(6月)
6月30日(午後)、横浜市都筑区鴨池公園
腹部の真っ青なハラビロトンボや美麗なルリボシカミキリも撮ったし、これで「終わり良ければ全て良し」やなと新治市民の森を後にした。今日は美味しいものを食べて、午前中だけで帰ろうやと安楽亭に寄った。もちろん1コインの焼肉ランチである。北海道のMH社が原因の嘘ばっかりの牛肉コロッケで、食に対する不安が広がっているが、安楽亭の1コインの焼肉ランチは、間違いなく牛肉のカルビである。すっかり解凍が終わった肉として出て来ないから、MH社のように雨を溜めた水で解凍している事もなかろう。もう毎週一回は食べ続けているのだが、飽きませんね焼肉は。
そんな訳でお腹が一杯、さあ帰ろうと車を走らせると、道端自然観察及び写真撮影に絶好の曇り空となっているではないか。そんな訳で、ちょっとだけよと通り道の鴨池公園へ寄って見た。かなり雨も降ったしキノコも出ているのではないかと思った訳だが、キノコのキの字も見当たらない。そこで池へ降りて行くと、コシアキトンボ、ショウジョウトンボが気持ち良さそうに飛んでいた。ショウジョウトンボは岸辺近くの枯れたアシの先端に止まって撮影に協力してくれるが、コシアキトンボは疲れを知らない子供のように飛んでばかりいる。そのうち疲れて止るだろうと思ったが、今日は元気一杯である。そこでイトトンボの仲間はいないかと、イトトンボ眼に視力のチャンネルを切り替えると、いましたアオモンイトトンボが。
このようにしていつものように「ちょとだけよ」が、「かなり長く」となってしまった。池の周りの小道にはワルナスビの花が咲き、ナワシロイチゴの実が真赤に熟していた。公園から外へ出ると、民家の塀からノウゼンカズラが美しく垂れ下がり、ムクゲのピンクの花も塀越しにみられた。また、誰が植えたか小道脇の花壇に、早くもヒマワリが微笑んでいた。
<今日観察出来たもの>花/ワルナスビ(写真上左)、ネジバナ、ホタルブクロ、ドクダミ、アジサイ、ノウゼンカズラ、ヒマワリ等。蝶/ヤマトシジミ(写真下左)、ツマグロヒョウモン、ベニシジミ、ムラサキシジミ等。昆虫/アオモンイトトンボ(写真下右)、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、トウキョウヒメハンミョウ、スグリゾウムシ等。その他/ナワシロイチゴの実(写真上右)、エゴノキの実等。
6月30日(午前)、横浜市緑区新治市民の森
今日で長かった6月は終了する。先月末に、これからはのんびりやろうと決意した筈だが、6月もまたまた爆走してしまった。しかし、多摩丘陵においての平地産ゼフィルスの数は、とても少なかった。また、観察会等で皆さんが、アカスジキンカメムシが見られないので寂しいと言っているが、アカスジキンカメムシばかりか、カメムシの仲間は本当に少なかった。
昆虫は時には異常発生し、また、極端に少なくなる事もある。特に異常に発生した年は、天敵やカビやウィルス等が物凄い勢いとなって、翌年は極端に見られる個体数が少なくなる場合が多い。かつてはキバラヘリカメムシがそうであった。しかし、いつの間にか回復して普通に見られるようになった。キバラヘリカメムシの例だと、普通に見られるまで回復するのに3年程かかったから、アカスジキンカメムシも恐らく再来年にならないと、身近に見られるようにまで回復しないかもしれない。多摩丘陵においての平地産ゼフィルスも、異常発生後の沈黙がいまだ続いていると思いたいが、開発が進んで緑地が島状に点在する昨今の状況では、果たして回復するのだろうかと心配になる。
今日は天気予報では馬鹿っ晴れ、6月は馬鹿ったれのようにフィールドへ足を運んだから、お休みにしようかなとも思ったのだが、昔から「終わり良ければ全て良し」というので出かけてみた。すると、見たい見たいと思っていたハラビロトンボの雄が、遊水池周辺でかなり見られて、とても嬉しくなった。また、池ぶち広場の木陰に積んであるやや朽ちた丸太に、なんと美麗なルリボシカミキリが3匹もいたのだから、益々嬉しくなった。そこでカメラの中はとても賑やかになったので、散策を中断して鳥撮りマンの集うポイントへ行って、鳥の情報交換に精を出した。
<今日観察出来たもの>花/ヤブカンゾウ(写真上左)、ドクダミ、オオキンケイギク、タチアオイ、アジサイ等。蝶/キチョウ、スジグロシロチョウ、ウラギンシジミ等。昆虫/ルリボシカミキリ(写真上右)、ハラビロトンボ(写真下左)、オオイシアブ(写真下右)、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、トウキョウヒメハンミョウ、コフキゾウムシ等。
6月28日(夕方)、神奈川県山北町東名高速鮎沢パーキングエリア
昼寝をたっぷりとってから、勿論、表富士グリーンキャンプ場で鳥撮りに挑戦したのだが、イカルはたくさん見られるものの、サクラの実を食べに来ていて、どうしてもすっきりとした写真が撮れない。アカハラやクロツグミもよそよそしい。そこで結局はノーシャッターに終わり、(仮称)クロツグミの森へ寄って見たが、ここもとても暗くなっていてお手上げであった。そこでツバメちゃんよもう一度とばかりに、帰宅の途中、鮎沢パーキングエリアへ再び寄り道した。朝は下り車線の、帰りは上り車線のパーキングエリアだからと期待した訳である。しかし、下り車線程の巣の数はなく、しかも、抱卵中のものがほとんどだったので、トイレの壁に設置された照明器具で休むツバメを撮影した。鮎沢まで降りて来ると、富士山の涼しさが嘘のように不快指数100%の蒸し暑さとなっていた。さぞかしツバメ君も激しい労働で疲れ果てたようで、かなりの長い時間休息していた。
<今日観察出来たもの>鳥/ツバメ(写真上右)等。
6月28日(午後)、静岡県富士宮市表富士グリーンキャンプ場
足柄サービスエリア内の緑地を散策して、かなり成果が上がり時間もとられたが、早朝に出発したから表富士の観察地には10時頃に着けそうである。少し前までは有料だった富士山スカイラインは無料となり、2000メートルを越える新五合目まで行けるのだから嬉しい限りだ。御殿場インターで降り、富士山に向ってどんどん標高を上げてゆくと、心地良い高原の涼気が車の窓から入って来た。道路に設置された温度計を見ると、摂氏22度と表示されている。静岡県側の表富士にも様々な観察ポイントがあるが、今日は水ヶ塚、西臼塚へ行ってみることにした。
予想した通り水ヶ塚のパーキングエリアには午前10時に到着した。今日は曇り日だから富士山はくっきりとは見えないが、それでも雄大な富士が眼前そびえている事は、時折途切れる雲の切れ間から散見された。水ヶ塚は今まで何回か散策した事があるもの、これといった成果は上がっていない。あまりにも公園化しているからか、また、回りの木々がウラジロモミが多くて、鬱蒼として暗い針葉樹林帯が多い事からなのだろうか。それでもなんとか、首のとても長いヒゲナガオトシブミやヤマキマダラヒカゲ、ヒメキマダラセセリに出合った。
そんな訳で、水ヶ塚はやはり期待出来ないので短時間で西臼塚へ行った。しかし、遊歩道入口に「熊出没注意」のとても目立つ立て札が立ててあったので、熊に襲われたら大変とすぐ傍の表富士グリーンキャンプ場へ行った。キャンプ場ならまさか熊は出ないだろうと思ったからだ。それでも、散策を開始すると目の前にシカの親子が現われてびっくりした。しかし、ウスヒラタケ、ウスタケがかなり生え、野鳥ではクロツグミ、アカハラ、イカルが見られ、蝶や昆虫こそ少なかったものの、かなり楽しい一時を過ごす事が出来た。
<今日観察出来たもの>花/ムラサキサギゴケ、ヤマボウシ、コゴメウツギ等。蝶/スジグロシロチョウ、ヒメキマダラセセリ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/ヤマトシリアゲ(写真下左)、イタドリハムシ(写真下右)、カシルリオトシブミ、キベリトゲトゲ、アオハムシダマシ、マルクビジョウカイ等。キノコ/ウスヒラタケ(写真上左)、ウスタケ(写真上右)、ミドリスギタケ等。鳥/クロツグミ、アカハラ、イカル、カッコウ、ホトトギス、ウグイス、キセキレイ、キジバト等。
6月28日(午前)、静岡県小山町東名高速足柄サービスエリア
今日は一日中曇り日、そこで毎週一回楽しみにしているプチ遠征となる富士山方面へ行く事に決めた。先週もそうだったが、6月半ば位より高原も若葉が青葉となって日差しを遮り、林の中は相当暗くなって野鳥撮影には不適となった。いよいよ草原や川原等を除くと、鳥撮りは秋までお休みにした方が良さそうである。それでも車の中には必ずデジスコを積んでいて、プチ遠征の時には、一時でも野鳥撮影を試みようと思っている。
とはいっても今日も野鳥の姿を捉えるのは難しそうなので、東名高速の鮎沢パーキングエリアで巣を造っているツバメを撮影しておこうと寄り道した。しかし、横に長い蛍光灯の上に巣を造っていたので撮影は諦めて、次の足柄サービスエリアへ行ってみたが、ここでは巣そのものが鮎沢よりもかなり少なく、人が多いから撮影は断念することとなった。こうなったら今日の本命場所の表富士へ直行とも思ったが、一般撮影機材で足柄サービスエリア内の緑地を散策してみることにした。
おそらく数ある高速道路のサービスエリアの中でも足柄は群を抜いて広い散策の緑地が整備されていて、カナウツギ、オトコヨウゾメ、ツリバナ等の樹木も植栽されていて、クヌギやコナラのミニ雑木林もある。そこには、季節にはなんと国蝶のオオムラサキも見られるのだから見逃せない。また、サービスエリアの建物の裏は日陰になっていて、各種キノコも見られるのだから素晴しい。今日はクヌギの樹液に、ヒカゲチョウ、ヨツボシケシキスイ、ヨツボシオオキスイが見られ、コナラの若い木々の幹には、シロスジカミキリの真新しい産卵痕がたくさんついていた。またキノコでは、かなり大きなイロガワリ?がかなり生えていた。そんな訳で、これからしばらくの間は、必ず立ち寄ってみなければならないなと痛感した。
<今日観察出来たもの>花/カナウツギ、ギボウシ、アジサイ等。蝶/ヒカゲチョウ(写真下左)、ヒョウモンチョウの仲間等。昆虫/マダラマルハヒロズコガの幼虫(写真上右)、クリアナアキゾウムシ(写真下右)、ヨツボシケシキスイ、ヨツボシオオキスイ、ヘビトンボ等。キノコ/イロガワリ?(写真上左)等。その他/ツリバナの実等。
6月27日、横浜市青葉区寺家ふるさと村
今日は寺家ふるさと村に於いて、“お暇がある方はご一緒に散策しましょう!”との主旨の散策会の初回である。自然が好き、生き物が好き、写真が好き、そんな人はかなりの数にのぼる。一人でもくもく精進するのもとっても楽しく素晴しいことではあるが、まあ、そんな固い事は言わずに同好の方が集ってみましょうよ!という事なのだ。初回だから地理不慣れな方もいるので、私がコース案内を引き受けた。
寺家ふるさと村はとても広いから、今日はほんの少ししか散策出来なかった。駐車場及びレストランのある四季の家から徒歩3分の昆虫横丁で、ほとんど時間を費やした。なにしろここだけで様々な昆虫が顔を出し、それを皆で観察し撮影するとなると、とても時間がかかるのだ。前回と同様に最近減少気味のオオチャバネセセリがかなりたくさん見られて、まずはほっとした。相変わらず美麗なアカガネサルハムシは随所で見られ、おたまじゃくしからようやくカエルとなったアマガエルの赤ちゃんもたくさんいた。そんなアマガエルを餌にするのか、ヤマカガシが見られたのは「ちょっとねー」と眉をしかめたが、それほど生き物達が豊富であるという証明である。
前回来た時には見られなかった寝ぼけ坊やのセマダラコガネ、小枝に擬態したナナフシモドキ、早くも顔を出したオンブバッタやツチイナゴの幼虫、大物ではセンノカミキリも見られた。こんな訳であっという間に昼となり、レストランに駆け込んだ。今日のランチは天丼であったが、他の方がオーダーした寺家野菜をふんだんに使った冷やし蕎麦や、なめこ蕎麦もとても美味しそうだった。レストランでは早くもかき氷を始めた様で、蒸し蒸しする戸外で、涼しそうに「氷」の旗がひらめいていた。次回は解散後に、これを食べようとほくそ笑んだ。
<今日観察出来たもの>花/オカトラノオ、アキノタムラソウ、ウツボグサ、ミヤコグサ、ノアザミ、ドクダミ、アジサイ等。蝶/メスグロヒョウモン、スジグロシロチョウ、サトキマダラヒカゲ、オオチャバネセセリ、キマダラセセリ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ムラサキシジミ等。昆虫/コガタスズメバチ?(写真上左)、ツチイナゴの幼虫(写真上右)、キベリトゲハムシ(写真下左)、カシルリオトシブミ(写真下右)、オジロアシナガゾウムシ、トホシオサゾウムシ、コフキゾウムシ、ゴマダラオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、センノカミキリ、マメコガネ、セマダラコガネ、ヤマイモハムシ、アカガネサルハムシ、ヒメカメノコテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、オオスズメバチ、カノコガ、ヤブキリ、ナナフシモドキ、オンブバッタの幼虫、ササキの幼虫、ヤマトフキバッタの幼虫、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ等。鳥/ガビチョウ、ホトトギス、カイツブリ、カルガモ等。その他/ヤマカガシ、アオダイショウ、ヤマアカガエル、アマガエル等。
6月25日、横浜市緑区横浜動物の森公園
昨日はとても成果が上がったが、雨の為にやむなく短時間の散策となってしまった。そこで今日は、新治市民の森のお隣にあたる横浜動物の森公園へ昨日の成果よ再びと行ってみた。しかし、昼前まで霧雨だが降ったり止んだりしていたのが影響してか、昨日の様な楽しさ一杯とはならなかった。それでも、やっと梅雨らしい天気の中を散策出来て、なんとなくほっとした。今にも雨が落ちて来そうな曇り空、そして湿気、やや低い気温、こんな天気こそ梅雨そのものなのだ。
散策を開始して雑木林の中のヒメジオンがびっしり生えている場所に至ると、何か蝶は来ていないかと眼を凝らしたが、ベニシジミがその葉で羽を閉じて静止しているのみであった。やはり蝶には、もう少し早く雨が上がって気温の上昇が必要であったようである。前回、前々回と、ミズイロオナガシジミを観察しているので、雑木林の下草に降りていないかと、これまた眼を凝らしたものの、下草の葉はまだ雨に濡れていた。それならばと、毎年この時期にたくさんのキノコが見られる森へ行ってみた。大きいものではカワリハツが生えていたが、絵になるようには撮れそうも無いので、雨で元気なアラゲキクラゲを撮った。
もうそろそろススキの葉にトリノフンダマシの仲間がいるかもしれないと、ススキの原に行ってみると、その幼態がかなり見られた。まばらで背の低いススキの原に踏み込むと、早くもジャノメチョウが飛び出して来たが、草むらに潜り込んで写真どころではない。しかし、もうすぐ7月なんだなあとの実感を新たにした。今日はそんな訳でこれといったものには出会わなかったが、畑にハタケチャダイゴケがたくさん見られた。また、こんな不調の時こそと、本当に久しぶりにセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシを撮った。
<今日観察出来たもの>花/ネジバナ、ホタルブクロ、オカトラノオ、アカツメクサ、ノアザミ、アカバナユウゲショウ、ツユクサ、ドクダミ、アジサイ、タチアオイ、ハルシャギク、ルドベキア、ヒマワリ、ムシトリナデシコ、オオキンケイギク等。蝶/ジャノメチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミ等。昆虫/アカマダラメイガ(写真下左)、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ(写真下右)、コフキゾウムシ、ヤマイモハムシ、アカガネサルハムシ、オオニジュウヤホシテントウ、ショウジョウトンボ、ヒメジンガサハムシ、オジロアシナガゾウムシ、ナガメ、クロオオアリ、ハラビロカマキリの幼虫、ササキリの幼虫等。キノコ/アラゲキクラゲ(写真上左)、ハタケチャダイゴケ(写真上右)、カワリハツ等。その他/ヒメコウゾの実、ウツギの実等。
6月24日、横浜市緑区新治市民の森
今日は曇り日で風も無く、道端自然観察及び写真撮影には最高である。こんな日を待っていたんですよと大いに期待して散策を開始した。しかし、ああ無常かな、11時を過ぎると雨が降って来て、楽しい散策は中止となった。そんな訳で、遊水池周辺、丘の上の栗林、満倉谷戸のみの散策となったが、新治市民の森は、野鳥観察には鎌立谷戸奥が最高だが、花虫撮るにはこの辺りが一番面白いのである。
まずは例によって遊水池をぐるっと回った。羽化したてのマユタテアカネが黄色で美しく、もう御出ましになったんですかと微笑んだ。時折、黒装束のハグロトンボが道を横切って行くが、後で梅田川にお邪魔しますからと見送った。枝が垂れ下がるエゴノキの葉には、直立不動、倒立不動のエゴツルクビオトシブミがたくさんいた。こんな格好をしている時は眠っているのか、触覚を伸ばしている個体が少ない。いつも期待を裏切らない遊水池を後にすると、丘の上の栗林に久しぶりに行った。途中、大きな捕虫網を持った熟年男性に出合って意気消沈したが、久しぶりにトラフシジミの夏型に出合ってほっとした。また、栗林の下にはノアザミが美しく咲いて、キアゲハがたくさん舞っていた。
お次は、これまた私のとても好きな満倉谷戸へと下りて行ったが、途中、ヒメコウゾの実が真赤に熟し、下草には久しぶりになるキクスイカミキリにも出会った。満倉谷戸入口では、ヤブジラミの実を吸っているアカスジカメムシがたくさん見られたが、幼虫が圧倒的に多かった。栗林の草原を歩き回ると、可愛らしいトウキョウヒメハンミョウがたくさん見られた。それではお次は、お約束通り梅田川のハグロトンボと歩き始めると雨が降り出して来た。ああ無常、それでもカメラの中は短時間にもかかわらず、賑やかさに満ちていた。
<今日観察出来たもの>花/ノアザミ(写真上左)、アカバナユウゲショウ、ツユクサ、イモカタバミ、ドクダミ、コムラサキ、アジサイ、トリトマ、タチアオイ、オオキンケイギク等。蝶/トラフシジミ(写真下右)、キアゲハ、ヒメアカタテハ、サトキマダラヒカゲ、キマダラセセリ、ツバメシジミ、ベニシジミ等。昆虫/アカスジカメムシ(写真下左)、コフキゾウムシ、カシルリオトシブミ、エゴツルクビオトシブミ、キクスイカミキリ、トウキョウヒメハンミョウ、オオニジュウヤホシテントウ、ハグロトンボ、マユタテアカネ等。その他/ヒメコウゾの実(写真上右)、ウツギの実等。
6月23日、横浜市青葉区寺家ふるさと村
昨日はシトシトピッチャン、とても良いお湿りであった。しかし、今日は朝から雲一つ無い快晴である。こんな時は行く所は決まっている。寺家ふるさと村の昆虫の小道である。午前10時に四季の家の駐車場に到着したが、熱中症が心配な陽気となると報道されていたので、車の数はかなり少ない。こんな日はかんかん照りの日向に愛車を停めて置くと、車内の撮影機材が大変な事になるかもしれないので、木陰の場所が空いていてほっとした。
カップラーメンではないが、散策を開始してたったの3分で、午前中は日陰の昆虫の小道に到着したのだからまことに有り難い。今日は昆虫ばかりで無く、アキノタムラソウやオカトラノオまで出迎えてくれた。しかし、まだ梅雨の真っ盛りなのに何故にアキノタムラソウなのであろう。漢字で書くと「秋田村草」で、やはり秋の字が入っている。花期は7月から11月と長く、確かに秋にも咲いているのだが、見頃はこれから1ヶ月間位だと思うのだが、まこと私には理解に苦しむ命名の一つである。まあ、そんな疑問はさて置き、このアキノタムラソウやオカトラノオは蝶達に大変好まれる花で、今日は首都圏では希少種となっているオオチャバネセセリが吸蜜に訪れていた。
寺家ふるさと村はとても広いが、今日は昆虫の小道がメインと考えていたので、何一つ見逃すことのない様にナメクジの速度で歩いていると、向こうから新百合ヶ丘のAさんがやって来た。また、オジロアシナガゾウムシを撮影していると、お元気奥様のユッキーにも出会った。まさに昆虫の小道は自然好きの方々の小道でもあるのだ。最後に、今日は今後の参考にとAさんと四季の家のレストランでランチを試食したが、千円とお高いものの、その値段に見合った美味しさであった事をご報告しておこう。
<今日観察出来たもの>花/オカトラノオ(写真上左)、アキノタムラソウ(写真上右)、ドクダミ、アジサイ等。蝶/オオチャバネセセリ(写真下右)、ウラゴマダラシジミ、メスグロヒョウモン、スジグロシロチョウ、サトキマダラヒカゲ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ(写真下左)、トホシオサゾウムシ、コフキゾウムシ、テントウムシ、カシルリオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、ジンガサハムシ、オオスズメバチ、ササキの幼虫、ヤマトフキバッタの幼虫、シオカラトンボ等。鳥/ガビチョウ、ホトトギス、カイツブリ、カルガモ等。その他/ヤマカガシ、アマガエル等。
6月20日(午後)、山梨県(仮称)コルリの森
高原だというのに日向はかなり暑いので、木陰に車を停めて昼寝をむさぼり、午後3時に(仮称)コルリの森へ2週間ぶりに行ってみた。今日はカメラマンが少ないのではと思ったが、5台程の車が止っていた。一応、ポイントへ降りて行ったが、ここだけは鳥影が少なくなった他所とは大違いで、休む暇なく各種の小鳥がやって来た。しかし、頭上を覆う葉は緑濃くなってシャッター速度が上がらない。また、どう撮っても前に撮った写真と同じ絵柄でしか撮影出来ないので、周辺を散策する事にした。小道回りにはハマナスのような大きなピンクの花のサンショウバラが各所に咲いている。しかし、囀りは聞えるものの鳥の姿を確認するまでには至らず、ポイント近くでオオルリが何べんも現われたので撮影した。5月入ってから繰返して来た同一場所周辺の高原散策も、いよいよ見直さなければいけない時期となったようである。
<今日観察出来たもの>鳥/オオルリの雄(写真上)、クロツグミ、キビタキ、センダイムシクイ、ミソサザイ、シジュウカラ等。
6月20日(午前)、山梨県山中湖村石割の湯
今日は前回の貧果に懲りて、石割の湯周辺での昆虫観察を中心に出かけた。それでも(仮称)クロツグミの森と三国峠下のパノラマ台には短時間だが寄ってみた。天気予報では一日中曇りの筈であったが、雲は多いものの生憎の晴れでがっかりした。最近の天気予報は本当に当たらない。(仮称)クロツグミの森ではキビタキが見られたが、昆虫の幼虫を嘴に咥えると何処かへ飛んで行った。やはり子育てが始まっているようである。パノラマ台ではコムクドリの群れが枯れ木に止っていたので期待したが、撮影出来たのはホオジロだけであった。また、遠くカラマツの天辺にカッコウが止ったが、証拠写真にしかならないので撮影は諦めた。それにしても、一面に広がる草原は清々しく、青空との対比が実に美しかった。そんな草原遠くに、鹿の親子が楽しそうに跳ね回り、長閑なキジの鳴き声も時折聞かれた。
そんな訳で午前11時になったにもかかわらず、撮影出来たのは前述した枯れ木の天辺で囀るホオジロだけの貧果で、本命の石割の湯に期待する事となった。駐車場に車を停めて、駐車場内の片隅に生えているイタドリを見回ると、早くもドロハマキチョッキリ、ウスアカオトシブミ、カシルリオトシブミが観察出来たが、何故かイタドリハムシは見られない。また、周辺の森では、カエルのような鳴き声のエゾハルゼミの大合唱がうるさい程である。林道に入ってすぐの所に切り出した丸太が積んであり、ゴマフカミキリやカラカネハナカミキリ、各種ゾウムシやナガタマムシの仲間が見られた。その後、今日の主目的であるハンショウヅルの咲いている所まで上っていったが、期待したギンイチモンジセセリやカメノコテントウは見られず寂しかったが、自宅周辺ではほとんど見られなくなったハンショウズルが出迎えてくれた。
<今日観察出来たもの>花/ハンショウヅル(写真上左)、ヤマオダマキ、フタリシズカ、サンショウバラ、コゴメウツギ、ミツバウツギ、ウツギ等。蝶/ウスバシロチョウ、ヒオドシチョウ、コミスジ、テングチョウ、ヒメウラナミジャノメ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ベニシジミ、ヒメキマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/エゾハルゼミの脱殻(写真上右)、ウスアカオトシブミ(写真下左)、ドロハマキチョツキリ(写真下右)、カシルリオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、ゴマフカミキリ等。鳥/カッコウ、ホトトギス等。
6月19日(午後)、東京都(仮称)コアジサシ河原
午後からは自宅に戻ろうかとも思ったが、次第に雲が厚くなり風も無くとても穏やかだ。そこで前々から撮ろう撮ろうと思っていたコアジサシを探しに車を走らせた。初め去年撮った場所に行ってみたが、数が少なく距離がとても遠い。そこで鳥友から情報を頂いていた場所に行ってみると、川原に鳥撮りカメラマンが固まっていた。素早くデジスコをセットして行ってみると、数え切れない程のコアジサシが飛んでいた。うかうかしていると頭目掛けて威嚇しにやって来るから大変である。また目の前でホバリングを繰返すから、一眼レフを持って来たら簡単に飛翔写真が撮れただろうと、ちょっぴり後悔した。それでもデジスコならではの図鑑的写真ならいくらでも撮れた。ただ眼を横切るように黒い鉢巻をしているので、眼が出るように撮るのが非常に難しい鳥だなあと苦笑した。
<今日観察出来たもの>鳥/コアジサシ(写真上)、コチドリ、ムクドリ等。
6月19日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園
昨日はセメント工事で久しぶりの肉体労働、本当に腰がだるくなるなあと実感した。今日はそんな事があったからではなくて、なんとなく何処へ行ってもつまらないなあと感じた。日帰りで長野県の戸隠高原まで鳥を撮りに行くというご婦人もいるという。まこと五十肩男には信じられないパワーと情熱である。
こんな時は近場でも散策してみるかと茅ヶ崎公園へ行ってみた。いつもならこの時期、様々なキノコが生えていてとても楽しいのだが、最も普通種たるニオイコベニタケさえ生えていない。何か下草の葉上に昆虫はいないかなあと探したら、早くも現われたトウキョウヒメハンミョウを見つけた。良い位置に静止していたので、いただきますと近づいたら逃げてしまった。いつも思う事だが、昆虫はどうして人の接近をいち早く感知するのかとても不思議である。それでも竹林にぽつかり空いた草原で、ササキリの幼虫をたくさん見つけた。ご亭主を亡くして悲嘆に明け暮れていたご婦人が、このササキリの幼虫に出合って、その可愛らしい姿での健気な生き様を眼にしてから、すっかり元気に立ち直ったという程のご婦人の友なのである。以上は私の勝手な作り話だが、ご婦人にとても人気が高い事だけは確かである。
他になにかいないかと、ふとエゴノキを見上げると、エゴノネコアシという名の小さなバナナの房の様な虫こぶがついていた。また、エゴツルクビオトシブミが作った揺籃がたくさんぶら下がっていた。これはしめた、エゴツルクビオトシブミがいるはずと丹念に探したら、まずは首の短い雌を見つけた。雌はどう見たってヒメクロオトシブミにしか見えない。そこで首の長い雄はいないかなあと更に探したら、いてくれたのでほっとした。それにしてもエゴノキ1本を一年中通して観察していても、様々な出会いがあるものだなあと改めて感じた。
<今日観察出来たもの>花/オニノヤガラ、ホタルブクロ、ドクダミ、ムラサキカタバミ、アジサイ等。蝶/キマダラヒカゲ、ヒカゲチヨウ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ルリシジミ、ヤマトシジミ等。昆虫/エゴツルクビオトシブミ(写真上左)、エゴツルクビオトシブミの揺籃(写真上右)、ササキリの幼虫(写真下左)、アシナガキンバエ(写真下右)、マダラアシゾウムシ、トウキョウヒメハンミョウ、ルリクビボソハムシ、マダラアシナガバエ、オオシオカラトンボ、コノシメトンボ、エゴノネコアシ等。その他/エゴノキの実等。
6月17日、神奈川県川崎市麻生区早野の里
昨日、寺家ふるさと村でウラナミアカシジミがたくさん見られたので、鶴見川を挟んだ反対側の早野の里でもたくさん見られるかもしれないと期待して出かけた。しかし、散策を開始すると、「花や虫を捕ってはいけません」と立て札が立っているのに、大きな捕虫網を持った熟年の男性が徘徊していて、しょっぱなからやる気が減退した。網で捕られてしまったらカメラで撮る蝶が少なくなるのは当然で、シャッターチャンスは減少するに決まっている。新治市民の森でも、このところ網を持った方々がたくさんやって来て、鳥もおびえるのか、その姿がめっきり減ったと言う。
そんな訳で今日は、ピーカン、極暑に加えての三重苦となった。更に期待したゼフィルスは全く見られず、他の蝶の姿も少ない。また、里山管理の方々によって下草が綺麗に刈られていて、様々な昆虫を葉上で見つける楽しさみもほとんど無くなった。もちろん、ノアザミ等の草花の姿もまったく見られない。三重苦どころか五重苦だなと苦笑いを浮かべた。ただ、鶴見川を挟んだだけの反対側の雑木林であっても、ゼフィルスの発生状況は同じではないのだと分かった事が、唯一の収穫かもしれない。言い換えてみると、様々なフィールドへ定期的にパトロールしてみる事の大切さを知ったという訳である。
以上、今日は被写体探しに本当に苦労する散策となって、写真を見れば分かるように、これといったものには出会えなかった。ただ、普通なら葉の上でちょこまか動いてなかなか撮影の難しいミツボシハマダラミバエが、かなり暗い日陰の葉上でおとなしくしていた。ストロボを使えば簡単に撮影出来るが、自然らしさが損なわれるので、キノコ撮影の要領で絞り込んでレリーズを使って低速シャッターで撮影した。
<今日観察出来たもの>花/オカタツナミソウ、オカトラノオ、ホタルブクロ、ノアザミ、ドクダミ、ツユクサ、アカバナユウゲショウ、ムラサキカタバミ、ムラサキシキブ、アジサイ、ザクロ等。蝶/アゲハ、キアゲハ、ルリシジミ、サトキマダラヒカゲ、ヒメキマダラセセリ等。昆虫/ミツボシハマダラミバエ(写真下左)、ホソツツタマムシ?(写真下右)、トホシテントウ等。キノコ/種名調べ中(写真上左)等。その他/ミスジマイマイ(写真上右)、ツリバナの実等。
6月16日、横浜市青葉区寺家ふるさと村
昨日の天気予報通り朝起きてみると、雲一つ無い青空が広がっていた。しかも、気温はぐんぐん上がって30度になるという。更に週間天気予報を見ると、来週の金曜日までお日様マークが見られるのだからうんざりする。例年ならシトシトピッチャンの梅雨の真っ盛りの筈だが、ことによったら今年は「平成の大飢饉」と歴史に残るかもしれない程の異常気象である。
今日はそろそろ野鳥を撮りたくなっていたので、多摩川にコアジサシをと思っていた。しかし、こんな天気に河原へ行ったら大変なことになるし、コアジサシのような白い鳥だと上手く撮るのは不可能である。そこで何処へ行こうかと大いに悩んだ。こんな日は日陰と相場は決まっているものの、小場所の日陰だと暗闇となってシャッター速度が上がらない。だから背後がかなり広い所の日陰という事になる。そんな事を考えていたら、寺家ふるさと村にぴったりの場所がある事を思い出した。しかも先日、寺家ふるさと村の仙人に聞いた話では、ウラナミアカシジミがかなり発生しているとの事であった。
寺家ふるさと村は何処かの市営公園とは異なって、いつでも車が何処かに無料で必ず停められるから有り難い。今日は四季の家の駐車場に車を停めて、谷戸奥に向って左手の農道へ歩みを進めた。ほんの3分も歩かぬうちに目的地に到着する。ここは午前中は必ず日陰で、むじな池まで丹念に下草の葉上に眼を落として行けば、それこそ多くの昆虫に出会える。だから最低でも2往復はして貰いたい。今日はなんと昨日の弘法山では1頭だに見られなかったウラナミアカシジミがかなり見られ、この他、美麗なアカガネサルハムシがたくさんいた。その後、寺家ふるさと村の各所の日陰に行ってみたが、何処でも必ずウラナミアカシジミを見つける事が出来た。
<今日観察出来たもの>花/ムラサキシキブ(写真上左)、ウツボグサ、オカトラノオ、ホタルブクロ、ノアザミ、ドクダミ、ナワシロイチゴ、アジサイ等。蝶/ウラナミアカシジミ(写真下左)、オオミドリシジミ、アカシジミ、ルリシジミ、ベニシジミ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ、テングチョウ等。昆虫/ゴマダラオトシブミ(写真下右)、ナガゴマフカミキリ、ヨツスジハナカミキリ、ジンガサハムシ、イチモンジカメノコハムシ、トホシテントウ、オオスズメバチ、ヨツボシホソバ等。キノコ/アラゲコベニチャワンタケ(写真上右)、ニオイコベニタケ、オサムシタケ等。鳥/ガビチョウ、ホトトギス、カイツブリ、カルガモ、アオサギ等。
6月15日、神奈川県秦野市権現山・弘法山
今日は待ちに待った「弘法山にゼフイルスを訪ねる会」である。心配された天気は、昨日の内にたくさん降って、雨は一日中降らないとの事でほっとした。「今日は一日中曇り日、道端自然観察及び写真撮影には最適だ」と喜んだのも束の間、弘法山に近づくにつれて真っ青な空が広がり、雪を被った富士山がとても美しく白い雲の上に顔を出していた。
集合場所に到着すると、虫とお話が出来るご婦人等は欠席のようだが、14名もの自然好きが集った。しかし、去年はゼフィルスがたくさん見られた駐車場上のクリの花には、ゼフィルスどころか蝶が1頭だに見られない。雨が明け方まで降っていたから、蝶達の目覚めも遅いんだろうと、雑木林の下草に目を移してゆっくりと権現山を目指した。いつものようにとても色合いの濃いシモツケが咲いている。期待したイチヤクソウはもう咲き終わっているようだ。途中、今日初めてのゼフィルスとなるミズイロオナガシジミが葉上に止っていたが、気温が上昇しているのか近づくとすぐに逃げてしまって、一同から溜息が漏れた。権現山まではこれといったものは見られなかったが、山頂には、とても人懐こいキアゲハやツマグロヒョウモン、そしてヒオドシチョウが出迎えてくれた。
昼食を済ませると少し引き返して弘法山へ行った。いつもなら何かしらのものと出会える登りの山道なのだが、これといったものには出会えない。山頂を越えて雑木林の中のぽっかりと空いた草原の様な所で、やっとアカシジミとミズイロオナガシジミに出会えた。駐車場に戻る途中のカラムシには、いつものように美麗なラミーカミキリが見られた。駐車場に戻ると暑さにばてばてで、めんようの里のレストランに飛び込んでアイスクリームをほうばった。今日は目的とするゼフィルスにはほとんど会えず、とても暑い日となったが、雨で中止になるよりは百倍も良かった。
<今日観察出来たもの>花/シモツケ(写真上左)、オニノヤガラ、ウツボグサ、オカトラノオ、ホタルブクロ、クサノオウ、キキョウソウ、ドクダミ、ナワシロイチゴ、アジサイ等。蝶/ヒオドシチョウ(写真上右)、ツマグロヒョウモン、メスグロヒヨウモン、イチモンジチョウ、オオミドリシジミ、アカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、コジャノメ、サトキマダラヒカゲ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ、モンキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、テングチョウ、キアゲハ、アゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ等。昆虫/マルウンカ(写真下左)、ラミーカミキリ(写真下右)、センノカミキリ、ヤハズカミキリ、ヒメヒゲナガカミキリ、ジンガサハムシ、イチモンジカメノコハムシ、トホシテントウ、トホシオサゾウムシ、ヒメクロオトシブミ、トンボエダシャク等。鳥/ガビチョウ、キビタキ、ホトトギス、シジュウカラ、ホオジロ、ヒヨドリ等。
6月14日、横浜市港北区新吉田町
今日は昼前から雨が降ると予報されていた。明日は待ちに待った「弘法山にゼフイルスを訪ねる会」だから、今日の内にたくさん降って、明日は雨が上がって欲しい。そんな思いを抱きながらも雨が降るのは午後からにしてねと願いつつ、腹ごなしに近場へ行ってみる事にした。アジサイが美しい獅子ヶ谷市民の森にしようか、久しぶりに茅ヶ崎公園にしようか等と迷ったが、フサスグリの実を撮りたくなって新吉田町へ行った。ばりばりのナチュラリストからしたら、植栽のフサスグリの実なんてと馬鹿にされそうだが、透き通った真赤な実はとても愛らしいのである。
樹木図鑑を開いて見ると、フサスグリはユキノシタ科と書かれている。私が知っているユキノシタ科の植物で、このような実をつけるものがあったかなあとの思いなので、なんとなく不思議である。ユキノシタ科の樹木は、なんといっても今が盛りのアジサイ、ちょっと前までこぼれんばかりに咲いていたウツギである。だから、前述したような思いに駆られるのも当然だろう。フサスグリは外来のものだが、長野県や山梨県には、在来のスグリが見られるとある。フサスグリのこの美しい赤い実は、生で食べたりジャムや果実酒に利用される。
フサスグリというと、その葉を食するこれまた可愛らしいスグリゾウムシを思い出すが、今日は一匹だに見つける事が出来なかった。しかし、刈らずに残されているコマツナに、たくさんのナガメが群っていた。可愛らしい幼虫からかなり生長した幼虫まで見られたものの、風が強くてすべてを撮れなかったのが残念である。また、雑木林の縁にはホタルブクロが垂れ下がり、やや盛期を終えたかのように見えるドクダミに代わって、水色が清々しいツユクサが咲いていた。また、羽化したばかりの鮮やかなキマダラセセリが、葉上で羽を開いて休息していた。
<今日観察出来たもの>花/ツユクサ(写真上左)、ホタルブクロ、アカバナユウゲショウ、カタバミ、ムラサキカタバミ、ドクダミ、ムシトリナデシコ、オオキンケイギク、ハルシャギク、アジサイ等。蝶/キマダラセセリ(写真下左)、ヒメアカタテハ、キタテハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ルリシジミ、ベニシジミ等。昆虫/ナガメ(写真下右)、ヒメクロオトシブミ、トンボエダシャク等。鳥/ガビチョウ、キジ、コジュケイ、シジュウカラ等。その他/フサスグリの実(写真上右)等。
6月13日、静岡県駿東郡小山町八重桐の池
最近左程面白いことが無いので、毎週一回の山梨県ないし静岡県の高原における道端自然観察は、人生においての唯一の楽しみとなっている。今日は午前中は前回とても楽しかった(仮称)クロツグミの森で過ごし、午後からは新規のフィールド開拓とばかりに、小山町の八重桐の池周辺を散策する事にした。(仮称)クロツグミの森へ到着すると雲一つ無い晴天で、森の中は陽が射す所は非常に明るく、日陰になる所は非常に暗いといった、コントラストがとてもはっきりとした様相を呈していた。こんな状況は写真撮影には最悪なのだが、それでもなんとかなるだろうと気楽に構えていたが、目的とする鳥が現われない。クロツグミやオオルリやキビタキらしき囀りが聞えて来るのだが頭上高くとても遠い。そんな訳で2時間も経過したのに、僅かにクロツグミの姿を日陰の枝に見たのみとなってしまった。
そこで、これは困ったとばかりに予定を早めて、小山町の八重桐の池へ行った。小山町と言えば「マサカリ担いだ金太郎、熊にまたがりお馬の稽古」の金太郎の古里である。その金太郎のお母さんの名は「八重桐」で、山奥にある農業用のため池を整備して公園化し、八重桐の池としたのである。車を駐車場に停めて外へ出ると、日差しは非常にきつく気温も高い。もしかしたらサンコウチョウがいるのではないかと期待した杉林では、遠くオオルリの囀りが賑やかである。それでも、ここでの鳥は期待出来ないなと諦め、一般撮影機材でほんの短時間だが散策してみた。端整な形のウリノキの花や久しぶりにカラフルなハンミョウを撮ったりして、夕方になればなんとかなるだろうと再び(仮称)クロツグミの森へ戻ったものの、日陰にクロツグミとキビタキが現われたが、シャッター速度が上がらず良い写真は撮れなかった。
<今日観察出来たもの>花/ウリノキ(写真上左)、ウツギ等。蝶/キチョウ、テングチョウ、ゴマダラチョウ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/ハンミョウ(写真下左)、種名調べ中(写真下右)、ミヤマカワトンボ、ヒラヤマシマバエ、カシルリオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、トホシオサゾウムシ等。鳥/オオルリ等。その他/サルトリイバラの実(写真上右)、モミジイチゴの実、アオダイショウ等。
6月11日(午後)、神奈川県(仮称)アオバズク鎮守の森
昼食は久しぶりに「かつ屋」に寄った。もちろんソースカツ丼の梅である。すると急に眠くなったので、野津田公園の駐車場で昼寝をしてから、東京都(仮称)アオバズク郷土の森へ行った。今日は二人のカメラマンがいたから容易くアオバズクが見られた。しかし、絵になる所には止っていない。午後は短時間で撮影を済ませて帰宅するつもりだったが、こうなったらと神奈川県(仮称)アオバズク郷土の森へ行った。しかし、6月3日に止っていた所と同じ場所に止っていたから、撮影する気にはなれなかった。そこで最後の望みとばかりに、神奈川県(仮称)アオバズク鎮守の森へ行った。すると至近距離にアオバズクがまん丸の眼を見開いてお待ちかねであった。デジスコでは余りにも近すぎたので、安価な300ミリのスームレンズで撮影した。しかし、ゴソゴソとやっていたら、やがて飛び去ってしまった。まこと近過ぎるのも困りものである
<今日観察出来たもの>鳥/眼を一杯開いたアオバズク(写真上左)、振り向いたアオバズク(写真上右)。
6月11日(午前)、東京都町田市小野路町
今日は午後から去年撮った所のアオバズクを見に行こうと思って、午前中は通り道の小野路町へ寄った。クリの花は満開で、ゼフィルスの季節だなあと実感する。そこで一昨年は踏みつける程にいたが、昨年はほとんど見られなかった美しい雑木林へ行ってみた。昨日降った雨は完全には乾いていないし空も曇っている。これならたくさんのゼフィルスに会える筈と期待して足を踏み入れたが、結局、ミズイロオナガシジミを2頭見ただけに終わった。しかも、あまり良い所には止っていないので、何処か良い所に止まってよとばかりに接近したら、茂みの中に飛び去られてしまった。小野路町には、まだまだたくさんのゼフィルスのポイントがあるのだが、時間もないし身体も疲れていたから、今年も小野路町は去年に引き続いてゼフィルスは不作だとばかりに、万松寺谷戸の日陰の小道へ行った。
時計を見ると早くも11時、まだノーシャッターである。そこで、なんでも撮らないと困った事になるとばかりに、見られるものは全て撮ってやろうと眼を向けた。すると、ツユクサにはトホシオサゾウムシ、ルリクビボソハムシ、アマチャヅルにはトホシテントウ、エビヅルにはアカガネサルハムシと、カメラの中は非常に賑やかになった。そこで万松寺谷戸奥の栗林まで行ってみる事にした。薄日だが天気も回復して来たので、草原にはベニシジミ、ツバメシジミ、モンキチョウ、ヒメアカタテハ等がヒメジオンに吸蜜していた。また、ジャコウアゲハの古びた雌も飛んでいた。栗林に到着すると期待したゼフィルスは見られなかったものの、美しいメスグロヒョウモンの雌に出合った。また、休耕田の畦に咲くノアザミにキアゲハが盛んに吸蜜していたので、これはラッキーとばかりに手持ちでばんばんシャツターを切った。
<今日観察出来たもの>花/ホタルブクロ、ドクダミ、イモカタバミ、ナワシロイチゴ、ムラサキシキブ、アジサイ等。蝶/キアゲハ(写真上左)、ジャコウアゲハ、メスグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、キマダラヒカゲ、ヒカゲチヨウ、ヒメウラナミジャノメ、モンキチョウ、スジグロシロチョウ、ミズイロオナガシジミ、ツバメシジミ、ルリシジミ、ベニシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/トホシオサゾウムシ(写真上右)、トホシテントウ(写真下左)、アカガネサルハムシ(写真下右)、ルリクビボソハムシ、カノコガ、ヤマトフキバッタの幼虫、ヒラヤマシマバエ、マダラアシナガバエ、ヤマサナエ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ等。鳥/ホトトギス、ガビチョウ等。
6月9日(午後)、横浜市緑区横浜動物の森公園
前述したように午後3時頃より雨という事なので、三保市民の森から車ですぐのコマツストアーで弁当を購入してぱくつくと、そこから至近距離の横浜動物の森公園へ行った。いつものように、住宅街の傍らの駐車禁止ではない広い道路に車を停めて散策を再開した。今日は健康のために仕方なく続けている昼寝を割愛した事は言うまでも無い。ここの住宅街の一角に、これまたかなり前から様々な花が植栽されている空き地がある。今日は、アジサイ、キンシバイ、ザクロ、スイセンノウ等が咲いていた。
公園内に入ると、前回見られたカノコガを撮ろうと湿地沿いの道を選んだ。早くも真赤になったショウジョウトンボを見つけたが、90ミリマクロだから簡単に逃げられてしまった。また、各所で美しいベニシジミが羽を開いていた。下草があまり見られない雑木林の明るい林床には、かなりの数のホタルブクロが咲いていた。しかし、この花を図鑑的でなくて情緒的に撮るのは本当に難しく、今日もまたまたパスという事になった。次にゼフィルスやーいとクヌギやコナラ主体の雑木林に行ってみたが、これといったものは見られなかった。そこでフィルム時代には写すのが勿体無いから写さなかった、赤い複眼と羽の紋様が印象的なヒラヤマシマバエを撮った。
更に別の雑木林のあまり日が射さない小道へ行ってみたら、やっとミズイロオナガシジミを観察する事が出来た。しかし、接近を気づかれて、これまたフェンスの向こうに飛び去られてしまった。最後にヤマグワではなくて正真正銘のクワの実を撮ろうと、ススキの原の方へ行ってみた。ここには大きくて美味しい実のなるクワがあって、付近の主婦の方が毎年取りにくるから困るのだが、それでも写真撮影分だけは残しておいてくれたらしくて、ほっとした。
<今日観察出来たもの>花/スイセンノウ(写真上左)、ホタルブクロ、ツユクサ、ドクダミ、ムラサキカタバミ、ナワシロイチゴ、ムラサキシキブ、ムシトリナデシコ、オオキンケイギク、キンシバイ、ビョウヤナギ、アジサイ、ザクロ等。蝶/ミズイロオナガシジミ、コジャノメ、スジグロシロチョウ、ベニシジミ、ダイミョウセセリ等。昆虫/アオカミキリモドキ(写真下左)、ヒラヤマシマバエ(写真下右)、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ヒメクロオトシブミ、クサギカメムシ、クヌギカメムシ、ホシアワフキ、ヤブキリの幼虫、ヒメギスの幼虫、トンボエダシヤク等。鳥/ホトトギス、アオゲラ、ウグイス等。その他/クワの実(写真上右)、ヤマグワの実、モミジイチゴの実等。
6月9日(午前)、横浜市緑区三保市民の森
待ちに待った曇り日、しかし、午後3時頃より雨が降ると予想されていた。10日程前に新治市民の森や寺家ふるさと村でサンコウチョウが撮影されている。三保市民の森の谷道は、小川に沿っているし北斜面の檜や杉の鬱蒼とした森が続いている。そこでもしかしたらサンコウチョウがいるかもしれないとの淡い期待も抱いていたのだが、残念な事にホイホイホイの囀りは聞えなかった。
私が道端自然観察を始めた頃だから19年も前から、三保市民の森の駐車場の反対側の畑の持主はとても花が好きらしく、毎年様々な花が植栽されている。今日は、ヒナゲシ、オオテンニンギク、ムシトリナデシコ、サンジャクバーベナが咲き乱れていた。かつてここで撮影したサンジャクバーベナに吸蜜するアゲハチョウの写真は、図鑑等にも使ってもらったし、今後ともなかなか撮れそうも無い傑作である。今日はオオテンニンギクにモンキチョウが、サンジャクバーベナにスジグロシロチョウが吸蜜していた。また、健康野菜のコンフリーの花がまだ咲いていたので、素直に切り取ってみた。
いつものように大いに期待した谷道だが、今日は何処までも草刈がなされていて、最悪な状況であった。散策しやすいようにとの配慮からなのだが、私の様な趣味の者にはノーサンキューである。そこで谷道は足早に通り抜けて、未舗装だから埃っぽい道に出て引き返して来た。すると路傍のアズマネザサに撮って下さいとばかりに、タケカレハの繭が着いていた。カレハガ科の幼虫の背中の毛は毒毛で、タケカレハももちろんそうなのだが、この繭にも毒毛が着いていると言う事なので、触るのは厳禁である。また、腹部背面の模様がとても楽しいアオオニグモも発見して、谷道での不振を取り戻した。
<今日観察出来たもの>花/コンフリー(写真上左)、ドクダミ、ツユクサ、アカバナユウゲショウ、ナワシロイチゴ、ムラサキシキブ、オオテンニンギク、オオキンケイギク、サンジャクバーベナ、ヒナギク、アジサイ等。蝶/カラスアゲハ、イチモンジチョウ、ルリシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ダイミョウセセリ等。昆虫/タケカレハの繭(写真下左)、カワトンボ、ヒケナガハナノミ、ヤマイモハムシ、コフキゾウムシ等。鳥/ホトトギス、アオゲラ等。その他/ヘビイチゴの実(写真上右)、アオオニグモ(写真下右)、ウグイスカグラの実等。
6月8日(午後)、横浜市緑区新治市民の森
午後からは遠くにいる野鳥を少しでも鮮明に撮ろうと期待して購入した、45倍のアイピースの試し撮りに新治市民の森へカワセミを撮りに行った。デジスコ用のコンパクトデジタルカメラのズームを最広角側にしても約1575ミリ、最望遠側にすると何と5130ミリになるのである。これなら遠くに止っているカワセミもばっちり鮮明に撮れる筈と思った訳だが、期待したほど鮮明には撮れなかった。池の周りの木々の葉はますます色濃くなり、その結果、カワセミの止っている場所はかなり暗くなってISO感度を上げねばならなかったからノイズが発生した。また、距離があればその間の空気によって鮮明さが失われる。以上の結果、ほんの少し良いのかなといった程度の結果となった。もっと明るい場所での試し撮りをしてみないと、45倍アイピースでの撮影の良否は分からないようである。
<今日観察出来たもの>蝶/ミドリシジミ等。鳥/カワセミ(写真上)、ヤマガラ、シジュウカラ、ウグイス、ヒヨドリ、カルガモ等。
6月8日(午前)、川崎市麻生区早野の里
今日の午前中は曇りであった筈だが、自宅を出る時には陽が差して来た。どうやら今日も晴れるようである。平年なら梅雨の季節に入っていて、曇り日や雨の日が多くて快適な写真撮影が出来るのだが、いったいどうした事だろう。帰宅して朝日新聞の夕刊を見ると、今年は偏西風が蛇行していて寒気が南下し、梅雨前線がなかなか北上出来ずにいると書いてあった。冬は山岳地帯でも雪があまり降らなかったし、春からも少雨であった為に、首都圏の水瓶は過去最低の貯水率となっているらしい。このまままとまった雨が降らないと、水不足が深刻化しそうである。
水不足の事は今後の雨に期待するとして、晴れているだけなら木陰を中心に散策して撮影すれば良いのだが、このところ決まって風もかなり強いのも困りものである。それに雨が降らないからキノコはあまり発生してないし、去年の夏以降からの極端に少ない昆虫の発生状況はいまだ回復していない。本当に被写体探しが大変である。今日もゼフィルスを期待して早野の里へ行ったのだが、到着したのが遅かっただけでなく晴れていて風がかなりあったから、観察する事が出来なかった。
しかし、散策を開始してすぐにスイカズラの花を撮る事が出来た。もうかなり前から咲いていたのだが、蔓性の植物で、絵になるように撮るのが難しい。それが撮って下さいとばかりにお待ちかねだったので、今日は簡単にノルマの4カットが撮れるかなと思ったが後が続かない。やっと湿り気のある日陰に転がっている丸太にミドリスギタケの幼菌を見つけてほっとした。しかし、またその後が続かない。アザミの葉にハスジカツオゾウムシを見つけたが、どう撮っても平凡である。万事休すと思われたが、花壇のパンジーを食していたと思われるツマグロヒョウモンの蛹を見つけてノルマが果たせた。
<今日観察出来たもの>花/スイカズラ(写真上左)、ザクロの蕾(写真上右)、ドクダミ、ユキノシタ、イモカタバミ、ムラサキカタバミ、カタバミ、アカバナユウゲショウ、ナワシロイチゴ、ムラサキシキブ、ムシトリナデシコ、オオキンケイギク、タチアオイ等。蝶/ツマグロヒョウモンの蛹(写真下右)、ツマグロヒヨウモン、ヒメアカタテハ、ヒメジャノメ、ヒカゲチョウ、ルリシジミ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ等。昆虫/オオシオカラトンボ、コオニヤンマ、ヒケナガハナノミ、ハスジカツオゾウムシ、ヒメカメノコテントウ等。キノコ/ミドリスギタケの幼菌(写真下左)等。その他/ビワの実等。
6月6日、静岡県(仮称)クロツグミの森
もう何回ともなく記しているが、私の野鳥のターゲットは、首都圏の里山とその周辺で見られるものと守備範囲を決めている。だから地元に現われたオガワコマドリは別にして、ホシムクドリが出ようが、カラアカハラが出ようが、シロハラクイナが出ようが、レンカクが出ようが、お地蔵様のように微動だにしなかった。クロツグミもコマドリと同じで、山地に移動中に里山へ一時立ち寄る事はあっても、やはり里山の鳥とは言い難い。しかし、先週のコルリの里で水浴びに来たクロツグミを撮影して、なかなかシックで美しい鳥であると思った。そこで今日は(仮称)クロツグミの森へ、クロツグミ一本で出かけてみた。
散策を開始すると、「ピッコロロ、ピッコロロ、ピッコロロ」とキビタキの囀りが聞えて来る。また、「チュービービー、チュービービー、チュービービー」とオオルリの囀りも聞えて来た。なんだ君達もいたのねと、本命のクロツグミが撮れない時の為にデジスコを向ける。しかし、今日は目的が異なるから、どうも撮影に熱が入らない。クロツグミやーいと目を凝らすのだが、同じような大きさのヒヨドリばかり目に入って来る。
時計の針はどんどん進んで、クロツグミは諦めよう、(仮称)オオルリの森とでもして、観察記を書けば良いのだし、確実性のある花や昆虫にターゲットを変えようと車に戻りかけたその時、「キョロイ、キョロイ」と今まで聞いた事の無い囀りが聞えて来た。いったい何だろうと静かに近づくと、オオルリのように胸が白い鳥が止っている。しかし、よく見ると胸以外は黒っぽいし身体も少し大きい。双眼鏡を取り出して確認すると、なんとクロツグミではないか。しかも枝に止まって囀っている。これは本当にラッキーとばかりに、慎重にシャッターを切った事は言うまでも無い。
<今日観察出来たもの>鳥/クロツグミの雄(写真上左)、キビタキの雄(写真上右)、オオルリの雄(写真下)、ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ等。
6月5日、横浜市緑区新治市民の森
今日もゼフィルスが見られる可能性の高い新治市民の森へ行った。まずは、いつものように遊水池から散策を開始した。今日もハラビロトンボがかなり見られたが、腹部が濃い水色に変わった雄は見られず、まるで焦げたかのように黒くなった個体が見られた。なんとなく変である。これまで山梨県で何回ともなくハラビロトンボを観察しているが、腹部が黒くなった個体にお目にかかった事はない。ことによったら別の種類なのかなと帰宅してトンボ図鑑をはしごしたが、同所に同時に見られた典型的なハラビロトンボの雌と同じようなトンボは、やはりいない。いずれにしても、ここのハラビロトンボは謎が多く、研究しがいのある個体群である。
弘法山等へ行くとクサノオウは普通に見られるが、多摩丘陵等ではかなり少ない。新治市民の森でも遊水池周辺でしか見た事がない。そのクサノオウを茎を折ったり切ったりすると、かなりの量の黄色い汁が出て来る。だから、その名が「草の黄」とついたとあるが、この汁が衣服や手等に着くと、本当に厄介である。有毒とされているが、虫刺されや腫れものに良く効くとあるから、いずれ試してみよう。
ゼフィルスやーいとハンノキ林のある鎌立谷戸の奥へ入って行くと、湿った小道に、羽化したてのテングチョウ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミが吸水していた。地面に吸水しているものを撮っても絵にならないから、何処かに止まってよと追い立てたら、有り難い事にフキの葉に止ってくれた。テングチョウとルリシジミは待てども待てども羽を開いてはくれなかったが、ウラギンシジミの雄はすぐに羽を開いて、美しい赤味がかった朱色の紋を見せてくれた。その後、ゼフィルスやーいと散策したものの、1頭だに観察出来なかった。
<今日観察出来たもの>花/クサノオウ(写真上左)、ドクダミ(写真上右)、ユキノシタ、イモカタバミ、アカバナユウゲショウ、ハコネウツギ、ウツギ、イボタ、ナワシロイチゴ、ムシトリナデシコ、オオキンケイギク、タチアオイ等。蝶/ウラギンシジミ(写真下右)、ヒメアカタテハ、テングチョウ、ヒメジャノメ、キマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ等。昆虫/ウスモンオトシブミ、トホシテントウ、ヤマサナエ、ハラビロトンボ、サビキコリ、シマサシガメ等。鳥/ホトトギス、カワセミ、ツバメ等。キノコ/栽培シイタケ(写真下左)等。その他/ミツバウツギの実、ヤマグワの実等。
6月3日、神奈川県(仮称)アオバズク郷土の森
5月31日に行った(仮称)アオパズク郷土の森へ再び行ってみた。前回は天気が急変して、思うように撮影出来なかったので、リベンジという訳である。今日は何処に止っているだろうか、一人で見つけられるだろうかと不安がよぎったが、なんてことはない前回と寸分違わない所に鎮座していた。機材をセットして目を開いてねと待ったものの、なかなか目を開いてくれない。散歩の方にそれをこぼすと、「夜に一生懸命働いたのだから眠いんですよね」と言う。私も学生時代に夜勤のアルバイトをした事があるが、帰宅すると死んだように眠ったものである。それでも犬がワンワン、子供がキャーキャーすると、ほんの一瞬だが、こちらを向いて目を見開いてくれた。撮影を無事に完了すると、(仮称)神奈川県アオバズク探索隊の隊長に教えて貰った神社を3ヶ所も巡ってみたものの、とうとう見つける事は出来なかった。
<今日観察出来たもの>鳥/目を見開いたアオバズク(写真上左)、眠っているアオバズク(写真上右)。
6月2日、横浜市緑区横浜動物の森公園
今日は昨日に引き続き、ゼフィルスはいないかと横浜動物の森公園の雑木林へ行った。すると下草に羽化したてのウラナミアカシジミが止っていた。これはしめたと近づいたら、無常にも接近を察知してクヌギの梢目掛けて飛んで行ってしまった。もう少し気温が低くく曇っていたら、動作が鈍くなるから撮影出来ただろう。また、雑木林に囲まれた空き地のヒメジオンに、これまた羽化したてのメスグロヒョウモンの雄と雌が吸蜜していた。雄は容易く近づけたが、雌は敏感ですぐに飛び去ってしまった。この結果、雄はかなり撮影する事が出来たのだが、今一の出来で消去となった。もっと粘ればなんとかなっただろうが、五十肩を患っていると根性がなくなる。
この森は去年の夏に樹液がたくさん出ていて、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ等を撮影しているので、樹液は出ていないかなと探し回ったが、僅かに滲み出ているだけであった。蝶ではこの他、ウラギンシジミの雄が、まるで銀紙の紙切れのように勢い良く飛んでいた。結局、蝶の写真は一枚も撮影出来なかったのだが、いよいよ各種の蝶が御出ましになったなあと実感した。
次に、このところ雨がだいぶ降ったのでキノコは出ていないかなあと薄暗い森へ行ってみたら、毬栗頭で橙色のダイダイガサが生えていた。しかし、じっくり撮影していたら、薮蚊に一撃をくらう羽目となった。その後、ヤマグワの実を撮った。実がなっている時だけ、ヤマグワとクワの差別がつく。ヤマグワの実は所々に髭が出ているのだが、クワの実には無いのである。これでカメラの中もだいぶ賑やかになったので、花よ虫よと探し回ったが、花では民家の庭先のハクチョウゲしか撮るものが無く、昆虫は、昨年秋の極端に減少した影響が回復していないようであった。
<今日観察出来たもの>花/ハクチョウゲ(写真上左)、ドクダミ、ホタルブクロ、ニワゼキショウ、アカツメクサ、オオキンケイギク、オカウコギ、ナワシロイチゴ、イボタ、アジサイ、ザクロ、キンシバイ等。蝶/ウラナミアカシジミ、ベニシジミ、ウラギンシジミ、メスグロヒョウモン、コミスジ、イチモンジチョウ、ヒメジャノメ、キマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ヒカゲチョウ、キチョウ等。昆虫/アカガネサルハムシ、トンボエダシャク、カノコガ、ヤマサナエ、シオヤトンボ、シオカラトンボ、カワトンボ、シマサシガメ等。キノコ/ダイダイガサ(写真上右)等。その他/ヤマグワの実(写真下左)、モミジの実(写真下右)、モミジイチゴの実、クサイチゴの実、ヘビイチゴの実、クワの実、ウグイスカグラの実等。
6月1日、横浜市緑区新治市民の森
いよいよ今日から道端自然観察及び写真撮影の最高シーズンである6月に入った。こんな出だしを読むと、雨が多い梅雨のシーズンだと言うのに、どうしてなのだろう?と、疑問を抱く方が多いかもしれない。しかし、毎日ずっと雨が降り続く訳ではないし、曇りの日もとても多くて柔らかい光線具合となり、写真撮影には絶好なのである。また、気温も比較的低い日が続き、紫外線の量も減り、散策にも快適なのである。更に、様々な生き物達がたくさん現われるのだ。公園等では色とりどりのアジサイやハナショウブが咲き乱れ、ホタルブクロやネジバナ等の野の花はもちろん、蝶においては観察出来る種数が最も多いのが6月なのである。またまた更に、じっとりとした陽気が続くから、各種のキノコが元気良く発生する。野鳥の世界では、アオバズク、サンコウチョウ、ホトトギス、カッコー等と、これまた見逃せない種類がたくさん見られるようになる。
そんなとっても大切な6月のしょっぱなは、もうすでに発生しているとの情報があるゼフィルスが見られるかもしれないと、新治市民の森へ行ってみた。しかし、昨日の不安定な天気が残っていて、雲が多く霧雨さえ少しだが降った。それでも、お昼近くになると陽が射し始めて蝶も舞い始め、羽化したてのテングチョウやルリシジミが吸水していた。早春に、その花を楽しませてくれたキブシの実はだいぶ大きくなり、葉にはウスモンオトシブミがたくさん見られた。イネ科植物の茎に、真っ黒いが触覚や腹部の背が瑠璃色に輝く昆虫を見つけた。これはその格好からトビゲラの仲間かなと思ったが、帰宅して調べてみたら、マダラガ科のブドウスカシクロバという蛾である事が分かった。またまだ知らない昆虫が、身近にもたくさんいるんだなあと思い知った。
<今日観察出来たもの>花/ムギワラギク(写真上左)、テイカカヅラ(写真上右)、クサノオー、ユキノシタ、イモカタバミ、ドクダミ、ハコネウツギ、ウツギ、コゴメウツギ、イボタ、ホタルブクロ、ムシトリナデシコ、アヤメ、オオキンケイギク、タチアオイ等。蝶/テングチョウ、ヒメジャノメ、キマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ、ベニシジミ等。昆虫/ウスモンオトシブミ(写真下左)、ブドウスカシクロバ(写真下右)、ヒメクロオトシブミ、ナナホシテントウ、テントウムシ、トホシテントウ、ヤマトクロスジヘビトンボ?、ヤマサナエ、ハラビロトンボ、サビキコリ、シマサシガメ等。鳥/ホトトギス、カワセミ、ツバメ、キセキレイ、スズメ等。その他/モミジイチゴの実、ミツバウツギの実、ヤマグワの実等。