから、私のテリトリーである里山の鳥とは言いがたい。しかし、八王子あたりの多摩丘陵でも見られる時があると聞いていたので、行ってみる事にした。また、図鑑にはアトリ科というものがあって、その代表格たるアトリは是非撮っておきたいものだと思っていたのだ。ちなみにアトリ科には、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、ウソ、イカル、シメ等、著名な鳥が多い。現地に到着すると、幸いな事に鳥撮りマンとしてはすこぶる心の広いTさんに出会い、アトリのポイントまで連れてってもらった。すると、すぐに群れが飛来し、ばしばしシャッターを切った。しかし、常連さんによると、頭が真っ黒い成鳥雄を撮らなければ駄目だよと言われ、寒い中、かなり待って、やっとカメラの中に納める事が出来た。やっぱり成鳥雄は美しいなあと感嘆した事は、言うまでもない。

<今日観察出来たもの>鳥/アトリの雄(写真上左)、アトリの雌(写真上右)、カヤクグリ、アオジ、スズメ、シジュウカラ、ベニマシコ、カシラダカ、カケス、コガモ等。


2月15日、横浜市港北区新吉田町

 昨日は発達した低気圧が日本海を通り過ぎて、春一番が吹いた。今日は、その低気圧が北海道近辺で台風並みに発達する筈だから、西高東低の冬型に戻り、風が非常に強いと予想された。そんな訳で、遠くに行っても写真撮影どころではないなと判断し、至近距離の新吉田町へ行ってみた。昨日の春一番は花を散らす嵐でもあったらしく、梅の花はかなり散っていた。梅は桜に比べて花期は長いが、これから開花する豊後系の品種にとって変わる事だろう。
 こんな日はなんでも撮っておかないと、写真のカット数が上がらない。そこで、だいぶ銀色の綿毛が膨らんだネコヤナギを撮った。もうそろそろボケも咲いてもおかしくない筈と行ってみると、昨日の嵐と雨の為か、僅か一輪だけ咲いていた。しかし、明日はかなりの数の花が開くだろうと、蕾の状態から予想出来た。お次は、ジンチョウゲはどうかなと思ったが、意外や意外、ほんの少しだけ花開いていた。チンチョウゲは、どう撮ってもなかなか絵にし難い樹の花なのだが、来週あたりにまた挑戦して見る事にしよう。
 今日は風も非常に強いし、これではやはりギブアップかなと思った途端、なんと可愛らしいチャンチンの葉痕が笑っていた。「なんだ、新吉田町にもあったのか」と、とても愉快な気持ちになった。その後、ことによったらツクシも生えているかなと、畑の縁を丹念に探してみたら、背丈は短いものの、いっぱし胞子を飛ばしているツクシを発見した。こうなったらフキノトウも顔を出している筈と探してみたら、今が天ぷらに最高といった伸び具合のものがたくさん生えていた。しかし、このフキノトウも美しく撮るのは至難の業で、広角接写でも試みない限り、ただ撮りましたという写真となってしまう。最後に、路傍一面に咲いているとても清楚なコハコベを撮って、今日の散策は無事に終了となった。

<今日観察出来たもの>花/ネコヤナギ(写真上左)、ツクシ(写真上右)、コハコベ(写真下左)、ウメ、シナマンサク、ジンチョウゲ、ヒイラギナンテン、ボケ、オウバイ、ツバキ、フキノトウ、ハナニラ、オオアラセイトウ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ウグイスカグラ等。蝶/ムラサキシジミ、モンシロチョウの蛹等。昆虫/オオカマキリの卵のう等。その他/チャンチンの冬芽(写真下右)、ニワトコの蕾、トキリマメの実等。


2月12日、神奈川県大和市

 こう暖かい日が続くと冬鳥を撮る季節は去ったように感じられて、今一、鳥撮りに熱が入らない。しかし、ここしばらく花や冬芽等が続いたので、鳥でも撮ろうと気楽な気持ちで出かけてみた。今日は日曜日だから大変な人出で、野鳥カメラマンの数もかなり多かった。カラスとヒヨドリ以外なら、なんでもござれスタイルだから、とっても気が楽である。
 まずはオシドリが入ったと聞いていたので、大きな池へ行ってみたが、オシドリは、ほんの僅かな滞在で飛び去ってしまったらしく、がっかりした。それならば、まだこの観察記で紹介していない鳥ということで、オオバン、バン、カイツブリ、ヒドリガモに狙いを切り替えたが、オオバンとバンはお出ましが悪く、カイツブリは近くにやって来なかった。そこで多数見られたヒドリガモのみとなってしまった。写真のヒドリガモは、それ程似ていないが、正面から見るとペレストロイカを推進したロシアのゴルバチョフさんに似ている。ヒレンジャクはエリツィンさんに似ているから、日本に冬鳥として渡ってくる鳥の中には、かなりロシア風のものが見られる。繁殖地がシベリア等が多いから当然の事だろう。
 午後からは機材をデジスコに変えた。カモは身体が大きいから、どんな機材でも撮影が楽と思われがちだが、静止する事無く泳いでいるから、一眼レフでないとなかなか撮影が難しいのである。その点、小鳥は必ずや小枝等に止るし、顔を上下左右に動かすものの一瞬静止する時が必ずあり、そんな瞬間を待って何枚かデジスコのシャッターを切れば、鮮明なる画像が得られるのである。今日は日産自動車のゴーン社長のようなに、眼光鋭いいかつい顔のシメも現われて嬉しくなった。なお、シメはゴーンさんの故国のフランスにも生息しているとある。

<今日観察出来たもの>鳥/ヨシガモ(写真上左)、ヒドリガモ(写真上右)、ヤマガラ(写真下左)、シメ(写真下右)、カケス、ヒヨドリ、ムクドリ、ソウシチョウ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、エナガ、ウソ、マヒワ、カルガモ、マガモ、キンクロハジロ、オナガガモ、ホシハジロ、カイツブリ、オオバン、キジバト、コサギ、カワウ等。


2月11日、横浜市緑区新治市民の森

 今日で、このHPのアクセス数が20万を越えた。4年5ヶ月前に産声を上げ、ここまでようやく辿り着いた。なんとかアクセス数が20万まで、5年間は続けたいものだと思っていたが、前者は達成され、後者は7ヶ月後に達成される。「ようやったね、花虫さん」と、自分で自分を褒めてあげたいものだが、ここまで続けて来られたのは、もちろんアクセスしてくれた方々のお陰である。本当に皆様、有難う御座いました。
 そんな訳で、今日はカメラを持たずに感慨にふけようとも思っていたのだが、昨日、シキミの花が咲いていたので、手の届く場所に咲く新治市民の森へ行ってみた。しかし、残念ながらまだ全てが固い蕾で、一輪だに咲いていなかった。青葉区と緑区は隣同士の区なのに、おかしいなあと唖然とした。きっと谷戸奥は平均気温が低いのだろう。今日も気温がだいぶ高く、路傍の日溜りのオオイヌノフグリはたくさん花をつけている。もちろん、ホトケノザ、ナズナ、ヒメオドリコソウ、タネツケバナを含めた早春のクインテットは、美しいメロディーを奏でている。せちが無い世の中だから、一時でもこれらの花々に囲まれて、幸福気分を味わいたいものであるが、根が貧乏性だから足を早めた。
 今日は、横浜一の清流と称しても良かろうと思われる梅田川を下って行った。ちょっと下るとかなり広い河原の広場に出るが、そこにはカワヤナギ(?)の大木が数本見られ、どうした訳かクサボケがたくさん生えていた。今でこそクサボケは雑木林の縁の低木となっているが、子供の頃は、鶴見川の土手にたくさん見られたのだから、不思議がる事もないのかもしれない。ようやく蕾が膨らんで来て、花開いているものもあったが、まだまだ歪なものがほとんどであった。人間同様、無理に咲こうとしても、美しくは咲けないのである。

<今日観察出来たもの>花/シダレウメ(写真上左)、オオイヌノフグリ(写真上右)、クサボケの蕾(写真下右)、シナマンサク、ツバキ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、タネツケバナ、ナズナ、ノボロギク、ノゲシ、ニホンスイセン等。蝶/アゲハの蛹。昆虫/ナナホシテントウ、ハラビロカマキリの卵のう、ウスタビガの空繭等。その他/ガマズミの冬芽葉痕(写真下左)、オニグルミの冬芽葉痕等。


2月10日、横浜市青葉区元石川町

 あれ程までに熱中していた鳥撮りも、そろそろ飽きて来た。根っからの鳥撮りマンでも、鳥好きでもないのだろう。また、ご幼少の頃、家で飼っていた雄鶏に追いかけられて、つつかれた記憶もあるから、ずずずいーっと、野鳥の世界に浸り込めないのかもしれない。三つ子の魂百まで、今度、大学で心理学を専攻したというお友達に、その辺の事情を聞いてみなければならない。とは言うものの、こう暖かいと3月中旬位に錯覚するのだが、まだまだ2月の初旬、見るもの撮るものは左程多い訳ではない。一度足を運んだフィールドの状況は、それ程変わってはいない筈だから、何処へ行こうかと考えあぐんだ末、元石川町へ行って見る事にした。ここはハナモモの栽培地で、3月中旬には、ここが横浜市と錯覚する程の桃源郷となる。3月の「道端自然観察会」は、何処へ行くかはまだ未定だが、この素晴らしい桃源郷を、お仲間に一目でも見せてやりたいものである。
 車を停めて歩き始めると、民家の庭から道路に垂れ下がったオウバイは、目が覚めるような鮮やかな黄色で咲いている。反対側の植木屋さんの畑には、ヤブツバキに近い品種のツバキが、端正な格好で咲いている。これはこれは、今日は撮るものが一杯かなと期待して、丘の上へ登って行ったが、これといったものにはお目にかかれない。丘を下って日当りの良い斜面まで来ると、タチツボスミレが咲き出していて嬉しくなった。しかし、その後が続かない。これでは今日は駄目かなと思ったら、早くもモクレン科の常緑樹であるシキミが咲いていた。あたりを見回すと墓石が立っている。お墓には悪霊除けのシキミを植栽すると言われているが、少なくとも多摩丘陵では本当のようである。しかし、残念ながらかなりの高木で、その花を撮る事は出来なかった。

<今日観察出来たもの>花/ツバキ(写真上左)、オウバイ(写真上右)、ナズナ(写真下左)、シキミ、ボケ、ウメ、ロウバイ、カンツバキ、タチツボスミレ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ニホンスイセン等。その他/ニワトコの冬芽葉痕(写真下右)、ニワウルシの冬芽葉痕等。


2月9日、東京都調布市神代植物公園

 今日は2月の「道端自然観察会」として、お仲間と調布市にある「都立神代植物公園」へ、ウメとシナマンサクとフクジュソウとセツブンソウを見に行った。心配していた天気も、花を愛でる散策としては絶好で、誰一人遅刻する事無く、集合場所の正門前に午前10時半きっかりに笑顔で集った。今日の主目的であるセツブンソウとフクジュソウは、太陽が顔を出していないと花開かないのだから尚更だ。
 正門をくぐると、いつものように国会の牛歩戦術並みの歩く速度になった。人がたくさんやって来る前に、フクジュソウとセツブンソウを見に行こうと、愛の鞭を振るって、お仲間をせきたてた。目指すフクジュソウは、かなり背が伸びたものも見られたが、高さが10p以内の咲き始めのものがかなりあってほっとした。フクジュソウは花期が長く、すっかり茎が伸び葉が開いても咲いているのだが、やはり地面を割ってやっと出て来て咲きましたという風情は、写真のような状態のものだと思う。かなり前の神代植物公園のフクジュソウ園は、自然状態に近い感じで、その数もすこぶる多かったのだが、数年前から、いかにも植栽してますという感じになってしまったのは残念である。
 フクジュソウ園の近くにセツブンソウが植栽されている筈と思って、正門の案内所で場所を聞いて来なかったのだが、どうも違う場所に植栽されているようである。そう思っていたら、温厚な紳士である新百合ヶ丘のAさんが、通りがかった職員さんに聞いてくれた。セツブンソウはかなり離れた所で見られるらしく、脱兎の如くに、その場所へ行きたかったのだが、行く途中に、なかなか見られない樹木の冬芽葉痕が笑っていて、かなり足止めを食らった。それでもセツブンソウは可愛らしく迎えてくれた。セツブンソウを見るのは何年振りだろう。毎年のように栃木市の星野の自生地に行っていたのだが、しばらく遠のいていたのだ。有り難い事に自然植生に近い形の場所に植栽されていて、一同、歓声を上げてカメラを向けたのは言うまでも無い。
 これで今日の主目的は無事に達成され、言い出しっぺの私も、ほっと胸を撫で下ろした。売店で購入したカレーライスやおにぎりや焼きソバを食べ終わると、午後からは梅林に行った。私の好きな鹿児島紅は無かったものの、様々な品種の梅が咲いていてとても綺麗であった。そればかりでなく隣接する各種のマンサクが見頃で、ロウバイやソシンロウバも花期は終期だったが咲いていた。更に、サンシュユが早くも咲き出していたから嬉くなった。本当に久しぶりにやって来た神代植物公園だが、様々な樹木の冬芽葉痕も観察出来て、来年もまたこの時期に訪れてみたいと、みんなそう思ったに違いない。

<今日観察出来たもの>花/フクジュソウ(写真上左)、セツブンソウ(写真上右)、ダイアナというマンサクの園芸品種(写真中左)、サンシュユ(写真中右)、フユザクラ、ボケ、ウメ、ミツマタ、ロウバイ、ソシンロウバイ、マンサク、シナマンサク、ツバキ、カンツバキ、ニホンスイセン、クリスマスローズ、スノードロップ、ナズナ、ホトケノザ、ニホンスイセン等。昆虫/ウスタビガの空繭(写真下右)等。その他/フサザクラの冬芽葉痕(写真下左)、ネジキの冬芽葉痕等。


2月7日、埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園

 環8で埼玉県に入ると、レギュラーガソリンが、なんと1リットル119円である。横浜市内は1リットル226円だから、7円も安いということになる。本当に埼玉県は住みやすい所だ。だからか県民性も抜群で、人間の性格もとても穏やかである。そんな県民性は野鳥にも乗り移っているのか、秋ヶ瀬公園の野鳥達は、鳥見、鳥撮りに訪れた者達を歓迎してくれる。とても県鳥性が良いという訳である。
 今日も、もう何回も撮っているからパスしても良いのだが、ルリビタキの雌が現われて、わざわざ切り株の上で盛んにポーズをとる。これに負けじとルリビタキの雄が、枯れた太い枝の上で、これまた撮って下さいと盛んにポーズをとる。もちろん、以前、ルリビタキの好物であるミルワームをあげていたので、またくれるのではないかと期待して、おねだりしているのかもしれない。しかし、他所に比べると、とんでもなく人懐こい。神奈川県人は県民性があまり良くないのか、ルリビタキもこれ程までにはサービスが良くない。すなわち県鳥性が悪いのである。
 ガソリン代からとんでもなく横道に逸れてしまったが、今日は風が強くて、さすがの秋ヶ瀬公園も野鳥の姿は少なかったが、一羽だけヒレンジャクを観察する事が出来た。まだまだ、行動に落ち着きが無く、証拠写真程度なら撮ることは出来たが、感じの良い横枝等に止ってくれる事はなかった。それでも万が一を期待して、ヤドリギの見られる広場で、随分と待ち続けた。前述したように、ヒレンジャクこそ期待に応えてはくれなかったが、モズ、アカハラ、シメ、シジュウカラ等が入れ替わり立ち代り現われて、飽きる事無く時間は過ぎた。目的のものが例え撮れなくとも、普通種が美しく撮れるのだから、秋ヶ瀬公園通いは当分止められそうにない。

<今日観察出来たもの>鳥/シロハラ(写真上左)、モズの雌(写真上右)、ルリビタキの雄(写真下左)、ルリビタキの雌(写真下右)、ヒレンジャク、アオジ、カワラヒワ、シジュウカラ、アカゲラ、ツグミ、アカハラ、ウソ、ヒヨドリ、ムクドリ、キジバト、ハクセキレイ、メジロ等。


2月6日、神奈川県大和市

 今日は、気温が15度以上に上がると予想され、降り注ぐ太陽の光は、だいぶ春めいて来た。また、ワイヤーに止っているものとはいえ、先日、ヒレンジャクを撮ったので、今季の冬鳥の撮影は一応終了したかのような思いに捉われ、今一、撮影意欲が湧いて来ない。ベニマシコとか、コミミズクとかは、今季は撮っていないのだが、去年、さんざん撮ったから、今年はもういいかなとの思いもある。そんな訳で、雑用を済ませると、何かいるだろうといった軽い気分で、鳥撮りに出かけた。現地に到着すると、クロジが見られるという暗い森の中に行ってみた。クロジという野鳥は、自然度が高いフィールドなら、何処にでも生息しているのだが、いざ撮影となると陽の差さない暗い地面の上というのが通り相場だ。しかし、今日は運が良いのか、枯れた太い丸太の上にお出ましになって、思う存分撮影する事が出来た。

<今日観察出来たもの>蝶/キタテハ。鳥/クロジ(写真上左)、ソウシチョウ(写真上右)、カケス、ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、マヒワ、カルガモ、マガモ、キンクロハジロ、オナガガモ、ホシハジロ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オオバン、キジバト、コサギ、カワウ、キセキレイ等。


2月4日、川崎市麻生区早野の里

 昨日は節分だから、今日は立春という事になる。しかし、吹く風はとても冷たく、しかも、かなりの強風である。こんな日は写真撮影には最悪で、立春と言えども、今までとは変わったものを撮ろうとするとかなり難しい。今日は路傍に咲く野の花を中心に撮影しようと思ったのだが、風に揺られて、それどころでは無い。しかし、朝に比べれば、だんだん風も治まって来たのでほっとした。
 まずは、一昨日も撮影した紅梅にカメラを向けた。白梅はそれ程でもないのだが、紅梅が美しく咲いていると、ついカメラを向けたくなる。有名な「東風吹かば、匂いおこせよ梅の花、主なしとて春な忘れそ」の歌は、大宰府に流される菅原道真が、紅梅殿の梅に別れを告げた時に詠まれたと言われている。だから、きっと、咲いていたものは、紅梅であったに違いない。一口に紅梅と言っても、様々な園芸品種が作出されているのだが、私は黒々と赤いと称したくなる鹿児島紅という品種が好きである。しかし、栽培が難しいのか、見かける事が少ないのが残念だ。
 紅梅を撮影した後、何かないかなあと散策を続けたが、これといったものにはぶつからない。そこで丘の上まで行ってみたら、まだフユザクラが咲いていた。咲き始めたフユザクラをここで撮影したのは、去年の12月2日だから、なんと二ヶ月間も咲き続けていた事になる。ソメイヨシノ等の春の桜は、一斉に咲いて一斉に散るが、フユザクラは、ぽつりぽつりと咲いて、花期が非常に長いのだ。今までフユザクラは寂しげにまばらに咲く木だなあと思っていたのだが、これで納得した。以上、今日は、これといったものには出会わなかったものの、なんと梅と桜に出会えたのだから良しとしようと、苦笑いを浮かべた。

<今日観察出来たもの>花/フユザクラ(写真上左)、紅梅(写真上右)、ウメ、ロウバイ、ツバキ、オオイヌノフグリ、タネツケバナ、ナズナ、アブラナ、ニホンスイセン等。昆虫/オオカマキリの卵のう、ハラビロカマキリの卵のう等。その他/アブラチャン?の蕾(写真下左)、ハクモクレンの冬芽(写真下右)、ナガコガネグモの卵のう等。


2月3日(午後)、東京都(仮称)レンジャクの里

 午後からは、かなり遠いいが(仮称)レンジャクの里へ行ってみた。すると、だいぶ距離はあるものの、ヤドリギが生えている木の枝に、3羽止っていた。これでは水を飲みに来るのを待つしかないなと考え、二つの水場のうちの一つに陣取った。しかし、待てども待てども現われない。レンジャクを見に来た夫婦連れの方が、「さっき、あっちの水場に降りてましたよ、今行けば何処かに止っているかもしれませんよ」と言うではないか。駆けるように別の水場へ行ったが、既に飛び立ってヤドリギの実を啄ばんでいる。またまた、待てども待てども降りて来ない。今日は万事休すかなと思ったら、午後4時に降りて来てワイヤーに止った。それからはアングルを様々に変えて、ばんばんシャッターを切った。ワイヤーに止る絵柄は今一だが、それでも空抜けや枝被りより図鑑的には優秀なので、満足して家路に着いた事は言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>鳥/ヒレンジャク(写真上)、アカゲラ、ヒヨドリ、カシラダカ等。


2月3日(午前)、横浜市港北区新吉田町

 最近、埼玉の秋ヶ瀬公園へ遠征する時以外は、夜更かしをついしてしまって、起床時間がだいぶ遅くなっている。その為、車でわずか10分とかからない隣町の新吉田町は、手短な絶好の散策コースとなった。それに、まだ今一、紅梅や白梅の写真が良く撮れていないし、先週行った時は、シナマンサクが咲き始めの状態だったから、今日こそばっちりと思った訳である。
 そんな訳で、まずはシナマンサクを見に行ったが、先週と左程変わりない開花状況なのには驚いた。もっと縮れた細い花弁が伸びていると思ったのだが、相変わらず縮れた状況である。ことによったら、ここのシナマンサクは、花弁が縮れたままで咲き終わる品種なのかもしれない。来週の金曜日に「2月の道端自然観察会」として、お仲間と神代植物公園へ行く事になっているが、ここには様々なマンサクの品種が植栽されているから、気をつけて見る事にしよう。
 シナマンサクを無事にカメラの中に納めると、久しぶりに、丘の上の植木屋さんの畑へ行ってみた。そろそろジンチョウゲの花が開いているだろうと期待したのだが、開花はもう少し先のようである。そこで、アブラナの花でも咲いていないかと、丘を下って日曜菜園に降りて行ったが、これといった花はなく、畑の傍らに植えられているサンショウの葉痕を撮った。2月に入り、こう暖かい日が続くと、冬芽葉痕の季節もそろそろ終了かなとも思うのだが、やはり三つ子の魂は百までのようである。
 お次は今日の本命たる紅梅、白梅を見に行った。早いもので早咲きの紅梅の花は、萎びているものが多くなっていたものの、白梅は咲き初めでとても美しい。どのような花でも、満開の時はカメラでの絵作りは難しいもので、六分咲きの頃が一番新鮮で写欲を誘う。しかし、ここは植物園や梅林のように何本も植栽されている訳ではないので、今日も満足の行く梅の写真はお預けとなってしまった。もっとも、梅の花を美しく作品として撮影するのは、まことに至難の業なのである。何処かで書いたと思うが、今の季節は背景が茶褐色の場合が多く、青空に抜いてしか作画が難しいからかもしれない。
 それでも、まあ何とかこの観察記に載せても良いかなと思われる梅の花が撮れたので、後は気が楽になり歩みを早めた。すると、ニホンスイセンの園芸品種である房咲きのスイセンが、ひっそりと日陰に咲いていた。更に、このところの暖かい日が続いたためか、ネコヤナギが褐色のコートを脱ぎ始め、いよいよ開花が間近に迫っているようであった。野の花は相変わらず先週と代わりばえはしないものの、その花の数はかなり多くなっていた。

<今日観察出来たもの>花/ウメ(写真上左)、紅梅(写真上右)、スイセン(写真中左)、シナマンサク(写真中右)、オウバイ、ロウバイ、ボケ、ツバキ、オオイヌノフグリ、カタバミ、スズメノエンドウ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ等。その他/ネコヤナギの冬芽(写真下左)、サンショウの葉痕(写真下右)等。


2月1日、埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園

 昨晩、埼玉の鳥友からヒレンジャクが7羽も出て、撮り放題との情報を頂いた。そこで、疲れた身体に鞭打って、しかし、心だけは大きく膨らませて出かけてみた。ところが現地に到着すると、2羽に減っていた。それでも見られただけでもラッキーと頑張ったのだが、このところ雨が降らないから、水場はからからに渇いている。このため、ヒレンジャクは撮り易い場所には降りて来る事はなかった。空抜けや枝被り等の証拠写真なら撮り放題だったものの、優れた絵柄を期待しているから、一度もシャッターを切らなかった。それでも、何とか良い場所に止ってよと待ち続けたのだが、オオタカが上空を横切った時に飛び立ち、そのまま帰って来る事はなかった。
 相変わらず鳥の個体数も種数も多い秋ヶ瀬公園だが、目的のヒレンジャクに振られては、気分はげんなりである。そこで、一発大逆転を狙って、アリスイとトラツグミが見られる場所に移動した。午前中は一回だけ両種とも御出ましになったということだが、1時間半も待ち続けると、もしやヒレンジャクが舞い戻っているのではないかと気になりだした。このところ夕方に必ずアリスイが出るとの地元の方の言葉に未練が残ったものの、またしてもヒレンジャクが見られる場所に移動した。しかし、あれから舞い戻っては来ないと言う。そこで、ぐるっと一回りすると、ヤドリギのある広場に戻る事を繰返しながら、シメ、アカハラ、ヤマガラ、ルリビタキ等を撮った。しかし、絵柄が美しいものなら別だが、ただ撮っただけのものなら今季たくさん撮っているので、左程嬉しさが込み上げて来ない。しかし、帰り際にオナガの群れに出会って、会心の出来とは言えないまでも、撮影の難しいオナガをカメラの中に納める事が出来てほっとした。結局、ヒレンジャクは夕方になっても再び姿を現わさなかった。

<今日観察出来たもの>鳥/オナガ(写真上左)、アカハラ(写真上右)、シメ(写真下左)、ヤマガラ(写真下右)、ヒレンジャク、カケス、アオジ、カワラヒワ、シジュウカラ、オオタカ、アカゲラ、コゲラ、モズ、ルリビタキ、ツグミ、シロハラ、ウソ、ヒヨドリ、ムクドリ、キジバト、ハクセキレイ、メジロ、スズメ等。



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