2008年:みちばた散策記

(5月)


5月30日(午後)、横浜市緑区横浜動物の森公園

 有り難い事に午後になっても雨は落ちて来ない。明日は一日中雨との予報だから、今日の内に多いに稼いでおこうと、久しぶりに横浜動物の森公園へ行った。このところ良く雨が降ったから、キノコでも生えていないかなあと思った訳である。歩き出すとすぐに、ななんとオオタカの食事風景に遭遇した。しかも10メートルにも満たない距離である。90ミリマクロレンズでもかなり大きく撮れる位だから本当に至近距離だ。しかし、絵になる場所ではないのでシャッターを切らずに観察し続けていたら、やはりオオタカも気になったのか、獲物を足にぶら下げて飛び去ってしまった。その後、期待したキノコはたいしたものには出会えなかったし、これといった花や虫も見られなかった。まあ、今日はオオタカの食事風景を10分程至近距離で観察出来たのだから、それだけで良しとせねばなるまい。時計の針が午後3時を指し示す時間となると、やはり小雨が空から落ちて来た。

<今日見られた主なもの>花/ヒルガオ、ドクダミ、メキシコマンネングサ、アカバナユウゲショウ、スイカズラ、イボタ、ガマズミ、ウツギ等。蝶/ベニシジミ(写真上右)、コジャノメ等。昆虫/ツマグロオオヨコバイ、オジロアシナガゾウムシ等。鳥/オオタカ、ホトトギス、ウグイス、シジュウカラ等。キノコ/ミドリスギタケ、ムジナタケ等。その他/コバンソウの実(写真上左)、ヤマグワの実等。


5月30日(午前)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 梅雨を思わせるぐずついた天気が続いているが、どうやら走り梅雨のようである。5月下旬、ウツギの花が満開の頃に、梅雨本番を思わせる状態が続くことがある。それを走り梅雨と呼んでいるようだ。昨日は一日雨、明日も一日雨で、今日は昼前後のみ曇りと真に走り梅雨らしい。そんな訳でいつ雨が降って来ても逃げられるようにと、今日は寺家ふるさと村の昆虫横丁へ行った。ここならたとえ雨が降って来ても、四季の家の駐車場に瞬時に逃げ帰れるという訳である。しかし、そうは言っても雨が上がったばかりで気温はかなり低いから、見られた昆虫はほんの僅かであった。気温が低いという事は、変温動物である昆虫の体温は活発に活動出来る程に上がってはいないという事だから、近づいても飛立ったり逃げ去ったりはしない。だからこんな日は昆虫を見つけさえすれば、とても容易く撮影出来るのである。気温が上がっていればすぐに飛び去るルリシジミも、今日は至近距離まで近づく事が出来た。

<今日見られた主なもの>花/アカツメクサ(写真上左)、ドクダミ、オカタツナミソウ、ノアザミ、ユキノシタ、ナルコユリ、ナワシロイチゴ、スイカズラ、ガマズミ、ウツギ等。蝶/ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ等。昆虫/チャバネアオカメムシ(写真上右)、クヌギカメムシ、ヒメシロコブゾウムシ等。その他/ヘビイチゴの実、ヤマグワの実等。


5月28日、山梨県(仮称)コルリの森

 首都圏の鳥撮りマンは塩山や遠く戸隠まで出かけているようだが、私にとっては富士山方面が行き易いので、相も変わらず毎週一回のプチ遠征に出かけた。しかし、今日は(仮称)クロツグミの森、石割の湯、そして(仮称)コルリの森と3ヶ所も転戦してしまった為か、左程良い結果は得られなかった。高原でも様々な昆虫たちが見られるようになったから、野鳥オンリーではもったいないという訳である。来週からは、もう少し廻る場所と時間配分を考えてみよう。そんな訳で今日の散策記は、一番長い時間いた(仮称)コルリの森でのものとなったが、写真のオオルリは(仮称)クロツグミの森で撮影したものである事をお断りしておく。今日の(仮称)コルリの森での特筆事項は野鳥ではなく、別荘地の敷地内に植栽されているクマガイソウが満開であった事、また大きなアミガサタケが生えていた事、ウスバシロチョウが緩やかに飛翔していた事、林床では可愛らしいクワガタソウがたくさん見られた事だろうか。

<今日見られた主なもの>鳥/オオルリの雄(写真上左*(仮称)クロツグミの森で撮影)、キビタキの雄(写真上右)、ミソサザイ、コルリ、クロツグミ、イカル、コガラ、ヒガラ、メジロ、ヤマガラ、カワラヒワ、ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、アカゲラ、コゲラ、キジバト等。


5月27日、横浜市緑区新治市民の森

 今日も禁煙の禁断症状が出ているのか、何となく元気が出ない。青春時代に始めた煙草を止めるという事は、もう若くは無いんですよねと自ら認めたようなものだから、精神的なショックも加わっているのかもしれない。しかし、昨日は道端自然観察をお休みしたから、今日は何とか更新しようと午前中は早野の里へ行ってみた。しかし、ピーカンで風も少々あって、これといったものには出くわさなかった。こんな調子では今日もこの散策記の更新はお休みかなと思ったが、安楽亭で焼肉ランチを食べて、少しは元気を回復させてから新治市民の森へ行った。今の季節、デジスコでの野鳥撮影はノーシャッターに終る危険性があるものの、まあ、カワセミ君位はいるだろうと思ったのだ。今日はいつもいる雄はもちろん現れたが、嘴の下半分が赤い雌もいて愕いた。雌は子育てで疲れ気味のようで、羽の色艶も芳しくなく、また、餌を捕えるとお腹を空かす子供たちの元に一直線に飛立って行った。

<今日見られた主なもの>鳥/ホオジロの雄(写真上左)、カワセミの雄(写真上右)、ホトトギス、アオゲラ、キビタキ、メジロ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、カルガモ、スズメ、ハシブトガラス等。


5月25日、横浜市緑区新治市民の森

 今日の雨も午前中だけで、午後からは完全に上がった。昨日もそうだったが、このところ午前だけとか午後だけとかが多い。昼食を久しぶりに自宅ですませると、新治市民の森へ行った。まだ曇り空の雨上がりの午後だと、かなり開けた場所が無いと、葉や花に水滴が着き、また昆虫達も顔を出さないと思ったからだ。車をいつもの所に停めると、まずは遊水池周辺を散策した。毎度御馴染みのコースだが、ここが一番昆虫が多いのだから仕方が無い。今日一番多く見られたのはヒゲナガハナノミである。湿地が大好きな昆虫だから当然と言えば当然である。また、キブシの葉にはウスモンオトシブミが見られ、鎌立谷戸へ進むと、サルトリイバラの葉にアカクビナガハムシ、クマノミズキの葉にヒメクロオトシブミ、イタドリの葉にカシルリオトシブミ等が見られたが、今日はイロハモミジの実とヤマグワの実をご紹介する事にした。特に、イロハモミジの実のプロペラ部分は、赤くてとても美しいと思う。

<今日見られた主なもの>花/ナルコユリ、ドクダミ、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、スイカズラ、ガマズミ、ナワシロイチゴ等。蝶/ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等。昆虫/アカクビナガハムシ、ヒゲナガハナノミ、ブドウハマキチョッキリ、ヒメクロオトシブミ、ウスモンオトシブミ、ナガメ、ヤマサナエ、シオヤトンボ、カワトンボ、ハラビロトンボ等。その他/ヤマグワの実(写真上左)、イロハモミジの実(写真上右)、モミジイチゴの実、クサイチゴの実等。


5月24日、横浜市港北区新吉田町

 今日も一昨日の左官仕事の疲れが残っているのか、それとも禁煙の為の禁断症状が出ているのか眠気が襲って来て元気が出ない。今日は一日中雨の筈で、ぐっすり眠って疲れを取ろうと考えていたのだが、雨は午後からと変わって、仕方無しに身体に鞭打って這うようにして新吉田町へ行ってみた。横浜の各所の里山にもサンコウチョウが飛来しているらしいが、ちょっと行って見ようかなあなんて元気も出ない。まこと煙草の禁断症状というのは恐ろしいものである。それでも散策を開始すると、ユキノシタ、ドクダミ、ツユクサ等の花が咲き始め、もうすぐ梅雨の季節がやって来るなあと感ずるには充分であった。また、エビヅルの葉には、美麗なアカガネサルハムシやブドウハマキチョキリがたくさん見られた。とても小さな身体のブドウハマキチョッキリだが、ブドウの葉を巻いた揺籃はかなり大きい。しかし、ハマキは葉巻だから、禁煙中につき撮影は見合わせた。

<今日見られた主なもの>花/ユキノシタ(写真上左)、ツユクサ、メキシコマンネングサ、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、ドクダミ、スイカズラ、ガマズミ等。蝶/ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/アカガネサルハムシ(写真上右)、ブドウハマキチョッキリ、シロコブゾウムシ等。その他/ユスラウメの実、クサイチゴの実等。


5月23日、横浜市緑区新治市民の森

 今日は待ちに待った寺家ふるさと村に於いての観察会の日である。しかし、なんとなく身体がだるい。その理由は、今季一番の気温上昇となった為、昨日午後の左官仕事の疲れの為、そして禁煙による禁断症状の為の3点が考えられる。先だって県の広報誌に、「たばこを吸わない人の肺」と「たばこを吸っている人の肺」の比較写真が載っていたが、まさに清流と濁流との差があった。こんなに汚くては病気になっても仕方が無いわなと感じたので、タバコを吸う気がしなくなったのである。まあ、いずれの理由から来ているだるさかは分からないが、結局、寺家ふるさと村ではノアザミの写真一枚しか撮らなかった。そこで今日の散策記は、午後から観察会参加者全員と行った新治市民の森で撮影した写真となった。午前中の寺家ふるさと村に於いての特筆事項は、トンボソウ、オカタツナミソウ、タツナミソウ、ミヤコグサが咲いていた事であろう。新治市民の森では薪に、キイロトラカミキリ、ミドリカミキリ等が見られた。

<今日見られた主なもの>花/ノアザミ、ナワシロイチゴ、ナルコユリ、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、アメリカフウロ、ニワゼキショウ、ドクダミ、スイカズラ、ガマズミ等。蝶/アオスジアゲハ、イチモンジチョウ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/キイロトラカミキリ(写真上右)、ミドリカミキリ、アオジョウカイ、トホシオサゾウムシ、ウスモンオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、ブドウハマキチョッキリ、アカガネサルハムシ、トホシテントウ、ハラビロトンボ、ヤマサナエ等。キノコ/ダイダイガサ(写真上左)、アミスギタケ等。鳥/ホトトギス、カワセミ、コゲラ等。


5月22日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 今日は10日ぶりに茅ヶ崎公園へ行った。しかし、天気は晴れで風が強いから、なるべく日陰で風が遮られる所を中心に散策してみた。この季節の茅ヶ崎公園は、あまり期待できる訳ではないのだが、それでも丹念に探せば、何がしらにぶつかるだろうと思った訳である。まず最初に目に入って来たのはテイカカズラである。白い風車のような格好の花はとても粋である。また、その名の通りクヌギの下の草の葉上には、クヌギカメムシがかなりたくさん見られた。しかし、その後はこれといったものに出会わない。野の花も一服、せめてキノコでも生えていたら楽しいのだが、キノコは梅雨まで待たねばなるまい。まったく今日はお手上げだなあと愚痴をこぼしていたら、路傍の葉上に、まるで落下した樹木の芽鱗のようにも見える昆虫がいるのを発見した。トビイロツノゼミである。昆虫を良く知っているから気づいたという訳で、一般の方ならやはり芽鱗と思う事だろう。こんな擬態は蛾の仲間にもかなりたくさん見られる。

<今日見られた主なもの>花/テイカカズラ(写真上左)、ニワゼキショウ、ドクダミ、コウゾリナ、ブタナ、ガマズミ、ヤマボウシ等。蝶/アオスジアゲハ、ヤマトシジミ等。昆虫/トビイロツノゼミ(写真上右)、クリアナアキゾウムシ、エゴシギゾウムシ、トホシテントウ、チャバネアオカメムシ、クヌギカメムシ等。


5月21日(午後)、山梨県(仮称)コルリの森

 午後からは定例となっている(仮称)コルリの森へ行った。途中、観察会に良く出席なされるTさんのクラウンステーションワゴンと道ですれ違った。また、ポイントの道路には、このHPの掲示板でも御馴染みのカラフル手ぬぐいおじさんのトヨタマークUが止っている。ともに日産発祥の地である横浜市民だが、日産では無く何故かトヨタ車なのだ。もっとも我が小野路号はスバルだが、これまた長いものには巻かれろとばかりにトヨタの資本系列に入るらしい。日産の研究施設や工場のある厚木や座間の知人もトヨタに乗っている。また、三菱系の会社に勤めているのに、カメラは三菱系のニコンだが車はトヨタに乗っている知人もいる。こんな調子では、日本の車はトヨタだけになってしまいかねない。話は随分と横道に逸れたが、今日の(仮称)コルリの森は、オオルリやコサメビタキも観察はしているが、相も変わらずコルリとキビタキのみをカメラに納めただけであった。車もトヨタだけではつまらないように、(仮称)コルリの森にも様々な野鳥がやって来て欲しいものである。

<今日見られた主なもの>鳥/キビタキ(写真上左)、コルリ(写真上右)、ツツドリ、オオルリ、コサメビタキ、ゴジュウカラ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、カワラヒワ、コゲラ等。


5月21日(午前)、静岡県(仮称)クロツグミの森

 今年の(仮称)クロツグミの森は近くで工事がなされていて、その為か野鳥の姿が少ない。そこで今日はパスとも思ったが、ほんの少し寄って見る事にした。ところが散策を開始するとすぐに、騒がしい囀りが聞えて来た。クロツグミである。これは頂きと頑張ったが絵になる所には止ってくれず、しかも落ち着きが無いために良い写真は得られなかった。それでも、また来るかもしれないからと、とぼとぼ歩いていると、なんとなく視線を感じたのでその方向を見ると、なんとムササビが木の洞から顔を出していた。これはラッキーとシャッターをばんばん切った。ネットで調べて見ると、ムササビはネズミ目リス科モモンガ亜科で、前足と後足との間に飛膜があり、この膜を広げてグライダーのように滑空し、樹から樹へと飛び移ることができる。なんと160m程度の滑空が可能であるという。以前、巣箱から顔を出しているのは観察しているが、樹木の洞から顔を出しているのは初めてである。今日は期待しなかった(仮称)クロツグミの森で、とんだお土産を頂く事となった。

<今日見られた主なもの>鳥/クロツグミ(写真上右)、キビタキ、シジュウカラ、カワラヒワ、メジロ、ヒヨドリ、キジバト等。その他/ムササビ(写真上左)等。


5月20日、横浜市緑区長津田町

 未明から朝にかけてかなりの雨が降った。また風がとても強かった。ここ数年、気候の変動が激しく、荒い天候に見舞われ事が多い。これは地球温暖化による影響ではなかろうかと不安に思う。幸いにも雨は早く上がり、風は11時頃に納まった。こんなに風が吹くと、もちろん掃き掃除をせねばならない。マサキの落葉が減って来たと思っていたら、今度はホテイチクの落葉が目に付くようになった。季節は竹の落葉の季節なのだ。今日は久しぶりに長津田町の東名高速の森へ行った。アカボシゴマダラが飛び始めたので樹液に来ているのではと思った訳だが、この季節ではクヌギの樹液はまだ滲み出てはいない。そのかわりとは言っては変だが、ヤマザクラの幹にアオゲラの掘った穴を三つも見つけた。果たして子育てに使われているのだろうか。その真偽はじっと待っていれば良いのだが、時間が無いので通り過ぎた。ナワシロイチゴが花を付け、とても美味しいモミジイチゴの実が黄色に熟し始めて、もうすぐ梅雨の季節に入るなあと実感した。

<今日見られた主なもの>花/ナワシロイチゴ(写真上左)、ナルコユリ、ヒルガオ、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、コウゾリナ、ブタナ、アメリカフウロ、スイカズラ等。蝶/ダイミョウセセリ(写真上右)、イチモンジチョウ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、イチモンジセセリ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ、シロコブゾウムシ、ハスジカツオゾウムシ、クサギカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、クロオオアリ、ツチイナゴ、ヒメギスの幼虫等。その他/モミジイチゴの実、アオゲラの巣穴等。


5月19日、横浜市都筑区池辺町

 毎日のように健康の為にも道端自然観察及び写真撮影を続けるとしても、これからは一日フルに午前の部、午後の部と精を出すのでは無く、正味2時間程の半日を増やそうと考え始めている。いくら好きでも残りの人生全てがオール道端自然観察及び写真撮影では余りにも寂し過ぎる。また、そのようにした方が過労にもならず、ボケ防止にも良いのではなかろうか。そう思った初日は池辺町へ軽い散策にと出かけた。農耕地と自然度の低い東方公園周辺では、これといった珍しいものには出会えないだろうが、珍しいものを求めるだけが道端自然観察及び写真撮影では無い。そんな訳で、まずは畑のジャガイモの花を撮った。農作物の花なんてとお考えの方もいるかもしれないが、それがそれが実に美しく風情溢れるものが多いのである。その後、昆虫やーいと目を凝らしたが、これといったものには出会えない。そこで何にもいない時に撮ると決めているコフキゾウムシを撮った。

<今日見られた主なもの>花/ジャガイモ(写真上左)、ヒルガオ、ニワゼキショウ、コウゾリナ、ブタナ、シロツメクサ、アカツメクサ、アメリカフウロ、スイカズラ、ピラカンサ、ヤマボウシ等。蝶/キアゲハ、モンシロチョウ等。昆虫/コフキゾウムシ(写真上右)、ムーアシロホシテントウ、ホシハラビロヘリカメムシ、クロオオアリ、セボシジョウカイ等。


5月18日(午後)、神奈川県(仮称)アマサギの里

 いつもより早く鴨池公園を切り上げると、国道246号線で(仮称)アマサギの里へ行った。今年は地元の恩田川でアマサギを撮るつもりでいたが、いつまでたっても田んぼに水が入らないので痺れを切らしたという訳である。毎週のプチ遠征で御殿場の山間地を通るが、ここでは田植えはすでに終わっている。どうも夏が短い所ほど早く田植えをするようである。国道246号線は空いていて快適に目的地に着いた。アマサギが来ていないかと心配したが、車の中からアマサギを狙うカメラマンを見つけ、労せずして発見出来た。図鑑によるとアマサギは、バッタ、カエル、ミミズ等を食べるとある。今日も田んぼを平らにするトラクターの後を群れをなして追いかけていたが、これらの餌が飛び出して来るのだろう。田んぼでの鳥の撮影は青空こそがベストで、田んぼの水が青空を写して美しくなる。今日は薄曇りで風もかなり強くてベストとは言い難かったが、今年もアマサギをカメラの中に納める事が出来てほっとした。

<今日見られた主なもの>鳥/アマサギ(写真上)、ダイサギ、コサギ、キアシシギ、ハクセキレイ、ムクドリ、キジバト、カルガモ等。


5月18日(午前)、横浜市都筑区鴨池公園

 そろそろ疲れて来たので道端自然観察はお休みにしたいところだが、来週前半の天気は思わしくない。そこで疲れた身体に鞭打って、午前中は鴨池公園へ行った。散策を開始すると、すぐにニワゼキショウを見つけた。ニワゼキショウは北アメリカ原産の帰化植物で、こんなに小さいがアヤメ科の植物である。だからか花期もアヤメやカキツバタとほぼ同じである。図鑑によるとアヤメ科の仲間は一日花で、毎日新しい花をつけると書かれている。また、花の色は淡紅色と白色のものとがあり、どちらかというと白花の方が少ないようだ。鴨池公園には両方の花色のものが咲いていたが、迷わず白花の方を撮ったのは言うまでも無い。その後、エゴノキの花を撮りたいと思ったが、絵になるようには咲いてなく、アカスジキンカメムシは成虫になっただろうかと見に行くと、前回同様に白黒の幼虫であった。また、同所でエサキモンキツノカメムシもいて、なんとか今日も花虫撮るの面目を躍如した。

<今日見られた主なもの>花/ニワゼキショウ(写真上左)、コウゾリナ、ブタナ、アキノノゲシ、シロツメクサ、アカツメクサ、キンポウゲ、ハナウド、アメリカフウロ、エゴノキ、スイカズラ、トベラ、ピラカンサ、ヤマボウシ等。蝶/カラスアゲハ、アカボシゴマダラ、ヤマトシジミ等。昆虫/エサキモンキツノカメムシ(写真上右)、アカスジキンカメムシの幼虫、クリアナアキゾウムシ、セボシジョウカイ等。


5月17日(午後)、横浜市緑区三保町

 午後からは、スーパーつるかめで御握りと美味しいソース焼きそばを購入して食べる終ると、恩田川の田んぼの様子を見に行った。しかし、水が入っている田んぼは僅かで、いるのはカルガモとムクドリ位であった。そこで美味しいものを食べて満腹したためか眠気に襲われ、車の中で1時間ほど昼寝をした。またしても再度の心地良い目覚めで時計を見ると午後2時半。こんな時間に帰るのもなんだから、デジスコ担いで新治市民の森で再度散策してみようとも思ったが、空は曇りとなって花虫撮るにも絶好だ。そこで三保町をぶらぶらしてみた。畑と農家が点在する地域のみの散策となったためか、昆虫の姿はほとんど見られなかった。かといって野の花もあまり見られないから、畑で咲いているシュンギクの花等を撮影した。シュンギクは特異な味の野菜で、これが無ければスキヤキも天ぷらも寂しいものになるだろう。しかし、シュウ酸カルシュウムを多く含んでいるので、尿管結石になり易い方の多食は厳禁である。

<今日見られた主なもの>花/シュンギク(写真上左)、ヒレアザミ(写真上右)、テイカカズラ、ニワゼキショウ、キツネアザミ、アカツメクサ、シロツメクサ、ハルジオン、アカバナユウゲショウ、アメリカフウロ、キリ、ハコネウツギ、ベニバナウツギ、ピラカンサ、オオキンケイギク、ジャガイモ等。蝶/コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ等。


5月17日(午前)、横浜市緑区新治市民の森

 昨日はプチ遠征だったが、ぐっすり眠れたからか、とても目覚めが良い。元気一発という訳である。若い頃は一晩眠れば疲れがとれたが、歳をとるに従って回復力は鈍くなっている。そんな訳で不思議に思ったが、有り難い事だと新治市民の森へ行った。港北ニュータウンの公園もかなり楽しめるのだが、昆虫に関しては自然度の高い里山へ行くのが一番である。いつものように遊水池から散策を開始した。今日は褐色が多いジョウカイボンの仲間では異色の、紺色の美しいアオジョウカイを見つけて嬉しくなった。また、ヤマサナエが成熟して胸が真黄色になり美しかったが、逃げられてしまって撮影出来なかった。その後、池ぶち広場の方へ歩いて行くと、昆虫好きでも好きになれないヤマトクロスジヘビトンボがいた。鳥撮りカメラマンが集合している場所へ寄り道してみると、たくさんのカメラマンが集ってカワセミを撮っていた。時折、東京特許許可局とホトトギスが鳴いていたが、この鳥を撮影するのは至難の業である。


<今日見られた主なもの>花/コゴメウツギ(写真上左)、ニワゼキショウ、ハルジオン、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、ハコネウツギ、ジャガイモ等。蝶/イチモンジチョウ、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/アオジョウカイ(写真上右)、ヤマサナエ、カワトンボ、ハラビロトンボ、ウスモンオトシブミ、ジョウカイボン、セボシジョウカイ、シロコブゾウムシ、オジロアシナガゾウムシ、トホシテントウ等。鳥/ホトトギス、カワセミ、カルガモ等。


5月16日、山梨県(仮称)コルリの森

 もっと早く行くつもりだったが昨日まで天気が悪かったので、毎週お勤めのプチ遠征に今日出かけた。午前中は(仮称)クロツグミの森や(仮称)アオゲラの森へ行ってみたが工事や樹木の植栽等で騒がしく、芳しい結果は残せなかった。しからば一般撮影機材でヤマブキソウやミミガタテンナンショウでも撮ろうと頑張って見たのだが、今一良い写真にならなかったので全て消去した。こうなったら最後の望みとばかりに(仮称)コルリの森へ行ったが、ポイント上の道にはたくさんの車が停まっている。何人位来ているのかなと覗いて見ると、40人程のカメラマンが集っていた。これでは良い写真なんか撮れっこないなとデジスコ担いで周辺を散策した。相変わらずキビタキが遊んでくれたものの、去年と異なってコサメビタキの姿は見られなかった。久しぶりにイカルに出会ったが、とても敏感で撮る事が出来なかった。午後3時を回ってポイントもやや空いて来たので下りて行ったが、前回に比べると鳥の出はかなり悪かった。

<今日見られた主なもの>鳥/コルリ(写真上左)、キビタキ(写真上右)、アカハラ、イカル、ゴジュウカラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、カワラヒワ、ホオジロ、ヒヨドリ、キジバト等。


5月15日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 時間が経過するにつれ、ミャンマーのサイクロンの被害、中国の大地震の被害の大きさが、とんでもない規模であると分かって来た。日本では政治の貧困に泣いているが、大天災を前にしては可愛らしいものである。ミャンマー及び中国の亡くなられた方々、被害を受けた方々には、ただ手を合わせるのみである。今日は久しぶりに青空が現われて気温がぐんぐん上がった。写真撮影を中心とした道端自然観察は雨はもちろんのこと、どんよりとした曇りやピーカンも芳しくは無い。そこで今日の様な日は日陰が一番と、23日の観察会の下見も兼ねて、寺家ふるさと村の昆虫通りに行って見た。野の花やキノコ等は見る影もないが、ハムシやゾウムシ等の昆虫が現れて、23日には昆虫銀座となる筈である。まずはシシウドの葉にヒメシロコブゾウムシ、タイアザミの葉にアオカメノコハムシやキビリトゲハムシ、エビズルの葉にはアカガネサルハムシが見られた。また、大池ではカイツブリが抱卵中で、観察会の日には可愛らしい雛が見られるかもしれない。

<今日見られた主なもの>花/イモカタバミ(写真上左)、オカタツナミソウ、アザミ、キツネアザミ、ハルジオン、ナカミヒナゲシ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、ジシバリ、オニタビラコ、エゴノキ、ノイバラ等。蝶/アゲハ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、コミスジ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリ等。昆虫/ヒメシロコブゾウムシ(写真上右)、オジロアシナガゾウムシ、アカガネサルハムシ、キベリトゲハムシ、アオカメノコハムシ等。鳥/カイツブリ等。


5月14日(夕方)、横浜市港北区新横浜公園

 車に戻って時計を見ると、まだ午後3時30分である。そこで新横浜公園へ行ってみた。鶴見川の対岸だから至近距離である。有料駐車場は舞岡公園等の市営公園と同じでとても高いから、人目につかぬ場所に車を停めた。デジスコをセットして散策を開始すると、早くもギョギョギョ、ギョギョギョとオオヨシキリが鳴いている。また頭上では、ヒンヒンヒンとセッカも鳴いている。これはこれは自宅から至近距離の場所で、しかも日産スタジアムがすぐ傍の公園で、これらの野鳥に会えるとは嬉しい限りである。今日は葦原で盛んに鳴いているオオヨシキリを撮る事に決め1時間程粘ってみた。オオヨシキリは葦(ヨシ)に止っていてこそオオヨシキリなのだと前に書いたが、有り難い事に葦の枯れた天辺に止って鳴いてくれた。鳴いてオレンジの口の中が見えないと、これまたオオヨシキリの写真とは言えないから、シャッター速度が遅かったので、数打ちゃ当たるとばかりに、ばんばんシャッターを切った。

<今日見られた主なもの>鳥/鳴いているオオヨシキリ(写真上左)、鳴く前のオオヨシキリ(写真上右)、セッカ、カワラヒワ、ムクドリ、アオサギ、カルガモ、スズメ等。


5月14日(午後)、横浜市港北区新羽町

 今日も朝起きたら雨が降っている。自室の机上で雑用を済ませると急に眠くなった。そこで、全国の主婦の得意技である二度寝に入って目が覚めたら空が明るい。そこで急いで昼飯を食べると、久しぶりに新羽町へ行った。新羽丘陵公園へ行ってみると一面にアヤメが咲いていて、とても美しかった。また、雨上がりだから、樹木の小枝にタマキクラゲが水分を吸って膨らんでいた。その後、なにかないかなあと坂を下って行くと、農家の畑の片隅に、なんとサクランボがたわわに実っていた。こんなに美味しそうなのに、収穫せずにほったらかしてある。そこで回りをじろりと見回し、一粒だけもいで口に放り込んだ。今年初めてのサクランボの甘酸っぱい味が口の中に広がった。もう少し食べたいなあとも思ったが、なにせウィークエンド・ナチュラリスト、泥棒ではありませんので諦めた。私は嘘は申しません、本当でっせ。その後、鶴見川の土手や農耕地を歩いて、ノイバラ等を撮影して車に戻った。

<今日見られた主なもの>花/アヤメ(写真上左)、ハナウド、ムシトリナデシコ、キツネアザミ、アメリカフウロ、ハルジオン、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、ノイバラ、ハコネウツギ、タニウツギ、スイカズラ、ヤマボウシ、ゼニアオイ、ムラサキツユクサ、ハナビシソウ等。蝶/ヒメウラナミジャノメ、ヤマトシジミ等。その他/サクランボの実(写真上右)等。


5月13日(午後)、横浜市緑区新治市民の森

 午後からは、そろそろ田んぼに水が入っただろうと恩田川の農耕地に行って見た。しかし、国道246号沿いは水が入っていたものの、田んぼが広大に広がる小山町では一枚も水が入っていなかった。田んぼに水が入れば、なにかしらのシギチドリ類、サギ類がやって来るだろうと期待しているのだが、どうやら来週からのようである。そんな訳で仕方無しに、新治市民の森へ行って見た。こんな天気だから誰も来ていないだろうと思ったが、なんとカワセミ狙いの初老の方がやって来ていた。最近の新治市民の森は、野鳥の姿が少なくなって、お相手してくれるのはカワセミ君だけである。2週間程前、どういうわけかは分からないが嘴の上の部分の羽が抜けてしまって、個体識別には格好だが被写体としてはちょっとねーなのだが、いつ行ってもこの個体がいて、魚獲りに専念している。毎日毎日、陽が昇って陽が落ちるまで同じ場所で魚獲り、本当にカワセミ君は働き者で、頭が下がるばかりである。

<今日見られた主なもの>鳥/カワセミ(写真上)、ウグイス、コゲラ、スズメ、ヒヨドリ、カルガモ等。


5月13日(午前)、横浜市港北区新吉田町

 台風2号は太平洋上を進んだため、これといった被害は無かったが、過ぎ去っても台風一過の青空とはならない。次の低気圧がやって来ているらしく、昨日と同様に空はどんよりとしていて風が強くとても寒い。それでも予報では午前中は雨だったのだから、儲けものとばかりに新吉田町へ行った。車から外へでるとかなり頭が寒い。まだこの歳になっても、有り難い事に髪はふさふさしているのだが、スキー帽を被って散策を開始した。農家の庭先には美しくシャクヤクが咲き、チョウの大好きなムシトリナデシコや真黄色のオオキンケイギクも一輪だが咲いていた。畑の横では背の低いアヤメが咲いていて、スギナの黄緑の中に鮮やかに浮かんでいた。こんな天気だから飛ぶ蝶も無く、昆虫ではオジロアシナガゾウムシが枯れたクズの茎で眠っていた。ほんの少し前に花が咲いていたのに、もうクサイチゴの実が色づいていた。また、ソメイヨシノの実も真赤になって、もうすぐ熟す事だろう。

<今日見られた主なもの>花/ムシトリナデシコ(写真上左)、キツネアザミ、アメリカフウロ、ハルジオン、ノイバラ、ハコネウツギ、スイカズラ、ヤマボウシ、アヤメ、シャクヤク、オオキンケイギク、ヤグルマギク、ゼニアオイ、ムラサキツユクサ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ等。その他/クサイチゴの実(写真上右)、ソメイヨシノの実、アオキの実等。


5月12日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 昨日雨が上がって、いよいよ明日から風薫る爽やかな5月と思っていたら、今日もどんよりとした曇り空で、風もやや強く気温もかなり低い。これは早くも発生した台風2号の影響である。天候が気分に多いに影響するというが、確かにこんな天気だと元気が出ない。それでも、雨が降ってないのだから有り難やとばかりに茅ヶ崎公園へ出かけた。各種スミレからキンラン、ギンランと続いたとても楽しい公園も、野の花は一服状態で、こんな天気だから昆虫達の姿も少ない。それでもエゴノキが咲き始め、植栽されたものだがヤマボウシやベニバナウツギが咲いていた。昆虫では、ヌルデの樹肌に擬態したマタラアシゾウムシが見られた。私の様に長年にわたってマダラアシゾウムシと付き合いのある者にとって、その擬態を見破って発見するのは容易い事だが、初心者の方はヌルデの幹にある瘤と思う事だろう。私もそろそろ老境に突入、マダラアシゾウムシの様に擬態して、人様に迷惑のかからぬ静かな人生を送らねばなるまい。

<今日見られた主なもの>花/ヤマボウシ(写真上左)、エゴノキ、キリ、ベニバナウツギ、タニウツギ、シャリンバイ、キツネアザミ、アカツメクサ、ハルジオン、ナカミヒナゲシ等。昆虫/マダラアシゾウムシ(写真上右)、セボシジョウカイ等。その他/アオキの実、ウグイスカグラの実等。


5月11日、横浜市緑区新治市民の森

 昨日は一日中雨、そして今日も午前中は雨、本当に良く眠って連日の疲れを癒す事が出来た。また、溜まっていた用事も、かなり片付ける事が出来た。まさに植物にとっても私にとっても、恵みの雨となった訳である。午後1時頃、新治市民の森に到着したが、いつ雨が降って来てもおかしくないので、車を停めた遊水池周辺のみを1時間程散策してみた。するとすぐにハラビロトンボを見つけた。雨上がりだし気温もかなり低いので、近づいても飛立つ心配は無い。そこで風に揺れるのを防ぐために、添え木を立てる事が出来た。お陰で風がかなりあったが、思う存分撮影する事が出来た。丘の上の畑に行ってみるとジャガイモの花が咲き、草原では特異な格好のキツネアザミが咲いていた。車に戻ると雨はもう降ってきそうもないので、機材をデジスコに代えて鳥撮りのポイントまで行ってみた。誰もいないのではと思ったが、カメラマンが二人もいて愕いた。みなさん雨が上がったので、家でじっとしていられなかったようである。

<今日見られた主なもの>花/キツネアザミ(写真上左)、クサノオー、ハルジオン、ナカミヒナゲシ、アカバナユウゲショウ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、カマツカ、ハコネウツギ、ミズキ、キリ、ジャガイモ等。蝶/ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/ハラビロトンボ(写真上右)、ジョウカイボン、セボシジョウカイ、クサギカメムシ等。鳥/ウグイス、カワセミ、ヒヨドリ、カルガモ、スズメ、ハシブトガラス等。


5月9日、東京都町田市大地沢キャンプ場

 今日は待ちに待った「ウスバシロチョウ観察会」である。天気が心配されたが、薄日が時々射すという絶好の日和となった。ウスバシロチョウは曇り日だと飛ばないし、逆に晴天だと飛んでばっかりいて撮影が難しいのだ。今日のような天気こそ最高のウスバシロチョウ撮影日和という訳である。去年は大地沢キャンプ場のジャケツイバラが咲いていたが、今年はまだ蕾なので幾分早いかなとも思ったが、ウスバシロチョウはかなり見られた。また、オオムラサキツツジが満開で、オナガアゲハ、カラスアゲハが吸蜜に頻繁に訪れていた。更に参加者一同を興奮のルツボに落とし込んだのは、真っ白いミツバウツギの花にやって来たアオバセセリである。アオバセセリはその昔、多摩丘陵でも見られたが、今では何処へ行ってもなかなか観察出来ないチョウとなっている。この他、昆虫では、カワトンボ、シオヤトンボ、ダビドサナエ等が見られ、ハムシやオトシブミ等の小さな甲虫達もたくさん現れ、一同時の経つのを忘れて楽しんだ。

<今日見られた主なもの>花/クサノオー(写真上左)、ハンショウヅル、ニリンソウ、ジロボウエンゴサク、キンポウゲ、ジシパリ、カキドオシ、ハルジオン、ギンリョウソウ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、タガラシ、ミツバウツギ、マルバウツギ、ヒメウツギ、ミズキ、ホオノキ等。蝶/ウスバシロチョウ(写真上右)、アオスジアゲハ、アゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ、ツマキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ルリタテハ、アカタテハ、コミスジ、テングチョウ、クロコノマチョウ、コジャノメ、ベニシジミ、アオバセセリ等。昆虫/カワトンボ、シオヤトンボ、ダビドサナエ、ジョウカイボン、ムネアカアワフキ、ヤマトシリアゲ、ヤツボシツツハムシ、クロボシツツハムシ、イタドリハムシ、キクスイカミキリ等。キノコ/アミスギタケ等。鳥/ガビチョウ、キビタキ等。


5月8日、東京都板橋区荒川戸田橋緑地

 プチ遠征の疲れをとろうと目覚まし時計をかけずに眠ったが、いつもの時間に目覚めてしまった。就寝中になんと2回もかなりの揺れを感ずる地震があって起こされたというのに、まこと習慣とは恐ろしいものである。いつものように掃き掃除をすませ、未舗装の(仮称)コルリの森で汚れてしまったタイヤを雑巾で綺麗にした。(仮称)コルリの森は各種の鳥が見られてとても良い場所なのだが、タイヤが汚れるのが唯一の難点である。いくら上等の車であっても、タイヤが汚れていると、みすぼらしく見える。我々人間だって、いくらお洒落をしても、靴が汚れていたら万事休すである。今日は、前述した寝不足と疲れをとろうと往復で2時間も電車の中で眠れる荒川戸田橋緑地へ行った。各所でオオヨシキリが鳴いているものの、樹木の小枝に止っていては風情がない。やはりヨシ(アシ)に止って鳴いているからこそオオヨシキリなのである。そんな訳で、一面シロツメクサの海となった河川敷で、キジやヒバリやキジバトと遊んだ。

<今日見られた主なもの>鳥/キジ(写真上左)、キジバト(写真上右)、オオヨシキリ、セッカ、カワラヒワ、ヒバリ、ムクドリ、コサギ、コアジサシ、ハシブトガラス、スズメ等。花/シロツメクサ、アカツメクサ、ニワゼキショウ等。


5月7日(午後)、山梨県(仮称)コルリの森

 午後からは、高原プチ遠征の定番となっている(仮称)コルリの森へ行った。ポイントに到着すると、路傍に車がなんと15台以上も並んでいる。みなさん考える事は同じのようで、連休が明けたから、どっと御出ましになったようである。こんなに人が多くては息が詰まるし良い場所も取れないと、しばらくはデジスコ担いで付近を散策した。オオルリやコサメビタキの姿は見られなかったが、キビタキは雄雌ともにたくさんいて、なんとアカハラがいたのには愕いた。のんびりと一回りしてからポイントへ降りて行くと、なんとなんと織姫さんの師匠である古淵のコミミおじさんや、埼玉八丁湖のミヤマホオジロおじさんも来ていた。鳥の出もオオルリこそ現れなかったが、コルリ、キビタキ、メボソムシクイ等が入れ替わり立ち代わり現われて、見ているだけでもとても面白かった。しかも、前述したように知り合いもいたから、久しぶりに折りたたみ椅子を車から持って来て、午後6時まで同所を動かず多くの鳥達に遊んで貰った。

<今日見られた主なもの>鳥/キビタキ(写真上左)、コルリ(写真上右)、クロツグミ、アカハラ、メボソムシクイ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、カワラヒワ、エナガ等。花/タチツボスミレ等。蝶/スジグロシロチョウ等。


5月7日(午前)、山梨県(仮称)アオゲラの森

 昨日で長ーい連休は終った。連休中は交通渋滞が予想されたので、高原へのプチ遠征を控えていたが、いよいよ6月末まで毎週通う事になるだろう。ガソリンが再び上がって、ちょいと頭が痛いが、連日、スーパーつるかめの399円の弁当や1000円床屋、格安のコーナン衣服、そして近場ばかりで我慢しているのだから、神様からの罰は当たらないであろう。今日も例によって(仮称)クロツグミの森に寄ったが、近くで工事がなされていて、鳥の出は芳しくなかった。そこで正味1時間で切り止め、ハンドルネーム“風のむろさん”に教えて貰った(仮称)アオゲラの森に行った。今日は気温がぐんぐん上昇して、高原でもかなり暑い。それでもその名の通り、アオゲラに2回も遭遇した。また、オオルリ、キビタキ、クロツグミもいて、一眼レフに大砲レンズではしんどいものの、デジスコなら楽々ほいほいであった。また、路傍に各種の草花が咲き、まだ咲き残っているマメザクラには、美麗なトラフシジミが吸蜜に訪れていた。

<今日見られた主なもの>鳥/アオゲラ(写真上左)、カワラヒワ(写真上右)、クロツグミ、オオルリ、キビタキ、ヒガラ、キセキレイ、ヒヨドリ等。花/イチリンソウ等。蝶/トラフシジミ等。


5月6日、横浜市都筑区鴨池公園

 まだ胃が本調子ではないので、何もつけないパンと紅茶で朝食をすませ、キャベジンを2錠飲んで鴨池公園へ行った。キャベジンは、私のデジスコのスコープと同じコーワの胃腸薬である。空は久しぶりの五月晴れ、風も強くて鯉のぼり日和である。こんな日は写真撮影には最悪なので、風が遮られる窪地の日陰へ行った。昨年は昆虫の発生が極端に悪い年であったため、まだその影響が続いているのか、見られる昆虫は少ない。成虫が緑色に光る美麗なアカスジキンカメムシも昨年はほとんど見なかったが、幼虫がアジサイの葉上で見られたので嬉しくなった。このカメムシはとても不思議で、こんなに目立つ色合いなのに葉上でじっとしている事が多い。カメムシ特有の臭いを発するので野鳥達も襲う気にもなれないのだろうか。また、こんなにじっとしていて、いつ食事をするのかと疑問符がつくが、夜間に活動するのかもしれない。この他、近くにモウソウチクの林があるので、タケの害虫であるベニカミキリも見られた。

<今日見られた主なもの>花/キンラン、ギンラン、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、ジシバリ、ハルジオン、ツリバナ、ハクウンボク等。蝶/アオスジアゲハ、コミスジ等。昆虫/アカスジキンカメムシの幼虫(写真上左)、ベニカミキリ(写真上右)等。


5月5日、横浜市緑区新治市民の森

 今日は子供の日である。元少年隊の一員ばかりか今も少年隊の一員だから、多いにこの祝日を有意義に過ごさねばならぬのだが、昨日の昼から胃が痛い。思い当たるのは、1パック3個入りの柏餅を平らげたからでは無かろうか。1パック2個入りのものが無かったので仕方無しに購入したのだが、勿体無いから食べちゃったのがいけなかったようである。まあ、連日の道端自然観察及び写真撮影で身体も疲れていたのだろう。そんな訳で今日は寝坊して、午後のみ新治市民の森へ行った。胃にやさしい素うどん一杯の昼食だから元気が出ない。ポイントに到着すると皆さん集って元気が良い。菓子パン一個の昼食の方も元気一杯である。これなら鳥も元気一杯で様々なものに巡り合えるかもしれないと期待したが、遊んでくれたのはカワちゃんとヤマちゃんだけであった。それでも久しぶりの野鳥撮影だから、胃の痛みも忘れ、素うどん一杯にもかかわらず、ばんばんデジスコのシャッターを切った。

<今日見られた主なもの>鳥/ヤマガラ(写真上左)、カワセミ(写真上右)、シジュウカラ、ウグイス、コゲラ、アオゲラ、スズメ、ヒヨドリ、カルガモ等。花/キンラン、ギンラン、ミツバウツギ、ミズキ等。蝶/モンキアゲハ等。


5月4日、横浜市都筑区都筑中央公園

 5月に入って鳥の写真のアップがまだ無い。何しろ新緑で木々の葉が邪魔をするし、田んぼには水が入っていないし、また夏鳥といっても撮りたくなる鳥は、オオルリ、キビタキ、サンコウチョウ、アオバズク、アマサギ位で、その他にはあまり写欲が湧かない。しかし、アオゲラの巣を見つけてなんとか撮影したいと考え、アオゲラの鳴き声が良くする都筑中央公園へ行ってみた。アオゲラは相変わらずピューピーと鳴き、枯れ木の天辺でドラミングをしていて、また巣穴も見つけた。しかし、巣穴の前には、落ちて来た枯れ小枝が引っかかって塞いでいる。しばらく待ってみたもののアオゲラの出入りは無い。そんな訳で、果たして巣穴が使われているのかどうかも分からなかった。まったく今日も惨敗やなと思いながら、花の目、虫の目にモードを変えて散策すると、ツリバナが低い所で咲いていた。また、昆虫ではマガリケムシヒキがたくさんいて、棒の先などで獲物が来るのをじっと待っていた。

<今日見られた主なもの>花/ツリバナ(写真上左)、キンラン、ギンラン、レンゲソウ、アメリカフウロ、ケキツネノボタン、ハルジオン、ヤマボウシ、タニウツギ等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、コミスジ、クロヒカゲ等。昆虫/マガリケムシヒキ(写真上右)、マダラアシゾウムシ、ウシカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫等。鳥/アオゲラ、キジバト等。キノコ/キクラゲ、アラゲキクラゲ等。その他/レンゲソウの実等。


5月3日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 今日もぐずついた天気である。午後には雨が止むだろうと、ガソリンスタンドで給油するついでに茅ヶ崎公園へ出かけた。ガソリンは1リットルあたりなんと153円となり、4月末の120円から33円も上がった。まこと憎き与党様と言いたい。これがフランスあたりなら、もの凄い規模のデモとなっているだろう。本当に日本人はおとなしいが、「待ってなさいよ与党の議員の方々、次の総選挙ではみーんな落選でっせ」と苦笑いを浮かべた。必要な道路は造らねばならないし補修も必要だが、諸物価高騰の折、じっくり1年かけて議論し国民の納得する法案の採決でもよろしいのではなかろうか。そんな訳で今日の天気の様に心は暗く、茅ヶ崎公園でもこれといったものには出会えず久しぶりに暗い散策となった。しかし、もうウグイスカグラの実が真赤に色づいているのには愕いた。本当に自然の歩みは早いものである。この他、この時期ならではの長い触角を持ったホソオビヒゲナガガが、イネ科の細い葉に止って休んでいた。

<今日見られた主なもの>花/キンラン、ギンラン、エビネ、ケキツネノボタン、ムラサキサギゴケ、トキワハゼ、クサノオー、ハルジオン、アマドコロ、カマツカ、タニウツギ、ハコネウツギ、ミツバウツギ、ミズキ等。蝶/アオスジアゲハ、キチョウ、ヤマトシジミ等。昆虫/ホソオビヒゲナガガ(写真上右)、マダラアシゾウムシ、エゴシギゾウムシ等。キノコ/キクラゲ、タマキクラゲ等。その他/ウグイスカグラの実(写真上左)、アオキの実、ヘビイチゴの実、ミスジマイマイ等。


5月2日、横浜市緑区新治市民の森

 今日はぐずついた天気予報だが、午前中は持つだろうと茅ヶ崎公園へ行った。しかし、すぐに雨が降って来た。今日はやはり自宅蟄居の日やなと帰りかけたが、西の方の空が明るいので新治市民の森へ行ってみた。有り難い事に雨は降っていなかったが、いつ雨が降って来るか分からないので、車を停めた遊水地周辺のみを散策した。民家の庭先にはドイツスズランが美しく咲いていた。こんなどんよりとした日でも清純そのものである。遊水地の小道に足を踏み入れると、外来のアブラナ科植物にナガメがたくさん見られた。更に歩みを進めると、カマツカがこぼれんばかりに咲いている。足元で羽音がするので目を向けると、なんと羽化したばかりのヤマサナエがいた。また、カワトンボもかなり見られたが、良い場所に止ってくれないので見送った。お昼まで雨は落ちて来なかったが、スーパーつるかめの399円の弁当を食べて昼寝をしたら雨が降って来た。そこで1000円床屋で散髪しようと早々と切り上げた。

<今日見られた主なもの>花/ドイツスズラン(写真上左)、キンラン、ギンラン、キツネアザミ、セリバヒエンソウ、クサノオー、アカバナユウゲショウ、ナカミヒナゲシ、カタバミ、ハルジオン、アマドコロ、カマツカ、ミツバウツギ、ミズキ、アキグミ等。蝶/ヒメウラナミジャノメ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等。昆虫/ナガメ(写真上右)、クサギカメムシ、ホシハラピロヘリカメムシ、ホソヘリカメムシ、ヤマサナエ、カワトンボ等。


5月1日、神奈川県大和市泉の森公園

 いよいよ風薫る5月に入った。今日は野鳥写真倶楽部大和の第3回野鳥写真展を見る為に泉の森公園の「しらかしの家」へ行った。野鳥撮影に魅せられた19名の作品が展示され、5月6日(火)迄開催している。顔見知りも4人出展しているので楽しみにしていたが、本当に傑作力作揃いで愕いた。写真展を見終わると公園内を散策したが、生憎の風で、風の影響の無い窪地でほとんどの時間を費やした。しかし、そこは野草園となっているから、キンラン、ギンラン、エピネが咲き、また、盛期は過ぎたものの、ヤマブキソウやジロボウエンゴサクも咲き残っていた。ヤマブキソウはクサノオーに近いケシ科の植物で、写真を見れば分かるように色合いも形も低木のヤマブキに似ている。また、ジロボウエンゴサクもムラサキケマンに近いケシ科の植物で、図鑑によると、その昔、次郎坊はこの花を太郎坊はスミレを指し、共に子供達が花を引っ掛けて引張りっこをして遊んだとある。

<今日見られた主なもの>花/ヤマブキソウ(写真上左)、ジロボウエンゴサク(写真上右)、キンラン、ギンラン、エビネ、キエビネ、セリバヒエンソウ、カタバミ、ニワゼキショウ、ハルジオン、ホウチャクソウ、ミズキ等。昆虫/ヒメクロオトシブミ、アトボシハムシ等。



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