2009年:みちばた散策記

(8月)



8月30日、横浜市緑区新治市民の森

 今日は第45回衆議院選挙の日である。各種報道機関の事前予想では、民主党の圧勝、自民党の下野だが、本当なのだろうか。かつて細川、羽田政権が一年程あったものの、私が生まれてからずっと自民党政権なのだから信じられない。しかし、ここ数年確実に世の中が悪くなっているから、ひょっとして政権交代があるかもしれない。そんな訳で清き一票を投じた後、久しぶりに新治市民の森へ行った。昨日は異常なまでの蒸し暑さであったが、台風11号が関東地方の南海上にあるためか曇り日で、昨日に比べるとかなり涼しい。しかし、台風の影響で風が強く、時たま雨が降った。それでも折角来たのだからと、傘をさしたり雨宿りしながら一周して来た。途中、鳥撮りのポイントに寄ってみたが、誰も居ないだろうと思ったのだが、大田区からバイクでやって来るWさんがいた。福島の田舎育ちだから里山遊びが好きで、なんと新治の雑木林産の美味しそうなクリをたくさんいただいた。

<今日見られた主なもの>花/ヤマハギ(写真上左)、ツリガネニンジン、ツルボ、ヤブラン、ナンテンハギ、ダイコンソウ、ノハラアザミ、キツネノマゴ、タカサブロウ、オモダカ、ゲンノショウコ、トキリマメ、クズ等。蝶/モンキアゲハ、アゲハ、キアゲハ、アカボシゴマダラ、ルリタテハ、コミスジ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ウラギンシジミ、ツバメシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/カブトムシ、カナブン、クロカナブン、オニヤンマ、シオカラトンボ、マユタテアカネ、ハサミツノカメムシ、アブラゼミ、ヒグラシ等。その他/アオツヅラフジの実(写真上右)、ゴンズイの実等。


8月29日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 今日は駒沢からやって来る「仙人」ことNさんに会う約束があったので、寺家ふるさと村へ行った。今日も青空で異常に湿度が高く、散策日和とは言い難い。四季の家の日陰となる場所に車を停めると、これまた日陰の小道を歩いて鴨志田公園へ行った。雑木林と田んぼに挟まれた小道は、ツリガネニンジンが咲き、日向にはアレチヌスビトハギの愛嬌溢れる花が咲いていた。公園ではツクツクボウシを始め、各種のセミの写真を撮った。その後、尾根に上がって樹液が出ている木を巡り歩いたが、各種ジャノメチョウの仲間とルリタテハがいる位であった。ゴイシシジミでも撮ろうと谷戸に降りて行くと、蝶も暑いのか、モンキアゲハやカラスアゲハが吸水していた。谷戸奥のゴイシシジミはなんと4頭もいて、良い所に止るのを待って撮影した。ひらひら飛び続ける蝶であるが、時刻や天候やお腹の具合等にもよるのか止るのが大好きな個体がいて、こういう個体を探して良い所へ止って貰えば撮影は比較的楽である。

<今日見られた主なもの>花/ツリガネニンジン(写真上左)、コバノカモメヅル、スズサイコ、ツルボ、ワレモコウ、ダイコンソウ、アキノタムラソウ、アレチヌスビトハギ、ゲンノショウコ、トキリマメ、ノササゲ、クズ等。蝶/ゴイシシジミ(写真上右)、モンキアゲハ、カラスアゲハ、ルリタテハ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ツバメシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/クロカナブン、オニヤンマ、シオカラトンボ、アジアイトトンボ、アブラゼミ、ツクツクボウシ等。その他/アマガエル、シュレーゲルアオガエル等。


8月28日、横浜市緑区横浜動物の森公園

 今日も雲一つ無い青空で、夏休みの疲れが出たのか体調も思わしくはないが、午前中のみの雑木林の中の散策なら良いのではと横浜動物の森公園へ行った。クヌギの樹液に集る蝶、アカボシゴマダラやゴマダラチョウを狙って今夏も何遍も通ったのだが、今日もそうであったが樹液の出が悪くて思うような写真は撮れなかった。それでも林縁の下草の葉上を注意深く探してみると様々な昆虫に出会える。今日は蝶ではヒメウラナミジャノメとキマダラセセリが発生したてのようで新鮮で美しい個体が見られた。今月初めにたくさん見られたベッコウハゴロモやアミガサハゴロモは、もうほとんど見られなくなって寂しい限りだ。今日はこのフィールドにたくさんあるヤマグワのかなり太い木の幹にトラフカミキリはいないかと探してみたが、いたのはキボシカミキリのみであった。相変わらず日向に挿してある棒の先にはネキトンボがいて、体色も赤くなり、その数もかなり多くなった。

<今日見られた主なもの>花/ダイコンソウ(写真上右)、オトコエシ、フジカンゾウ、ツユクサ、オモダカ、ゲンノショウコ等。蝶/キマダラセセリ(写真上左)、アゲハ、アオスジアゲハ、アカボシゴマダラ、ルリタテハ、コミスジ、クロコノマチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ムラサキシジミ等。昆虫/キボシカミキリ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、アミガサハゴロモ、チャバネアオカメムシ、ハサミツノカメムシ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、ネキトンボ、コクワガタ、マメコガネ、クロウリハムシ、アオマツムシ、トビナナフシ等。


8月27日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 昨日一昨日で夏休みに撮った写真の整理や散策記のUPが終了したので、何処か近場へ行って来よう思ったが、空は真っ青で、これではねえーと眉をしかめた。それでも、まあ運動だからと茅ヶ崎公園へ行ってみた。公園内に足を踏み入れると各種セミの大合唱で、夏の下界の公園はセミの天下だなあと思った。今年は最も普通なアブラゼミをまだ撮っていなかったので、細い明るい樹肌の幹に止っているものを撮影した。何か花は無いかなあと見回したが、タカサブロウやキツネノマゴ位で、足元に色とりどりの花が咲いていた高原とは大違いだ。しからば蝶と思ったものの、樹液が出ていたコナラの木はスズメバチが来るからと伐採されていた。もう8月下旬だからタマムシはいないだろうと思ったが、もしやと丸太が積んである所へ行ってみると、一匹だがタマムシが産卵にやって来ていた。今日の天気は気温や湿度は低めであったが、明日からは蒸すというので汗たらたらである。

<今日見られた主なもの>花/ゲンノショウコ、タカサブロウ、キツネノマゴ、クズ、ヤマハギ等。蝶/クロアゲハ、ナガサキアゲハ、アゲハ、アオスジアゲハ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、ルリタテハ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヒメジャノメ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/アブラゼミ(写真上左)、タマムシ(写真上右)、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、オジロアシナガゾウムシ、オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ヤマトフキバッタ等。


8月24日、群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢高原

 いよいよ今日は帰宅の日である。今年は21日の夜に雨が降っただけだったので、様々なフィールドへ行く事が出来た。ただ、信州側も上州側も里山のクヌギの樹液の出が今一であったのが惜しまれる。自然観察からはちょいと外れるが、セブンイレブン大笹店で見つけた高城俊郎著「人生を豊かにする歎異抄―現代人の心をいやす親鸞の教え」PHP文庫を読み耽ったりしていたから、長いような短いような11日間であった。今日はもちろん鹿沢高原へ行って、また、民宿「わたらせ」で大好きな天ぷら定食を食べて、午後2時までのんびり散策しようと出発した。15日にはたくさん見られたアサギマダラの姿はかなり減って、ことによったら平地へ旅立ったのかもしれない。しかし、エルタテハ、シータテハ、クジャクチョウ、キベリタテハ等の越冬タテハチョウの数は多くなって、心行くまで観察する事が出来た。帰宅の日の時計の針の回転は早く、名残惜しいが、地蔵峠を越えて長野自動車道小諸インターに向って下って行った。

<今日見られた主なもの>花/コオニユリ(写真上左)、ヨツバヒヨドり、ハンゴンソウ、クルマバナ、シシウド、ウド、ヤマハハコ、ヤナギラン、アレチマツヨイグサ、オトギリソウ、アサマフウロ、ヤマオダマキ、コバギボウシ、アキノキリンソウ、ゴマナ、ノアザミ、ノハラアザミ、タムラソウ、ツリガネニンジン、マツムシソウ、ワレモコウ等。蝶/シータテハ(写真上右)、アサギマダラ、エルタテハ、クジャクチョウ、キベリタテハ、ルリタテハ、サカハチチョウ、コムラサキ、ヒメキマダラヒカゲ、オオチャバネセセリ等。昆虫/ミヤマハンミョウ、イタドリハムシ、アキアカネ、アオフキバッタ等。


8月23日(午後)、群馬県吾妻郡嬬恋村バラギ湖

 今日も昼食は、北軽井沢駅前のカドヤ食堂で美味しい野菜炒め定食を食べた。食べ終わって空を見上げると、鱗雲や筋雲が浮かんで澄んだ秋の青空となっていた。予定通りプリンスランドに戻り、のんびりと散策しようかなあとも思ったが、今年は雨がほとんど降っていないからキノコの発生がとても少ない。そこでアケボノソウを撮ろうと、バラギ湖へまたしても行った。途中、空がとっても青いから遠回りして「愛妻の丘」に寄った。特に、浅間山や四阿山や白根山がはっきりと眺められた。バラギ湖の湖畔の湯近くで健康昼寝をしていたら、冷凍庫付の大型トラックが横に止って、エンジンを切らないから煩くて短時間で起きてしまった。そこで少し車を動かしたら、感じの良い熟年夫婦がなにやら真剣に撮影している。そこで近づいてみたら、ああなんと奇遇、このHPの掲示板でも時折投稿のある群馬のTさん夫妻であった。大型のトラックに感謝した事は言うまでもない。

<今日見られた主なもの>花/アケボノソウ(写真上左)、オオハンゴンソウ、ノコンギク、ノハラアザミ、タムラソウ、オヤマボクチ、ツリガネニンジン、カワミドリ、キキョウ、ツリフネソウ、キツリフネ、クサフジ、ワレモコウ、ヤマハギ、キンミズヒキ、サラシナショウマ、ヤマトリカブト、ハンゴンソウ、クルマバナ、ナンバンハコベ、フシグロセンノウ、コバギボウシ、コオニユリ等。蝶/クジュクチョウ(写真上右)、カラスアゲハ、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、ジャノメチョウ等。昆虫/アキアカネ、キモンガ等。

8月23日(午前)、群馬県吾妻郡長野原町浅間牧場

 明日は帰宅の日であるから、のんびりと散策出来るのは今日が最後となった。そこで何処へ行こうかなあと考えたが、鳥居峠を越して信州の里山へでもと思ったが、樹液の出が今一だから期待薄と考え、滞在先から一番近い浅間牧場へ行った。今日は毎回同じの道では芸が無いと、前回18日とは異なった道を登って行くと、ウドの葉にヒメシロコブゾウムシが、ヤマハンノキの幼木の葉にオトシブミが、そして驚いた事にヤナギの小枝にアカアシクワガタの雄が2匹も這っていた。また、ナンバンハコベが撮り易く咲いていたりして、目的の草原に到着するまでにカメラの中はかなり賑やかになった。しかし、ノハラアザミに吸蜜に訪れる各種蝶をと期待して登って来たのに、絵になると思われた場所のノハラアザミは全て草刈りがなされていて、なんと1本だに生えていなかった。そこで風も無く太陽光線が柔らかいので、各種の花を撮影して下山した。

<今日見られた主なもの>花/ナンバンハコベ(写真上左)、オトギリソウ、ハンゴンソウ、ノコギリソウ、シシウド、ウド、コバギボウシ、コオニユリ、ノハラアザミ、カセンソウ、マツムシソウ、グンナイフウロ、オミナエシ、ツリフネソウ、キツリフネ、ツルリンドウ、ゲンノショウコ、ワレモコウ等。蝶/キアゲハ、クジャクチョウ、シータテハ、ウラギンヒョウモン、ミドリヒョウモン、モンキチョウ、キチョウ、ゴイシシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、オオチャバネセセリ等。昆虫/アカアシクワガタ(写真上右)、オトシブミ、ヒメシロコブゾウムシ等。

8月22日(午後)、群馬県吾妻郡六合村野反湖

 昨日の夏の高原合宿観察会は思った以上の成功裏に終わり、また、連日の散策で疲れが出たのか、野反湖に到着して弁当を食べ終ると、かなり長い昼寝をとった。さあ散策開始と車外に出ると、なんとキベリタテハが車の周りで遊んでいた。これはラッキー、良い所に止ってよと追い回したら、ああ無常、はるか遠くに飛び去ってしまった。この時期の野反湖は花や蝶はそれ程でもなく、やはりここが一番美しいのはニッコウキスゲが咲く頃であろう。しかし、ウメバチソウが湖畔にたくさん見られ、植栽かもしれないが見事なヤマトリカブトが管理棟の脇に咲いている。そこで、これらの花を無事にカメラの中に納めると、昆虫はなにかいないかと下草の葉上を注意しながら歩いたら、美麗なセグロベニモンツノカメムシを見つけた。初めての出会いであるが、図鑑を開くとシラカバやダケカンバにつくとあるので、野反湖での出会いに納得した。

<今日見られた主なもの>花/ウメバチソウ(写真上左)、ヨツバヒヨドリ、ハンゴンソウ、ヤマハハコ、ノハラアザミ、ノアザミ、ソバナ、ツリガネニンジン、ウツボグサ、クサレダマ、シシウド、ヤナギラン、アカバナ、アサマフウロ、ヤマオダマキ、コバギボウシ、アキノキリンソウ、ゴマナ、マツムシソウ、ワレモコウ、ヤマトリカブト等。蝶/キアゲハ、アサギマダラ、キベリタテハ、エルタテハ、シータテハ、ギンボシヒョウモン、オオチャバネセセリ等。昆虫/セグロベニモンツノカメムシ(写真上右)、アキアカネ等。その他/オオカメノキの実、ナナカマドの実、シラタマノキの実等。

8月22日(午前)、群馬県吾妻郡六合村尻焼温泉周辺

 長期の嬬恋村での夏休みは、いよいよ今日を入れて3日となった。最終日は午前中のみの散策で帰宅の途につかなければならないから、丸一日は今日と明日のみという訳である。そこで、昨年は天気がおもわしくなくて行けなかった野反湖を目指して出発した。もちろん午前中は、山里である六合村の尻焼温泉周辺を散策してみた。どういう訳か、ここにはキンポウゲ科のクサボタンが多く見られる。横浜周辺や多摩丘陵では出合った事がないので、今年も撮りたくなったという訳である。今年はまだ咲き始めであったが、無事にカメラの中に納めることが出来た。その後、薪や炭やシイタケのほだ木に使用されると思われる広葉樹の丸太が伐採されて積んである場所に行ったが、期待したカミキリはまったく見られず、僅かにキマワリが這っていた。これは困ったなあと散策を再開したが、これといったものに出会えず、畑に植栽されていたサンショウの実を撮って午前中は終了となった。

<今日見られた主なもの>花/クサボタン(写真上左)、ツユクサ、オトコエシ、メタカラコウ、キオン、アカバナ、ダイコンソウ、ボタンヅル、フシグロセンノウ、ナツズイセン、コバギボウシ、ヤクシソウ、イヌコウジュ、ツリフネソウ、キツリフネ、ゲンノショウコ、キンミズヒキ、ミズヒキ等。蝶/コミスジ、ジャノメチョウ、ダイミョウセセリ等。昆虫/キマワリ、アキアカネ等。その他/サンショウの実(写真上右)等。


8月21日(午後)、群馬県吾妻郡嬬恋村バラギ湖

 心配された天気も予報とは異なって良くなり、キベリタテハも撮れて、午前中の観察会は無事に終了した。昼食は、もちろん「民宿わたらせ」に戻って、私は岩魚の塩焼き定食を注文した。午後からは去年と同じく、気楽な散策という事でバラギ湖へ行った。途中、嬬恋村全体及び付近の山々が見渡せる「愛妻の丘」へ寄ったが、その景色はまこと雄大であった。バラギ湖へ到着すると、湖畔一周の散策路を花を中心としてゆっくり観察して歩いた。前回、私一人で来た時には気づかなかったが、アケボノソウ、ツルニンジン、ナンバンハコベが咲いていた。湖岸では大型で美しいルリボシヤンマが飛翔し、ヤマハンノキの幼木の葉上には、皆さんご期待のオトシブミが3匹も見つかった。更に対岸ではキキマダラモドキにも出会え、午後も雨が降る事無しに終了した。そんな訳で、今年の夏の高原合宿観察会は大成功裏に終って、来年もまた続きそうな気配が感じられた。

<今日見られた主なもの>花/ツリフネソウ(写真上左)、キツリフネ、ユウガギク、ノコンギク、シラヤマギク、ノハラアザミ、タムラソウ、オヤマボクチ、ツリガネニンジン、カワミドリ、アケボノソウ、キキョウ、ヤマハギ、クサフジ、ワレモコウ、キンミズヒキ、サラシナショウマ、ヤマトリカブト、ママコノシリヌグイ、アキノウナギヅカミ、メタカラコウ、マルバダケブキ、ハンゴンソウ、サワギキョウ、クルマバナ、クサレダマ、ヤナギラン、アカバナ、トモエソウ、オトギリソウ、ナンバンハコベ、ツルニンジン、フシグロセンノウ、コバギボウシ、コオニユリ等。蝶/カラスアゲハ、ジャノメチョウ、キマダラモドキ、ベニシジミ、スジボソヤマキチョウ、スジグロシロチョウ、コキマダラセセリ等。昆虫/オトシブミ(写真上右)、マメコガネ、ルリボシヤンマ、アキアカネ、キモンガ等。


8月21日(午前)、群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢高原

 今日は、待ちに待った夏の高原合宿観察会の日である。昨晩の天気予報では曇り後雨との事であったが、雨は夕方からとの事で胸を撫ぜ降ろした。集合場所の「民宿わたらせ」前に9時45分に行ってみると、昨晩一泊したお仲間が4人も集っていた。まずはアサギマダラのポイントへ行って見たが、天気が思わしくない為か数が少ない。他の蝶はエルタテハがたまに舞う位だ。これでは今日の観察会は低調かなと思っていたら、次第に太陽が見え隠れするようになり、なんと11時には青空が広がった。そこでキベリタテハのポイントへ行ってみると、アサギマダラ、クジャクチョウ、エルタテハ、シータテハがいて、ばんばんシャッターを切った。これでキベリタテハが現れたらなあと呟いたら、目聡い鎌倉のNちゃんが「あっ、キベリタテ!」と指を指すので、その方向を見ると今日の第一ターゲットであるキベリタテハがいた。今年もとてもフレンドリーな個体で、お仲間は露出、構図等を変えて、ばんばんシャッターを切った。

<今日見られた主なもの>花/タムラソウ(写真上左)、ヨツバヒヨドリ、ハンゴンソウ、コウリンカ、ノアザミ、ノハラアザミ、ウツボグサ、シシウド、ヤナギラン、アカバナ、アレチマツヨイグサ、アサマフウロ、ヤマオダマキ、ユウスゲ、コオニユリ、コバギボウシ、ハバヤマボクチ、ツリガネニンジン、マツムシソウ、ヤマハギ、ワレモコウ、キンミズヒキ、サラシナショウマ、カワラナデシコ等。蝶/キベリタテハ(写真上右)、カラスアゲハ、コムラサキ、サカハチチョウ、エルタテハ、シータテハ、クジャクチョウ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメキマダラヒカゲ、ゴイシシジミ、オオチャバネセセリ、アサギマダラ等。昆虫/ヨツボシナガツツハムシ、イチモンジハム、シアキアカネ等。その他/オオカメノキの実、シラタマの実等。


8月20日(午後)、長野県上田市真田町古城緑地広場

 かなり前はとても面白いフィールドであったが、最近は冴えないものの、それでも夏休みには必ず一度は散策する真田町の古城緑地広場へ行った。もちろん昼食は目の玉が飛び出る程高い菅平高原ではなく、かつて上田丸子電鉄の終着駅があった真田の駅前食堂で食べた。車を古城緑地広場の駐車場の木蔭に停め、健康昼寝の後に散策を開始した。まずはアマガエルの子供達がたくさん出迎えてくれた。マイコアカネが見られるポイントへ行ってみると、今年もかなり見られたが、足場が悪くしかも敏感だから撮影は諦めた。その後、尾根づたいを歩いたが、クヌギの樹液の出は悪く、どうやら今日の午後の散策記は無しかなと思っていたら、大好きなナツズイセンが咲いていた。これを素直にカメラに納めると俄然元気が出て、毎年必ず樹液を出している植栽されたトチノキを見に行った。すると今年もまた樹液が出ていて、オオムラサキ、リルタテハ、カブトムシ、アオカナブンが見られた。

<今日見られた主なもの>花/ナツズイセン(写真上左)、ヘクソカヅラ、コンフリー、クサブジ、コマツナギ、シラヤマギク、クズ等。蝶/オオムラサキ、ルリタテハ等。昆虫/カブトムシ(写真上右)、アオカナブン、ツノアオカメムシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシ、オニヤンマ、コオニヤンマ、マイコアカネ、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、オオシオカラトンボ等。その他/アマガエル等。


8月20日(午前)、長野県上田市菅平高原

 今日は迷わず菅平高原へ行った。8月16日にも行ったと記したが、これ以上に無いと思われる高原のピーカンで、また、これといった被写体にも恵まれなかったが、今日は晴れてはいるものの、16日に比べると太陽光線がやや弱い。しかし、風があるので良い撮影条件とは言い難い。それでも何でも撮るぞと気を引き締めて、まずはダボスの丘へ登って行った。去年はキキョウがたくさん咲いていたが、今年は時期的に少々早い事もあってか、絵になるキキョウはなかった。しかし、マツムシソウ、オミナエシ、ワレモコウはもちろん、オヤマボクチ、マルバダケブキ、コウリンカが咲いていて、ススキの穂で支えを作り風の揺れを押さえて撮影した。その後、須坂市になる嶺の原高原へ行ったが、今年は蝶の姿が少なく、花もそれ程ではなかった。しかし、シシウドの花にアカハナカミキリがたくさんいたので、ばんばんシャッターを切って気に入った絵柄をカメラの中にプールした。

<今日見られた主なもの>花/オミナエシ(写真上左)、カセンソウ、ヨツバヒヨドリ、マルバダケブキ、ハンゴンソウ、コウリンカ、オミナエシ、ウツボグサ、シシウド、ウド、ヤナギラン、アサマフウロ、ダイコンソウ、ヤマオダマキ、オオバギボウシ、コバギボウシ、コオニユリ、ゴマナ、ノハラアザミ、タムラソウ、オヤマボクチ、ツリガネニンジン、キキョウ、マツムシソウ、ゲンノショウコ、ヤマハギ、ワレモコウ、カワラナデシコ、キンミズヒキ等。蝶/カラスアゲハ、キアゲハ、クジャクチョウ、ジャノメチョウ、オオチャバネセセリ等。昆虫/アカハナカミキリ(写真上右)、アキアカネ等。


8月19日(午後)、長野県東御市湯楽里館周辺

 昼食は地蔵峠まで戻って800円の親子丼を食べ、涼しい高原の風に吹かれながら健康昼寝をむさぼった。その後、一気に高度を下げて、東御市の日帰り温泉施設である湯楽里館周辺のフィールドへ向った。湯楽里館周辺まで下って来ると、やはり気温も湿度もかなり高く、首都圏平地では極暑だろうなと想像された。農家の庭には、コスモス、ヒャクニチソウ、ヒマワリが咲き、りんご畑では、かなり色づいた果実も見られた。雑木林に入るとミンミンゼミがうるさい位に鳴き、ヤマグワの老木にはトラフカミキリが這っていた。そこには信州の里山が広がっていた訳だが、ここでも樹液の出は左程ではないものの、コガタスズメバチはたくさんいた。雑木林とブドウ畑の間の農道を散策すると、クズやヤマハギが咲き、オツネントンボがたくさん見られた。ここにもアカハネナガウンカがいるかなあと探してみたら、ススキの葉に愛嬌ある顔で止っていた。以上、信州の里山の秋は、もうすぐそこまでやって来ているように感じられた。

<今日見られた主なもの>花/クズ(写真上左)、クサフジ、ヘクソカヅラ、ガガイモ、カセンソウ、ヤマハギ等。蝶/ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、ジャノメチョウ、サトキマダラヒカゲ、ルリシジミ、ツバメシジミ等。昆虫/ノコギリクワガタ(写真上右)、アオカナブン、シロテンハナムグリ、コアオハナムグリ、トラフカミキリ、コガタスズメバチ、ベッコウハゴロモ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、オツネントンボ、ノシメトンボ、ミヤマアカネ、アキアカネ、シオカラトンボ、アカハネナガウンカ等。その他/シュレーゲルアオガエル等。


8月19日(午前)、長野県東御市池の平湿原

 今日で長い夏休みの半分が過ぎたのだが、これまで群馬県内がほとんどだったので、今日は長野県へ行こうと出発した。午前中は菅平高原か湯の丸高原かのどちらかに行こうと思ったが、見晴らしの良い所まで来ると菅平高原は青空一杯で、湯の丸高原は薄い雲がかかっていた。そこでもちろん後者へ行く事にした。あまりにも景色が良いので蝶よ花よよりも景色を堪能してしまう池の平湿原は今回もパスと思ったが、今日は平日なので駐車場代500円はかかるもののマイカー進入OKということなので思い切って行ってみた。何処を散策しようかなと思ったが、やはりここまで来たのだからと鏡池まで行ってみた。久しぶりに広々とした心爽やかな風景を堪能することが出来た。駐車場に戻ると付近のみを散策したが、キベリタテハ、シータテハ、エルタテハ、クジャクチョウと高原の綺麗どころが大集合で、しかも、今年は発生が遅れたのか新鮮なコヒョウモンまでカメラの中に納める事が出来た。

<今日見られた主なもの>花/ヨツバヒヨドリ、マルバダケブキ、ハンゴンソウ、ノコギリソウ、ヤマハハコ、クガイソウ、ハナイカリ、オカトラノオ、クサレダマ、シシウド、ヤナギラン、アサマフウロ、シャジクソウ、キリンソウ、ヤマオダマキ、アキノキリンソウ、ノアザミ、ノハラアザミ、ツリガネニンジン、マツムシソウ、ワレモコウ、エゾリンドウ、ウメバチソウ、カワラナデシコ、イタドリ等。蝶/コヒョウモン(写真上左)、オオチャバネセセリ(写真上右)、キアゲハ、キベリタテハ、クジャクチョウ、エルタテハ、シータテハ、ヒメキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ベニヒカゲ、アサギマダラ等。昆虫/アキアカネ等。


8月18日(午後)、群馬県吾妻郡嬬恋村プリンスランド

 昼食は、かつての草軽電鉄の終着駅である北軽井沢駅前のカドヤ食堂で美味しい野菜炒め定食を食べ、去年と同様に照月湖へ行った。しかし、今年から入場料500円を払って、牧場見学を兼ねてならば照月湖へ行くことも可となっていて驚いた。北軽井沢では貴重な場所で、私有地になってしまって気楽に道端自然観察が行なえないのは真に残念である。そこで、プリンスランドに戻ってキノコをメインに散策することにした。しかし、生長を期待していたアカヤマドリは誰かに蹴飛ばされていたので天を仰いだ。犬が食べたら困るとでも思っているのだろうか、多摩丘陵でもキノコを見ると蹴飛ばす方がいるが、本当に困った事である。そんな訳で、キノコ観察の好適地であるG医大の庭に断って入らせてもらった。しかし、このところ雨が降らないからキノコの発生は少なかったが、それでも、この散策記をアップさせる位のキノコは生えていたので慎重に撮影した。

<今日見られた主なもの>花/オタカラコウ、キオン、ツリガネニンジン、キツリフネ、ゲンノショウコ、ウド、ヤマハギ等。キノコ/イロガワリの仲間(写真上左)、ウスタケの仲間の幼菌(写真上右)、アカヤマドリ、ヤマドリタケモドキ、ミドリニガイグチ、イロガワリ、テングタケ、キヒダタケ、カワリハツ、ヤブレベニタケ、オニイグチモドキ、ツチカブリ、ヒロハチチタケ、ニッケイタケ、ホコリタケ等。


8月18日(午前)、群馬県吾妻郡長野原町浅間牧場

 昨日、一昨日と遠出になったので、今日は近場巡りと決めて、午前中は浅間牧場へ行った。車で15分程だから午前9時前の異例に早い到着で、駐車場には車が一台も停まっていなかった。ここのメインのポイントは坂道を登って開けた草原で、ここだけが昔ながらの浅間高原の原っぱが広がっている。駐車場周辺から「丘を越えて」の碑までが観光地で、他は牧場なのだから道端自然観察に適している場所はそれ程広く無いが、結構楽しめる場所である。散策路の脇のヤマハンノキの幼木の葉に注意していたらオトシブミが、林床には真赤なトチバニンジンの実やツルリンドウも見られた。草原には他所でなかなか見られないカセンソウが群落をつくって咲いていて、グンナイフウロウもたくさん見られた。また、咲き始めたノハラアザミには、キアゲハ、クジャクチョウ、ウラギンヒョウモンモン、ジャノメチョウ、オオチャバネセセリ等が吸蜜に訪れるから楽しくなる。

<今日見られた主なもの>花/カセンソウ(写真上左)、ハンゴンソウ、ノコギリソウ、クルマバナ、イヌゴマ、シシウド、コバギボウシ、コオニユリ、ユウガクギク、ノハラアザミ、マツムシソウ、グンナイフウロ、オミナエシ、ツリフネソウ、キツリフネ、ツルリンドウ、ゲンノショウコ、ワレモコウ等。蝶/キアゲハ、クジャクチョウ、ウラギンヒョウモンモン、キチョウ、ジャノメチョウ、オオチャバネセセリ等。昆虫/オトシブミ、マメコガネ、アキアカネ等。その他/トチバニンジンの実(写真上右)、チョウセンゴミシの実等。


8月17日(午後)、群馬県高崎市倉渕町西榛名広域農道

 午後からは、西榛名広域農道沿いのポイントを巡ってみた。途中、楽しみにしていたハムエッグ定食が食べられる食堂は閉まっていたものの、止む無く入った店で素朴な家庭料理の定食を食べる事が出来た。西榛名広域農道に上って行く途中、なんとはなしに昆虫酒場がありそうな小道があったので入ってみると、蝶の姿は無かったものの、コナラの樹液に、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタと勢揃いをしていて、もちろんミヤマクワガタを撮影した。また、近くの畑に刺してある棒の先には、真赤なネキトンボがたくさん止まっていた。今日の目的は樹液に集るスミナガシやコムラサキなのだが、何処のポイントでも樹液の出が悪く、クロヒガケ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカケ等の普通種ばかりであった。昨日の信州の雑木林同様、上州のクヌギの樹液の出も悪いようである。こんな情況から、今年はスミナガシを撮影出来そうも無いなあと感じた。こうなったらこれから、ターゲットを変えるしかないと苦笑した。

<今日見られた主なもの>花/ツリガネニンジン、オオハンゴンソウ、ユウガギク、ノハラアザミ、キキョウ、キツネノカミソリ、キンミズヒキ、クサギ等。蝶/ヒカゲチョウ(写真上右)、クロヒカゲ、ジャノメチョウ、サトキマダラヒカゲ、コジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、カラスアゲハ、キアゲハ、キチョウ、オオチャバネセセリ等。昆虫/ミヤマクワガタ(写真上左)、ノコギリクワガタ、コクワガタ、オオゾウムシ、クロカナブン、キマワリ、ノコギリカミキリ、ネキトンボ、アキアカネ、ノシメトンボ、ベッコウハゴロモ等。


8月17日(午前)、群馬県高崎市倉渕町烏川渓谷

 昨日に続いて今日もまた雲一つ無い晴天であるが、天気予報によると、一昨年のような猛暑はやって来ずに過しやすいと予想されていた。とは言っても、標高が高い所の方が快適なのだが、二度上峠を越えて高崎市の倉渕町へ降りて行った。途中、雄大な浅間山が見えるが、活火山だけあって中腹より上は草木がまったく生えていない砂礫地である。九十九折の急坂を一気に下って烏川渓谷沿いの道に達すると、標高が低くなった事を証明するかのように杉の美林が続いている。そこで日陰にある下草の葉上を丹念に探したら、ヒゲナガオトシブミやイタドリハムシがいた。また、ヌルデの花には美麗なアオバセセリがいて興奮したが、良い写真は得られなかった。しかし、カメラの中はそこそこ賑やかになったので、久しぶりに自然度が低く期待出来ないとは思ったものの「わらび平キャンプ場」まで行ってみた。するとフシグロセンノウがたくさん咲いていて、炭焼き小屋の灰にはキベリタテハが飛来していた。

<今日見られた主なもの>花/オオハンゴンソウ、アレチマツヨイグサ、オトギリソウ、ダイコンソウ、ボタンヅル、キツネノカミソリ、ノハラアザミ、ツリフネソウ、キツリフネ、ゲンノショウコ、フジカンゾウ、ヤマハギ、キンミズヒキ、クサボタン、フシグロセンノウ(わらび平キャンプ場)、タマアジサイ、クサギ、ヌルデ等。蝶/キベリタテハ(わらび平キャンプ場)、サカハチチョウ、キチョウ、アオバセセリ、オオチャバネセセリ等。昆虫/ヒゲナガオトシブミ(写真上右)、イタドリハムシアキアカネ等。その他/アブラチャンの実(写真上左)、アオダイショウ等。


8月16日、長野県上田市上田市民の森

 今日は雲一つ無い青空で、やっと真夏がやって来たという感じである。高原に於いてもピーカンは写真撮影には不向きなのだが、予定していた菅平高原へ行ってみた。マツムシソウやヤナギランやキキョウ等の花がたくさん咲いていたが、これ以上にないピーカンで撮る気が起きない。しからば日陰の昆虫をと探してみたものの、ヒメシロコブゾウムシがウドの葉上にいる位であった。そこで自然館ならなにかいるのではと思って寄ってみたが、ノーシャッターに終った。これはいかんと昼飯を少し早く食べて上田市民の森へ行った。雑木林の中は高度がかなり下がったにもかかわらず涼しくて快適である。パターゴルフ場がかなり広がって自然度はますます悪くなったが、久しぶりにクロタマムシに出会えた。その後、去年とても面白かった信州国際音楽村周辺へ行ってみたが、クヌギの樹液の出は悪く、期待したスミナガシは見られなかった。しかし、オオムラサキやムモンアカシジミ等に出会えた。

<今日見られた主なもの>花/シラヤマギク、ノハラアザミ、オミナエシ、ヘクソカズラ、ヤマハギ、コマツナギ、ダイコンソウ、ボタンヅル、オオバギボウシ、ヒヨドリジョウゴ、カワラナデシコ、ゲンノショウコ、キンミズヒキ等。蝶/ルリタテハ、ジャノメチョウ、キマダラモドキ等。昆虫/ノシメトンボ(写真上左)、クロタマムシ(写真上右)、ルリボシカミキリ、アカハナカミキリ、アオカナブン、コクワガタ、ミンミンゼミ、ツノアオカメムシ、オニヤンマ、アキアカネ等。その他/ダンコウバイの実等。


8月15日(午後)、群馬県吾妻郡嬬恋村バラギ湖

 午後からは、吾妻川を挟んで反対側となるバラギ湖へ行った。途中、何処までも広がるキャベツ畑の中の快適な農道を通るが、ここならではの独特な一級の景観がである。バラギ湖も21日の観察会の午後からのフィールドとなるため、ここも慎重なる偵察と言う訳である。駐車場に車を停めて歩き始めると、植栽かもしれないが、オオハンゴンソウやキキョウが出迎えてくれた。湖畔を一周する散策路に入ると、大好きなフシグロセンノウが緋色に鮮やかに今年もたくさん咲いていた。湖岸の方に目を向けると、カワミドリやヤマトリカブトが美しい。足元ではツリフネソウやキツリフネが至る所に咲いている。鹿沢高原とはやや異なった花々で一杯だ。その後、ヤマハンノキの幼木がたくさん生えている場所で、今年も赤い小さな甲虫であるオトシブミを見つけ、反対側の湖岸では咲き始めたサワギキョウが美しく、コナラの幹には上品な形と色彩の、羽化したばかりのキマダラモドキが見られた。

<今日見られた主なもの>花/フシグロセンノウ(写真上左)、メタカラコウ、マルバダケブキ、オオハンゴンソウ、サワギキョウ、ウツボグサ、オカトラノオ、クサレダマ、タニタデ、ダイコンソウ、コバギボウシ、シラヤマギク、ノハラアザミ、キキョウ、オミナエシ、ツリフネソウ、キツリフネ、ヤマハギ、ワレモコウ、キンミズヒキ、ヤマトリカブト、カワミドリ等。蝶/キマダラモドキ(写真上右)、メスグロヒョウモン、クジャクチョウ、ジャノメチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ等。昆虫/オトシブミ、ゴマダラオトシブミ、イタドリハムシ、ドロノキハムシ、アオジョウカイ、マメコガネ、セマダラコガネ、ゴマダラカミキリ、イカリモンガ等。


8月15日(午前)、群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢高原

 毎年、嬬恋村にやって来ると、まず最初に鹿沢高原へ行く。また、21日に予定されている夏の高原合宿観察会のメーンフィールドはここなのだから、しっかり偵察して来なければと言う訳である。広大なキャベツ畑から裏道となる林道に入ると、今年もまた、アカアシクワガタがいそうなヤナギの木の前に車を停めて丹念に探してみると、なんとアカアシクワガタが小枝に這っていて嬉しくなった。更に林道を上がって行くと、アサギマダラやクジャクチョウが、ヨツバヒヨドリに吸蜜にやって来ていた。特にアサギマダラはいつも通り多数の個体がいて、これなら観察会が賑やかになるぞとほくそ笑んだ。各種タテハチョウが集るポイントに行ってみると、キベリタテハは時期がまだ早いから見られなかったものの、エルタテハ、シータテハ、クジャクチョウがいた。昼食は、もちろん民宿「わたらせ」の山菜てんぷら定食を食べに行ったが、民宿前では高山蝶であるベニヒカゲがちらほら飛んでいた。

<今日見られた主なもの>花/ヤマオダマキ(写真上左)、ヨツバヒヨドリ、ハンゴンソウ、コウリンカ、ノコギリソウ、ヤマホタルブクロ、ウツボグサ、クルマバナ、オカトラノオ、シシウドウド、ヤナギラン、アカバナ、アレチマツヨイグサ、オトギリソウ、アサマフウロ、クサフジ、チダケサシ、キリンソウ、コバギボウシ、コオニユリ、アキノキリンソウ、ゴマナ、ノアザミ、ノハラアザミ、タムラソウ、ツリガネニンジン、マツムシソウ、ヤマハギ、ワレモコウ、キンミズヒキ、サラシナショウマ等。蝶/アサギマダラ(写真上右)、エルタテハ、シータテハ、クジャクチョウ、コムラサキ、サカハチチョウ、メスグロヒョウモン、コヒョウモン、ベニヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、オオチャバネセセリ、ゴイシシジミ等。昆虫/アカアシクワガタ、アキアカネ等。その他/オオカメノキの実等。


8月14日、群馬県吾妻郡嬬恋村プリンスランド

 いつも通りに起床し、これからの夏休みの生活に必要な荷物を車に積み込み、もちろん外回りの掃き掃除を済ませてから出発した。今日は帰省ラッシュによる渋滞に悩まされるかもしれないと思ったが、約1時間、午前10時30分頃に関越自動車道に乗れた。高坂SA辺りから14キロの渋滞と表示されていたが、それ程でも無く楽に通り抜ける事が出来た。途中、眠気が襲って来てPAで休んだものの、楽しみにしていた甘楽PAのモツ煮定食を食べる事が出来た。碓氷軽井沢インターで降り、渋滞があったものの、抜道で午後3時頃にプリンスランドに到着した。荷物を降ろしてから、ホテルグリーンプラザや白樺高原教会周辺を散策した。期待したキノコの発生は少なかったが、有り難い事に一番会いたかったアカヤマドリが何本も生えていた。そこで幼菌だが、一番絵になるものを選んで慎重に撮影した。キノコ以外に何か被写体はないかと探してみたら、伐採されて積んである丸太に、なんとルリボシカミキリが這っていた。

<今日見られた主なもの>花/キオン、ゲンノショウコ、ヤマホタルブクロ、ウド、ヤマハギ等。蝶/コミスジ等。昆虫/ルリボシカミキリ(写真上右)、ベニモンツノカメムシ等。キノコ/アカヤマドリ(写真上左)、イロガワリ、テングタケ、アワタケ、オニイグチモドキ、ツチカブリ、ヒロハチチタケ、ニッケイタケ等。


8月13日(午後)、神奈川県(仮称)ケリの里

 今日は明日からの夏休みの準備の為に午前中のみの散策で帰宅と思っていたが、前述したように不本意な結果となって、これでは帰れんとばかりに昨日とても面白かった(仮称)ケリの里へまた行った。東名高速を使ったから30分で到着したのだが、天気は雲一つ無い青空となり、昨日に比べると風も弱かったので、田んぼの農道は蒸し風呂の様な有様であった。これは堪らんと日陰に車を停めてドアを開けて健康昼寝をむさぼり、いくぶん太陽光線が弱くなったと思われる午後4時頃からデジスコを担いでの散策となった。しかし、それでも頭がくらくらするような暑さで、良い按配にムナグロの群れが撮影出来る場所に農機具小屋があって日陰になっていたので、そこに座り込んでムナグロを撮影した。その後、ケリや他の鳥を撮ろうと散策を再開したが、暑さに堪らなくなって車に舞い戻った。やはり田んぼでのシキチドリ類の観察は曇り日か、9月の半ばに入ってからだなあと苦笑した。

<今日見られた主なもの>鳥/ムナグロの幼鳥(写真上)、ツバメ、ハクセキレイ、ケリ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、アオサギ、スズメ、ムクドリ等。


8月13日(午前)、横浜市緑区長津田町(仮称)東名の森

 いよいよ明日から、恒例の嬬恋村に於ける長期夏休みに入る。横浜市のフィールドともしばしのお別れという事で、今日は何処へ行こうかなあと考えたが、このところ充実した観察が続いた長津田町の(仮称)東名の森へ行った。ここでも雑木林にあるクヌギの樹液を期待したのだが、驚くこと無かれ、全て涸れ果てていた。今季の近場のフィールドに於ける樹液酒場での昆虫観察は、まこと不本意な結果続きである。こうなっては、これから始まる夏休みに於ける長野県や群馬県に期待をかけるしかなさそうだ。そんな訳で、雑木林入口のススキの葉に静止するエビイロカメムシを撮った。ここでもアカハネナガウンカが大発生していて、今季まだ観察していない方がいるらしいが信じられない。今日のアカメガシワはノコギリクワカダもコクワガタも減っていて、クヌギの樹液が涸れ果てたように、そろそろ閉店のようである。以上、残念な事にカメラの中はたった2枚の写真だけで、期待した散策は終了した。

<今日見られた主なもの>花/ママコノシリヌグイ、ヤブラン、ヤブカラシ、ヘクソカヅラ等。蝶/アオスジアゲハ、アゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、サトキマダラヒカゲ、ムラサキシジミ、ウラギンシジミ、キマダラセセリ等。昆虫/コクワガタ(写真上左)、エビイロカメムシ(写真上右)、チャバネアオカメムシ、アカハネナガウンカ、ノコギリクワガタ、アブラゼミ等。


8月12日(午後)、神奈川県(仮称)ケリの里

 午後からは2日からまったく登場していない鳥を撮りたいなあと思ったが、見上げる空は青空一杯である。そこで上川井の「なか卯」で親子丼と冷やし小そばを食べた後に、9月から通う事になる県央の水田地帯の様子でも見て来ようと、国道246号線に乗った。まず最初に海老名の田んぼに行ってみたが休耕田は多くは無かったので、風が心地良いから車のドアを開けて昼寝をむさぼった。その後、社家の広大な田んぼに行ったが、休耕田は一つも無かった。そこで仕方無しに相模川を越えて(仮称)ケリの里まで行った。空は丹沢からの雲で、鳥の撮影にもまあまあの光線具合となったので、デジスコをセットして散策を開始した。まずは例年通りケリを撮った。図鑑によるとケリは東海から近畿にかけて多いらしく、居る場所も局所的と書かれている。そんなケリだが、ここでは毎年撮影が出来て嬉しくなる。この他、各種シギチドリ類も見られるようになったので、今年も避暑から帰ったら足繁く通う事になるだろう。

<今日見られた主なもの>鳥/ケリ(写真上左)、ツバメ(写真上右)、ムナグロ、キリアイ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、スズメ、ムクドリ等。


8月12日(午前)、横浜市緑区横浜動物の森公園

 今日は台風一過で馬鹿っ晴れかと思ったら、午前中は散策に好適な曇り日で、昼近くになってやっと青空が広がった。後数日で涼しい高原に行けるのだが、たとえ暑くとも近場巡りは楽しいものである。そこで高原へ行く前に、気になっている箇所として横浜動物の森公園へ行った。ここは毎年、クヌギの樹液が滴って、アカボシゴマダラやゴマダラチョウ等の写真が撮れるのだが、今年は樹液の出が少ない。また、上記した蝶や樹液の出る傷口を頑丈な顎で更に広げる各種スズメバチも、ここだけではなく他所でも少ないように感じられる。そんな訳で、それらが全て合して、今年の横浜動物の森公園は貧果が続いている。ただ、何処のフィールドへ行っても、カブトムシはかなりたくさん見られる。近頃の子供達は刺激度のより高い大きくて格好の良い外国産のカブトムシやクワガタムシがペットショップで簡単に手に入るから、日本のものは採集しようという気も起きないのかもしれない。もしそうなら、まことに困った事である。

<今日見られた主なもの>花/ダイコンソウ、キンミズヒキ、ヒヨドリバナ、ゲンノショウコ、ツユクサ、クズ、ヘクソカヅラ等。蝶/キチョウ、クロコノマチョウ、ヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、ムラサキシジミ、ウラギンシジミ等。昆虫/ネキトンボ(写真上左)、ハサミツノカメムシ(写真上右)、アブラゼミ、ヒグラシ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、マユタテアカネ、リスアカネ、カブトムシ、クロカナブン、カナブン、コクワガタ、キマワリ等。キノコ/オオノウタケ、テングタケダマシ、マンネンタケ等。


8月11日、横浜市緑区新治市民の森

 本日早朝、午前5時7分頃にもの凄い揺れを感じて飛び起きた。駿河湾を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生したのだ。有り難い事に横浜は震度4だったが、震源に近い静岡では震度6弱の所もあって、かなりの方がケガをなされた。逆に、豪雨をもたらすのではと心配された台風6号は日本列島から離れて進んだ為に、首都圏ではこれといった被害は無かった。今日も昨日に続いて雨で散策は出来ないと思っていたが、かなり早く雨が止んだので、午後から新治市民の森へ行ってみた。僅かに残った田んぼ脇の小川では、真赤なショウジョウトンボが草の枯れた茎に止っていた。一般の方はアカトンボの仲間と思っている方がほとんどだが、アカネ類ではなくてシオカラトンボに近い仲間である。今日も雑木林の樹液が気になって伐採された斜面を登って行くと、谷戸奥では珍しいニイニイゼミが盛んに鳴いていた。子供の頃は一番馬鹿にしていたセミではあるが、今になっては懐かしさ一番のセミとなった。

<今日見られた主なもの>花/ツルボ、ヤブラン、オトコエシ、ヒヨドリバナ、スズサイコ、タチフウロ、ワレモコウ、キツネノカミソリ、ダイコンソウ、キツネノマゴ、ヘクソカヅラ、ヤブカラシ、クサギ等。蝶/アオスジアゲハ、アゲハ、キアゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、イチモンジチョウ、コミスジ、キタテハ、ルリタテハ、クロコノマチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメジャノメ、ムラサキシジミ、ウラギンシジミ、キマダラセセリ等。昆虫/ニイニイゼミ(写真上左)、ショウジョウトンボ(写真上右)、トホシテントウ、カブトムシ、カナブン、クロカナブン、マメコガネ、オニヤンマ、ハグロトンボ、オオシオカラトンボ、マユタテアカネ、ウスバキトンボ、ヒグラシ、アブラゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、アカハネナガウンカ等。その他/ブラックベリーの実、ブルーベリーの実等。


8月9日(午後)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 午後からは昨日偵察に行って、アカハネナガウンカやキイトトンボがいたので、このHPの掲示板でも御馴染みのナズナさんに御紹介したが、果たして無事に撮れただろうかと気になって寺家ふるさと村へ行ってみた。まずは白髪の長髪で若いにもかかわらず「仙人」と呼ばれる、駒沢大学前からやって来るNさんに教えて貰った樹液が出ている木を巡ってみた。しかし、日曜日で子供連れで昆虫を探す方も多くて、樹液好きな昆虫達も落ち着かないようで、これと言ったものには出会えなかった。そこでキイトトンボを撮ろうと谷戸に降りて行くと、ナズナさんや仙人がやって来たので、連れ立ってブルーベリーの谷戸へ行った。三輪町に抜ける切り通しの手前を左に入ると、ぎょろ目のオオトリノフンダマシがお出迎えしてくれた。不味いらしくて誰も採らないブルーベリーが植えられた畑の前まで来ると、昨日と同様にキイトトンボが出迎えてくれた。一同飛び上がらんばかりに喜んで、順番に撮影した事は言うまでも無い。

<今日見られた主なもの>花/コバノカモメヅル、スズサイコ、ワレモコウ、ダイコンソウ、アキノタムラソウ、ヤマユリ等。蝶/ルリタテハ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/キイトトンボ(写真上右)、カブトムシ、カナブン、マメコガネ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、アブラゼミ、アカハネナガウンカ、スケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ等。その他/アマガエル(写真上左)、シロオビトリノフンダマシ、オオトリノフンダマシ等。


8月9日(午前)、横浜市都筑区都筑中央公園

 昨日の茅ヶ崎公園でキノコがかなり発生していたので、より大物が発生する鴨池公園から都筑中央公園まで散策してみた。キノコに対する興味はかなり減退しているのだが、野鳥の少ない夏は花と虫だらけとなって、散策記に変化が無いなあと感ずる。そこで、キノコちゃんは大歓迎なのである。しかし、この期待は大いに外れて、一週間前なら凄かっただろうなあと感じさせる萎びたもの腐ったものが至る所に見られた。キノコが無いと今の季節のこのコースは、セミ以外にこれといったものは見られない。特に鴨池公園はセミの惑星かと思わせる程の、もの凄い数のセミが鳴いている。今日も時折薄日が射す天気で日本の夏とは言い難いが、セミの大合唱に見舞われると、やはり夏がやって来ていると実感する。都筑中央公園の「ばじょうじ谷戸」には、早くも紅白のゲンノショウコやキツネノマゴが咲き出し、ヤブミョウガが青黒い実をつけていた。いよいよ秋も、ほんの少しだが仲間入りしたのだなあと感じられた。

<今日見られた主なもの>花/ゲンノショウコ(写真上左)、ツユクサ、キツネノマゴ、ワルナスビ等。蝶/ナガサキアゲハ、スジグロシロチョウ、アカボシゴマダラ、クロコノマチョウ、ムラサキシジミ等。昆虫/アブラゼミ(写真上右)、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、オニヤンマ、シオカラトンボ等。キノコ/テングタケ、ニオイコベニタケ、カワリハツ等。


8月8日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園

 今日は何処へ行こうかなあと考えたが、バラエティーに富むものを撮るなら、ここが一番と茅ヶ崎公園へ行った。散策を開始するとすぐに、タブノキの葉に2齢ないし3齢と思われるアオスジアゲハの幼虫を見つけた。次に、キノコのポイントに行って見ると、テングタケ、ニオイコベニタケ、ツルタケが生えていた。最近、雨が降ったのでキノコも盛り返したようである。更に「せきれいの道」を下って行くと、樹液が出ているコナラの木があって、アカボシゴマダラやヒメジャノメが吸汁していた。そんな訳で、カメラの中はかなり賑やかになったが、今日のハイライトはこれからで、エノキの大木の丸太が積んである場所で、なんと4匹ものタマムシを発見した。ことによったら潜っているものもいるかもしれないので、それ以上のタマムシが集っていたのかもしれない。タマムシはエノキやケヤキ等の丸太に卵を産み付けるので、そんな時は至近距離で観察及び撮影が出来る。以上、今日の茅ヶ崎公園は色とりどりの満艦飾であった。

<今日見られた主なもの>花/ツユクサ、クサギ等。蝶/アオスジアゲハの3齢幼虫(写真上右)、アカボシゴマダラ、ヒメジャノメ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/タマムシ(写真上左)、カナブン、クロカナブン、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、ベッコウハゴロモ等。キノコ/テングタケ、ニオイコベニタケ、ツルタケ、アメリカウラベニイロガワリ、カワリハツ等。その他/ヤマボウシの実等。


8月7日(午後)、横浜市戸塚区舞岡公園

 午後からは何処へ行っても鳥影はないし、自宅へ戻って読書でもと考えたが、昨日、鎌倉の昆虫熟女3人組が絶滅したと思われていたキイトトンボを発見したというので、ちょいと覗いて来ようと舞岡公園へ行った。こんな暑さだから誰もいないのではと思ったら、チャリコバさんが瓜久保の家で勉強中であった。持ち運びが非常に楽な超小型のノートパソコンを購入したので、チャリコバさんは何処にいても勉強が出来るのである。そんな勉強中に失礼かと思ったが、熱虫症の鎌倉熟女3人組がキイトトンボを発見したポイントへ案内してもらったが、残念な事にキイトトンボはいなかった。その後、ジャコウアゲハが気になったので小谷戸の里へ行ってみると、蛹になっていてほっした。食草のウマノススグサは、ものの見事に全て食べ尽くされていたのには驚いた。舞岡公園もとても暑いので、涼みがてらに雑木林の樹液に集る昆虫観察にと尾根に上ってみたものの、最も普通なサトキマダラヒカゲが乱舞しているだけであった。

<今日見られた主なもの>花/キツネノカミソリ、ミヤコグサ、クサギ等。蝶/サトキマダラヒカゲ(写真上左)、カラスアゲハ、アカボシゴマダラ、ツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ等。昆虫/トラフカミキリ、キボシヒゲナガカミキリ、エゴヒゲナガゾウムシ、ウチワヤンマ、ショウジョウトンボ、コシアキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、アブラゼミ等。キノコ/コウジタケ(写真上左)、カバイロツルタケ、ヤマカガシ等。


8月7日(午前)、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 夕方になって雷雨に見舞われた所もあったようだが、今日は遅れていた夏がやっとやって来たと感じられる太陽光線の強さであった。こんな日は何処へ行ってもNGなのだが、少なくとも日陰となる昆虫横丁があるからと寺家ふるさと村へ行った。まずはキノコ横丁に寄ってみたが、アイタケやカワリハツがほんの少し生えているだけで各種セミの大合唱、ツクツクボウシが発生していたのには驚いた。次に尾根に上がれば樹液が出ているクヌギもあるかもと登って行くと、なんとカブトムシのおまけつきでルリタテハが見られた。そんな訳で気を良くしてちょいと時期が遅いもののゴイシジミを探しに行ったが、僅かに1頭だが観察する事が出来た。帰りがけに樹液がしたたるクヌギの大木を見上げると、破損しているがオオムラサキの雄を見つけた。最もオオムラサキの放蝶が行なわれたというので、今日観察したものは天然ものではないかもしれない。やはり人為的な放蝶は、こんな面からも困りものである。

<今日見られた主なもの>花/ワレモコウ、ダイコンソウ、アキノタムラソウ等。蝶/ルリタテハ(写真上右)、キアゲハ、カラスアゲハ、オオムラサキ、クロヒカゲ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ゴイシシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、ヒメキマダラセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/カブトムシ(写真上左)、カナブン、クロカナブン、マメコガネ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ホシハラビロヘリカメムシ等。キノコ/カワリハツ、アイタケ等。その他/シュレーゲルアオガエル、シロオビトリノフンダマシ等。


8月6日、横浜市緑区長津田町(仮称)東名の森

 昨日は胃がかなり疲れていたのか、良く冷えた清涼飲料水をいつもより多く飲んだら急にお腹が痛くなって、生きた心地がしなかった。そんな訳で、百草丸を飲んでぐっすり眠って遅く起きてから、長津田町の(仮称)東名の森周辺をほんのちょっと散策してみた。まず最初に、ママコノシリヌグイという幼児虐待を連想させる名の花を撮った。その名の通り茎に鋭い棘があって、これでお尻を拭われたらさぞかし痛い事だろう。継子といえども、そこまでやったら人間失格やなといつも思う。次に雑木林に通ずる小道に入ったが、ここのススキの葉にもアカハネナガウンカがたくさん見られた。雑木林入口のアカメガシワの木にはノコギリクワガタは少なくなっていたが、その代わりに今まで見られなかったコクワガタがかなりいた。雑木林の中のクヌギの樹液にはコシロシタバがたくさんいて、その名の謂れとなった白い紋をのぞかせて吸汁しているものもいた。

<今日見られた主なもの>花/ママコノシリヌグイ(写真上左)、ヤブカラシ、ヘクソカヅラ等。蝶/アオスジアゲハ、アゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、ルリタテハ、アカボシゴマダラ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヤマトシジミ、ムラサキシジミ、ウラギンシジミ等。昆虫/アカハネナガウンカ(写真上右)、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、エビイロカメムシの幼虫、コシロシタバ等。


8月5日、横浜市緑区新治市民の森

 プチ遠征の疲れが残っているので、今日は久しぶりに遅く起きた。2日お休みしたから外回りの掃除はかなりの手ごたえがあるぞと思っていたが、風が弱かったらしく、ほとんどゴミはなかった。そこで湿度こそ異常に高いものの曇り日なので新治市民の森へ行ってみた。今日は旭谷戸だけに的を絞って散策したが、早くもインゲン畑に秋の使者である筈のウラナミシジミがかなり飛んでいてびっくりした。異常気象で蝶の出現は遅れ気味だと思っていたのだが、どうやらウラナミシジミは別枠のようである。ハグロトンボが見られる小川沿いの小道を歩いて行くと、相変わらずアカハネナガウンカがジュズダマの葉にたくさん見られた。谷戸奥の田んぼの斜面には、愛護会の方々によってスズサイコやタチフウロに囲いがしてあった。更に斜面を登って雑木林に入ってみると、樹液のしたたるクヌギがあって、アカボシゴマダラ、ルリタテハ、サトキマダラヒカゲが吸汁していた。

<今日見られた主なもの>花/スズサイコ、タチフウロ、ワレモコウ、ヤマユリ、キツネノカミソリ、ダイコンソウ、ハエドクソウ、ヘクソカヅラ等。蝶/ルリタテハ(写真上左)、クロコノマチョウの幼虫(写真上右)、アオスジアゲハ、アゲハ、アカボシゴマダラ、コミスジ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ウラナミシジミ、ツバメシジミ、ムラサキシジミ、ウラギンシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/カブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン、クロカナブン、マメコガネ、オニヤンマ、ハグロトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、チャバネアオカメムシ、アカハネナガウンカ、コシロシタバ等。


8月4日、山梨県北杜市白州町中山峠

 前日の天気予報では、山梨県内は曇り時々雨であった筈だが、眩しいほどの真っ青な高原の空が広がっていた。これはラッキーと予定通り中山峠へ車を走らせた。清里からここまで、至る所に良いフィールドがあるし、涼しさと高原ならではの気分を味わいたいなら、八ヶ岳の観音平や入笠山等もあるのだが、山梨の里山という雰囲気の中山峠が大好きなのである。ここでは幼い頃からのお友達、オニヤンマ、カブトムシ、クワガタムシ、そしてオオムラサキもいるのだからたまらない。まずは山裾と田んぼが接する小道を歩いて行くと、オニヤンマがたくさん出迎えてくれた。次に、美しい雑木林に行ってみると、なんとまだ新鮮なオオムラサキの雌がいて嬉しくなった。やはりここでも蝶の発生は遅れているだ。その後、クヌギの樹液に来ているたくさんのカブトムシ、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン、クロカナブン、アオカナブン等と遊んで、帰宅時間はあっという間にやって来た。

<今日見られた主なもの>花/ノカンゾウ(写真上左)、ユウスゲ、ヤマユリ、ダイコンソウ、ハエドクソウ、ヘクソカヅラ、ナンテンハギ、クサフジ、タカトウダイ、ボタンヅル等。蝶/オオムラサキ、コムラサキ、ルリタテハ、コミスジ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリキ等。昆虫/オニヤンマ(写真上右)、カブトムシ、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン、クロカナブン、アオカナブン、マメコガネ、ヨツボシオオキスイ、アブラゼミ、ヒグラシ、エサキモンキツノカメムシ、ツノアオカメムシ、ベッコウハゴロモ、アカハネナガウンカ、キモンガ、オニベニシタバ等。


8月3日、長野県南佐久郡南牧村八ヶ岳高原

 天候不順が続いていて、今年の夏の高原へのプチ遠征は遅れていたが、やっと2日連続でまあまあの天気となりそうなので、早起きして出かけてみた。本来なら自宅から近い白州町中山峠へ初日に行くのだが、今年の天気はころころ変るから、まずは天候の影響がもろに出る八ヶ岳高原の方へ先に行った。自宅を午前6時に出発したのだが、途中、朝食等をとったにもかかわらず、午前10時に美鈴湖の駐車場に到着した。やはり季節の伸展が遅れているのか、シモツケがたくさん咲いていた。ここから八ヶ岳高原ロッジまで往復して来るのだが、今年は各種の蝶が大好きなヒヨドリバナの咲き具合が遅く、蝶もヒヨウモンチョウの仲間は発生していたが数は少なく、例年たくさん見られるアサギマダラ、スジボソヤマキチョウ、オオチャバネセセリ等は、かなり少なかった。逆に、ヒメキマダラヒカゲは新鮮個体が多くて嬉しくなった。やはり曇りや雨続きの天気は、花や蝶の見られる時期をかなり遅らせているようである。

<今日見られた主なもの>花/マルバダケブキ、オオハンゴンソウ、コウリンカ、ノコギリソウ、ノアザミ、ヒヨドリバナ、ヤマホタルブクロ、ツリガネニンジン、クガイソウ、ミヤマママコナ、ウツボグサ、クルマバナ、マツムシソウ、オカトラノオ、クサレダマ、ワレモコウ、グンナイフウロ、シモツケソウ、チダケサシ、キリンソウ、ヤマオダマキ、フシグロセンノウ、コバギボウシ、ウバユリ、コオニユリ、シモツケ等。蝶/ギンボシヒョウモン(写真上左)、アサギマダラ(写真上右)、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、サカハチョウ、ホシミスジ、フタスジチョウ、ジャノメチョウ、ヒメキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリ、オオチャバネセセリ、ウラゴマダラシジミ等。昆虫/アキアカネ、セマダラコガネ等。


8月2日、神奈川県大和市泉の森公園

 8月に入ったというのに、今朝も雨がぱらついている。インターネットの天気予報で県内の雨雲の動きを見ると、どうやら今日は終日雨のようである。そうならばと溜りに溜った野暮用を片付けていると、昼ちょいと手前に外がかなり明るくなって雨が止んだ。こうなると俄然元気となって、一般撮影機材による散策は下草等が雨で濡れているから気乗りがせず、デジスコでカワセミを撮ろうと泉の森公園へ行った。デジスコを担いで「しらかしの池」へ下りて行くと、早くもカワセミの幼鳥が止まり木に止っていた。巣立った時は足が黒かったが、やや赤味を帯びて来ている。しかし、顔立ちや仕草はやはり子供っぽくて、身体の大きさも成鳥よりやや小さいように感じられる。その後、雨がぱらついて来て雨宿りをしたりしたが、毎度御馴染みの止まり木に止るカワセミの写真しか手に出来なかったものの、それでもカワセミと戯れる事が出来て楽しかった。

<今日見られた主なもの>鳥/カワセミの幼鳥(写真上)、アオサギ、カルガモ、カイツブリ、ハクセキレイ、スズメ等。


8月1日、横浜市緑区三保市民の森

 いよいよ8月に入った。異常気象の為か今日も曇りで涼しいものの、例年なら最も散策に不適な月である。また、アオバズクが巣立ったから、鳥の撮影も1ヶ月の夏休みとなる。今日はこれといった期待したものはなかったのだが、三保市民の森の道路を挟んだ反対側の雑木林に、ことによったら樹液がしたたるクヌギの木があるかもしれないと行ってみた。しかし、小枝で休むカブトムシを発見したものの、樹液が滴るクヌギの木は無かった。日陰にはキツネノカミソリが美しく咲いていたが、絵になるように撮影するのは難しいので、農家の庭先にあるテンニンギクを撮った。谷道に何かいないかと行ってみたが、アカハネナガウンカがススキの葉にたくさん見られ、ダイコンソウがかなり咲いている位であった。ところが車へ戻る途中、ほんの少し積んである丸太に、なんとタマムシを発見して嬉しくなった。しかし、証拠写真を撮影後もう少し良い写真を撮りたいなあと思った瞬間、残念な事に羽を開いて飛んで行ってしまった。

<今日見られた主なもの>花/テンニンギク(写真上左)、キツネノカミソリ、ヤマユリ、アキノタムラソウ、ダイコンソウ、ハエドクソウ、マルバルコウソウ、ヒヨドリバナ、ツユクサ、ヘクソカヅラ等。蝶/キアゲハ、アカボシゴマダラ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、ムラサキシジミ等。昆虫/タマムシ(写真上右)、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ネキトンボ、オオシオカラトンボ、アミガサハゴロモ、ベッコウハゴロモ、カブトムシ、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、シオヤアブ、アオメアブ、ササキリの幼虫、アカハネナガウンカ等。


2009年7月のみちばた散策記に戻る