2005年:つれづれ観察記

(7月)


7月31日、横浜市港北区綱島市民の森

 愛車「小野路号」は丸6年の間に、なんと10万キロも走り、タイヤもバッテリーも新品に交換したと前述したが、今度は冷却関係のサーモスタットが壊れて日曜日の午後から入院し、今日の夕方に退院予定という事になった。壊れたまま走り続けるとエンジンが焼きついて、大変な事になるのだから当然である。先だっての第21回参院選挙で、おたくの党の最重要部品は壊れていますから新品に交換した方が良いですよと国民の審判があったにもかかわらず、どうも部品交換をしないらしい。このままだましだまし走り続けたら、何処かの路上で立ち往生となったり、大きな事故に繋がるかもしれないと思うと背筋が寒くなる。この世の中には周囲の空気が読めない方がかなりいる。みんなが途方にくれた顔をしているのに、本人は得意顔でしゃべり続けるなんて日常茶飯事なのだが、政治の世界ではノーサンキューなのである。
 話は随分横道に逸れてしまったが、愛車入院中のため、今日は自宅の目の前にある綱島市民の森及び綱島公園へ行った。公園の上り口にはキツネノカミソリが美しく咲き、クヌギの樹液にはカナブンやヒカゲチョウが吸汁していた。そこへふわふわ、なんとアカボシゴマダラが飛んで来たが、カナブンの大集合を敬遠してか、梢高く飛び去ってしまった。それでもダイミョウセセリやアオドウガネをカメラの中に納めて、尾根伝いに綱島市民の森へ行った。すると、ドクツルタケ、ツルタケ、ドクベニタケ、ハナオチバタケ、キクラゲ等のキノコがかなり生えていて、更に、なんとタマゴタケまで生えていたのには驚いた。なんとか写真を撮ろうと思ったのだが、薮蚊の襲来にたまらなくなって、とうとう逃げ出す事となった。それでも自宅から目と鼻の先でアカボシゴマダラやタマゴタケを観察して、なんとなく嬉しくなった事は言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>花/ポーチュラカ(写真上左)、キツネノカミソリ、ガガイモ、ヘクソカズラ、ヤブカラシ、ツユクサ、カタバミ、トキワハゼ、サルスベリ、ヒマワリ等。蝶/ダイミョウセセリ(写真下右)、クロアゲハ、アゲハ、キアゲハ、アカボシゴマダラ、ヒカゲチョウ、コジャノメ、ヤマトシジミ等。昆虫/ヨツスジトラカミキリ(写真下左)、アオドウガネ(写真上右)、マメコガネ、カナブン、トウキョウヒメハンミョウ、コシアキトンボ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ベッコウハゴロモ、マルカメムシ等。キノコ/タマゴタケ、ドクツルタケ、ツルタケ、ドクベニタケ、ハナオチバタケ、キクラゲ等。


7月29日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 今日は第21回参院選挙の投票日である。汗水たらして毎月払っていた年金が、なんとなんと社会保険庁の怠惰の為に貰えない方がいるという。私がご幼少の頃だって、駄菓子屋さんへ行ってお金を渡せば、おばちゃんがソースイカや飴玉を紙袋の中に入れて渡してくれた。まったく商売の基本を忘れた社会保険庁の怠惰には開いた口がふさがらない。それに颯爽と格好良く登場した安倍ちゃんも、その昔、真赤なMGで慶応大学日吉校舎に通学していた“ぼんぼん”のようで、しゃべる割には意味不明で全く頼りがない。高杉晋作をはじめ明治維新の立役者を数多く輩出した山口県人なのだから、晋ちゃんもっとしっかりしてよと注文をつけたくなる。今頃、かつての自民党の大政治家であった石橋湛山先生も草葉の陰で涙を流している事だろう。
 そんな訳で今日は近場で短時間だと、茅ヶ崎公園へ行った。散策を開始すると雑木林の陽の当たらない裾に、キタマゴタケがかなり見られた。期待したコナラの樹液にはカナブンが群がっているだけで寂しかった。今日は選挙の投票日だから昆虫達もお休みかなと思ったら、ヨツスジトラカミキリやコミスジが現われた。今年もエゴノキの実に、牛の様な顔をしたエゴヒゲナガゾウムシがいるかなと、垂れ下がる実を丹念に調べたら、かなりたくさんいて嬉しくなった。こんなチビすけなのに、いっちょまいに自己主張の強い顔をしていて、かなり早く歩いて飛翔も実に巧みだ。実の真ん中程でじっと動かない雌がいたので、これは頂きとカメラを向けると、自らが掘った穴に産卵している個体であった。政治家さん、エゴヒゲナガゾウムシのように、みんな勤勉に働いているのだから宜しく頼みまっせと、早帰りして投票所へ足を運んだ。

<今日観察出来たもの>花/ヒャクニチソウ(写真上左)、ワルナスビ、ハエドクソウ、シオデ、ツユクサ、ヨウシュヤマゴボウ、ヤマハギ、サルスベリ、ヒマワリ等。蝶/クロアゲハ、カラスアゲハ、コミスジ、キチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ等。昆虫/エゴヒゲナガゾウムシ(写真下右)、ヨツスジトラカミキリ、アオドウガネ、マメコガネ、カナブン、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ等。キノコ/イグチの仲間(写真上右)ツルタケ(写真下左)、キタマゴタケ、ナラタケモドキ、ニオイコベニタケ等。


7月28日(午後)、横浜市緑区(仮称)カブトムシの森

 午後からは木陰で健康昼寝を1時間もむさぼってから、(仮称)カブトムシの森へ行った。ここは何故か商売が出来る位にカブトムシがたくさんいる。この辺りにはカブトムシの天敵であるアオバズクもいないようで、向うところ敵無しなのかもしれない。また、付近の農家が雑木林の落ち葉を集めて堆肥を作っているのも大きい。今日はカブトムシが目的ではなく、ノコギリクワガタに会おうと思って来たのだが、こちらも雄が3匹も樹液に吸汁していた。更に、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、ルリタテハ等も密かに狙っていたのだが、カブトムシ軍団が恐ろしいのか、ゴマダラチョウは桃の畑で舞っていた。きっと熟した桃の実にでも吸汁しているのだろう。そんな訳で簡単にカブトムシやノコギリクワガタの勇姿がカメラの中に納まったのだが、真夏の散策は良い加減で切り上げるのが一番とばかりに、早々とクーラーを効かせた車で帰宅した。

<今日観察出来たもの>花/ヤマユリ、ハエドクソウ等。蝶/クロアゲハ、ゴマダラチョウ、キタテハ、ルリタテハ、ヒカゲチョウ等。昆虫/カブトムシの雄(写真上右)、ノコギリクワガタの雄(写真上右)、コクワガタ、カナブン等。


7月28日(午前)、横浜市都筑区鴨池公園

 明日明後日とぐずつくようだが、火曜日からはお日様マークばかりが並んでいる。まあ、昨日からほぼ梅雨明けのようなもので、いよいよ道端自然観察には熱中症が心配な最悪の季節となった。キノコは萎び、野鳥は木陰に入り、蝶だってメスグロヒョウモンのように夏眠に入るものもいる。野の花に至っては、キツネノカミソリやナツズイセン位でぱっとしない。やはり真夏は大型昆虫達の天下である。初夏に下草の葉上で見られたハムシやオトシブミ等は草むらに潜り込み、元気一杯なのは池のトンボ、木立のセミ、そして樹液に集る昆虫達である。そんな訳で、久しぶりに300ミリレンズを携えて鴨池公園へ行った。すると、なんとなんとチョウトンボが2匹もひらひら飛んでいるではないか。いよいよ港北ニュータウンにも御出ましのようである。これはラッキーと2時間もチョウトンボと戯れてしまった。

<今日観察出来たもの>花/ヒレアザミ、ヤブラン、ツユクサ、ハエドクソウ等。蝶/クロアゲハ、モンキチョウ、キチョウ、ムラサキシジミ等。昆虫/チョウトンボ(写真上左)、ショウジョウトンボ(写真上右)、コシアキトンボ、シオカラトンボ、ギンヤンマ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、エゴヒゲナガゾウムシ等。鳥/カルガモ、ヒヨドリ等。


7月26日、埼玉県(仮称)ツミの森

 前述したように一昨日も行ったのだが、林内清掃作業で目指すツミは撮れなかった。そこで再挑戦となった。そろそろ梅雨明けも間近で、梅雨が明けたらほぼ2ヶ月間、昼間はほとんど鳥の姿が見られなくなる。そんな訳で、しばしお別れの最後のチャンスという訳である。現地に到着するとカメラマンが5人程やって来ていた。また、林内清掃作業も行なわれていないようだ。これを見てほっと胸を撫ぜおろした事は言うまでも無い。しかし、まだ撮っていない成鳥は一度も現われる事無く、幼鳥ばかりが現われた。どうやら「そろそろ一本立ちしなさい」と、親が子供に餌さ捕りの試練をかしているようである。林内にはアブラゼミも見られるようになったから、幼鳥たちもこれなら捕獲出来るだろう。以上有り難い事に、しばしお別れの最後のチャンスの鳥撮りを思う存分堪能出来、帰路の電車内ではもちろん心地良い爆睡に陥った。

<今日観察出来たもの>鳥/ツミの幼鳥(写真上)、アオバズク、オナガ等。


7月25日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 毎月一回、寺家ふるさと村に集って、わいわいがやがや適当に散策しましょうよと始めたのだか、今日は晴れで気温が高くなることが予想され、しかも、これといった目的も無いので、集る方はほとんどいないと思っていた。しかし、なんとなんと四季の家駐車場に集合時間の午前10時、私も入れて7人もの方が集ったのだから素晴しい。
 今日は昆虫横丁に直行するのは止めにして、もしかしたらキタマゴタケが生えているかもしれない、また、キタマゴタケが生えていなくとも可愛らしいテングタケの幼菌位は生えているだろうと、キノコのポイントへ寄り道してみた。するとあるわあるは様々なキノコが爆生していてびっくりした。期待したキタマゴタケは勿論、兄弟で仲良く並ぶテングタケ、イボテングタケ、ウスキテングタケ等は、ことに女性陣には大人気である。広角接写が行なえるシグマの17〜70ミリをお持ちの方は、抜け目無く背景を広く取り入れて写している。私は五十肩が痛むので、タムロン90ミリマクロのみで図鑑的な写真に徹した。それにしても植物の花のように、きらびやかな色彩や形で花粉媒介の昆虫達を呼び寄せる必要もないし、また、動物のように異性にアピールする必要も無い筈のキノコなのだが、みんな個性豊かな様々な衣装で着飾っているのだから不思議である。
 そんな訳で、みなさんこっちもパチリ、あっちもバチリとキノコ写真を大いに楽しんで昆虫横丁に到着したのは、なんと午前11時を回っていた。そんな訳でかなり体力を消耗したのか、今一観察や写真撮影に力が入らない。それでもシシウドの葉に産卵に来たキアゲハや相変わらず可愛いササキリ坊や、はたまたミズタマソウやヤマホトトギス等を撮ったら12時をはるかに回った。急げや急げと昼食に足早に四季の家に戻った事は言うまでもない。

<今日観察出来たもの>花/ミズタマソウ、ヤマホトトギス、タカトウダイ、アキノタムラソウ、オカトラノオ、ダイコンソウ、ヤブカンゾウ、ツユクサ等。蝶/アゲハ、キアゲハ、スジグロシロチョウ、イチモンジセセリ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ、ハスジカツオゾウムシ、カシルリオトシブミ、マメコガネ、ササキリの幼虫、ヤマトフキバッタの幼虫、アブラゼミ、ニイニイゼミ、オオシオカラトンボ等。キノコ/種名調べ中(写真上左)、キタマゴタケ(写真上右)、イボテングタケの幼菌(写真下左)、ウスキテングタケの幼菌(写真下右)、テングタケ、ツルタケ、ヤマドリタケモドキ、ススケヤマドリ、ヘビキノコモドキ、ニツケイタケ、ニオイコベニタケ、チチタケ、カレバキツネタケ、キチャハツ、セミタケ等。その他/アマガエル等。


7月24日、埼玉県(仮称)アオバズク郷土の森

 今日は前回非常に楽珍、そして面白かった(仮称)ツミの森へ行った。しかし、現地に到着してみるとカメラマンが一人もいない。おかしいなあと思ったら林内清掃の作業で、枯れ枝等をチップにする機械のエンジン音が響いていた。目指すツミはいたことはいたのだが、こんな状況では望み薄だ。これは困ったなあと思っていたら、後から来た方も同感で、これから(仮称)アオバズク郷土の森へ行ってみるという。電車で数駅戻って、駅から歩いて行けるからと勧められた。さんざん考えたが私も後を追った。するとアオバズクの親子がなんと5羽も出迎えてくれた。今日はピーカンで撮影日和とは言い難いが、親子が2羽並んでいる所のみに絞って何回もシャッターを切った。時間の推移によって光線具合が微妙に変化するし、また、眼を開いてから様々なポーズをとるから尚更である。こうして今日も運良く、ノーシャツターの危機を乗り越えた。

<今日観察出来たもの>鳥/目覚めたアオバズクの親子(写真上左)、眠っているアオバズクの親子(写真上右)等。


7月22日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは安楽亭の焼肉ランチを食べたいし、昨日交換したピッカピカのタイヤを汚したくないので、新治市民の森へ行った。愛車「小野路号」は丸6年の間に、なんと10万キロも走ったのである。1年に1万6千キロ強という事になり、本当に良く出かけたものである。前回のタイヤ交換は、とあるご婦人が同乗している時にパンクして、とんでもない御迷惑をおかけする事となった。そこで、少々早いかもしれないとも思ったのだが交換した。何事も備えあれば憂いなし、これからやって来る長期夏休みの高速道路上でパンクでもしたら危険極まり無いと思ったのだ。また、ついでにバッテリーも交換した。バッテリーが上がってエンジンがかからなくなり、ロードサービス等を呼ぶと、なんと1万円以上もお金がかかる。しかし、事前に換えておけば4千円強で済んでしまう。これまた夏休みに携帯電話の通じない山奥等でバッテリーが上がったら、ジ・エンドという事になるからである。
 そんな訳でタイヤが汚れないように、いつもより路肩から少しはなして車を停め散策を開始すると、良い位置に止まっているアミガサハゴロモを見つけた。また、農家のフェンスからブラックベリーが顔をのぞかせていた。ブラツクベリーはアメリカ原産のつる性の木イチゴで、熟すと真っ黒になるからその名が付けられたようである。非常に実付きがよくて生食やジャムなどに使われるという。散策開始早々2カットを撮り、今日は楽々様々な写真が撮れるぞと思ったのだが、その後、これといった被写体に巡り合わない。新治市民の森は野鳥以外、奥へ行っても成果があまり上がらない。しかし、丸太に飛来する昆虫やキノコ位はゲット出来るだろうと思ったのだがノーシャツターに終わった。そこでまた車を停めてある遊水池周辺に戻って来て、やっとマドガ等をゲットした。

<今日観察出来たもの>花/ヤマユリ、キツネノカミソリ、アキノタムラソウ、クサノオウ、ヤブガラシ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ハルシャギク等。蝶/アオスジアゲハ、ヒメアカタテハ、キチョウ、ジャノメチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ムラサキシジミ、コチャバネセセリ、チャバネセセリ等。昆虫/アミガサハゴロモ(写真上右)、マドガ(写真下右)、ベッコウハゴロモ、コフキゾウムシ、トウキョウヒメハンミョウ、ルリクビボソハムシ、ヤマイモハムシ、トホシテントウ、セマダラコガネ、マメコガネ、タケトラカミキリ、ナガメ、ササキリの幼虫、ツチイナゴの幼虫、ホシハラビロヘリカメムシ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、ハラビロトンボ、ハグロトンボ等。その他/ブラックベリーの実(写真上左)、ワラジムシ(写真下左)、アオダイショウ等。


7月22日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 オオムラサキも撮影したし、後は高原の蝶を撮れば今年の夏はもうお終い。月日の経つのはまったく早いもので、参議院選挙に投票したら八ヶ岳高原へ一泊泊まりで行って、お盆の頃に群馬県の嬬恋村で恒例の長期夏休みを過ごせば、もう秋なのである。そんな事を思うと近場の散策へ行く気が失せてしまったが、朝降っていた雨も止んで、また、これといったやる事も無いので仕方無しに行ってみた。
 いくらなんだって、こんなに雨が降ったし曇り日が続いているのだから、キノコがたくさん生えていてもおかしくない筈と、毎年、テングタケが生えるポイントへ行ってみると、いぼいぼ頭の幼菌が顔を出していた。また、雑木林の丸太にはハナビラニカワタケがたくさん見られた。しかし、いつもならニオイワチチタケやクロアシボソノボリリュウタケ等が生える苔むした場所はノーキノコで寂しかったが、落ち葉がたくさん積もっている所にはオキナクサハツが爆生していた。
 どうやら今年のキノコはやや不作のようなので、コナラの樹液に何か来ていないかと行ってみると、なんとなんとカブトムシの雄と雌がいた。朝雨が降っていたので、日曜日だというのに子供達はカブトムシを捕りに来なかったのである。もっとも茅ヶ崎公園のある港北ニュータウンは、お金持ちのハイカラな方々が住んでいるので、そんな泥臭い遊びは子供達もしないのかもしれない。写真を見て頂ければ分かるように角が貧弱な雄だから、ホームセンター等で購入したものが逃げ出したものではなく、正真正銘の茅ヶ崎公園産のようである。カブトムシ以外にはカナブンがたくさんいて、相変わらずシロスジカミキリの産卵痕がたくさん見られた。このコナラの木は、今夏とても楽しみを増やしてくれる昆虫観察には絶好の宝の木のようである。

<今日観察出来たもの>花/ヒレアザミ(写真上左)、ホタルブクロ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ヤマハギ、ヒャクニチソウ等。蝶/クロアゲハ、キチョウ、ムラサキシジミ、チャバネセセリ等。昆虫/カブトムシ(写真上右)、カナブン、トウキョウヒメハンミョウ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、ササキリの幼虫、ニイニイゼミ等。キノコ/ハナビラニカワタケの幼菌(写真下左)、テングタケの仲間の幼菌(写真下右)、オキナクサハツ、コウジタケ、クサハツ、ニオイコベニタケ、ハリガネオチバタケ等。


7月20日、山梨県(仮称)オオムラサキの里

 今年はプチ遠征となる山梨県へオオムラサキを見に行くのは止めようかな、たくさん見られる所へ行ったって良い写真が必ず撮れる訳でもない。多摩丘陵等でたった1頭出合ったオオムラサキであっても、運が良ければずば抜けた傑作が撮れるのである。そんな生き物相手の写真では、野鳥は勿論の事、微動だにしないキノコだってそうである。とは言うものの、今年まったくオオムラサキに出会えないのも寂しいなあと思っていたら、昨日、(仮称)オオムラサキの里へ行った新百合ヶ丘のAさんから電話があった。「今年もとてもたくさん発生していますよ。雌は羽化したばかりの新鮮個体で、雄も新鮮なものがかなりいますよ」と言うではないか。こうなったら自宅に蟄居しているなんて事は出来やしない。それに、Aさんがスプレーしただろう秘伝のオオムラサキを呼び寄せる糖蜜の効力が残っている内に行って来ようと、午前6時に家を出た。
 途中、中央高速の談合坂サービスエリアで朝食をとったものの、現地には午前9時30分に到着した。今年のクヌギの樹液の出は悪いものの、それでも4、5本から樹液が出ていて、また、Aさんがスプレーした糖蜜の効力がまだ残っているのか、たくさんのオオムラサキがやって来ていた。今日の本命写真は、もちろん羽化したばかりの雄の羽を開いた写真である。しかし、なかなかそう簡単には問屋は卸さない。羽を開いたなと思ったら、痛んだ個体であったりするのだ。そんな訳で雌の羽を開いた写真や、やはり閉じた写真も撮っておかなければならないと写していると、やっとチャンスが訪れた。しかし、なんとなんと露出補正を戻しておかずにプラス1補正のままだったので、完全に露出オーバーの写真となってしまった。今まで数多く写したオオムラサキの写真の中でもピカ一の構図だったのだから悔やまれる。
 まあいいや、まだまだたっぷり時間があるからと気落ちした心を慰め、弁当をぱくつき健康昼寝で体力の回復を図っていざ撮影と思ったら、なんと捕虫網を携えた若者がいるではないか。この場所も徐々に知れ渡って来たようである。採集者は写真撮りには天敵だが、1ペア採集すると他所に移ってくれたので助かった。それでも午前中に比べると見られる個体数が少ない。それでもなんとか図鑑的だが羽化したばかりの雄の羽を開いた写真を撮る事が出来た。また、雄が雌に求愛する写真も撮れて、後は美しい背景の写真と思ったのだが、空は次第に暗くなり帰宅時間となってしまった。午前中の露出オーバーの失敗が悔やまれたが、たくさんのオオムラサキに出会い、目的とする写真が一応撮れたのだから、まずまずかなと苦笑いを浮かべて車のエンジンキーを回した。

<今日観察出来たもの>花/ツユクサ、コマツナギ、ネムノキ等。蝶/オオムラサキの雄(写真上左)、オオムラサキの雌(写真上右)、クロヒカゲ(写真中左)、ルリタテハ、イチモンジチョウ等。昆虫/ハチモドキハナアブ(写真中右)、ヨツスジハナカミキリ(写真下左)、アカマダラコガネ(写真下右)、カブトムシ、コクワガタ、カナブン、アオカナブン、キマワリ、オニベニシタバ、コシロシタバ、ニイニイゼミ等。キノコ/クロホコリタケ、アンズタケ、カワリハツ、ドクベニタケ等。


7月19日、横浜市鶴見区獅子ヶ谷市民の森

 午前中は、外回りの掃除、草むしり、植木の剪定、それにアリの忌避剤を撒いた。私なんぞ昆虫大好き人間だからアリなんて可愛いものだが、乳幼児のいる家庭の室内に入ったら大変という訳である。ワンちゃんなら10歳をはるかに越えた年齢なのだから、私の皮膚にアリが喰らい着いても別段たいした事はないのだが、乳幼児の柔肌となると話がまったく違うという事なのである。
 そんな訳で午前中はたっぷり肉体労働をしたのだが、昨日、行きも帰りも電車の中で熟睡したから、今日は健康昼寝も必要ないようである。こうなるとカメラ片手にお散歩へ出かけたくなるのだから、まこと病気である。台風が過ぎ去って、これで梅雨明けかなと思ったら、大陸から寒気が南下して来て気温の低い曇り日が続いている。そして土日は雨が降るという。梅雨入り前には水不足が心配されていたが、どうやらそんな話題は遠い昔の事のようである。例年、首都圏では小中学校の夏休みに入る直前に梅雨明けが普通だから、今年も来週末までには明ける事だろう。
 さて何処へ行こう。茅ヶ崎公園のキノコも気になったが、もしかしたらチョウトンボが撮れるかもしれないと獅子ヶ谷市民の森へ行った。チョウトンボは相変わらずかなりたくさん飛んでいたが、なかなか棒の先等へは止まらない。止ったと思ったらエノコログサ等がたくさん生えている草原の中で、しかもまるっきり絵にならない。しからば発生元の二ッ池ならと行ってみたものの、チョウトンボの数はかなり少なく、ガマの葉に止っていたのだが、チョウトンボは水平に撮っても面白くなく、また水辺が遮って近づく事が出来なかった。今年もまた、勇猛なウチワヤンマ、紫色に光るコムラサキも撮れるから、葛飾区の水元公園へ行く事になるだろう。

<今日観察出来たもの>花/インゲンマメ(写真上左)、ヒマワリ、モントブレチア、ミソハギ、タチアオイ、キバナコスモス、ボタンクサギ等。蝶/ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、ヒカゲチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/ナガメ(写真上右)、アカスジカメムシ(写真下左)、オオシオカラトンボ(写真下右)、ホオズキカメムシ、ホシハラビロカメムシ、ホソヘリカメムシ、ニイニイゼミ、オニヤンマ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、オオニジュウヤホシテントウ等。キノコ/カバイロツルタケ等。鳥/カワセミ、スズメ、ムクドリ等。


7月18日、埼玉県(仮称)ツミの森

 かなり前に鳥友から埼玉県のツミの情報を頂いていた。ツミは鳩位の大きさの鷹で、自宅から近い場所でも生息している。鷹と言えば何と言ってもオオタカで、そのオオタカは既に撮ったし、そのうちツミに出会えるだろうと思っていたのだ。しかし、なかなか出会えない。しかも、鳥友から絶対に行った方が良いよと再三のメールが届いたので重い腰を上げた。さて行こうと地図を広げると、なんと自宅のある最寄り駅から片道1060円、1時間30分位である事が分かった。そこでゆっくり起きてしっかり車中で昼寝して、4時間ばかり現地でウロウロし、そして帰路も爆睡して帰って来た。そんな訳で、ツミを撮りに行ったのか昼寝をしに行ったのか分からなくなったのだが、ツミの幼鳥をカメラの中にしっかり納める事が出来た。こんなに楽珍なら何故もっと早く行かなかったのだろうかと悔まれたが、また来週あたり行ってみよう。

<今日観察出来たもの>鳥/ツミの幼鳥(写真上)、アオバズク等。


7月17日、横浜市戸塚区舞岡公園

 これから涼しくなる9月半ばまで、たとえ高原へ行っても見られる鳥の数は少なくなる。秋まで鳥撮りはオフシーズンなのだが、このまま鳥の写真が登場しないのも寂しい。そこで午後から久しぶりに舞岡公園へ行ってみた。今まで路肩に車を乗り上げて無料駐車をして来たが、いよいよロープが張られて停められる車の数はかなり減ったという。しかし、午前中は雨だったし夕方にも降りそうで、また、小谷戸の里や虹の家も休館日だから、こんな日に舞岡公園へ来る方もなかろうと思った訳である。この思惑はずばり的中して、車は一台も停まっていなかった。しかし、弱い雨だが降り出したので、水車小屋横の「やとひと情報館」の軒下で、ハスの花や蕾に止まるカワセミを狙った。今年のハスの花や蕾の茎は弱々しくて、残念ながら止まる事はなかった。それでもただ一人、カワセミの撮影を堪能出来たのだから嬉しい限りであった。

<今日観察出来たもの>鳥/コサギ(写真上左)、カワセミ(写真上右)、ホトトギス、ウグイス、シジュウカラ、コゲラ、ヒヨドリ、スズメ等。


7月16日、横浜市緑区新治市民の森

 台風の過ぎ去った翌日は、今まであまり良い思いをした事が無い。有り難い事に今回は逸れてくれたものの、それでも風はやや強かったし雨もたくさん降った。ただでさえ野の花の少ない時期なのに、みんな頭を垂れたままだし、キノコは雨が弾き返した泥が着いているし、昆虫だって恐る恐る草むらから這い上がって来るといった寸法である。今日はぐずついた天候となったが、通常なら台風一過の青空が広がり気温がどんどん上昇して、道端自然観察どころではなくなるのだ。
 そんな訳で今日は行く気が起きなかったのだが、4枚位の写真なら撮れるだろうと出かけてみた。しかし、これといった被写体にはなかなか遭遇しない。また、五十肩はもちろん、台風の残した熱気と湿気のためか、しばらく散策すると身体がとてもだるくなった。良い被写体に出会えないから益々気持ちが萎えて身体がだるくなる。身体がだるくなるから観察力も衰えるという訳で、まさに悪循環である。
 こうなったら極々普通種でも、眼についたものなら何でも撮ってやれと方針を転換した。しかし、7月の観察記でこれまで紹介したもの以外となると、なかなか難しいのである。そこでクズの葉上で交尾するコフキゾウムシならたくさんいるからとカメラを向けるのだが、みんな接近を感知して逃げて行く。それでも独特なユーモア溢れる顔立ちのウズラカメムシを撮り、木々の花が散って下草の葉に張り付いたとしか思えない、尾端に白い放射状に広がる毛を持ったアミガサハゴロモの幼虫を撮った。しかし、またまたその後が続かない。こうなったらカナブンでも大切なお客様とばかりに、泥んこのコクワガタを追い出して慎重に撮影した。帰宅したら新潟県中越地方で震度6強の地震があり、我が家でもかなり長く揺れたらしい。まこと天災は恐ろしい。

<今日観察出来たもの>花/クサノオウ、アカツメクサ、ハゼラン、ヤブガラシ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、オオキンケイギク、ハルシャギク等。蝶/ヒメアカタテハ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、クロコノマチョウ、ジャノメチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、コミスジ、ゴイシジミ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、コチャバネセセリ等。昆虫/カナブン(写真上左)、ウズラカメムシ(写真下左)、アミガサハゴロモの幼虫(写真下右)、コクワガタ、シロコブゾウムシ、コフキゾウムシ、トウキョウヒメハンミョウ、ルリクビボソハムシ、オオニジュウヤホシテントウ、セマダラコガネ、マメコガネ、ゴマフカミキリ、タケトラカミキリ、ナガメ、ササキリの幼虫、ツチイナゴの幼虫、ホシハラビロヘリカメムシの幼虫、オオシオカラトンボ等。その他/サツマノミダマシ(写真上右)、シロスジショウジョウグモ等。


7月15日、横浜市港北区新吉田町

 首都圏直撃が心配された大型で非常に強い台風4号は、弱まりながら伊豆諸島から房総半島の海上へ進んで、ほっと胸を撫ぜ下ろした。午後からは雨が止み風もそれほど強くないので、新吉田町へ行ってみた。下草の葉上ではトウキョウヒメハンミョウやササキリの幼虫がたくさん見られ、雨上がりのいつもの情景が広がっていた。カガイモの葉には、ジュウジナガカメムシの幼虫が集合していて、卵から孵ったばかりの1齢幼虫は1ミリにも満たない大きさだが、かなり素早く歩くのにはびっくりした。また、オレンジと黒の美しい体色になるのは2齢からのようである。図鑑を開くとカモメヅルの仲間の葉も大好きとあるから、これらの花が好きな方にはノーサンキューかもしれない。最近、野草化が見られるハゼランを撮っていたら、まだですよと雨がやっぱり降って来て、ほんの1時間程の散策となってしまった。

<今日観察出来たもの>花/ハゼラン(写真上左)、ヤブガラシ、ヤブカンゾウ、ハキダメギク、オオケタデ、オオキンケイギク、ハルシャギク等。蝶/キタテハ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、チャバネセセリ、イチモンジセセリ、ウラギンシジミ等。昆虫/ジュウジナガカメムシの幼虫(写真上右)、トウキョウヒメハンミョウ、ルリクビボソハムシ、オオニジュウヤホシテントウ、セマダラコガネ、マメコガネ、アトジロサビカミキリ、ササキリの幼虫、ニイニイゼミ、オオシオカラトンボ等。キノコ/スエヒロタケ、ハリガネオチバタケ、アミスギタケ、ヒダサカズキタケ、ツノマタタケ、ヌナワタケ、コキララタケ、ベニヒダタケ、ヒイロタケ等。


7月13日(午後)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 小山田緑地のオオムラサキのポイントには、待てども待てども一向にオオムラサキが現われない。オオムラサキの多産地では、少しくらいの雨でも見られるのだが、絶対的な個体数が少ないからか、やはりどんよりとした天候が災いしているようである。また、先月下旬より曇り日や雨の日が多かったために、やや発生も遅れているのかもしれない。今までの経験から、ニイニイゼミが鳴き出したらオオムラサキも発生する。そんな訳で決して時期が早いとは思えないのだが、やはりこの天候かなと思わざるをえない。
 そこで樹冠高く見られた場所に移動し、Aさん秘伝のオオムラサキを集めるスプレーを撒いてみようと言う事になった。しかし、そこでも待てども待てどもオオムラサキは現われない。こうなったら周辺の開発は進んでいるが、まだオオムラサキが見られる寺家ふるさと村へ行ってみようという事になった。もしオオムラサキが見られなくとも、様々な昆虫が見られる横丁があるから、ご参集頂いた方々も大喜びになる筈であると考えた訳である。
 寺家ふるさと村に到着して樹液滴るクヌギの木を見て回ったが、今日は、スズメバチ、カナブン、ヒカゲチョウ等の常連さんすら少ない。しかし、昆虫横丁では様々な昆虫がとても元気だ。相変わらず可愛らしいササキリの幼虫やアマガエルがいくらでもいる。上手く撮ったら写真コンテストに入選することだろう。しかし、今日の最大の珍品はコナラシギゾウムシ(?)だ。野鳥のシギのように口吻がとても長いシギゾウムシの仲間は、なかなか見られないから当然である。以上、今日は本命のオオムラサキには出会えなかったものの、一日中傘をささずに観察が出来た事が何よりの収穫であった。後はやって来る大型で非常に強い台風4号が、日本列島から遠ざかってくれる事を祈るのみである。

<今日観察出来たもの>花/タカトウダイ(写真上左)、アキノタムラソウ、オカトラノオ、ダイコンソウ、ヤブカンゾウ、ツユクサ等。蝶/チャバネセセリ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/コナラシギゾウムシ?(写真下左)、ニホンカブラハバチ(写真下右)、オジロアシナガゾウムシ、ハスジカツオゾウムシ、カシルリオトシブミ、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、ササキリの幼虫、ヤマトフキバッタの幼虫、ニイニイゼミの脱殻等。その他/アマガエル(写真上右)、ツリバナの実等。


7月13日(午前)、東京都町田市小山田緑地

 昨晩の天気予報では明日は雨で、「国蝶オオムラサキ観察会」は90%以上の確率で中止と思って就寝した。ところが起床してネットで天気予報を見ると、夕方まで雨が降らないとあるのでびっくりした。いつ雨が降って来てもおかしくない曇り空だから、オオムラサキが見られるかなと心配したが、残念ながら樹液に吸汁する姿は見られなかった。それでも雨さえ降らなければ、様々な蝶や昆虫等に出会えるのだから楽しい限りである。毎回のこの観察記には、花、蝶、昆虫、野鳥、実、キノコ等、バラエティーに富んだ写真を載せる事にしているのだが、まずは半野生化したルドベキアとオオテンニンギクを撮ってから、その他のものを撮ろうと悠然と構えた。しかし、午後半ばから寺家ふるさと村へ急遽行ってみようということになって、なんとなんと自然度の高い小山田緑地での写真は、半園芸品種の花のみとなってしまった。

<今日観察出来たもの>花/ルドベキア(写真上左)、オオテンニンギク(写真上右)、アキノタムラソウ、オカトラノオ、ミヤコグサ、コマツナギ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ノアザミ、ホタルブクロ等。蝶/オオムラサキ(他の方が目撃)、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ツバメシジミ、ベニシジミ等。昆虫/マメコガネ、セマダラコガネ、トウキョウヒメハンミョウ、オオスズメバチ、ササキリの幼虫、マドガ等。キノコ/アイタケ、タマゴテングタケモドキ等。その他/ヤマウコギの実、シロオビトリノフンダマシ等。


7月12日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 今日も昨日と同で、いつ雨が降って来てもおかしくない雲行きであった。そこで出かけるのがためらわれたが、昨日の午後に溜まっていた仕事を片付けてしまったので、やる事がなくなってしまった。この「やる事がない」と不安にかられるのが日本人の特性で、特に現役時代に頑張った男性に多く見られる現象であると言われている。その点、欧米人は余暇や残された人生を有意義に費やすことがとても上手のようである。かつて夏目漱石だったと思うが、「高等遊民の憂鬱」をテーマとした小説が、確かあったように記憶している。高等か下等かはさておき、とりあえず暮らせる「遊民」ならば、大いに結構と割り切りたいものである。
 そんな訳で何処へ出かけようかと思ったが、雨が降って来たらすぐに車に戻れる所、また、雨が続いているのでキノコが爆生しているのではないかと、寺家ふるさと村へ行った。しかし、期待したキノコは前回同様、ほとんど見られなかったが、地下のニイニイゼミの幼虫から伸びるセミタケが生えていた。冬虫夏草の代表的なもので、ニイニイゼミが発生する頃に見られる。掘り出して正体を明かし写真に撮ろうかなあとも思ったが、なんとなく掘り出す気力が出なかった。その後、昆虫横丁へ降りて行くと、一頃よりも種類数個体数ともに減っているように思われたが、今年は発生が極端に少なく、とても貴重なアカスジキンカメムシを発見した。まさに昆虫横丁の面目躍如といった感じである。しかし、前足が一本欠けていたので撮影することは断念した。今日はセセリチョウの仲間がとても元気で、4種類も確認出来た。また、クヌギの樹液にはジャノメチョウもやって来ていた。さあお次は何が現われるかなと樹液酒場で粘っていたら、なんとなんと蝶ではなくて大粒の雨が降って来た。

<今日観察出来たもの>花/オシロイバナ(写真上左)、アキノタムラソウ、オカトラノオ、ダイコンソウ、ミヤコグサ、アカツメクサ、シロツメクサ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、コムラサキ等。蝶/アゲハ、ジャノメチョウ(写真下左)、チャバネセセリ(写真下右)、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ、コチャバネセセリ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ等。昆虫/アカスジキンカメムシ、オジロアシナガゾウムシ、ハスジカツオゾウムシ、アカガネサルハムシ、カシルリオトシブミ、テントウムシ、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、セマダラコガネ、ササキリの幼虫、ヤマトフキバッタの幼虫、ニイニイゼミの脱殻等。キノコ/ヒダサカズキタケ、カワリハツ、クサハツ、ニオイコベニタケ、セミタケ等。鳥/カルガモ、アオサギ等。その他/ウツギの実(写真上右)、ツリバナの実、アマガエル等。


7月11日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 昨日から日曜日まで連続して6日間の傘マークである。天気予報には「北海道から九州にかけて低気圧や梅雨前線の雲に覆われ、前線は本州の南岸から九州にかけて停滞する。このため、ほぼ全国的に曇りや雨となり、北上してくる台風4号の影響で、前線の活動が活発になる見込みである」と書かれているのだから仕方がない。しかし、この雨で心配された水不足は解消し、毎日うだる様な暑さだったが、これで一息がつく。九州地方の大雨による被害には、ただただ手を合わせるのみだが、首都圏では天からの恵みの日々が続いているとも言えよう。
 そんな訳で今日も一日中雨の筈であったが、起床して外を見ると雨が降っていない。ネットで雨雲の動きを見ると、自宅周辺は午後1時位まで雨は降りそうもない。そこで至近距離の茅ヶ崎公園へ行ってみた。これだけ雨が降れば各種キノコが生えている筈と思ったら、コウジタケ、ツルタケ、カワリハツ、クサハツ、ニオイコベニタケ等が出迎えてくれた。しかし、昨晩のかなり激しい雨で傘は汚れていて、撮影する気になるものはほとんど無かった。しからば昆虫わ?と目を向けると、なんとベッコウハゴロモやアミガサハゴロが発生していて驚いた。やはり雨が続いているとはいえ、夏がやって来ているのだ。
 尾根道へ上がって大原みねみち公園方面へ歩いて行くと、死んでいたのだがゴマダラチョウを地面の上で発見して嬉しくなった。まだまだこの一帯には国蝶オオムラサキの弟分が健在なのである。このまま大原みねみち公園まで行こうかなとも思ったが、雨が心配で茅ヶ崎小学校への道を下った。途中、早くも秋の花であるゲンノショウコが咲き、クメロモジの実が色づき始めていた。また、湿地ではサンカクイの花が咲き、オオシオカラトンボがたくさん見られた。

<今日観察出来たもの>花/ゲンノショウコ(写真上左)、サンカクイ(写真上右)、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ヒャクニチソウ、ヒマワリ、アジサイ等。蝶/ゴマダラチョウ、ヒカゲチョウ、ルリシジミ等。昆虫/ベッコウハゴロモ(写真下右)、アミガサハゴロモ、シロオビヨコバイ、トウキョウヒメハンミョウ、オオシオカラトンボ、ササキリの幼虫、ニイニイゼミの脱殻等。キノコ/コウジタケ、ツルタケ、カワリハツ、クサハツ、ニオイコベニタケ等。その他/クロモジの実(写真下左)等。


7月9日、千葉県(仮称)サンコウチョウの森

 今週わが県のサンコウチョウのポイントへ行こうと考えていたら、なんと朝日新聞の社会面で紹介されてしまった。万事休すである。鳥撮りマンはもとより一般の方々も加わって、恐ろしいほどの混雑が予想される。そんな訳で今年のサンコウチョウの撮影は諦めだなと思っていたら、なんと鳥友から他所のサンコウチョウの情報を頂いた。今週は雨の日が多そうだから、かなり身体がへばっていたにもかかわらず、気力を奮い起こして行ってみた。すると二つある筈だった巣の一つが、なんと昨日アオダイショウに襲われてもぬけの殻となっていたが、有り難い事にもう一つの巣は残っていた。地元のコゲラの巣はアオダイショウにやられ、カイツブリはカラスに卵を食べられてしまったという。まこと野鳥達の人生ならぬ「鳥生」は艱難辛苦の連続である。そこで巣を放棄されたら一生の悔いと、遠くから静かにサンコウチョウを撮影した。

<今日観察出来たもの>鳥/サンコウチョウの雄(写真上左)、サンコウチョウの雌(写真上右)等。


7月8日(午後)、神奈川県相模原市相模川

 午後からは、新治市民の森の鳥友らに一緒に撮ろうよと誘われたが、ポイントはかなり暗くなって私の機材では良い写真が得られないので、相模川へ行く事にした。去年、セッカが撮り放題であったのを思い出したのである。河川敷に車を停めて健康昼寝を試みたが、今日は曇り日で気温が低くて心地良く、かなり長い爆睡となった。ターゲットのセッカは去年より少ないものの、それでもかなり見られたが、今日はヒュンヒュンと空で囀って、そのまま草むらの巣の近くへ直行の繰り返しで、とうとう撮影する事が出来なかった。しかし、可愛らしいモズの幼鳥がたくさん見られ、様々なポーズをとってくれたし、相変わらずホオジロがご機嫌で、枯れ草や枯れ木の上で囀りを繰返してくれた。目的のものは撮れなかったかったとは言え、今日のような天候の河川敷は鳥撮りには最高であった。

<今日観察出来たもの>昆虫/コオニヤンマ、ウスバキトンボ等。鳥/ホオジロ(写真上左)、モズの幼鳥(写真上右)、セッカ、ツバメ、スズメ、アオサギ等。


7月8日(午前)、横浜市緑区新治市民の森

 横浜市内でタマムシを見つけるのはかなり難しいが、新治市民の森のルリボシカミキリがたくさん見られた丸太なら来ているかもしれないと出かけてみた。また、まだ切出されて日が浅い丸太も別の場所に積んであるから、各種カミキリが飛来しているのではないかとも期待したのだ。しかし、どんよりとした曇り日のためか、タマムシはもとよりルリボシカミキリの姿さえ見られなかった。また、エグリトラカミキリやキスジトラカミキリ位はいるだろうと思ったのだが、まったくいないので拍子抜けしてしまった。ただ丸太が積んであれば様々な昆虫が来ているとは限らず、置いてある場所はもちろんだが、天候や時間にも左右されるようである。
 そんな訳で、決して期待を裏切らない満倉谷戸や遊水池へと引き返した。途中、エビヅルの葉にブドウハマキチョキリがたくさんいた。決して美しいとは言いがたい銅色の極小チョッキリなのだが、なんとなく可愛らしく親しみを感ずる。また、ヘクソカズラが早くも咲き出していたので、これは頂きと撮影した。かつては屁糞蔓なんてとても可哀相な名を付けられたものだなあと同情したが、自宅の庭のフェンスに絡まり、その除去に苦労してからというもの、やっぱり屁糞蔓かなあと思うようになって来た。なにしろ根まですっかり除去しないと、いつのまにか手が付けられない程にフェンスに絡みつくのだから、すこぶる繁殖力旺盛である。また、鎌で刈るととても嫌な臭いがするのだから尚更だ。とは言っても花のない今の時期には貴重なお客様と丁寧に切り取った。満倉谷戸のススキの原では相変わらずジャノメチョウがふわふわと飛び交い、ススキの葉にはひょうきん顔のシロオビトリノフンダマシが張り付いていた。

<今日観察出来たもの>花/ヨウシュヤマゴボウ(写真上左)、ヘクソカズラ(写真上右)、コマツナギ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ノアザミ、オオキンケイギク等。蝶/ヒメアカタテハ、ジャノメチヨウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ベニシジミ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、キマダラセセリ等。昆虫/ブドウハマキチョッキリ(写真下右)、マメコガネ、トウキョウヒメハンミョウ、コフキゾウムシ、カワトンボ、ササキリの幼虫等。その他/シロオビトリノフンダマシ(写真下左)等。


7月7日(午後)、東京都町田市小野路町

 午後からも曇り日で風も無く気温も低いと予報されていた。そこで寺家ふるさと村だけで帰るのはもったいないと、午後も何処かへ行こうと思案した。お腹がリンガーハットの「皿うどん」を久しぶりに食べいと要求しているので、おのずと小野路町へ行くことになった。
 昼飯時だったが、リンガーハットの駐車場は軽自動車のみOKの場所が空いていてほっとした。まこと軽自動車は有り難い。更に量もあり具沢山の皿うどんが、なんと450円とはかなりお安い。みなさん、それプラス餃子のセット等を注文していたが、小食の私には皿うどんの並で十分だ。前にも記したが、野口英世先生が印刷されているお札のみを友にしている貧乏人だから、宿泊費の高い旅館とは無縁なのだが、そればかりでなく小食の私には、これでもかこれでもかと並べられる食事について行けないのである。かつて、もったいないからとほとんど食べたら翌日腹痛を起こし、散策を中止したという経験があるのだ。
 話は随分横道に逸れてしまったが、久しぶりの小野路町でまず驚いたのは、なんとヤマホトトギスが各所で咲いていた事である。また、角は貧弱だが、今年初めてのカブトムシに出会って、とても嬉しくなった。更にTさん宅前を通り過ぎると、Tさんはもとより緑山のKさんらがいて、とても楽しい会話が弾んだ。「五十肩が治らなくて身体がこわばって、小田急線を越えて町田市に来る気がなかなか起こらないんですよ」と、苦笑いしながら釈明した。昆虫横丁から美しい雑木林、Tさん宅経由でキノコ山、そして万松寺谷戸へと下ったが、やはり小野路町の散策は、なんとなく気品に溢れ心満たされる何かがあるようだ。これからも調子が良い時は、また小野路町へ来ようと思ったのは言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>花/ヤマホトトギス(写真上左)、コマツナギ(写真上右)、ネジバナ、ヤマユリ、ヤブカラシ、ヤブカンゾウ、ツユクサ等。蝶/アゲハ、ジャノメチョウ、ベニシジミ、ムラサキシジミ等。昆虫/カブトムシ(写真下右)、コクワガタ、カナブン、オオスズメバチ、ルリボシカミキリ、ヨツスジハナカミキリ、ナガゴマフカミキリ、ヒメクロオトシブミ、トウキョウヒメハンミョウ、オオニジュウヤホシテントウ、オオシオカラトンボ等。キノコ/タマゴテングタケモドキ、コテングタケモドキ、ドクツルタケ、キヒダタケ、アシボソノボリリュウタケ等。その他/ブルーベリーの実(写真下左)等。


7月7日(午前)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 首都圏では雨がかなり降ったとは言いがたいものの、それでも雨が降ったし、梅雨特有の湿度の高い曇り日が続いている。そこで、もう大型のテングタケやキタマゴタケが生えているのではないかと期待して、寺家ふるさと村へ行ってみた。今日は土曜日だというのに、四季の家の無料駐車場はかなり空いていた。こんな不快指数の高い日に、家族で散策などという気にはなれないのだろう。
 期待したキノコのポイントに足を踏み入れると、まずは苔から顔を出したニオイコベニタケが出迎えてくれた。ごくごく普通種とはいうものの、鮮やかな赤い傘の色は美しく、久しぶりのご対面で、こちらの方こそ頬が赤く染まった。これなら期待出来るぞと更に小道を進んだが、期待したテングタケやキタマゴタケの姿は目に入って来ない。それでもチチタケやアイタケが生えていてほっとした。
 そんな訳で、期待した大型キノコは来週ということになった。こうなったら決して期待を裏切らない昆虫横丁へ行くしかないなと、足早に行ってみると、相変わらずの大繁盛で嬉しくなった。蝶ではオオチャバネセリに加えて、イチモンジセセリがたくさん見られた。甲虫類はいつものように賑やかであったが、すでに撮影して紹介しているものがほとんどなので、これまたごくごく普通種のマメコガネを撮った。マメコガネはアメリカへ侵入して農作物に多大な被害を与え、ジャパニーズビートルと恐れられた事はかなり昔の話であるが、本当に何でも食べるコガネムシである。しかし、いざ撮影しようとすると、接近を感知して後ろ足を突っ張ったり触覚をたたんでむっつりしたりして、なかなか良い写真を撮らせてくれないのである。しかし、今日はご機嫌が良い個体が多くて、すんなり撮影出来た。

<今日観察出来たもの>花/ミヤコグサ(写真下左)、コマツナギ、ウツボグサ、ヤマユリ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ノアザミ等。蝶/ルリタテハ、ヒメアカタテハ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/マメコガネ(写真下右)、セマダラコガネ、トウキョウヒメハンミョウ、コフキゾウムシ、オジロアシナガゾウムシ、オオスズメバチ、ナナフシモドキ、トビナナフシ、ササキリの幼虫、ヤマトフキバッタの幼虫等。キノコ/アイタケ(写真上左)、ニオイコベニタケ(写真上右)、チチタケ、オサムシタケ等。その他/ツリバナの実、アマガエル、シュレーゲルアオガエル等。


7月5日(夕方)、山梨県(仮称)コルリの森

 いつもよりかなり遅い健康昼寝に入ったからか、心地良い熟睡状態に入れない。それでもいくらか疲れが取れたので、久しぶりに(仮称)コルリの森へ行ってみた。ポイント上の道は、数多くの車が停まっていた5月が信じられないくらいに寂しく、今日はなんと2台であった。木々の葉は高原といえども濃緑となって陽の光は遮られ、シャッター速度が上がらずに良い写真が撮れないから、鳥撮りマンもやって来ないのである。最近発売された値段の凄く高いカメラはISO感度をかなり高くしても良い画質のようで、これに明るいレンズを装着すれば暗い場所でも良い写真が撮れる事だろう。写真は心だ腕だ運だと言っても、やはりお金持ちには敵わないのである。そんな訳でポイントには下りて行かず周辺を散策して、短時間だがキビタキとホオジロが撮れたので、終わり良ければ全て良しと今日のプチ遠征は終了した。

<今日観察出来たもの>鳥/キビタキ(写真上左)、ホオジロ(写真上右)、ホトトギス等。


7月5日(午後)、山梨県山中湖村平野

 かなり寄り道をしてしまったので、今日の本命場所の石割の湯の駐車場に到着したのは、なんと午前11時となってしまった。コンビニで購入した弁当を食べるのにはちよいと時間が早過ぎるので、1時間程散策してみる事にした。駐車場からすぐの所に、少量だが丸太が積んであって、今日はキスジトラカミキリ、カラカネハナカミキリ、ゴマフカミキリが飛来していた。赤緑色で金属光沢を持つカラカネハナカミキリはとても美しいのだが、じっとしている事が少ないので撮影には難儀した。更に林道をとぼとぼ登って行ったが、シカが現われて脅された位で、これと言ったものには出会えなかったが、相変わらずジョウカイボンやハムシの仲間が見られ、羽が破損していたがミスジチョウにも出会った。また林道沿いにたくさん見られるアブラチャンの実は、もうかなりの大きさに成長していた。
 普通なら食事を済ませると健康昼寝の時間なのだが、前述したように、ほとんど今日は成果が上がっていない。高い交通費をかけてやって来たのに、これではなあと愚痴がこぼれ、昼寝は後でする事にして、やや山伏峠に近い場所に移動した。まずは各所に咲いているヤマオダマキを撮った。苔蒸したる樹林の中にはキノコがかなり生えていそうだが、なんとなく入る気が起きず、小道脇に生えていたチシオタケを撮った。ちょっとでも傷がつくと、まるで血液の様な液が染み出て来るので、そう名付けられた端整な形のキノコである。道と道が交差するやや空けた場所まで来ると、羽化したてのクジャクチョウが地面に静止してテリトリーを張っていた。これは頂きと何べんも飛び立たせて、良い場所に止るのを待って、慎重に近づき撮影した。これでほっと一安心、車に戻って健康昼寝に入った事は言うまでない。

<今日観察出来たもの>花/ヤマオダマキ(写真上左)、シモツケ、ウツギ、イボタ、ヤマボウシ等。蝶/クジャクチョウ(写真上右)、ミスジチョウ、ギンイチモンジセセリ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/カラカネハナカミキリ(写真下左)、オバボタル(写真下右)、マメコガネ、キスジトラカミキリ、ゴマフカミキリ、ジョウカイボン、クロジョウカイ、ヤナギハムシ、イタドリハムシ、アトボシハムシ、ウスアカオトシブミ等。キノコ/チシオタケ、コガネニカワタケ等。その他/アブラチャンの実、シカ等。


7月5日(午前)、静岡県御殿場市中畑

 7月入って初めての富士山周辺へのプチ遠征である。今日も鮎沢パーキングエリアに寄り道したが、外灯にオオツノトンボとヘビトンボが飛来して、壁に止っていたのにはびっくりした。ツバメの巣は相変わらず絵になる所にはなく、次なる足柄サービスエリアに行った。しかし、昨晩、東海道新幹線が運転を見合わせた位に激しい雨が降った為か、クヌギやコナラにはヒカゲチョウが来ている位であった。こうなったらと、御殿場市でも里山風景が残る中畑の雑木林に行ってみた。しかし、まだクヌギの樹液の出はほとんどなく、昨晩の豪雨の影響もあってか、これといったものは見られなかった。ただ、各種のキノコは元気で、またギンリョウソウもかなり見られた。昆虫は数が少なかったが、久しぶりに黄色のヤツボシツツハムシに出合ってほっとした。ここはやはり梅雨明けからが、ベストシーズンのようである。

<今日観察出来たもの>花/ギンリョウソウ、ナワシロイチゴ、アカツメクサ等。蝶/スジグロシロチョウ、ヒメキマダラセセリ等。昆虫/ヤツボシツツハムシ(写真上右)、マメコガネ、アキアカネ等。キノコ/ヒダサカズキタケ(写真上左)、ドクツルタケ、ニオイコベニタケ、クサハツ、カバイロツルタケ等。


7月3日(午後)、横浜市港北区新吉田町

 午後からは自宅に帰ろうかなと思ったが、獅子ヶ谷市民の森で期待した写真があまり多く撮れなかったし、相変わらずの曇り日が続いているので、これまた久しぶりになる新吉田町へ行った。お財布に入り切れない程の福沢諭吉先生が印刷されたお札をお持ちの方は、戸隠や霧が峰や宮古島等へ憧れの野鳥を撮りに行っているようだが、野口英世先生が印刷されているお札のみを友にしている貧乏人には、週一回の富士山周辺散策と近場での花虫撮るが相応しい。もっとも、アカショウビンや夏羽のノビタキだって、ほん短期間だが身近な緑地に姿を現わす時もあるのだから、貧乏人にもチャンスはある。だから、今の我が国の経済格差よりも公平だとも言えよう。そんな強がりを言ってみるのだが、やはり珍しい野鳥が撮り放題の所へ行ってみたいものである。
 散策を開始してまず最初に驚いたのは、秋の花であるヒヨドリジョウゴが咲いていた事である。梅雨の花であるアジサイがまだ咲き残っているのに、まことに不思議な光景であった。植木屋さんの畑ではアケビに似ているポーポーの実がとても大きくなり、ブルーベリーの実も色づいて来た。丘の上の畑に登って行くと、黄色い地の胸部に四つの黒い丸い紋が印象的なイチモンジハムシが見られて嬉しくなった。この辺りに食草のイタビカズラやイヌビワは見られないのだが、ことによったら同じ仲間のイチヂクの葉でも食べているのだろうか。日曜菜園へ降りてゆくと、ハルシャギクが各所に咲いて美しい、ナガイモの花の上で、ヤマイモハムシが交尾しているのを見つけて微笑んだ。各所でヤブカラシの可愛らしい花も見られるようになって、確実に季節は夏に向っているようである。もうすぐニイニイゼミも鳴き出す事だろう。

<今日観察出来たもの>花/ハルシャギク(写真上左)、ヤブカラシ(写真上右)、ヒヨドリジョウゴ、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ルドベキア、アジサイ、ノウゼンカズラ、ボタンクサギ等。蝶/アゲハ、ヒカゲチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ等。昆虫/イチモンジハムシ(写真下左)、ヤマイモハムシ(写真下右)、エゴツルクビオトシブミ、ウスモンオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、トウキョウヒメハンミョウ、セマダラコガネ、オオニジュウヤホシテントウ、トホシテントウ、オジロアシナガゾウムシ等。その他/フサスグリの実、ツリバナの実、ポーポーの実、ボケの実、ブルーベリーの実等。


7月3日(午前)、横浜市鶴見区獅子ヶ谷市民の森

 前回、「これからは好い加減にフィールドへ出向いて写真撮影をし、このつれづれ観察記も、あらまあ、まだ続いていたんだと思われる程に、かなりの間を空けて、のんびりと続けて行くつもりである」と書いたら、「身体の事もあるでしょうから、行く回数を少なくしてでも、つれづれ観察記を続けて下さい」とのメールが届いた。こんなメールにからきし弱いので、とうとう5年間も続けてしまった。しかし、私から道端自然観察及び写真撮影を取り除いたら、いったい何が残るのだろうと考えると、なんにも無いんですよね。そんな訳で、久しぶりに獅子ヶ谷市民の森へ行った。
 旧横溝家の広い敷地に入ると、早くもコスモス、キバナコスモスが咲き、竹の棒に絡まったヒョウタンには小さな実がなっていて笑ってしまった。当たり前の話なのだが、小さくともヒョウタン形をしている。門を出て獅子ヶ谷市民の森の方へ歩き始めると、かなり背が伸びたミソハギに、たくさんのモンシロチョウが吸蜜に訪れていた。また、1頭だがキアゲハもやって来ていた。小川沿いのアジサイは盛りを過ぎたが、代わってボタンクサギが咲き出していた。
 5月21日に花を撮影したジャガイモ畑は、すっかり掘り起こされて収穫が済んでいた。こんなに早くジャガイモが収穫されるとは知らなかったので驚いた。また、反対側の畑にはソバが真っ白に咲いていた。これまた、ソバの花と言えば秋だと思っていたのでびっくりした。更に、びっくりついでに、ソバ畑の上をなんと3匹のチョウトンボが舞っていた。白い花に黒いトンボというのも妙である。獅子ヶ谷市民の森は、チョウトンボが去年大発生した二ッ池に至近だから、そこから飛来したのだろうか。このようにたおやかに飛翔するチョウトンボは棒の先に止ることは無いから、無念だが撮影は諦めた。

<今日観察出来たもの>花/モントブレチア(写真上左)、ネジバナ(写真上右)、ヤブカンゾウ、ツユクサ、ミソハギ、タチアオイ、コスモス、キバナコスモス、ボタンクサギ、アカメガシワ、アジサイ等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、アゲハ、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、モンシロチョウ、ムラサキシジミ等。昆虫/エビイロカメムシ(写真下左)、ノコギリカメムシ、チョウトンボ、オオシオカラトンボ、オオニジュウヤホシテントウ、セマダラコガネ、マメコガネ、トウキョウヒメハンミョウ、コフキゾウムシ等。その他/ユスラウメの実(写真下右)等。


7月1日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは一日中曇り日だというので、昨日は時間切れで歩けなかったポイント各所が気になり、再び新治市民の森へ行った。いつものように健康昼寝をしたのだが、急に車の中が暑くなって目が覚めてしまった。なんと一日中曇り日の筈だったのに、陽が射して来たのである。そこで熟睡を阻まれた寝ぼけ眼で、いつものように遊水池から散策を開始した。昨日は一匹も見られなかったマユタテアカネが今日はたくさんいて、昨日たくさんいたハラビロトンボはほとんど見られなかった。丘の上の栗林へ行ってみたが、今日はトラフシジミは見られなかったものの、美麗なヒメアカタテハがヒメジオンで吸蜜していた。こんなにたくさん栗が植栽されているのだから、寺家ふるさと村と同様にゴマダラオトシブミがいる筈と探してみたら、なんと2匹も見つける事が出来た。丘を下って満倉谷戸へ入ると、ジャノメチョウが飛び、栗の幹にコクワガタが3匹も見られた。
 いよいよお次は今日の本命の観察ポイント、梅田川である。今日は日曜日だから子供達が浅い川に入って、アメリカザリガニや小魚を網ですくっている。こんな時は目的とするハグロトンボも落ち着かないのだが、子供達のやって来ない場所に行くと、たくさんのハグロトンボが飛んでいた。今日は長靴を履いて来ているので、川の中へ入ってハグロトンボを撮影した。ゴムを通しても川の水の冷たさが身体に伝わって来てとても涼しい。夏になると親子連れがわんさか川遊びにやって来るのも頷ける。ハグロトンボは腹部が緑色に光っているのが雄で、こちらを撮らないと話にならない。川の中ですってんころりん機材がぼちゃとなったら、22枚の万札が空を飛ぶ。そんな訳で慎重に歩き回った為、ハグロトンボを無事に撮り終わると、その疲れがどっと押し寄せて来た。

<今日観察出来たもの>花/トリトマ(写真上左)、ネムノキ、ヤブカンゾウ、ネジバナ、ツユクサ、ドクダミ、オオキンケイギク、ムギワラギク、アジサイ、ノウゼンカズラ等。蝶/クロアゲハ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、ジャノメチョウ、サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ベニシジミ、ツバメシジミ、キマダラセセリ等。昆虫/コクワガタ(写真上右)、マユタテアカネ?(写真下左)、ハグロトンボ(写真下右)、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ハラビロトンボ、マツアナアキゾウムシ、ゴマダラオトシブミ、エゴツルクビオトシブミ、ウスモンオトシブミ、トウキョウヒメハンミョウ等。その他/ミツバウツギの実、キブシの実等。


7月1日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 早いもので、いよいよ7月に入った。7、8、9月の3ヶ月間は鳥撮りのシーズンオフに入り暑いこともあって、これからは好い加減にフィールドへ出向いて写真撮影をし、このつれづれ観察記も、あらまあ、まだ続いていたんだと思われる程に、かなりの間を空けて、のんびりと続けて行くつもりである。そうは決意したものの、やはり初めと終わりがしっかりせぬと締まらないという訳で、しぶしぶ重い腰を上げて近場の茅ヶ崎公園へ行った。
 散策を開始してまずはキノコが生えていないかと、せせらぎ沿いの道を探してみたものの、ニオイコベニタケすら見られないのだからがっかりした。いつものようにファミールの竹林の下草の葉上に何かいないかと探してみたら、今日はセマダラコガネが見られた。セマダラコガネは他のコガネムシと異なって、いつも顔を起こして触覚を伸ばしてじっとしているから撮影は簡単である。マメコガネほどポピューラーではないものの数が多く、毎年、決まって撮影する。池上の雑木林の縁にあるコナラに目を向けると、なんとシロスジカミキリの産卵痕がかなりついていて、港北ニュータウンにもカミキリムシの王様が健在である事が分かった。
 今日はこれといったものに出会わないから、大原みねみち公園まで足をのばす事にした。途中、早くもヤマボウシのサッカーボールのような実が熟し始めていた。大原みねみち公園の池にどんなトンボがいるのかなあと期待したのだが、なんとなんとハグロトンボが一匹いたのには驚いた。また、コシアキトンボが池の中の枯れ枝に止っていたのだから嬉しくなった。これでかなりカメラの中は賑やかになったので、後は花を撮りたいと茅ヶ崎公園生態園へ引き返した。すると途中に、ダイコンソウがかなり咲いていて喜んだのも束の間、薮蚊の襲来に悩まされて落ち着いて写真を撮る事が出来なかった。

<今日観察出来たもの>花/ダイコンソウ(写真上右)、ネジバナ、ツユクサ、ドクダミ、ヤマハギ、アジサイ等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、ヒカゲチョウ、キチョウ、ムラサキシジミ、ベニシジミ等。昆虫/セマダラコガネ(写真下左)、コシアキトンボ(写真下右)、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ハグロトンボ、トウキョウヒメハンミョウ、コフキゾウムシ、エノキハムシ、ヤマイモハムシ等。その他/ヤマボウシの実(写真上左))、エゴノキの実等。



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