2005年:つれづれ観察記

(9月)


9月27日、神奈川県相模原市(仮称)ノビタキの里

 最近晴れるとまだ暑いから、Yahooの天気予報でお日様マークを見つけると眉をしかめる。今日は一日中曇りで、明日は晴れである。ということは明日は自宅蟄居となるから、左程の元気があった訳ではないものの、曇り日で涼しいということだけで(仮称)ノビタキの里へ行った。前回は午後のほんの短時間であったので、今日は半日たっぷり鳥撮りを楽しむつもりで出かけた。それに前回はモズに逃げられてばっかりいたので、今日こそはとも思った訳である。
 前にも記したと思うが、鳥撮りも含めて写真は背景である。(仮称)ノビタキの里は前方に丹沢、後方に相模原台地の緑滴る斜面緑地となっているから、本当に背景がパステルカラーで美しい。棒杭に止った鳥の写真なんて好かんよ。あるいは花虫さんの写真は単調過ぎて面白くないよ等と言われるが、それはごもっともな批評なので反論は避けるが、しばらくの間は、そんな写真を撮っていたいのである。また、デジスコは恐ろしいほどの超望遠だから、そんな背景を暈した写真にはうってつけなのである。
 散策を開始すると乾してある稲の束の上に、今まで見た事が無い鳥が止っている。またしても珍鳥発見と胸が騒いだが、撮り終わって液晶画面で拡大して見ると、どうやらイソヒヨドリの雌のようだ。磯がつくのに何故か田んぼにいるのだから、頭が混乱したのも当然である。更に農道を先に進むと、土手の上の石柱に、今日の目的たるモズが止っている。その場所がとても好きらしく、飛立ってもしばらくすると戻って来て高鳴きを始める。しかも背景は丹沢の山だから、青い色のパステルカラーとなる。そこでたかがモズではあるが、かなりの時間粘って撮影した。ここで撮影すると、どんな鳥だって本当に美しく撮れてしまうのだから、まこと得難い撮影場所であるなあと再認識するに至った。

<今日観察出来たもの>鳥/イソヒヨドリの雌(写真上左)、モズ(写真上右)、セグロセキレイ(写真下左)、ノビタキ(写真下右)、セッカ、スズメ、ハクセキレイ、トビ、チョウゲンボウ等。


9月26日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 今日は月の第4水曜日、定例の寺家ふるさと村に於いての道端自然観察会である。先月は極暑の為に参加された方はゼロであったが、今日はいつものメンバーが参加された。天気は薄曇りで気温も低く、散策には快適な日和となってほっとした。ところが、私は先週の土曜日に整形外科で注射を打ってもらったからか、五十肩の痛みは幾分和らいだが、四十肩、五十肩になられた方がいて驚いた。今年の夏はとんでもなく暑かったから、寄る年波に耐えられなくなったのだろう。
 9月に入ってからも残暑はかなり厳しく、秋がやって来たとの実感はまだないものの、田んぼでは稲刈りや脱穀も始まっていて、スズメが集団で飛来していた。農家の方には困りものなのだろうが、今の季節の風物詩の一つでもある。また、農道の縁や田んぼの畦ではヒガンバナが咲き誇り、キアゲハ、アゲハが吸蜜に訪れていた。更に、田んぼや畑に刺してある竹の棒の先には、アキアカネがかなりたくさん見られた。高原や北国で夏を過ごしたツツドリやキビタキ等が飛来しているように、高原に避暑に出かけていたアキアカネも戻って来たという訳である。きっと、高原はかなり涼しくなって、シラカバ林ではベニテングタケが地面から顔を覗かせ、草原ではリンドウが風に揺れている事だろう。
 今日の寺家ふるさと村は、野の花、蝶、昆虫、キノコととても盛りだくさんで、野の花ではオオミゾソバが赤いコンペイトウの様に美しく咲いていた。雑木林の尾根に登るとタマゴタケが白い殻を破って顔を出し、雑木林の縁の日陰になる所にはマユタテアカネがたくさん見られた。そんな訳で、もう少し涼しくなってからにして欲しいのだが、ご覧のように暑さを感じさせる赤い色の被写体がとても多かった。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ(写真上左)、オオミゾソバ(写真上右)、キバナアキギリ、ツリフネソウ、ヤマホトトギス、ツルニンジン、ダイコンソウ、ヒメジソ、ヤマハギ、ツルボ、センニンソウ、ゲンノショウコ、アメリカセンダングサ、ツリガネニンジン、アレチヌスビトハギ、ヌスビトハギ、ノハラアザミ、トネアザミ?、ヨメナ、ユウガギク、キツネノマゴ、アキノタムラソウ、ツユクサ、タカサブロウ、ノダケ、サクラタデ、イヌタデ、コナギ、イボクサ、オモダカ等。蝶/キアゲハ、アゲハ、クロアゲハ、ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、コミスジ、ヒメジャノメ、イチモンジセセリ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ等。昆虫/マユタテアカネ(写真下左)、ナツアカネ(写真下右)、アキアカネ、ネキトンボ、ウスバキトンボ、オジロアシナガゾウムシ、クロウリハムシ、キバラヘリカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ等。キノコ/タマゴタケ、テングタケ、ウスキテングタケ、シロテングタケ、ムラサキホウキタケ、シロソウメンタケ、ヤマドリタケモドキ、コテングタケモドキ等。その他/クサギの実、ツリバナの実、スダジイの実、アマガエル等。


9月24日、東京都江戸川区葛西臨海公園

 今日は電車で楽々の葛西臨海公園へ鳥撮りに行った。天気は曇り日だし人出はさほどでも無かろうと思ったら、駅前のラーメン屋さんは長蛇の列。そこでコンビニへ行ってみると、御握りも含めてご飯類は全て売り切れであった。まさかこんなに混んでいるとは思わなかったので途方に暮れた。仕方無しに園内の売店でカレーライスを食べた。今日の目的は、キビタキ、コサメビタキ、エゾビタキ等のヒタキ類である。ポイントへ出向いて見ると、カメラマンが大勢集っていた。しかし、まだ飛来したばかりなのか、キビタキやセンダイムシクイは落ち着きが無い。これではデジスコでは無理かなと思っていたら、エゾビタキがソメイヨシノの梢でポーズをとってくれた。曇り空に抜いても絵にならないので、バックして背景に緑を入れた。鳥類園ではセイタカシギ、タシギがかなり見られ、チュウシャクシギも遠くだが観察する事が出来た。

<今日観察出来たもの>鳥/エゾビタキ(写真上左)、タシギ(写真上右)、キビタキ、センダイムシクイ、ヒヨドリ、セイタカシギ、チュウシャクシギ、キジバト、ハクセキレイ、アオサギ、ダイサギ、カルガモ等。


9月23日(午後)、神奈川県相模原市(仮称)ノビタキの里

 藤沢のO公園等では、エゾビタキ、コサメビタキ等もやって来ているとの事だが、いずれその両種は撮れるだろうと思って、午後からは(仮称)ノビタキの里へ行った。今日はお彼岸の中日だから道路が渋滞していて、かなり時間を浪費した。久しぶりにデジスコをセットして歩き始めると、まずは棒杭の天辺で高鳴きするモズを見つけた。しかし、モズは人の接近に敏感だから証拠写真程度しか撮れなかった。更に農道を歩いて行くと、ノビタキが2羽、棒杭の天辺に止っている。「お久しぶりです。ノビタ君」と声をかけてから撮影した。モズに比べるとやや警戒心が薄いから、撮影は比較的簡単である。しばらくノビタキと戯れていると、近くの棒杭にセッカのセッちゃんがやって来た。こちらもノビタキに劣らぬ可愛い小鳥である。こんな愛らしい小鳥と戯れていると時間は瞬く間に過ぎて、「また来るからね」と声をかけてから帰路についた。

<今日観察出来たもの>鳥/セッカ(写真上左)、ノビタキ(写真上右)、モズ、ツバメ、スズメ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、アオサギ、トビ、チョウゲンボウ等。


9月23日(午前)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 今日は曇り日でとっても涼しい。花虫撮るの道端自然観察には絶好の日和だが、そろそろ鳥撮りとも思っていたので、午前中のほんの短時間だけ、寺家ふるさと村のキノコのポイントを覗いてみた。昨日、行った方のHPを見ると、キタマゴタケがまた生えて来ているらしい。今年はこれでもう見られないかもしれないと思うと、もう一度会っておきたいなあと思った訳である。キタマゴタケはだいぶ生長していて、白い卵から顔をのぞかせている可愛らしい幼菌の写真を撮りたかったのだが、端整な形の成菌をカメラの中に納める事となった。その他、テングタケ、ウスキテングタケ、ヤマドリタケモドキ等、このポイントでの常連キノコも生えていた。また、キノコの広角接写に命をかけるN仙人も現われ、楽しい一時を過ごした事は言うまでも無い。いよいよ寺家ふるさと村のキノコも秋本番の種類となって行くようである。

<今日観察出来たもの>キノコ/キタマゴタケ(写真上左)、テングタケの幼菌(写真上右)、ウスキテングタケ、ツルタケ、テングツルタケ、ヘビキノコモドキ、ヤマドリタケモドキ、ニオイコベニタケ、ムラサキホウキタケ等。


9月22日、横浜市都筑区鴨池公園

 経験者から「五十肩なんてほっといても治るよ」と言われていたが、1年経っても治らないので久しぶりに整形外科へ行ってみた。お医者さんいわく、「油切れですね」とおっしゃる。まことに的を得た表現なのだが、老化現象の現れなのだから寂しくなる。機械だったらオイルをさしてあげれば良いのだが、人間の身体はそういう訳にも行かない。レントゲンを撮ってみると、骨にカルシュウムが付着しているらしい。これも歯垢がこびりついているようなもので寂しくなる。早く治したいなら注射ですねと肩にちくりとやられた。そんな訳で、天気は相変わらずのピーカンで暑いことも手伝って、元気がなくなってしまった。
 それでも気力を振り絞って、午後から健康散歩だよ花虫さんとばかりに鴨池公園へ行ってみた。前回は、お隣の葛ヶ谷公園をメインに散策したので、鴨池公園のキノコが気になったのだ。しかし、花の命より短いキノコの命は、雨が降らずにピーカン続きだから、これといったものは見られない。それでもツルタケやテングタケダマシの幼菌がいくらか見られた。
 これでは今日は駄目だなと思ったら、マヤランがたくさん咲いていて驚いた。多摩丘陵等の自然度の高い所でしか見られないと思っていたからである。マヤという言葉の響きは、マヤ文明あるいは麻耶という名の妖艶な女性を思い起こし怪しげな響であるが、神戸市の摩耶山で初めて見つけられたのでそう命名されたらしい。葉のないランの仲間で菌根を形成して、必要な養分は菌類から得ている腐生植物である。キノコがたくさん生える場所なのだから見られても不思議では無いが、瀟洒な住宅やマンションに囲まれた港北ニュータウンの公園である。ますます定期的に散策しなければならなくなった。

<今日観察出来たもの>花/マヤラン(写真上左)、イヌコウジュ、ツリガネニンジン、ワルナスビ、ツユクサ、ヒガンバナ、キツネノマゴ、アレチヌスビトハギ、ヌスビトハギ、ヤマハギ等。蝶/アゲハ、アオスジアゲハ、ベニシジミ、イチモンジセセリ、等。昆虫/ハラビロカマキリ(写真下右)、クサギカメムシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、ツマグロオオヨコバイ等。キノコ/ツルタケの幼菌(写真下左)、テングタケダマシ、ウスキテングタケ、ニオイコベニタケ等。その他/サカキの実(写真上右)、コブシの実等。


9月21日、神奈川県川崎市宮前区東高根森林公園

 今日はこのHPの満5歳の誕生日である。思えば本当に遠くに来たものである。それを祝福してか、抜けるような青空が広がっている。この神様の配慮に対して大いに感謝せねばならないのだが、道端自然観察及び写真撮影には最悪の天候である。もうそろそろ、都内の公園へ電車で楽ちん鳥撮りへ行こうかなと思っていたのだが、こんなピーカンの暑い日には鳥なんか出て来ないだろうし、また、県央の田んぼは水が抜かれて干上がっているという。そんな訳で今日はお休みとも思ったが、満5歳の誕生日なのだから何処かへ行ってみようと東高根森林公園へ行ってみた。ここは平日は駐車場が無料、近くにとても美味しい「ほっかほか亭」もある。しかも、日陰となる雑木林の縁に沿ってアジサイが植えられているから、そこにいる昆虫を撮影していれば、こんなピーカンの暑い日でも快適だと思った訳である。
 その思惑はどんぴしゃりで、日向へ出ると耐えられない程の強烈な太陽が照りつけて頭もくらくらするが、木陰は涼しい風も吹いていて汗も滲み出て来ない。それにこのところほとんど出会っていなかった、エサキモンキツノカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ等が葉上でポーズをとっている。ただ、こんなピーカンの日は日陰はとても暗くなって、シャッター速度が上がらない。それでも風の止み間を待って、久しぶりのカメムシデーとなった。湿生花園には、ツリフネソウ、カリガネソウが群落をつくって咲いているが、こんな日には花を撮る気にもなれないので、日陰に咲いていたカリガネソウだけをカメラの中に納めた。もちろんヒガンバナも各所に美しく咲いていたのだが、どう撮ってもコントラストの強いどぎつい写真となってしまうので撮影は諦めた。

<今日観察出来たもの>花/カリガネソウ(写真上左)、ツリフネソウ、コウホネ、オケラ、ツユクサ、ヒガンバナ、ヨウシュヤマゴボウ、キツネノマゴ、ヌスビトハギ、ヤマハギ等。蝶/アゲハ、コミスジ、キチョウ、イチモンジセセリ、等。昆虫/エサキモンキツノカメムシ(写真下左)、ツヤアオカメムシ(写真下右)、クサギカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫、キバラヘリカメムシ、ツクツクボウシ、ツマグロオオヨコバイ、アキアカネ、ヤマトフキバッタ、シマハナアブ等。キノコ/ヒトヨタケ、イヌセンボンタケ、ナラタケモドキ等。その他/ヨウシュヤマゴボウの実(写真上右)、サルトリイバラの実等。


9月19日(午後)、東京都町田市図師町

 午後からは久しぶりに尾根を越えて、図師町の方へキノコを探しに行った。私はキノコ屋さんでは無いのだが、この季節の大スターたる、タマゴタケ、コガネヤマドリ、シロオニタケ等には会いたくなる。昨日は自然度が今一な公園だったので、それらのキノコには出会えなかったのだが、多摩丘陵なら生えている筈と踏んだのだ。そんな訳で、午後からはすっかりキノコ目となってしまったので、花や蝶や昆虫の観察はおろそかになってしまった。
 久しぶりにKさん宅前を通り過ぎてキノコ尾根に入ると、美しいコガネヤマドリが各所に爆生していた。幼菌から老菌まで見られたが、やはり傘が開き始めた位のものが被写体としてはベストである。そこで、3人兄弟のようにバランス良く並んだものを撮影した。キノコ尾根を更に下って行くと、ウラグロニガイグチ、キクバナイグチ、コテングタケモドキ等の大物が見られ、五反田谷戸降り口には可愛らしいタマゴタケも生えていた。そこで本当に久しぶりに、山野草の花を撮っていらっしゃるT夫妻に遭遇し、キバナアキギリがもう咲いている事を知らされた。
 今日の目的たるシロオニタケやタマゴタケは五反田谷戸へ降りる道に良く生えていたのだが、前記した弱々しいタマゴタケを見つけた以外、シロオニタケの姿も見られない。そこでこんな事もあろうかとスズメバチ対策の白っぽい服装をして来たので、恐る恐る極秘のポイントへ行って見た。するとタマゴタケがかなり見られ、シロオニタケも1本見つける事が出来た。更に、なんとなんと多摩丘陵では初めてのアカヤマドリに遭遇した。まことに雄大なキノコである。その後、Kさん宅前に戻ってキノコ山へも行ってみたがコガネヤマドリ山となっていて、その他のものは見られなかった。しかし、万松寺谷戸へ下る途中に、ミドリニガイグチが爆生していた。

<今日観察出来たもの>花/キバナアキギリ、メドハギ、ヤマハギ、ツルボ、ノハラアザミ、ユウガギク、キツネノマゴ、ノダケ等。蝶/ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ等。昆虫/アキアカネ、マユタテアカネ等。キノコ/アカヤマドリ(写真上左)、シロオニタケ(写真上右右)、タマゴタケ(写真下左)、コガネヤマドリ(写真下右)、コテングタケモドキ、ナカグロモリノカサ、ザエラノハラタケ、ウラグロニガイグチ、キクバナイグチ、ナラタケモドキ等。


9月19日(午前)、東京都町田市小野路町

 昨日、道端自然観察が終わって自宅に戻って我がHPを開いてみると、トップページのINDEXは開くものの、各ページが開かない。INDEXと各ページは別々のプロバイダーだから、各ページの方のプロバイダーの方に何らかのトラブルがあったのではと電話してみると、なんと利用料金が期日までに振り込まれていないから、一時サービスをストップしましたとの事である。これはこれは私のミスで、利用料金の振込みを忘れていたという訳である。そこで今日は早起きして、銀行の開店と同時に利用料金を振り込んだ。最近、何でもメールでお知らせしますが増えているが、東京オリンピックを知っている世代には、振込用紙を郵送してもらった方が有り難い。それに迷惑メールがわんさか届くから、大切なメールは湘南の砂浜で落とした百円硬貨を探すようなものである。
 言い訳はこの辺にして、銀行へ立ち寄った為に小野路町到着は、なんと午前11時となってしまった。そこで午前中の僅かな時間は、万松寺谷戸周辺を散策する事にした。いつものように路肩に車を停めて歩き出すと、民家のシュウカイドウが美しく咲いている。ここのシュウカイドウは、もう何年も絶える事無く秋になると咲き始める。図鑑を開いて見ると、漢字では秋海棠と書き、寒さに強く、ベゴニアの仲間では唯一、戸外で越冬できる種であるとある。この解説を読んで、やっぱりそうだったのかと納得した。今日の小野路町は、やたらと蔓性のマメ科植物が目につく。トキリマメ、ヤブマメ、ノアズキ等だが、蔓性ではないもののナンテンハギも見られた。路傍には相変わらずツユクサが咲いて、この花の花期の長さには脱帽する。野の花の百日草と呼んであげたい位だ。

<今日観察出来たもの>花/シュウカイドウ(写真上左)、ナンテンハギ(写真上右)、ノダケ(写真下左)、ツユクサ(写真下右)、ヒガンバナ、ヨウシュヤマゴボウ、ツルボ、ゲンノショウコ、ノハラアザミ、キツネノマゴ、ヤブガラシ、フジカンゾウ、トキリマメ、ノアズキ、ヤブマメ、マルバルコウソウ、オモダカ等。蝶/ツマグロヒョウモン、クロヒカゲ、イチモンジセセリ、ベニシジミ等。昆虫/マユタテアカネ、アキアカネ、ヤマトフキバッタ、ハネナガイナゴ等。キノコ/タマゴテングタケモドキ、ヒメカバイロタケ、ミドリニガイグチ等。


9月18日(午後)、横浜市都筑区葛ヶ谷公園

 午後からはキノコの宝庫である葛ヶ谷公園へ行った。とは言っても、茅ヶ崎公園のお隣が大原みねみち公園、またその隣が葛ヶ谷公園、その隣が鴨池公園、そして最後に広大な都筑中央公園へと続く。そんな訳で、道端自然観察及び写真撮影のゆっくりとした散策スピードだと、全て回るのには早朝から夕方までかかってしまう。どの公園にもトイレと水の飲み場があるし、コンビニや食事出来る店も近くにあるから、本当に気楽な散策コースと言えよう。今日はポケットに1000円札を一枚忍び込ませて来たから、昼食は茅ヶ崎公園生態園入口至近の「すき屋」さんに寄った。牛丼の吉野家さんに対抗して、感謝セール中なので51円程いつもより安い。
 もちろん食事が終わると大原みねみち公園経由で徒歩で葛ヶ谷公園へ行った。かなり前に来た時にもナラタケモドキが爆生していたが、今日も至る所で花の様な大輪となって生えていた。食べられるキノコだが、過食すると消化不良を起こすと書かれている。どの位食べたら消化不良を起こすのか書かれていないが、大きさからして10個位は大丈夫なのかなあと苦笑いを浮かべた。小高くなった雑木林にタマゴタケやシロオニタケはないかなと探してみたが、やはりここは公園、自然度が低いのだろう。
 その後、鴨池公園の小高くなった山まで行って見たが、ウスキテングタケ、テングタケ、ニオイコベニタケ、ツルタケ等が何処でも見られ、また、形の良いヤマドリタケモドキも出迎えてくれた。その他、種名不明のキノコもかなり見られた。この散策ルートは季節季節にキノコが一杯で、薮蚊はいるものの恐ろしい熊や蝮やスズメバチに襲われ心配もないから嬉しい限りである。これからも末永くキノコ観察を続けようと来た道を戻った。

<今日観察出来たもの>花/ヨウシュヤマゴボウ、ヤマハギ、ツルボ、クズ、キツネノマゴ、ヤブガラシ等。キノコ/ナラタケモドキ(写真上左)、イグチの仲間(写真上右)、ヤマドリタケモドキ?(写真下左)、ウスキテングタケ(写真下右)、テングタケ、ツルタケ、ノウタケ、ヘビキノコモドキ、ニオイコベニタケ等。


9月18日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 昨日は強烈な日差しで真夏に戻ったかのような暑い日であった。しかし、今日は朝起きてみると曇っていて、絶好の散策日和、写真撮影日和である。このところ休耕田へ通って鳥撮りばかりしていたから、そろそろ花虫撮るに戻らなければと思っていたので、ちょうど良い天候である。車を停めて散策を開始すると、エノキの梢にアカボシゴマダラが舞っている。今日は他でも観察しているので、いよいよ港北ニュータウンにも定着したようである。数年前、舞岡公園で初めて見た時には興奮して、なんとか撮影したいものだと思ったものだが、こう何処でも見られるようになると、普通種並みにしか興味が涌かない。
 せせらぎ沿いの道を歩いて行くと、毎年、テングタケが生える場所に、今日も固まって生えていた。やはりかなり雨が降ったので元気一杯となったのだろう。また、反対側の草むらにはクズの花がすっと伸びて咲いていた。秋の七草で何処でも見られるクズなのだが、いざ美しく撮ろうと思っても、なかなか良いものに出会えない。いつものように丘の上へ登って行ったが、今日はこれといった蝶や昆虫には出会えない。茅ヶ崎公園生態園の斜面にはヒガンバナがかなり咲き始めていたが、思うような絵柄を作れずにシャッターは切らなかった。ヒガンバナも写真にするにはとても難しい花なのである。
 そんな訳で、今日は貧果に終わるかなあと坂を下って行くと、リュウノヒゲのような青い可愛らしい実をつけた低木を見つけた。ネームプレートを見ると、ハイノキ科のサワフタギと書かれてある。その名は耳にした事はあるものの、出合った事の無い樹木である。もちろん植栽されたものなのだろうが、青い実をつける樹木もあるんだなあと感心しながら、シャッターを切った事は言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>花/クズ(写真上右)、ヒガンバナ、ツユクサ、ヤマハギ、ツルボ、センニンソウ、ゲンノショウコ、アレチヌスビトハギ、キツネノマゴ、ヤブガラシ、ノダケ等。蝶/アオスジアゲハ、アカボシゴマダラ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、イチモンジセセリ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等。キノコ/テングタケ(写真上左)等。その他/コブシの実(写真下左)、サワフタギの実(写真下右)等。


9月16日、神奈川県平塚市(仮称)ケリの里

 このところ鳥撮りが続いたし、この観察記もなんだか野鳥記の様相を呈して来たので、そろそろ本業の花虫撮るに戻ろうと思っていた。しかし、昨日、「明日まで田んぼの水は抜かれませんよ」と聞いたので、休耕田に飛来するシギチドリ類にしばしのお別れとばかりに、昨日に続いて平塚の(仮称)ケリの里へ行った。私が見つけた休耕田は実に美しい所で、ブレ無しでピントと露出さえ合えば、誰でも良い写真が得られるのだから堪らない。こんなに美しい休耕田には今後出会えないかもしれないと思うと、尚更、今日行っておかなければならないなあとも思った訳である。今までシギチドリ類には左程興味があった訳ではないが、この美しい休耕田に出会ってから、シギチドリ類の撮影がとても楽しくなった。やはり鳥撮りも背景の美しさが一番である。珍しい鳥ばかり追いかけていらっしゃる方もいるが、背景の汚らしい所では、例え珍鳥でも私は撮る気が起こらないのだ。
 現地に到着すると、このHPの掲示板でも御馴染みの織姫さん夫妻がいて驚いた。昨日の(仮称)セイタカシギの里でも出合ったから二日連続である。最近、私の行った場所に良く現われるので、車に超小型の発信器でも仕掛けられているのかもしれないと疑ったが、ここで会ったが百年目とばかりに、マイポイントの休耕田に案内した。本当に運が良い方で、今日は、セイタカシギが4羽、タカブシギ、クサシギが各1羽、エリマキシギはなんとなんと14羽、そしてケリも3羽飛来した。休耕田の水の加減もベスト、水面の美しさもベスト、どんな鳥でも前述したように、ブレ無しでピントと露出さえ合っていれば良い写真の連続である。明日で田んぼの水を抜くという前日、これ程までの役者と舞台が設定されようとは、お釈迦様でもご存じなかったのではなかろうか。

<今日観察出来たもの>鳥/セイタカシギ(写真上左)、エリマキシギ(写真上右)、タカブシギ(写真下)、タマシギ、クサシギ、ケリ、コサギ、アオサギ、チョウゲンボウ等。


9月15日(午後)、神奈川県平塚市(仮称)ケリの里

 (仮称)セイタカシギの里でアカエリヒレアシシギを夢中になって撮っていたら、時刻は午後2時となってしまった。前述したように、アカエリヒレアシシギは満足出来るものが撮れたので、(仮称)ケリの里の休耕田へ行ってみた。現地に到着して、今日はどんなシギチドリ類がいるかなあと胸をわくわくさせながら覗いてみたが野鳥の姿は全く無く、青空を映した美しい水面が広がっているだけだった。まあ、そのうちに何か来るだろうと他のポイントへ行って時間を潰したが、これといったものには出会えない。午後4時を回ったので、今日のラストチャンスとばかりに戻ってみると、セイタカシギとエリマキシギが飛来していた。夕日が稲穂にあたって水面に映り、夕暮れ時の情緒たっぷりの水面となっていた。なかなか赤い目の出ないセイタカシギも、夕日というスポットライトに照らされて浮き出たように見える。美しいなあと感嘆しながらシャッターをばしばし切った事は言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>鳥/セイタカシギ(写真上左)、エリマキシギ(写真上右)、タマシギ、コチドリ、アオサギ、チョウゲンボウ等。


9月15日(午前)、神奈川県海老名市(仮称)セイタカシギの里

 今日は先日、相模原のコミミおじさんに連れて行って貰った、また、このHPの掲示板でも御馴染みのヤマさんが第一発見者となったアカエリヒレアシシギを撮りに(仮称)セイタカシギの里へ行った。前回は鳥撮りの大先輩がたくさんいて緊張したし、デジスコだったから、ちょこまか動くアカエリヒレアシシギをうまく捉える事が出来なかった。そこで今日はデジ一眼にシグマの50〜500ミリズームをつけての再挑戦となった。メーカー純正のロクヨン、ゴーロク等に比べると、絞りを一絞り絞らないと解像力が落ちるし、雲台もスピーデーな構図が作れる自由雲台使用だから、シャッター速度が上がらないと良い写真が撮れない。ところが有り難い事に天気は晴れとなって、かなりのシャッター速度が稼げた。そこでばんばんシャッターを切り、なかなか目が出にくい野鳥だが、なんとか鮮明な写真を得る事が出来てほっとした。

<今日観察出来たもの>鳥/アカエリヒレアシシギ(写真上)、セイタカシギ、コサギ、キジ等。


9月14日、横浜市緑区(仮称)カワセミの里

 釣りは鮒に始まって鮒に終わると言うが、鳥撮りはカワセミに始まってカワセミに終わるらしい。私にとっての鳥撮りは花虫撮るの息抜き、いわばアルバイトなのだが、月に一回はカワセミ君を撮らないとなんとなく寂しくなる。確かに「鳥撮りはカワセミに始まってカワセミに終わる」なのである。そんな訳で、健康散歩のつもりで(仮称)カワセミの里へ行ってみた。するとお仲間が集っていて、久しぶりに楽しい話が出来た。今年の夏は異常に暑かったから、みなさんお休みしていたのではないかと思ったが、そうでもないらしい。極暑の中でもカワセミ君が一生懸命餌さ捕りに励んでいるのだから、冷房の効いた室内にいるばかりでは失礼という事なのだろう。今日のカワセミ君はサービス満点で、水面上を縦横に飛び、ホバリングを繰り返し、はたまた10メートルはあるのではないかと思われる高さから一直線にダイブした。本当に見ているだけでも楽しい一時であった。

<今日観察出来たもの>鳥/カワセミ(写真上左)、キセキレイ(写真上右)、コゲラ、キジバト、スズメ等。


9月13日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 安倍ちゃんではないが最近疲れがかなり溜まっていて、しかも五十肩がかなり痛いから、今日は自宅蟄居の予定でいた。しかし、午前中に用事がすっかり片付き、昨日、ダイソーで買った100円の肩たたきのお陰で、いくぶん肩の調子も良い。おまけに散策及び写真撮影に絶好の風が無い曇り日である。こうなったら行かねば損と、健康散歩位のつもりで寺家ふるさと村へ行ってみた。このところ雨がかなり降ったので、そろそろキノコが発生しているのではないかとポイントを覗いてみたものの、可愛らしいヤマドリタケモドキとニオイコベニタケがほんの少し生えているだけで、シャッターを切る気にはなれなかった。
 寺家ふるさと村の田んぼは稲刈りが始まっていて、いよいよ本格的な秋を迎えようとしていたが、子供の頃におやつ代わりに食したスダジイ実が褐色に、民家のツリバナの実が真赤に色づいてとても美しかった。農道脇のトネアザミ(?)に目を向けると、瑠璃色の縞模様が美しいルリモンハナバチが吸蜜していた。いつもならキツネノマゴに訪花している事が多く、短時間で他の花に移るので、かなり撮影が難しい昆虫である。しかし、アザミ類は小さな花の集合体だからか、動作は激しいもののかなり長い間吸蜜している。そこで三脚を立てて、背景にたわわに実った田んぼを背景に撮影する事が出来た。
 昆虫横丁へ出向いてみたが昆虫の数はかなり少ない。可愛いかったササキリやヤブキリの幼虫は、もう立派な大人となって威張っている。花ではツルニンジンが咲き、各所でコバノカモメヅルがたくさん見られ、キク科植物と並んで蔓植物の季節のようだ。以上、これといったものには出会えなかったものの、秋の軽量機材での健康散策は、家の中にいるよりも数倍も楽しい。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、ヤマホトトギス、コバノカモメヅル、ツルニンジン、ダイコンソウ、ヨウシュヤマゴボウ、ヤマハギ、ツルボ、センニンソウ、ゲンノショウコ、コセンダングサ、ツリガネニンジン、クズ、アレチヌスビトハギ、ヌスビトハギ、ノハラアザミ、トネアザミ?、ヨメナ、ユウガギク、キツネノマゴ、アキノタムラソウ、ヤブガラシ、ツユクサ、タカサブロウ、ノダケ、オモダカ等。蝶/ヤマトシジミ(写真下右)、アゲハ、ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等。昆虫/ルリモンハナバチ(写真下左)、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、アオドウガネ、クロウリハムシ、ササキリ、ヤブキリ等。キノコ/ヤマドリタケモドキ、ニオイコベニタケ、タマゴテングタケモドキ、アラゲキクラゲ等。その他/ツリバナの実(写真上左)、スダジイの実(写真上右)、アオダイショウの幼蛇等。


9月12日、神奈川県川崎市麻生区黒川

 美味しい食事が終わって車のラジオをつけてみると、なんだか騒然とした雰囲気である。じっくり耳を傾けると、あの安倍ちゃんが小沢ちゃんに苛められたから総理大臣を辞任するという。参議院戦での惨敗でも辞めずに続投し、内閣改造に着手し、昨日は臨時国会を召集して所信表明演説をしたばかりだというのに、小沢ちゃんに苛められたから辞めるという。なんだそれ、幼稚園児でもあるまいし、苛めっ子がいるからもう行かないと、だだを捏ねているようだ。苛められたら苛め返してあげなよ安倍ちゃん。サラリーマンなんか嫌な上司がいようが、家族を養うために我慢して会社勤めをしているというのに。また、ビジネス社会ではいったん仕事を請け負ったら、たとえマイナスの仕事となろうが、途中でその仕事を放棄するなんて考えられない。本当に安倍ちゃんはぼんぼんの世間知らずだ。こんな人、早くお辞めになってくれた方が日本の為になると、ラジオを聴くのも馬鹿らしくなった。
 そんな訳で憮然とした思いを抱きながら散策を開始したが、ツルボ、ヤマハギ、ツリガネニンジン、ゲンノショウコ、トキリマメ、各種のキク科植物等が咲き乱れていて、いよいよフィールドには秋が確実にやって来ていた。今日の一番の収穫は、なんといってもアケビの葉を食べるアケビコノハの幼虫だろう。一見すると身体を折り曲げた天辺に目があるように見えるのだが、これはただ単なる模様で、本当の目は口の近くにある事は言うまでも無い。しかし、天敵の小鳥等にはその紋様が目に思え、更に全体を見るとヘビの頭のようにも感ずるのだろう。本当にアッパレな擬態である。安倍ちゃんも今回の失態をバネとして、政治家としての血筋が良いという位のすぐ見破られる擬態をかなぐり捨てて、本物の実力ある政治家になって欲しいものである。しかし、国政の混乱は国民としては本当にノーサンキューである。

<今日観察出来たもの>花/ヤマハギ(写真上左)、ツルボ(写真上右)、スズメウリ、センニンソウ、ゲンノショウコ、ヒヨドリジョウゴ、コセンダングサ、ツリガネニンジン、アキノノゲシ、トキリマメ、クズ、ヌスビトハギ、ノハラアザミ、シラヤマギク、ユウガギク、キツネノマゴ、アキノタムラソウ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ、ツユクサ、ハキダメギク、オモダカ、ニラ、キバナコスモス等。蝶/アゲハ、キアゲハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、、ヒメジャノメ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等。昆虫/アケビコノハの幼虫(写真下左)、カメムシの仲間の幼虫(写真下右)、ナツアカネ、キボシカミキリ、アオドウガネ等。その他/ツリバナの実、アマガエル等。


9月11日、神奈川県海老名市(仮称)セイタカシギの里

 台風9号のために延び延びになっていた電車で鳥撮りということで、海老名市の休耕田へ出かけてみた。しかし、現地に到着すると目ぼしいものはクサシギ位で、これといったシギチドリ類はいない。おまけにシャワーのような雨が降って来た。「やっぱり電車での鳥撮りは、天気が安定していて雨の心配が無い日に出かけなければ駄目だな」と思いながら、コンビニの庇を借りて雨をやり過ごした。ほんの15分間程であったが、非常に長く感じた。その後、また休耕田へ行ってみたが、これと言ったものは見当たらない。すると相模原のコミミおじさんのごつい車がやって来た。コミミおじさんは今まで近くの(仮称)セイタカシギの里にいて、ここが気になったので見回りにやって来たのだという。(仮称)セイタカシギの里には出合った事の度々ある鳥仲間が集合しいるとの話であったので、車に同乗させて貰って同所へ行ってみた
 現地に到着すると、いるわいるわ、顔御馴染みの方たちばかりでびっくりした。このHPの掲示板でお馴染みのヤマさん、私を鳥撮りの世界へ引きずり込んだ荏田のTさん、妙福寺で良く出会った岡上のHさん、新治市民の森で度々出くわすTさん、更に鳥撮り美人と評判の高いお姉様方までいる。もちろん挨拶もしたことの無い方もいたので、ご迷惑のかからないように、小声で顔御馴染みの方たちに挨拶をした。(仮称)セイタカシギの里には、その名の通り綺麗なセイタカシギの雌がいて、そよ風にさざ波立った美しい水面の休耕田で餌を探していた。前述したように2日前に(仮称)ケリの里で3羽のセイタカシギに出会ったのだが、頭の黒い雄と幼鳥のみだったので雌に出会うのは今年初めてという訳である。そこでばんばんシャッターを切った事は言うまでもない。帰路もコミミおじさんに送って貰って、今日は思いもかけない一日となった。

<今日観察出来たもの>鳥/コサギ(写真上左)、スズメ(写真上右)、クサシギ(写真下左)、セイタカシギ(写真下右)、アカエリヒレアシシギ、コチドリ、ハクセキレイ、ムクドリ、カルガモ等。


9月9日、神奈川県平塚市(仮称)ケリの里

 もうすぐ稲刈りが始まる。普通、稲刈りの前に用水路の水を止めて田んぼの水を抜くので、休耕田にも水がなくなる。そうなるとシギやチドリが見られなくなるので、先週に引き続いて平塚の(仮称)ケリの里へ行った。小田原に台風9号が上陸した筈なのに、田んぼの稲はほとんどやられていないのには驚いた。しかし、いつもの休耕田には水がかなり溜まっていて、小型のシギチドリ類は見られなかった。足が短いから身体が水の中にすっぽり沈んでしまうという訳である。そのかわりにセイタカシギが3羽もやって来ていて、大サービスをしてくれた。セイタカシギは足が長いので、水かさが増してもへっちゃらなのだ。今まで東京港野鳥公園や葛西臨海公園でセイタカシギを観察しているが、田んぼでその姿を見るのは格別である。私の写真のテーマは、里山とその周辺で見られる動植物キノコなのだから尚更だ。

<今日観察出来たもの>鳥/セイタカシギ(写真上)、エリマキシギ、タカブシギ、ケリ、コチドリ、コサギ、ダイサギ、アマサギ、チョウゲンボウ、スズメ、カルガモ等。


9月8日、東京都町田市小野路町

 幸いな事に自宅近辺では、これといった台風9号による被害は出なかったと昨日記したが、今日の朝刊によると、農業被害は甚大なようである。山形県では、収穫を間近にした洋梨「ラ・フランス」が、かなり落下し、畑によっては9割以上にものぼる惨状のようである。「1年かけて育てたのに、1晩で水の泡です」と呆然とする農家の方の悲痛の声が紹介されていた。本当に人間は自分勝手で、自分の周りに被害がなければそれでしめしめという訳で、私もその範疇から抜け出していないようである。しかし、私は、庶民が汗水たらしたゆえの年金を着服する公務員や税金を懐に入れる政治家程には、心は腐ってはいないと思っている。
 話は随分横道に逸れてしまったが、今日は久しぶりの台風一過の青空である。しかし、こんな日は暑くて熱中症が心配だし、五十肩を病む身には日向は閻魔大王が住む世界である。そんな訳で、朝一番に寺家ふるさと村のキノコのポイントを見て回った後、キノコがなければとんでもなく暑い寺家ふるさと村にはいられないと小野路町へ行った。世界陸上男子100メートルの選手なら10秒前後で駆け抜ける距離の雑木林の日陰の路傍を、昼食と健康昼寝を挟んで、なんと3時間もうろうろしたのだから変人と思われても仕方が無い。しかし、こんな暑い日でも、ほとんど汗をかかずに道端自然観察及び写真撮影が出来たのだから最高である。行ったり来たりを繰返していると、見えなかったものが見えて来て、また草むらや葉の裏に隠れていた昆虫が姿を現わすのだから、これこそ道端自然観察の極意かもしれない。そんな訳で、時間が経つにつれて様々な昆虫が現われ、また、キタテハの蛹は、帰宅前の最後の往復でやっと気づいたという訳である。

<今日観察出来たもの>花/ヤブミョウガ(写真上左)、トキリマメの蕾(写真上右)、キクイモ、クズ、フジカンゾウ、キツネノマゴ、アキノタムラソウ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ、ツユクサ、ハダカホオズキ、クサギ等。蝶/キタテハの蛹(写真下左)、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、コミスジ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ、ムラサキシジミ、ルリシジミ等。昆虫/ルリチュウレンジ(写真下右)、ヤマトフキバッタ、アオマツムシ、ツチイナゴの幼虫、クロウリハムシ、ネキトンボ、マユタテアカネ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、クサギカメムシ、ハラビロカマキリ等。その他/ヤブミョウガの実等。


9月7日、横浜市港北区新吉田町

 台風9号は今日の午前2時前、小田原市付近に上陸し、関東地方を暴風域に巻き込みながら縦断して東北地方に北上した。この台風で、亡くなった方、行方不明の方、怪我をした方、また被害を受けた方もかなりに上るが、幸いな事に自宅近辺ではこれといった被害は出なかった。昨日床についた時は静かだったので拍子抜けしたが、ゴーゴーという風の音で午前2時頃に眼が覚めた。その頃に私が住んでいる地域に最接近した模様である。朝起きると雨はまだ降っていて風もかなり強いもののピークは過ぎ、自宅周りもこれといった被害がないので安心した。
 プリンターとスキャナーがかなり古くなったので、昨日、エプソンPM-A920をネット検索して最安値(送料無料・代引き手数料込みで23,720円)のショップに注文したら、こんな天候だというのに届けてくれたのには驚いた。そこで木製の袖机をリサイズして、その上に置く事にし、補強の為のT字金具を買いに行く頃には雨も止んでいた。ほんの少し遠回りして早淵川を見に行くと、心配される程の水位とはなっていないので安心した。今回の台風は、箱根、丹沢、奥多摩、秩父等の山間部に豪雨をもたらしたようである。
 エプソンPM-A920を無事に設置し、ソフトをパソコンにインストールし終わったので、まだ風がかなり強いものの新吉田町に行ってみた。新吉田町は「浜ナシ」の産地の一つだが、収穫のピークは過ぎていたので、落果した果実もほんの少しであった。何処で暴風雨をやり過ごしたのか、各種の蝶や昆虫が見られたが、なにしろ風が強いから撮影には梃子摺った。また、風があるから薮蚊は出ないだろうと思ったら、「甘いんですよ花虫さん」とかなの現われて刺されてしまった。昆虫が好きだとはいえ、まこと薮蚊だけはノーサンキューである。

<今日観察出来たもの>花/ヒヨドリバナ、キンミズヒキ、クズ、ヌスビトハギ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ、ヒヨドリジョウゴ、タカサブロウ、ツユクサ等。蝶/アゲハ、アカボシゴマダラ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、チャバネセセリ、イチモンジセセリ、ベニシジミ、ヤマトシジミ等。昆虫/ミナミアオカメムシの5齢幼虫(写真上左)、オジロアシナガゾウムシ(写真下右)、アオマツムシ、ツチイナゴの幼虫、クロウリハムシ、アオメアブ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、エサキモンキツノカメムシ、ホオズキカメムシ、ナガメ等。その他/クマノミズキの実(写真上右)、ジュズダマの実(写真下左)、ヒヨドリジョウゴの実等。


9月4日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 3日前の土曜日に、16人もの散策者がスズメパチに襲われたので、午後からは新治市民の森へ恐々行った。秋はスズメバチに襲われる危険性のあるシーズンだから、なるべく白っぽい服装を心がけ、怪しげな道には入らない方が得策である。また、前方にスズメバチの群れ、また、スズメバチが威嚇して来たら、巣が近くにある証拠だから、静かに後ずさりして戻るようにしないと大変な事になる。ことにキノコや山野草等に興味がある方は、くれぐれも注意して欲しいものである。熊が出没しない多摩丘陵等の里山でも、マムシ以上に恐ろしいのがスズメバチなのである。
 そんな訳で怪しげな道は避け、いつものように遊水地から散策を開始した。しかし、遊水地回りは綺麗に刈られていて、虫も花もまるっきり見られなかった。そこで満倉谷戸へ足を早めたが、早くも栗の毬がはじけて美味しそうな実がのぞいていた。ここも栗の収穫のシーズンだから綺麗に刈られていたが、農道脇の日陰には、コノシメトンボ、マユタテアカネがたくさんいた。また、クヌギの大木から樹液が出ていて、アカボシゴマダラ、キタテハ、サトキマダラヒカゲ、スズメバチ等が吸汁していた。こんな樹液に吸汁するスズメバチは、余程の意地悪でもしない限り襲って来る事は無いから安心である。丘の上の畑へ登って行くと、民主党代表の小沢さんに似たツチイナゴの幼虫が、草の上で盛んに演説を繰返していた。
 以上、新治市民の森もこれといったものには巡り会わず、路傍のツルマメや色とりどりのノブドウの実を撮ったりして池ぶち広場まで行ってみると、植栽されたマグワにクワカミキリとキボシカミキリが見られた。マグワの木は満身創痍で可哀想になる位に食害されていて、本当にクワ及びヤマグワは昆虫達に大もてだなあと感心した。

<今日観察出来たもの>花/ツルマメ(写真上左)、ヤマホトトギス、ヒヨドリバナ、オトコエシ、ダイコンソウ、キンミズヒキ、ヤマハギ、ナンテンハギ、クズ、フジカンゾウ、ヌスビトハギ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ、ゲンノショウコ等。蝶/アゲハ、アカボシゴマダラ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、ヒメジャノメ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、イチモンジセセリ等。昆虫/ツチイナゴの幼虫(写真下左)、クワカミキリ(写真下右)、キボシカミキリ、クロウリハムシ、ウリハムシ、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシ、カノコガ、ショウリョウバッタ、アオメアブ、シオカラトンボ、ハグロトンボ、コノシメトンボ、マユタテアカネ、オニヤンマ等。その他/ノブドウの実(写真上右)等。


9月4日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 今日は久しぶりの晴れと予報されていた。このところずっと涼しい曇り日続きで、道端自然観察及び写真撮影には快適な日々であった。そこで、「なんだ晴れなの、暑くなるなあ!」と苦虫を噛み潰した。しかし、台風9号が小笠原諸島付近にあり、明日には伊豆諸島近海に、明後日には東日本に接近する恐れがあるとある。そんな訳で今日行っておかないと、この観察記も相当間が空いてしまうから、お尻を叩いて出発した。今朝はだいぶ涼しかったのでかなり寝坊してしまって、まずは近場の茅ヶ崎公園へ行った。散策を開始すると、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシと相変わらずセミの天国である。子供の頃のセミ捕りでは、近づくとすぐに飛立つミンミンゼミの雄は、なかなか手強い存在であったが、こんなにたくさん発生していると手でも捕まえられる。これでは子供達もセミ捕りのスリリングな興奮が味わえないから、さぞかしつまらない事だろう。
 今日の茅ヶ崎公園は貧果が予想されたので、まずは早くも色づいたウメモドキの実やヌスビトハギの花を撮った。遠くにある台風の影響か、風がやや強くて撮影に梃子摺った。池の縁の湿った土が現われている所では、たくさんの羽化したばかりのアゲハが吸水していた。いつもならアゲハにプラスしてアオスジアゲハが来ているのだが、今日はクロアゲハが1頭見られただけであった。撮影しようと思えば出来たものの、黒々とした土の上ではなあとシャッターは切らなかった。その後もこれといったものが見られず、ツクツクボウシやミンミンゼミを撮ったりしていたら、今年は本当に個体数が少なくて殆ど見られないアカスジキンカメムシの幼虫を見つけて嬉しくなった。細々とでもアカスジキンカメムシは命を繋いでいるんだと、ほっとした事は言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>花/ヌスビトハギ(写真上左)、ヒヨドリバナ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ、ツユクサ、ヨウシュヤマゴボウ、ハダカホウズキ、ゲンノショウコ等。蝶/アゲハ、クロアゲハ、アカボシゴマダラ、ヒカゲチョウ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ、ムラサキシジミ等。昆虫/アカスジキンカメムシの幼虫(写真下左)、ツクツクボウシ(写真下右)、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ハラビロカマキリ、ササキリ等。その他/ウメモドキの実(写真上右)、ヤマボウシの実、コブシの実等。


9月2日、神奈川県平塚市(仮称)ケリの里

 涼しくなったからずっと寝ていたいなあ、家でのんびりしていたいなあとも思ったが、9月の両目、9月の野鳥の片目を開けておこうと、しぶしぶ鳥撮りに出かけた。まずは海老名の休耕田に寄ってみた。すると谷戸山公園の方々、泉の森公園の方々等が大集合でびっくりした。アオバズクの巣立ちを撮ってから、鳥撮りは長期の夏休みに入った方も多いが、今日もとても涼しいから家になんかいられないという訳である。いつもなら近くに来るらしいのだが、人が多い事もあってか、エリマキシギ、ヒバリシギ、トウネン、ムナグロ、コチドリ等は、なかなか近くに寄って来ない。また、車をあまり芳しくない所に停めていたし、多くのお仲間と一緒に撮影するのも苦手なので、昼飯を食べに行くついでに、前回とても面白かった平塚の(仮称)ケリの里へ行く事にした。海老名のポイントは駅から歩けるので、今度、楽々電車通勤で平日に再挑戦してみよう。
 今日は前回撮影したケリには目もくれずに、気品溢れるエリマキシギを狙った。目指す休耕田に近づくとタカブシギが2羽いたものの、接近を感ずづかれて飛立ってしまった。待つ事30分、またタカブシギが4羽やって来たが、これまた近づくと飛立ってしまった。今日は駄目かなと草むらに腰をおろしてうとうとし、そしてまたポイントへ行ってみると、果報は寝て待て、なんと今度は目的のエリマキシギが一羽、ソリハシシギが一羽、タカブシギが4羽もやって来ていた。そこで抜き足差し足忍び足で近づき、今度は飛びたたれずにシャッターをばんばん切る事が出来た。エリマキシギの夏羽成鳥は個体によって様々な色合い紋様のエリマキをしているので、そう名付けられたのだが日本ではほとんど見る事が出来ず、多くの図鑑は幼鳥の写真が載っている。しかし、幼鳥といえども、本当にノーブルな美しい顔立ちの野鳥である。

<今日観察出来たもの>鳥/エリマキシギ(写真上左)、ソリハシシギ(写真上右)、ムナグロの幼鳥(写真下左)、タカブシギ(写真下右)、コチドリ、ダイサギ、アオサギ、チョウゲンボウ、スズメ等。


9月1日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 いよいよ9月に入った。今日も大陸の高気圧と太平洋高気圧の狭間に入って、曇り空でとても涼しい。冷たい大気と暑い大気の境目に前線が発生して、曇りや雨になるのが何となく分かる。それほどまでに、8月は本当に暑かった。今日はお湿り程度とはいえ雨が降った後だから、キノコが少しくらい発生しているのではないかと寺家ふるさと村へ行った。
 キノコのポイントへ降りて行くと、前方に赤い小旗をつけたような短い棒が地面にたくさん挿してある。N仙人等が何か珍しいものでも見つけて、要注意との標しをつけたのかなと行って見ると、なんとなんとキツネノカミソリが咲いているのには驚いた。もうすぐヒガンバナが咲くというのに、本当に花期が遅いなあと笑ってしまった。普通、キツネノカミソリはかなり下草が繁茂する所に咲くのだが、まったく下草がなくて苔が覆っている所に生えていたのだから、頂きますとカメラを向けた。しかし、そこは薮蚊の溜まり場のようで、物凄い数で攻撃して来たので落ち着いて撮影出来なかった。9月は薮蚊の季節でもあるんだなあと苦笑した。
 その後、ウッドペッカーに似た愛嬌溢れるアレチヌスビトハギを撮った後、キノコのポイントを後にした。目的としたキノコは、僅かにキチャハツとニオイコベニタケが見られたくらいであったのだ。いつものように昆虫横丁へ寄ってみると、昆虫の姿はほとんど見られない。僅かに成虫となったササキリ、ヤブキリが見られる位であるった。しかし、余り見られない丸っこくて可愛らしいシマアシブトハナアブが、咲き誇るユウガギクに訪れていたので嬉しくなった。その後、今が盛期なのか日が当たる場所にはコバノカモメヅルが、日陰にはヤマホトトギスがたくさん咲いていた。いよいよ秋の花散歩もスタートしたようである。

<今日観察出来たもの>花/アレチヌスビトハギ(写真上左)、コバノカモメヅル(写真上右)、ヤマホトトギス(写真下左)、ミゾソバ、ツリガネニンジン、ヒヨドリバナ、ナンバンギセル、キツネノカミソリ、ヌスビトハギ、ユウガギク、ダイコンソウ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ、ワレモコウ、コナギ、オモダカ等。蝶/アゲハ、キアゲハ、クロコノマチョウ、ヒメジャノメ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、オオチャバネセセリ、ムラサキシジミ等。昆虫/シマアシブトハナアブ(写真下右)、シオカラトンボ、マメコガネ、クロウリハムシ、オジロアシナガゾウムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、ヤブキリ、ササキリ等。キノコ/キチャハツ、ニオイコベニタケ、ツクツクボウシタケ、アケボノオシロイタケ等。



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