2008年:みちばた散策記

(1月)


1月31日、東京都練馬区光が丘公園

 昨日は季節外れの暖かい日であったから、今日もまだその余韻が残ってはいるものの、北風がとても強くなった。そんな訳で、せっかく片道480円かけて光が丘公園へ行ったものの、思うような野鳥には出会えなかった。常連さん達は口々に、「今年は冬鳥が少ないねえ、行く所が無いから来ているんだ」と言う。去年はルリビタキやミソサザイでかなり賑わったのだが、光が丘公園には立ち寄らないようである。これは困ったなあと鳥撮りマンが終結しているポイントから離れて付近を散策してみると、ツグミがたくさん見られた。芝生が引き詰められた運動場にはたくさんいて、立ち止まっては少し歩き、少し歩いては立ち止まるという独特の仕草を繰返していた。隣接する林の中には人懐こいツグミが1羽いて、かなり近づいても逃げない。良い所に止っておくれ、綺麗に撮ってあげるからねと追いかけると、切り株に上がってしばらくポーズをとってくれた。普通種のツグミだが、良い写真が撮れたとほくそ笑んだ。


<今日見られた主なもの>鳥/ツグミ(写真上左)、モズの雌(写真上右)、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、シメ、シロハラ、コゲラ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、スズメ等。


1月30日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは町田市三輪町へヒレンジャクが来ていないかと様子を見に行ったが、去年と異なって遅れているようである。しからば恩田川の田んぼへと行ってみたが、チョウゲンボウの姿は見当たらない。そこで遅い出勤となったが、新治市民の森へ行ってみた。いつものように丘の上のスモモ畑へ行ってみると、10羽程のカシラダカが飛立って小枝に止った。しかし、すかっと抜けた小枝には1羽も止らなかったので引き返したところ、なんと至近距離にオオタカが止まっていた。デジスコでは余りにも近過ぎるし、背景に農家の青い瓦屋根が入る。そこで気づかれないようにと慎重に移動したが、やはりオオタカは飛立ってしまった。その後、旭谷戸経由で鳥撮りマンの集るポイントへ行ったが、こんなに暖かい日だというのに誰もいない。そこで椅子に腰掛けて、止まり木にやって来る小鳥達を狙った。シジュウカラとホオジロはお立ち台に登ってくれたが、アオジはついに登らなかった。

<今日見られた主なもの>鳥/シジュウカラ(写真上左)、ホオジロ(写真上右)、エナガ、シメ、ツグミ、ヒヨドリ、モズ、アオジ、カシラダカ、オオタカ、ハシブトガラス、スズメ等。


1月30日(午前)、横浜市都筑区池辺町

 今日一日は久しぶりに暖かく、厚手の股引や防寒作業服を脱ぎたくなる位であった。しかし、池辺町もウメが咲き始めた位で左程の変化は無かった。隣接する東方公園へ入ってみると、植栽だがカクレミノがたくさんあったので、もしや小枝に擬態して越冬するタテジマカミキリがいるかもしれないと探してみたが駄目だった。これでは今日も貧果に泣くなあと、またしてもモミジバフウの葉痕を撮った。図鑑にあるように、小枝はコルク質が発達している。いったいコルク質の発達はどのような利点があるのだろう。まずは防寒や強烈な直射日光の遮断、また強風によって小枝が擦れ合っても傷がつかない点であろう。いずれにしても見事にコルク質が発達していて、これだけでもモミジバフウとすぐに判別出来そうである。その後、何か彩りのある花はないかと探したが、これといったものには巡り合えず、若いエノキの木にたくさんのイラガの繭がついていたので、またしても再登場してもらうこととした。

<今日見られた主なもの>花/ウメ、ボケ、ソシンロウバイ、カンツバキ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ナズナ、ノボロギク、ノゲシ等。鳥/ツグミ、モズ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ハクセキレイ、スズメ等。昆虫/イラガの繭(写真上右)、ハラビロカマキリの卵のう等。その他/モミジバフウの葉痕(写真上左)、ヤツデの実、ヘクソカヅラの実等。


1月28日、東京都台東区(仮称)ルリビの森公園

 1月も、もうそろそろお終いである。年末に「つれづれ観察記」に完の一文字を打って、今年からはペースダウンして、また、写真も作品として良いものを撮ろうと思っていた。しかし、今年から始めたこの「みちばた散策記」も、去年までの「つれづれ観察記」と全く同じようである。これではいかんと思ったら、急に疲れがどっと出た。そこでたっぷりと睡眠をとって、健康のために行ってみるかなと、日比谷線直通電車に揺られて(仮称)ルリビの森公園へ出かけてみた。何にも撮れなくても良いし、撮れればそれに越した事は無いといった按配である。鳥撮りのプロないしマニアは、目の色を変えてコノドジロムシクイなる珍鳥を撮りに行っているが、ウイークエンドナチュラリスである私には、珍鳥より身近な鳥を美しく撮る方が楽しいのである。今日も前述したように期待した訳ではなかったものの、美しいルリビタキの雄やウグイスが出迎えてくれた。帰りももちろん東横線直通に乗って、満足顔で眠りこけて帰宅した。

<今日見られた主なもの>鳥/ルリビタキの雄(写真上左)、ウグイス(写真上左)、シロハラ、アカハラ、ヒヨドリ、シジュウカラ、スズメ、ハシブトガラス等。


1月27日、横浜市青葉区元石川町

 前にも記したと思うが1月は厳冬期で、一度散策してしまった道端では、見落としが無い限り新しい被写体の発見は難しい。もちろん、落葉捲りや皮剥がし等をして越冬する昆虫を探し出す事も出来るが、可哀想だからそんな気も起きない。しからば毎回のように冬芽葉痕、同じような顔ぶれの野鳥という訳にも行くまい。そこで、元石川町へは行って無かった事に気づいたので行ってみた。ここは春分の日前後にハナモモが咲いて去年は観察会を催し、参加された方々が感嘆の声を上げた場所である。しかし、今日はこれといったものは見つからなかったが、ソシンロウバイではなくロウバイを見つけて嬉しくなった。内側の花弁も黄色いソシンロウバイはロウバイの品種でポピュラーだが、紅色をしているロウバイはなかなか植栽されている所が無い。ともに中国原産で、ロウバイは江戸時代に渡来したとある。その後、1時間ほど散策したがまったくのお手上げで、仕方なくミツマタの蕾を撮影して苦笑いを浮かべた。

<今日見られた主なもの>花/ロウバイ(写真上左)、ソシンロウバイ、オウバイ、ボケ、ツバキ、カンツバキ、オオイヌノフグリ等。鳥/ツグミ、メジロ等。その他/ミツマタの蕾(写真上右)、ニワウルシの葉痕、アオキの実等。


1月26日(午後)、東京都町田市野津田町

 今日の午後は三保市民の森から至近の雑木林に行って、デジスコ担いで散策するつもりでいた。しかし、今年は冬鳥の飛来が少ないから、ノーシャッターで終るかもしれないという嫌な予感がした。昨日の泉の森公園では前述したような貧果に泣いたから、今日はどんな小鳥でも良いからばしばしシャッターを切りたいと思った訳である。そこでまたしても野津田町まで行った。今まで公園名を記さなかった為に、野津田公園へ行かれた方もいるらしく、ここで薬師池公園と明記しておこう。駐車場に車を止め、ジョウビタキやルリビタキのポイントへ直行してみると、なんと南林間のTさんや鶴見の五箇山男さんがやって来ていた。しばらくデジスコだったTさんはキャノンの一眼に、これとは逆にキャノンの一眼だった五箇山男さんはニコンのデジスコに、ともにピッカピカのおニューである。お金持ちは良いなあ、爪に火を灯す生活をしている私には考えられない事だが、もちろん談笑しながら鳥の出を待った事は言うまでも無い。

<今日見られた主なもの>鳥/カワセミ(写真上左)、ルリビタキの雄(写真上右)、ミソサザイ、シメ、シロハラ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、シジュウカラ、アオジ、マガモ、キンクロハジロ等。


1月26日(午前)、横浜市緑区三保市民の森

 やっと北風が収まりほっとしたが、肝心要の太陽が現れない。それでも、その内に出てくるだろうと久しぶりに三保市民の森へ行った。三保平に登って行くと、ジョウビタキの雄が現われた。毎年、ここにはジョウビタキがやって来るのだが雌の場合が多く、雄を見るのは始めてである。三保平には見事なウメモドキとニシキギがあるので、これらの実が目当てなのではなかろうか。いつものように三保平から引き返して谷道へ入って行くと、道端はかちんかちんに凍っている。なんだか冷蔵庫の中に入ったようである。その昔、氷を入れる木製の冷蔵庫があったが、まあ、そんな具合なのだろう。少し広々とした場所に出るとアオキが繁茂していて、その実がやっと赤く色づき始めていた。花が咲くのは春だから、なんと10ヵ月もかかって成熟するという訳である。また、多摩丘陵では少ないカラスザンショウも生えていて、早速、微笑み顔を撮影した。その後、寒さだけが身にしみて、これといったものに出会わずに駐車場に戻った。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ、カンツバキ等。鳥/ジョウビタキの雄等。昆虫/カマキリの卵のう等。その他/カラスザンショウの葉痕(写真上左)、アオキの実(写真上右)、ヒヨドリジョウゴの実、アマチャヅルの実、ヘクソカヅラの実等。


1月25日(午後)、神奈川県大和市泉の森公園

 午後からはデジスコ担いで近場で鳥撮りと思ったのだが、風が止まない。こうなったら風が避けられる泉の森公園へ行くしかないなと車を走らせた。今年の泉の森公園の冬鳥はカモ類は例年通りだが、小鳥類は去年に比べると信じられない位に低調だ。しかし、各地で雪が降ったし、もうそろそろ賑わいを増しているだろうと期待したのだが、相変わらず閑古鳥だけが鳴いていた。地元の常連さんの姿も少なく、ここの名物たるカワセミは、午前中にほんの短時間お出ましになっただけだという。それでも一回りしてみたものの、やはり小鳥類の姿はほとんど見られない。篭脱けの鳥であるワカケホンセイインコが長い尾を引いて飛んで来たが、丘の上の高い木の梢に止って双眼鏡で観察するだけとなった。しからばカモ類でも撮っろうと考えたが、杭に上ってはくれず、静止するものは白目を出して眠っていた。そんな訳でいつもならパスするカワウとアオサギを撮って、寒さに抗し切れずに早々と撤収した。

<今日見られた主なもの>鳥/カワウ(写真上左)、アオサギ(写真上右)、コサギ、ヨシガモ、マガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、オオバン、カイツブリ、シメ、ヒヨドリ、ツグミ、ワカケホンセイインコ、シジュウカラ、スズメ、ハクセキレイ、キジバト、ハシブトガラス等。キノコ/エノキタケ等。


1月25日(午前)、横浜市港北区新吉田町

 今朝は本当に寒い。昨日程ではないものの相変わらず北風も強い。かなり強い寒気に覆われているようだ。今朝はまず散乱した落葉やゴミの掃除をせねばならなくなった。しかし、今日も風が強いから徹底的に清めるのは風が止んでからと好い加減に済ませ新吉田町へ行った。こんな日は本当に空が青く、白い綿毛に包まれたネコヤナギの冬芽を撮るには絶好だ。もちろん風に揺れるものの、デジ一になってからISO感度を高く設定出来るから早いシャッタースピードとなって、なんなくカメラの中に納める事が出来た。お次は植木屋さんの畑のシナマンサクを見に行ったが、やっとほころび始めたといった状況で次回が楽しみである。今日は風が遮られる日向のコースを選んだが、なんと昨日小石川植物園で見たロウヤガキがたくさん植栽されていた。きっと今人気の植木なのだろう。また、民家の庭先のオウバイも数輪だが咲き始めて、ウメももちろん咲き出したから、2月に入ればかなりの花とご対面出来そうだ。

<今日見られた主なもの>花/ウメ、シナマンサク、オウバイ、ロウバイ、ソシンロウバイ、ホトケノザ、ニホンスイセン等。蝶/キアゲハの蛹、モンシロチョウの蛹等。昆虫/アオクサカメムシ、ナナホシテントウ等。キノコ/エノキタケ等。その他/ネコヤナギの冬芽(写真上左)、ロウヤガキの実(写真上右)、アカメガシワの冬芽等。


1月24日、東京区文京区小石川植物園

 昨日は雪が降った。横浜では初雪との事でる。しかし、昼近くになると雨となって薄っすら積もっていた雪は消えてしまった。今日は北風がとても強い寒い日で、久しぶりの観察会が危ぶまれたが、それでも正門前に5人のメンバーが集った。期待したシナマンサクは例年より開花が遅れているものの、ちらほらだが咲いていた。また、その回りをルリビタキの雌が軽やかに飛び跳ねていた。一回りして昼食をとった後、風が強くて寒いので、明治神宮にオシドリを見に行くことに急遽変更した。電車に揺られて代々木駅至近の北池に行ってみると、オシドリも寒いのだろうか、近くに泳いでは来てくれなかった。ここまで来たのだからと、入苑料500円の御苑の中に入ってみた。すると、クロジ、アオジ、シロハラ、ヤマガラ、ソウシチョウ、シジュウカラ等が至近距離で観察出来た。また、ノスリが遠くの木の枝に止まり、雌ではあるがルリビタキが各所に見られた。こんな北風ピープーの寒い日ではあったが、観察会としては満点がつけられる結果となって一同ほっとした。

<今日見られた主なもの>花/シナマンサク、ロウバイ、ソシンロウバイ、ウメ、カンツバキ、ツバキ、ニホンスイセン等。鳥/ルリビタキ、カルガモ等。その他/カジノキの葉痕(写真上左)、コーカサスサワグルミの葉痕(写真上右)、ゴシュユの葉痕、カリンの実等。


1月22日(午後)、神奈川県川崎市多摩区生田緑地

 午後からは駐車料金が高いものの、正味3時間だから、それ程でもなかろうと生田緑地へ行った。午前中の東高根森林公園でミソサザイを狙っていた方が、昨日は梅園でミヤマホオジロをはじめ様々な野鳥に出会ったと言うので期待した。梅園に到着するとすぐに、シロハラ、ジョウビタキ、アオジ等が食事中。夢中になって撮っていると、15万円以上はするスワロフスキーの双眼鏡をかけた女性がやって来て、この辺にトラちゃんがいる筈と言う。何故かスワロには似つかわしくない山崎の菓子パンをぱくついているので、私がトラツグミを探してあげた。久しぶりのトラちゃんだが、冬枯れの草原に擬態した体色で証拠写真以上にはどうしても撮れない。しかし、スワロさんは、ルミックスFZ-50にテレコンを着けて、かなり接近して撮影していた。なんたってトラちゃんに出会えるだけでもラツキーなのだから当然である。もっと良い場所に移動してよとかなり粘ったが、ホップ、ステップ、ジャンプして、茂みの中に隠れてしまった。

<今日見られた主なもの>鳥/シロハラ(写真上左)、ジョウビタキの雄(写真上右)、トラツグミ、ミソサザイ、ツグミ、モズ、ルリビタキ、メジロ、シジュウカラ、アオジ、キジバト、ヒヨドリ、ハシブトガラス等。


1月22日(午前)、神奈川県川崎市宮前区東高根森林公園

 そろそろ行く所が無くなって来たので、野鳥の様子を探る事もあって、久しぶりに東高根森林公園へ行った。平日(冬季は土日も)は無料の駐車場に車を停めて散策を開始すると、ビジターセンター前のロウバイが満開であった。更に奥に進むと左手の小さな池にカワセミがいて、本当に至近距離で驚いた。鳥友の情報によるとトモエガモがいる筈だがと、大きな池を丹念に見回したのだが、カルガモが泳いでいるだけであった。あれー、もう何処かに移動してしまったのかなと、木道を歩いて行くと、なんと左手の小さな池にカルガモと一緒に泳いでいた。信じられない位の至近距離で、90ミリマクロではお手上げだったが、300ミリクラスのレンズなら、とても大きく写せるだろう。古代植物園に到着すると、今年初めての紅梅の花を見て嬉しくなった。寒い寒いと言いながらも、梅の花を見るとほっとするのは私だけではなかろう。最後にキハダの葉痕を撮って駐車場に早々戻り、ほっかほか亭にとても美味しい弁当を買いに行った。

<今日見られた主なもの>花/ウメ(写真上左)、ロウバイ、ボケ、カンツバキ、ニホンスイセン等。鳥/トモエガモ、カルガモ、ミソサザイ、ウグイス、カワセミ、シロハラ等。その他/キハダの葉痕(写真上右)、マンリョウの実、トキリマメの実等。


1月20日(午後)、東京都町田市野津田町

 最近のパターンとなっている、午後からのデジスコ担いでの鳥撮りに、今日は何処へ行こうかと考えた。お仲間はベニマシコが出ている長池公園に終結しているようだが、八王子まで行くのはかったるい。しからば小野路町や野津田公園等が候補に上がったものの、何も撮れない恐れがあると、またまた野津田町の公園へ行った。シメが見られたという旧荻野邸へ行ってみると、まずはジョウビダキの雄が現われた。しかし、日曜日で散策者が多くてか落ち着かない。キョキョキョキョと、シロハラが鳴いて居場所を知らせてくれたが、これまた込み入った場所にいて撮る気が起きない。待てども探せどもシメの姿は無く、ルリビタキの雄は相変わらずサービスが良いものの、もう何回も撮っているからパスし、またまた井戸の水汲み桶の前のベンチに座ってシャッターを切る事となった。途中、桶の中の水を見に行くと、このところ雨が降らないから減っていたので水を継ぎ足してみたら、案の定、たくさんの小鳥達がやって来た。

<今日見られた主なもの>鳥/ジョウビタキの雌(写真上左)、シジュウカラ(写真上右)、ルリビタキ、メジロ、アオジ、シロハラ、コゲラ、スズメ、アオサギ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カワセミ等。


1月20日(午前)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 本当に明日は雪が降るのかいな?と疑う程の、今の時期としては暖かい穏やかな日となった。久しぶりに寺家ふるさと村へ行って、早くも咲き始めた野の花でも撮ろうと出発した。例によって四季の家の駐車場に車を停めると、グループ彩のメンバーの方が四季の家に入って行くのが目に入った。そこで挨拶でもしようと中に入って見みと、写真展はHドクターの各種の木の実、草の実の作品に変わっていた。人柄を反映してか、とても堅実な作品である。また、Hドクターはもちろんのこと、蝶や昆虫を撮っている方々も集っていたので、久しぶりの談笑となった。遅く家を出て来たのに、これまた楽しいお仲間との会話で散策時間はますます少なくなった。それでも熊の神社下のコンコン様の小さな社の裏で、スジグロシロチョウの蛹を見つけて嬉しくなった。目的のオオイヌノフグリ等の野の花は、今一写欲を誘う姿ではなかったものの、付近の畑にソシンロウバイが良い香りを放って今が盛りと咲いていた。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ(写真上左)、カンツバキ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ等。蝶/スジグロシロチョウの蛹(写真上右)等。昆虫/アシナガバチの仲間の空巣、トックリバチの仲間の空巣、ハラビロカマキリの卵のう等。鳥/ジョウビタキ等。その他/ウツギの実、センダンの実等。


1月19日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは新治市民の森へ行った。実は前回16日に行った時に、雄の美麗なミヤマホオジロを撮ったのだが、この散策記に載せると鳥撮りマンがわっと押し寄せて、お仲間に迷惑がかかるといけないから発表しなかったのだ。しかし、今日聞いたところによると、その後、誰も見ていないと言うので公表する事にした。今日はもちろんミヤマホオジロとの再会を期しての散策であったが、鳥の出が芳しくなく、しばらくの間は一度としてシャッターを切る事は無かった。しかし、皆さんがお帰りになるにつれて小鳥の出が良くなって、期待に胸が膨らんだ。このところしばらく紹介してないアオジやホオジロもやって来たので、良い場所に止ってよと念じたものの、そう簡単には問屋は卸さなかった。これではもしかしたらノーシャッターかなと思ったら、可愛いいこの森でのマスコットであるジョウビタキの雌が現われて、もういいよと言いたい位に止まり木の上で、かなりの長時間にわたってワンマンショーを繰り広げてくれた。

<今日見られた主なもの>鳥/ジョウビタキの雌(写真上)、ルリビタキ、シジュウカラ、ヤマガラ、アオジ、ホオジロ、コゲラ、カワセミ、モズ、ノスリ、ハイタカ、スズメ等。


1月19日(午前)、横浜市都筑区大原みねみち公園

 天気予報では明後日は雪との事で、少し頑張っておかなければと思ったものの、今の時期はほとんど変化が無いので、一度行った所では写真2点もおぼつかない。そこで、茅ヶ崎公園の先の大原みねみち公園へ行ってみた。まずは街路樹として植栽されているトチノキの冬芽を撮った。何にも撮れない時の保険という訳である。池にはカワセミがいて、初老の方がカメラを向けていた。この公園で見る久しぶりのカワセミである。私が鳥撮りを始めた頃は行けば必ずカワセミがいて、至近距離で撮れたのだが、その後しばらくの間、見る事が無かったのだ。その後、何か良い被写体はないかとうろつき回ったものの、植栽のシロヤマブキの黒い実位で、これといったものにはお目にかかれない。やっとガマズミの萎びた赤い実を見つけてほっとした。ウグイスカグラの花は、ほんの数輪咲いていたが、どうカメラを向けてもシャッターを押す気にはなれず、結局、保険として撮ったトチノキの冬芽の登場となった。

<今日見られた主なもの>花/ウグイスカグラ、カンツバキ等。昆虫/クヌギカメムシの卵塊、ハラビロカマキリの卵のう等。鳥/カワセミ、ムクドリ、シジュウカラ、マガモ等。その他/トチノキの冬芽(写真上左)、ガマズミの実(写真上右)、シロヤマブキの実、マユミの実等。


1月18日、東京都町田市野津田町

 今日は風が無いものの気温は相変わらず低い。手術後だから自宅蟄居とも思ったが、昨日届いた「不滅のフォークソング」の曲を聴きたいし、また歌も歌いたいなあとも思った。声が人一倍大きな私が自宅で歌ったら近所迷惑だと考えて、車の中なら誰にも迷惑はかかるまいと出発した。「あの素晴しい愛をもう一度」とか、「僕は呼びかけはしない、遠く過ぎ去るものに」とかを大声で歌っていたら、野津田町の公園まで来てしまった。今日は寒いから下半身は分厚い股引にカイロをぺったん、Gぱんの上に防寒ズボン、靴は登山用、首にマフラーをぐるぐる巻きにしたら、寒さなんて何処かへ吹っ飛んで行った。目指すポイントへ行ったら、誰もいないのではと思っていたのだが、知り合いのコミミおじさんがいてびっくりした。野鳥の出はすこぶる良くて、ばしばしシャッターを切る事が出来た。帰りも当然、車中カラオケ大会となって、「今夜の夜汽車で旅立つ俺だよ」とか、「私は今日まで生きて来ました」等を歌いながら自宅に帰った。

<今日見られた主なもの>鳥/ルリビタキの雄(写真上左)、ツグミ(写真上右)、シジュウカラ、ヤマガラ、アオジ、カシラダカ、ジョウビタキ、モズ、キンクロハジロ、カワセミ、スズメ等。


1月17日、横浜市緑区三保町

 東京都心で昨晩、初雪が降った。気温はぐーんと下がり、北風が強くて自然観察どころではない。それでも昼食後の短時間だが、腹ごなしに三保町を散策してみた。しかし、本当に見るもの撮るものがなくて、今季最悪の貧果となった。意気消沈して帰宅してみると、CD4枚組全80曲入りの「不滅のフォークソング」が届いていた。テレビの特集が刺激となって、通販で購入したのだ。一番最初に、はしだのりひことシューベルツの「風」を聞いた。信州大学へ引っ越す時に、車から流れていた曲である。次に、ビリーバンバンの「白いブランコ」を聞いた。大学一年の夏、大菩薩峠でお仲間と合唱した曲である。あの時のメンバーの内の二人は白血病と膵臓癌で、もう天国に住んでいる。そして次に、かぐや姫の「神田川」を聞いた。新宿区早稲田に三畳一間を借りていた女の子は、早々と入水自殺してしまった。あの頃から約40年、その半分の20年間は、飽きもせずにカメラ片手の道端自然観察を行なっている。そう思いながら、岡林信康の「友よ」を選曲した。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ、カンツバキ等。蝶/モンシロチョウの蛹、スジグロシロチョウの蛹等。その他/クズの葉痕(写真上左)、ナガコガネグモの卵のう(写真上右)、ヤブランの実、ツルウメモドキの実、ヘクソカヅラの実、ピラカンサの実等。


1月16日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは久しぶりに新治市民の森へ行った。年が明けてから、ここの主たるNNさんに会っていなかったので、新年のご挨拶をして来なければと思ったのである。散策を開始して谷戸入口のスモモが植栽されている丘の上の畑へ行ってみると、今日もカシラダカの一群が地面に降りて食事をしていた。その数は前に比べると倍近くに膨れ上がっていた。これで一枚カメラの中に写真が納まったので、もう一枚撮れば最低限の目的は達成と、新治市民の森の鳥撮りマンが集うポイントへ行ってみたが、皆様の顔の表情が冴えない。ただ、Hさんだけが何故かにこやかな顔をしている。聞くところによると、横浜ではかなり珍しい小鳥を100枚以上も撮ったのだと言う。やがて何処からとも無くNNさんが戻って来て、久しぶりの楽しい談笑が始まった。しかし、もう一枚がなかなか撮れない。今日は野鳥の出がとても悪いのである。そこで逆光となるがカワラヒワを撮影して、なんとか「みちばた散策記」アップの為の写真を確保した。

<今日見られた主なもの>鳥/カシラダカ(写真上左)、カワラヒワ(写真上右)、ミヤマホオジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、コサギ等。


1月16日(午前)、横浜市鶴見区三ッ池公園

 昨日は手術後初めてとなる通院の日で、お医者さんから経過は順調とのお言葉を頂き、ほっと胸を撫ぜ下ろした。また、明日からはもの凄く寒くなると言うので、今日はいつもより早起きして道端自然観察を楽しんだ。とは言ってもこの季節、撮るもの見るものが無い。そこでしばらくの間、平日は駐車場が無料の三ッ池公園へ行った。期待して散策を開始したが、やはりこれといったものが無い。少し前に雨の日があったのでエノキタケは成長しているかもと思ったのだが、まるで小さなノウタケのように傘が萎びていた。しからば葉痕はとニワウルシを撮った。しかし、ネームプレートを見るとシンジュと書かれている。おかしいなあニワウルシではないのと帰宅して図鑑を開くと、ニワウルシの別名がシンジュである事が分かった。シンジュは美麗な蛾であるシンジュサンの食樹で、英名は「Tree of heaven」と言い、直訳すると天国の樹、神の国の樹となり、シンジュを漢字で書くと神樹であるから、シンジュサンは恐れ多き樹木の葉を食べている事になると微笑んだ。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ、ツバキ、カンツバキ等。鳥/コゲラ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ユリカモメ等。キノコ/エノキタケ(写真上右)、スエヒロタケ等。その他/シンジュの冬芽(写真上左)、サルトリイバラの実、マユミの実、ヤブランの実等。


1月14日、神奈川県川崎市麻生区黒川

 今日は風も無く昼前に晴れると予報されていたので、久しぶりに小田急線を越えて、午前中は黒川へ行った。しかし、どんよりとした空で、今にも雪が舞い降りて来そうだ。かなり冷たい寒気が上空に流れ込んでいるのだろう。そこで短時間で撮影終了と、まずは目的のコクサギの実を撮りに行った。コクサギは言わずと知れた、カラスアゲハの食樹である。花は鼻をつまみたくなる程の臭いがするので、ご存知の方も多いと思う。このコクサギは、何故か近くのフィールドではほとんど見られない。しかし、低山地へ行くと渓流沿いの林道に普通だ。目的のコクサギの実を無事に撮影出来たので、何か他に良い被写体はないかと探したら、看板にカマキリの卵のうがついていた。午後からは都立桜ヶ丘公園へ行ったが目的の鳥に出会えず、急遽、久しぶりに長池公園へ行った。今季初めてのベニマシコに会えたが、込み入った草むらでイノコズチを食べていて証拠写真に終わり、寒さのために早々と帰宅した。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ、カンツバキ、ナズナ等。昆虫/カマキリの卵のう(写真上左)、ウスタビガ空繭、イラガの繭等。鳥/アオゲラ、ジョウビタキ、アオジ、モズ等。その他/コクサギの実(写真上右)、ノイバラの実、スイカヅラの実、マユミの実、ヘクソカヅラの実等。


1月13日(午後)、神奈川県大和市泉の森公園

 こう寒いと良質なエネルギーを補給せねばならないと、昼飯は安楽亭の焼肉ランチを食べた。午後は何処へ行こうかなあと思案したが、風が避けられて鳥がいる所ということで、お隣の市の泉の森公園へ行った。案の定、水車小屋のある窪地に降りて行くと、今までの強風がまるで嘘のようで、風はまったく吹いていなかった。カワセミが飛来する小さな池には、こんな寒さだというのに、たくさんの鳥撮りマンが終結していた。顔見知りのここの主がいたので、ミソサザイ、クロジ、ソウシチョウはどうですかと尋ねたら、今年はまったくいないと言う。また、カワセミはモズが現れたためか、午前中一回出ただけで現れないと言う。そんな訳で、皆さん、その現れたモズを真剣に撮っていた。飛ぶ鳥を撮らせたら神奈川一のGおじさんは、モズの飛翔の素晴しい写真をゲットされて嬉しそうだ。しかし、私はデジスコ、背景とモズの表情を考えて素直に撮影した。それにしても、こんな至近距離でのモズの撮影は初めてであった。

<今日見られた主なもの>鳥/モズの雄(写真上)、ヨシガモ、マガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、オオバン、コサギ等。


1月13日(午前)、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 昨日は雨が降り、今日は西高東低の冬型である。北風が強く、午前中はどんより曇っていてとても寒い。そんな訳で、下半身は一番厚い股引を履き、腰のやや下部中央にカイロをぺったんと貼った。また、上半身は一番厚いセーターを着て、コーナンで買った980円の防寒作業衣で覆った。もちろん、スキー帽は深々と被った。まったく、学生生活を送った信州松本市での井出達のようである。茅ヶ崎公園へ行ったが、いつもの散策コースはパスして、比較的風の避けられる土日のみ開園している自然生態園へ入り込んだ。ここにはキハダが生えているので、ご婦人顔の葉痕をと思ったのである。事務所のKさんが居たので、キハダの場所は容易く分かった。まだ、1メートルにも満たない幼木だから、これから数年間は楽しませて貰えそうである。その他は、これといったものは見られず、ウグイスカグラの花で彩りをと思ったのだが、たったの二輪しか咲いていなかったので、萎びかけているサルトリイバラの実を撮った。


<今日見られた主なもの>花/ウグイスカグラ、カンツバキ等。キノコ/エノキタケ、アラゲキクラゲ、スエヒロタケ等。その他/サルトリイバラの実(写真上左)、キハダの冬芽(写真上右)、マユミの実、カラスザンショウの実、ナガコガネグモの卵のう等。


1月11日、横浜市港北区新羽町

 今朝起きてみたら、手術した患部の具合がおもわしくない。昨日、町田まで行ったのがいけなかったのだろうか。天気予報によると明日は雨で、ことによったら雪になるかもしれないと予報されている。また、今日は気温が14度まで上がるというので、またしても近場の新羽町へ行ってみた。しかし、この時期は本当に撮るものが無い。そこで鶴見川のオニグルミの葉痕を撮り付近の畑を散策していると、良く陽が当たる場所に、ホトケノザ、オオイヌノフグリ、ナズナ、ノボロギク等が咲いていた。12月にも、これらの野の花が咲いているのを見かけているが、やはり年が明けてからでないと撮る気が起きない。植木屋さんの畑では、ツルウメモドキやサネカヅラの実は萎びていたが、何故か路傍のノイバラの実は瑞々しさをかなり保っていた。農家の庭先に植栽されているウグイスカグラは、ほんの数輪だが可愛らしく咲いていて、良く陽が当たる雑木林の縁のニワトコの蕾が膨らんで、緑色に変わっていたのには驚いた。

<今日見られた主なもの>花/ホトケノザ(写真上左)、オオイヌノフグリ、ナズナ、ノボロギク、ウグイスカグラ、ソシンロウバイ、カンツバキ等。蝶/モンシロチョウの蛹等。昆虫/ナナホシテントウ、イラガの繭等。鳥/ジョウビタキ、ヒヨドリ、スズメ等。その他/オニグルミの葉痕(写真上右)、ヒヨドリジョウゴの実、ノイバラの実、ツルウメモドキの実、ヘクソカヅラの実等。


1月10日、東京都町田市野津田町

 手術の結果は来週の再診まで分からないが、お医者さんが普通通りにしてれば良いと言うので、まずは寺家ふるさと村の四季の家へ写真展を見に行った。毎年、この時期に恒例の寺家ふるさと村をマイフィールドとするグループ彩の方々のロングランの写真展である。今日はOさんの七色に輝く蜘蛛の巣の作品ばかりで17点も展示されていた。毎年、めきめき腕を上げているのは驚きだ。午後からは折角ここまで来たのだからと、6日にとても面白かった野津田町の公園へ行った。みなさんはルリビタキを狙っているが、私は井戸の水汲み桶の底の裏側に溜まる水を飲みに来る小鳥達を狙った。何しろ石ではなくて陽が当たる木のベンチに座って待っていれば良いのだから、リハビリには最適である。今日は可愛らしいジョウビタキの雌がやって来た。お次はルリビタキと期待したが、近くには来るものの素通りしてしまう。しかし、相変わらずシジュウカラがたくさんやって来て、面白いようにシャッターを切った。

<今日見られた主なもの>鳥/ジョウビタキの雌(写真上左)、シジュウカラ(写真上右)、ルリビタキ、エナガ、キンクロハジロ、カワセミ等。


1月9日、横浜市港北区新吉田町

 一泊二日の手術入院から、昨日の午後に無事帰還した。これで全快すれば、後はしつこい五十肩だけである。人間、何処か身体に痛い所があると、元気が出ないものである。言い古された言葉だけど、健康第一なのだ。今日はリハビリを兼ねて、ほんの短時間だが、隣町の新吉田町を散策してみた。一年中で今が一番寒い頃なのだが、何故かぽかぽか暖かい。農家の庭先にはニホンスイセンやソシンロウバイが咲き、一歩づつ春に向って歩んでいるかのようだ。最近、日本冬芽葉痕普及協会の会長さんは、何故だか風景ばかり撮っているので、こんな時は普通会員が頑張らなければならないと、まずはサンショウの葉痕を撮った。まるで鉄兜を被った古代中国の戦士のようである。市民菜園へ寄ってみると、土留めのトタン板にモンシロチョウの蛹を見つけ、また、暖かさに誘われたのかナナホシテントウが日向ぼっこをしていた。こんな暖かさはそう長くは続くまい。しかし、今年は雪が降るのであろうか。

<今日見られた主なもの>花/ニホンスイセン(写真上左)、ロウバイ、ソシンロウバイ、カンツバキ等。蝶/モンシロチョウの蛹等。昆虫/ナナホシテントウ等。鳥/オナガ、スズメ等。キノコ/エノキタケ、ヒイロタケ等。その他/サンショウの葉痕(写真上右)、ヒヨドリジョウゴの実、サルトリイバラの実、アオツヅラフジの実、トキリマメの実、ヘクソカヅラの実、エゴノキの実等。


1月6日(午後)、東京都町田市野津田町

 明日から入院なので午後からは、青い鳥を撮ろうと野津田町の公園へ行った。信号は青が交差点進入OKなのだから、青い鳥を撮れば明日からの入院も無事に通過出来るという訳である。その前に病院の粗食に耐える為にと、カツ丼の「カツ屋」で腹ごしらえをした。もちろん脱メタボを誓っているので、松竹梅の梅である。公園へ到着すると午前組の鳥撮りマンが引き上げて来る。それでもポイントへ行くと3人の方がいたが、すぐに帰ってしまったので一人となった。目的のルリビタキは現れたのだが、何処かのご婦人のように気が強いジョウビタキの雌が現われて追払われてしまった。これは困ったなあと思っていたら、夕方近くになってジョウビタキの雌が何処かへ消えると、僕の出番ですよとルリビタキの雄のワンマンショーが始まった。また、やや若い雄も別の場所にいると聞いていたので行ってみると、こちらもワンマンショーを繰り広げてくれた。青い鳥が撮れたので、きっと明日からの手術入院は青信号となるだろう。

<今日見られた主なもの>鳥/ルリビタキの雄の成鳥(写真上左)、ルリビタキの雄の若鳥(写真上右)、ジョウビタキ、メジロ、アオジ、シジュウカラ、スズメ、キンクロハジロ、カワセミ等。


1月6日(午前)、神奈川県川崎市麻生区早野の里

 早野の里へ行く途中、新吉田町を通るが、畑はかなりの霜が降りたらしく真っ白であった。NHKのラジオをつけると、女性アナウンサーが、寒さのために3時頃に目が覚めたと言う。今日はどうも腰がだるい。寒さの中での道端散策は、風邪こそ引かないものの、身体にかなりの負担がかかっているのだろう。早野の里へ着いて散策を開始するが、各種の実は萎びていて本当に撮るものが無い。それでも植栽されたアセビの一株だけが何故か花開いていた。他に植栽されているものは固い蕾のままだから、いったいどうした事だろう。雑木林の縁を歩いて行くと、緑色で印象的なウスタビガの空繭を見つけた。成虫は晩秋に羽化する。前に紹介したイラガの繭と同様、冬ならではの風物詩である。その後、アブラチャンの蕾を写そうと去年と同じ木を見に行ったが、今年は何故か貧弱な蕾しかなかった。しからばモンシロチョウの蛹を見つけようと市民菜園へ行ってみたが、撮影したいなあという場所には着いていなかった。

<今日見られた主なもの>花/アセビ(写真上左)、ソシンロウバイ等。蝶/モンシロチョウの蛹等。昆虫/ウスタビガ空繭(写真上右)、イラガの繭等。鳥/アオジ等。その他/スイカヅラの実等。


1月5日、横浜市都筑区鴨池公園

 来週の月曜から手術入院となるので、しばらくの間、散策及び写真撮影はお休みとなる。病気としては大したものでは無いのだが、C型肝炎のような医原病も有るから要注意ではある。今日は朝から曇天で気温が低く、お休みしようかなとも思ったが、完全防寒で出かけてみた。それでも、薄日が射して来るまではとても寒かった。冬晴れが続く首都圏に住んでいるから、冬季も楽しい道端自然散策及び写真撮影が出来るのだが、曇りや雪の日が多い地方では、そんな事は思いもよらぬ事だろう。散策を開始するとエノキの幼木の細い幹に、多分、ナミホシヒラタアブと思われるアブが止っていた。陽が射して来るまで、じっと待っているのだろう。ソシンロウバイが咲いているが、何処からとも無くヒラタアブの仲間がやって来る。まことに生命力溢れる生き物だ。街路樹にムクドリがたくさん集っていたので、何事かと見上げると、ナンキンハゼの白い実がたくさんぶら下がっていた。図鑑を開くと種子は有毒とあるのだが、どうした訳なのだろう。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ、カンツバキ、ニホンスイセン等。昆虫/ヒラタアブの仲間(写真上左)等。鳥/カルガモ、ムクドリ等。その他/ナンキンハゼの実(写真上右)、ナンテンの実、ネズミモチの実、ガマズミの実等。


1月4日、東京都千代田区丸の内

 今日は仕事始めの方も多いことだろう。そこで3日間休んでいた家の周りの掃除をしたが、穏やかな日々が続いた為か、ゴミが極端に少なくて拍子抜けした。いくらかゴミが散らかっていないと、掃除するし甲斐がないのである。そんな訳で短時間で終了となったから、かねてより鳥友に薦められていた皇居のお堀に行った。とは言っても金融機関が立ち並ぶ側の歩道だから、丸の内へ行ったという事になる。現地に到着すると、私が鳥撮りを始めた頃に大変お世話になったTさんがいて驚いた。また、二子山のサンコウチョウで名刺交換した若者もやって来た。しかし、午前中はすぐ近くまでやって来たという目的のカワアイサは遠い所で昼寝中。ミコアイサもいるというので隣のお堀に行ってみると、これまたお昼寝中。簡単に撮れると思ったのに、3時まで待たされた。次第に風が出て来て水面がさざ波立つ、こんな時は露出が難しく証拠写真程度のものしか写せなかったが、またの機会に再挑戦と、東横線直通電車で安らかに眠りこけて帰宅した。

<今日見られた主なもの>鳥/ミコアイサの雄(写真上左)、カワアイサの雄(写真上右)、キンクロハジロ、ユリカモメ、セグロカモメ、メジロ、スズメ等。


1月3日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 昼食は、お雑煮と御節料理が続いたので横浜屋のラーメンをすすった。これで今日はUターンしても良いのだが、白昼の帰宅は何となく侘しい。そこで恩田川の田んぼへ行ってみたが、子供たちの凧揚げの場所となっていて、鳥撮りどころではない。そこで新年の挨拶かたがた、新治市民の森へ行ってみた。お仲間が「鳥も正月休みで、なんにも出ないよ」と言う。しばらく雑談を交わした後、みんな引き上げ一人となった。これからが勝負よとばかりに椅子に腰を下ろして待っていると、なんとジョウビタキの雄がやって来た。液晶ディスプレイで画像を確認すると、寒さのために身体を丸く膨らませていて、何処かのメタボさんのようである。後もう一枚撮れれば、この「みちばた散策記」に載せられると思っていたら、羽ばたきの音を立てながらコガモが着水した。だいぶ暗くなっていたが、なんとか撮影する事が出来た。「これだから、鳥撮りは人が帰った後が勝負なのよね」と、にんまりした事は言うまでも無い。

<今日見られた主なもの>鳥/コガモ(写真上左)、ジョウビタキの雄(写真上右)、カケス、ホオジロ、エナガ、コゲラ、カワラヒワ、アオジ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、スズメ等。


1月3日(午前)、横浜市都筑区池辺町

 今日は休養と思っていたら、「もう新しい更新はないものと、寂しくページを開けますと、うあ〜あった、やったね!」なんていう知人からのメールが飛び込んで来た。「そんなに面白いのかね」と苦笑いを浮かべたが、愛車小野路号も寂しそうに駐車場に止っているので、こうなったら行くしかないかなと、前回、強風の為に不本意な結果に終った池辺町へ行ってみた。植木屋さんの畑では、ソシンロウバイが美しく花開いて、ほのかな梅に似た香りが漂って来る。中に入って撮りたいのだが、そんな事はマナー違反だ。そこで道端から撮れるものにカメラを向けた。また、ボケも花弁が霜にやられながらも咲いていた。寒い寒いと言いながらも、季節は着実に春に向って歩んでいるのだ。その後、ナシやセンダンの葉痕を撮り、御目出度いナンテンの実も撮ったのだが、どうしてもイラガの繭を撮りたかったのであちこち探した。最近、見かける事が少なくなったが、冬ならではの忘れられない昆虫の冬越しの姿である。

<今日見られた主なもの>花/ソシンロウバイ(写真上左)、ボケ、カンツバキ等。蝶/アゲハの蛹等。昆虫/イラガの繭(写真上右)、ハラビロカマキリの卵のう等。鳥/ジョウビタキ、ツグミ等。その他/ナンテンの実、ナナカマドの実、ネズミモチの実、スイカヅラの実、ガマズミの実等。


1月2日、東京都大田区洗足池

 今日は例年、親戚回りをする日である。だから散策は無しと思っていたら、先方さんの奥様が風邪で寝込んでいるとの事で、急遽中止となった。年末に入って冷え込んだから、風邪に罹った方も多いのではなかろうか。朝起きてみると辺りは真っ白、元庄屋さんの池を見に行ったら、厚く氷が張っていた。草原にもびっしり霜が降りて凍り付いている。実に良い被写体だと思ったが、そのうち挑戦してみようと家に戻り、昨日と同様、お雑煮と御節料理をたらふく食べ、お腹がたっぷり膨らんだ。このため、脱メタボを目指している者にとっては、何処かへ散策に行かなければならない。そんな訳で、鳥はカワセミに始まってカワセミに終るというので、片道210円の洗足池へ行った。お仲間はいるまいと思ったのだが、カワセミ待ちのカメラマンが大勢集っているのには驚いた。前回見られたキクイタダキはモズが現れた為か、昨日から見られなくなったと言う。今日はカワセミに徹してシャッターを切り、早々と帰宅した。

<今日見られた主なもの>鳥/カワセミ(写真上)、マヒワ、モズ、シジュウカラ、ツグミ、ヒヨドリ、オナガガモ、キンクロハジロ、マガモ、コサギ、スズメ等。


1月1日、横浜市港北区綱島市民の森

 今年も有り難い事に、お雑煮と御節料理が食べられた。拘置所暮らしの守屋元防衛事務次官も、鳴戸一切れのお雑煮位は食べられたことだろう。いくらこの世の春を謳歌された方でも、こうなってはお終いである。人の幸せ、文部科学省は偏差値教育で立身出世を煽るようだが、お正月にお雑煮と御節料理が食べらるような、そんなつつましやかな人生を推奨すべきではなかろうか。そんな訳でお腹がたっぷり膨らんだので、目の前の綱島市民の森を歩いてみた。ご承知のように去年の年末に、丸5年も続けて来た「つれづれ観察記」に完の一字を打った。今後はしばらく休養と思っていたのだが、なんと習慣とは恐ろしいもので、カメラを携えシャッターを切ってしまった。液晶ディスプレイで写真を確認すると、マロニエのマロちゃんは、本当に平安貴族のような顔をしている。「マロは今日も元気でっせ、皆さんに紹介して」という訳である。こうなったら仕方が無いと自宅に戻って、「みちばた散策記」を開始しようと決心した。

<今日見られた主なもの>
花/ニホンスイセン、カンツバキ等。昆虫/オオカマキリの卵のう等。鳥/ジョウビタキの雌、オナガ、スズメ等。その他/マロニエの葉痕(写真上左)、ゴンズイの実(写真上右)、スイカヅラの実、ヒョドリジョウゴの実、マンリョウの実、センリョウの実、クチナシの実、カラスウリの実等。



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