3月29日、東京都目黒区駒場野公園〜駒場公園〜東京大学
今日は渋谷に仕事の用がほんの少しあったので、またまた渋谷から井の頭線で二つ目の東大駒場前で下車し駒場野公園へ行ってみた。天気予報では晴れのはずだったが、着いた当初は小ぬか雨が降っていたがやがて止み、しかし、一日中どんよりとした曇り空であった。27日に東京のソメイヨシノの開花が予想されていたが、まだまだ時間がかかりそうである。駒場野公園は比較的小さな公園だったので、駒場公園から東京大学教養部のキャンパスにも足を伸ばした。東大キャンパスではイチョウの大木の下にトガリアミガサタケが生えていて嬉しくなった。詳細は
「東京23区内道端自然観察館」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/アブラチャン、クマシデ、モミジイチゴ、ミツマタ、サンシュユ、ヤブツバキ、チョウセンレンギョウ、ハクモクレン、クサイチゴ、ミツバアケビ、アセビ、エドヒガン、ジンチョウゲ、ボケ、ウグイスカグラ、アカツメクサ、ナズナ、ヒメオドリコソウ、クリスマスローズ等。鳥/ツグミ、シロハラ、シジュウカラ、ヤマガラ等。昆虫/ビロードツリアブ等。キノコ/栽培シイタケ(写真上左)、トガリアミガサタケ(写真上右)、カワラタケ、アラゲキクラゲ等。その他/カリンの芽吹き、ミズキの芽吹き、ヤツデの実、シナサワグルミの芽吹き等。
3月27日、東京都町田市小野路町
今日は一日中風が強かったが非常に快適な散策日和となった。心も身体もとても快調で、昨日書いたように、古い根を断ち切って新しい根を生やそうとしているがごとくである。今年はとても良い事がありそうに感ずるのだから嬉しくなる。雑木林の林床にはシュンランが咲いて、リンドウが咲く晩秋まで野の花巡りはえんえんと続くし、ルリタテハ、ベニシジミ、イタドリハムシ等の昆虫も現れたから、いよいよ花虫撮るの季節がスタートした。これからが「小野路図師紀行」の本番を迎えると言う訳である。詳細は
「小野路図師紀行」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/シュンラン、キジムシロ、タチツボスミレ、カントウタンポポ、コブシ、クサボケ、キブシ、モモ、ボケ、アセビ、サンシュユ、ツバキ、ウグイスカグラ、オオアラセイトウ、ナノハナ、ナズナ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ハコベ、フキノトウ、ツクシ等。蝶/モンキチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミ(写真上右)、テングチョウ、ルリタテハ、キタテハ。昆虫/コガタルリハムシ、イタドリハムシ、ナナホシテントウ(写真上左)、ビロードツリアブ、ハナアブ等。鳥/ツグミ、ウグイス、アオサギ等。キノコ/ヒイロタケ、トガリアミガサタケ等。
3月26日、横浜市港北区新吉田町
今日は小山田緑地まで行って、ミヤマセセリとコツバメが飛び始めたかと偵察に行くつもりであったが、多分、来週末にならないとお目にかかれないと思って止めにした。掃除とか草むしりとかのアパート管理の仕事をかなりサボっていたが、大風が吹くと必ず様々なゴミが飛んで来るのだから始末が悪い。晩秋に草むしりを徹底してやったから冬の間は大丈夫であったが、もうかなり草が伸びている。草むしりをしていると、なんと雑草の生命力は強いのかと驚きを持つ。アパートの周りに生える雑草は、セイヨウタンポポ、ノゲシ、ブタクサ、セイタカアワダチソウ、ハハコグサ、チチコグサモドキ、ホトケノザ、ドクダミ、オオバコ、エノコログサ、チカラシバ等で、道端の雑草となんら変わりは無い。これらの雑草もフィールドの道端で発見すると写真を撮影したり、この目で愛でたりするのだが、草むしりの対象として接するとなると、「なんてしつこい奴だ君達は」と、お邪魔草となるのである。だからいつも畑の雑草に悩まされている農家の方々は、これらの雑草の花を愛でる気なんて起こることはないであろう。人間関係だって恵比須顔で寄って来れば「愛い奴」だが、自分自身を主張し始めた途端に「生意気な奴」に変わり果てる。まあとんだ横道にそれてしまったが、そんな訳で今日は本当に近場の新吉田町のフィールドへ午前中だけ散策に行った。
昨日より今日はだいぶ暖かだが、雑木林で日陰になる畑地には霜柱が立っている。風も昨日より弱まったとはいえかなり残っている。「もう春だよ、もう春だよ」とフィールドの植物達は明るいいでたちに衣替えを開始しているというのに、やはりこの時期は昼と朝との寒暖の差が激しいようである。冬野菜の栽培が終わって綺麗に耕された畑には、畑の土に残っている様々な種子の芽生えが始まっていて楽しくなる。写真は子葉がかなり分厚く丸いので、マメ科植物ではないかと思うのだが分からない。今後とも自分で種を撒いて、その発芽や芽生えを観察し撮影する事は無いと思うが、ある植物の全てを知りたかったら、そこまで観察しなければ片手落ちである。自分の一番得意とする蝶だって、その卵、幼虫の全ステージ、蛹まで、つぶさに知っている蝶は一種だにないのである。本当に自然を探るって尽きることがないなぁと実感する。
丘の上の植木屋さんの植え溜めに行ってみると赤紫の花が一杯に咲いている木がある。ことによったらアンズかなと近寄ってみるとヒカンザクラである。図鑑を紐解いてみると、我が国では石垣島の荒川という所に自生していて天然記念物に指定されていると言う。こんなことを言ってはヒカンザクラにも石垣島の方々にも怒られてしまうかもしれないが、サクラはやっぱりヒカンザクラのように垂れ下がり完全には開かないものより、ソメイヨシノやオオシマザクラのように一重でぱっと開くものが好きである。そんな訳でヤエザクラもあまり好きになれない。とは言うもののヒカンザクラの根元に立って花を見上げると、豪華絢爛のシャンデリアを見上げているようで眩しくなった。丘の上の植木屋さんの植え溜めには相変わらずウメやツバキやジンチョウゲが咲いていて、トサミズキも黄色い花が長く垂れ下がって咲いている。所々にオオアラセイトウの群落が蔓延って薄紫の花が咲き出している。このオオアラセイトウという花は別名がたくさんあって、ショカツサイ、ハナダイコン、ムラサキハナナ、シキンサイ等と本当に多数にのぼる。どの呼称を選んだら良いかと悩んでしまうが、ハナダイコンは浜辺に咲くハマダイコンと紛らわしいし、中国読みもなんとなく頂けない。やはり紫の花の菜と言う意味のムラサキハナナが一番しっくりするかもしれない。なお、このオオアラセイトウは野生化していて、これから現れるツマキチョウの重要な食草にもなっている。このように花一杯の春爛漫の丘の上から下ってくると、農家の庭先では盆栽の植え替えに精を出している姿が見受けられた。盆栽のみならず樹木の移植植え替えは彼岸前後が一番なのである。さあ私たちも盆栽のように古い根をたち切って、新しい土に新しい根を伸ばそうではないか。言うまでも無く春は希望の季節なのだから。
<今日観察出来たもの>花/ヒカンザクラ(写真上右)、ハナモモ、シデコブシ、コブシ、ハクモクレン、ボケ(写真下左)、トサミズキ、ヒュウガミズキ、ミツマタ、キブシ、ツバキ、ブンゴウメ、サンシュユ、ヒイラギナンテン、ニワトコ、ウグイスカグラ、オオアラセイトウ(写真下右)、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、フキノトウ、ツクシ、ハナニラ、シバザクラ等。蝶/モンシロチョウ。昆虫/コガタルリハムシ、ビロードツリアブ等。鳥/シジュウカラ、アオジ、メジロ、ツグミ、ムクドリ、コサギ等。
3月25日、横浜市戸塚区舞岡公園
今日はとても風が強い日であったが、老若男女が集まって、今年最初の弁当を食べる会のような様相を呈した散策となった。風のために写真撮影が難しいのではないかと思ったのだが、尾根や丘の上は風が強かったものの、意外と谷戸の中は静であった。心配された昆虫もモンシロチョウやベニシジミが現れ、早くもテントウムシに擬態したイタドリハムシがかなりいた。木の花としてはようやくアンズが花開き、ミツマタやキブシは見頃となり、野鳥では何よりもウグイスのさえずりがとても気持ち良かった。いよいよ来週からの舞岡公園は、多彩な花々や昆虫達で一杯になることだろう。詳細は
「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ミツマタ、キブシ、ツバキ、ブンゴウメ(写真上左)、マンサク、サンシュユ、ヒイラギナンテン、ニワトコ、ウグイスカグラ、バッコヤナギ、タチツボスミレ、ムラサキケマン、キランソウ、ヘビイチゴ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、フキノトウ、ツクシ等。蝶/モンシロチョウ、ベニシジミ。昆虫/イタドリハムシ、ナミホシヒラタアブ、ハナアブ、ビロードツリアブ等。鳥/ウグイス、トビ、タシギ、アオゲラ、アカゲラ、アカハラ(写真上右)、ジョウビタキ、シジュウカラ、アオジ、モズ、ツグミ、ムクドリ、コサギ、カルガモ、カワセミ等。
3月24日、横浜市青葉区保木町〜寺家ふるさと村
昨日と一昨日はずっと雨が降っていたから、幸いなことに睡眠をたっぷりとって仕事も充分に片付けられたのだが、シャッターボタンを押す右手の人差し指にストレスが溜まってしまった。明日は舞岡公園へ行く約束をしてしまったので、今日出かけると日曜日までの4連荘となるなあとも思ったが、ストレスを溜め込んだ右手の人差し指の健康のために、ほんの少し写真撮影に出かけた。今年はとても寒くて春の進行が遅れているが、もう春分を過ぎたのだからハナモモの花が咲いているだろうと保木町の丘の上のハナモモ畑へ行ってみた。しかし、到着してみるとハナモモの花は咲き始めたばかりで、いつもの華やいだ雰囲気とは異なって寂しい限りである。それでも日当たりの良い場所のものは開花が早くて、なんとかハナモモの花を撮影出来た。ここのハナモモ畑には花の色が白いものや赤いものも少し混ざって植栽されているが、何と言ってもモモはピンクのものが一番である。誰だって桃色とは桃の花の色、すなわちピンクと思うからである。立春を過ぎてからウメ、モモ、サクラの順に花開くが、一面に咲くモモの名所は甲府盆地でも行かなければ見られないから、モモの華やいだ美しさを知る人は少ないかもしれない。しかし、ウメとサクラの間にモモが咲いてこそ、サクラがより美しく感じられるのではなかろうか。
そんな訳で期待したハナモモは後一週間程先が満開で、きっと例年とは異なってすぐにサクラにバトンタッチがされるか、あるいは同時に咲き誇る様が見られそうである。ここ保木町の生産緑地周辺は、ハナモモ以外にも様々な花木が植栽されていて、ハナモモが期待外れだったので他の花木に望みを繋いだのだが、ハクモクレン、ネコヤナギ、トサミズキ、ヒュウガミズキはやっと咲き始めたばかりで、これをみても今年の春の訪れが、いかに遅れてているかが分かった。そりならば民家の垣根から道路に垂れ下がるオウバイでも撮影しようかとも思ったのだが、こちらの方はすでに順調に見頃を過ぎていた。それでも気分爽やかな丘の上を散策していると、小さなお墓の周りにヒサカキで生垣が設えてあって、そのヒサカキが可愛らしい純白の花をつけていた。ヒサカキと言ったら里山管理で林床を暗くし、山野草の生育に悪影響と目の敵にされる樹木であるが、この可憐な花を見ると根こそぎ伐採するのが可愛そうになった。ヒサカキと良く似たハマヒサカキという木が公園などに植栽されているが、こちらは晩秋に花が咲き、ヒサカキは春に花が咲くのだから、同じような木であっても確かに別種であると納得した。
午後からはイトヒキミジンアリタケを撮影に寺家ふるさと村へ行った。どういう訳かは知らないが、冬虫夏草にのめり込んでしまった寺家の主的存在のNさんが見つけ出したものである。Nさんによると冬虫夏草もキノコの仲間ではあるが、なんとキノコとは異なってその根元には昆虫が必ずくっついているから、グリコのおまけのように二度楽しめるのだと言う。「昆虫が大好きな花虫さんだったら、この気持ち分かるでしょう」と彼は言うのだが、言うなれば冬虫夏草は、私の大好きな昆虫に取り付いて昆虫を死に至らしめて、胞子を飛ばすための小さなキノコを生やすという昆虫にとっては病原体のようなものなのである。我々人間には幸いな事にこのような冬虫夏草は生えなくて良かったとは思うが、水虫やガンジタ等は言うなれば冬虫夏草のお仲間なのではなかろうか。まあ、冬虫夏草は昆虫大好き人間には憎き存在なのだが、私はのめり込むつもりは毛頭ないものの、Nさんの言うとおり他のキノコには無い何とも言い難い魅力ある存在である事も確かである。そんな訳でお世辞にも美麗とは言えない、アリの頭部から生えたイトヒキミジンアリタケを薮の中で撮影した。
<今日観察出来たもの>花/ハナモモ(写真上左)、ヒサカキ(写真下左)、キブシ、ハクモクレン、トサミズキ、ヒュウガミズキ(写真上右)、ミツマタ、サンシュユ、ツバキ、ジンチョウゲ、ウメ、ウグイスカグラ、ネコヤナギ、ユキヤナギ、オウバイ、タチツボスミレ、オオアラセイトウ、ナノハナ、ナズナ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ハコベ、フキノトウ、ツクシ等。昆虫/チャバネアオカメムシ。鳥/ツグミ、ウグイス、カワラヒワ、スズメ等。キノコ/イトヒキミジンアリタケ(写真下右)等。
3月21日、東京都町田市小野路町、図師町
朝の内こそ風が強かったが次第に治まって、本当に暖かい日和となった。牧場周辺の草原には多数のモンキチョウが飛び、ベニシジミも一頭観察出来た。こんな暖かさにつられてか「森のきのこさん」や「ほしみすぢさん」にも出合った。久しぶりに神明谷戸へ行くと、ルリタテハが二頭追いかけごっこをしていたり、アカタテハもやって来た。いよいよ来週はミヤマセセリが見られるかもしれない。詳細は
「小野路図師紀行」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/キブシ、モモ、サンシュユ、ツバキ、ジンチョウゲ、ウメ、ウグイスカグラ、タチツボスミレ、オオアラセイトウ、ナノハナ、ナズナ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ(写真上右)、ヒメオドリコソウ、ハコベ、フキノトウ、ネコヤナギ(写真上左)等。蝶/モンキチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミ、テングチョウ、ルリタテハ、アカタテハ。昆虫/コガタルリハムシ、タテジマカミキリ、ハナアブ等。鳥/ツグミ、モズ、ジョウビタキ、ムクドリ、ウグイス、カシラダカ等。キノコ/トガリアミガサタケ等。
3月20日、神奈川県川崎市麻生区黒川〜薬師池公園
今日は気温が高くて晴れの筈であったのが、朝起きると曇っている。それでも気温は低くないから、久しぶりに川崎市の黒川へ行った。晴れていれば越冬していた各種タテハチョウやベニシジミ等が見られると思ったのだが曇り空では現れそうも無い。最近、花や植物ばかりを撮っていたような気がするので、今日は久しぶりの黒川で、チョウはもちろんのことヒラタアブの仲間やコガタルリハムシ等を撮ろうと期待していたのだ。ラジオをつけると東名高速をはじめ幹線道路は、お彼岸のお墓参りの車で渋滞していると言う。道理で今日は日曜日だというのにかなり道が混んでいるなあと思ったが、黒川には左程の時間のロスもなくスムーズに到着した。前回来たのはいつだったかはもう忘れてしまったが、その時は美しい雑木林は山掃除がされていなくて、今年はこのままなのかしら、このままだと各種の野の花が咲いてくれないなと危惧していたが、有り難いことに例年のように綺麗に山掃除がなされていた。まだ時期が早いからニオイタチツボスミレ、ミツバツチグリ、クサボケ等は咲いていないが、ジュウニヒトエが芽を出して葉を開き、縮こまった小さな丸い花穂が見える。この分では今年も黒川詣でがかなり頻繁に続けられるなとほくそ笑む。
美しい雑木林の中でなにか一つ位写真を撮ろうと思ったが、空がどんよりとしているから山掃除された雑木林を撮っても面白くない。そこで皮がぱっくりと開いて中の栄養たっぷりの赤い子葉が露出した芽生え始めたコナラを撮影した。
美しい雑木林を後にして農道に出て路傍の草むらに目をやりながら散策すれども、昆虫はナナホシテントウが眠っているくらいで何もいない。ナナホシテントウでも良いのだが、触覚をしっかりとたたんで眠っていては生き生きとした命を表現出来ない。どうやら今日も毎度御馴染みのヒメオドリコソウやホトケノザ等の路傍の花で誤魔化すことにになるのかなと思ったら、民家の花壇に、ハナニラ、オオアラセイトウ、ラッパスイセン、シバザクラ、それになんとスノーフレークまで咲いていた。何も撮れない時の転ばぬ先の杖とばかりに撮影すると、余裕綽々となって、日当たりの良い雑木林の斜面にカキドオシ、クサボケ、キランソウ、タチツボスミレを見つけた。また、畑にはコマツナの花がすっと延びて美しく咲いていた。いよいよ黒川のフィールドも春が一杯になっているなあと心も軽く歩いていると、子供連れの一団が農道脇にしゃがみこんでいる。近づいてなにをやっているのかと注視して
みると、おばあちゃんらしいご婦人が、お孫さんの耳元でナズナの花穂をくるくる回している。「ぺんぺんと音がするでしょう、だからこの草はペンペングサなのよ」と教えている。おばあちゃんの手にあるナズナの花穂の種の柄の付根の部分は、もちろんちゃんと茎から1センチ位引っ張ってはがされている。「こうやらないとぺんぺんと音がしないのよと」お孫さんにも年若い母親にも教えいている。もちろん「違うよ、これはペンペングサでなくてナズナですよ」と、喉元まで込み上げて来た言葉を口に出すことはなかった。
午後からは午前中に各種の花や植物も撮ったから、今日は昆虫はお出ましにならないから野鳥を撮ろうと薬師池公園へ行った。途中、車のラジオからは玄界灘沖で大地震が発生して、博多では震度6だと放送されている。しかし、地震による火災や津波等も無く、今のところ死亡者も無いとの事でほっとした。さぞかし下関にいる知人や小野田市の花なばさんはびっくりしたことだろうと、電話を何べんもしてみたのだが通じない。後で分かったことだが、福岡県等には全国各地から安否を問う電話が殺到したようで、とても通じにくくなっていたようなのだ。薬師池公園は梅が満開だからかなりの人出で、そのためかお別れの挨拶に来たと言うのに人馴れしたジョウ君の姿は無かった。一言「無事に海を渡ってね、また、来年薬師池公園に来てね」と告げたかったのだけれど、その思いは果たせなかった。しかし、ルリビタキの雄、ヤマガラ、シメ、アオジ等に出会って満足の後の帰宅となった。明日は晴れて気温が上がるというから、明日こそ蝶よ虫よの一日となるに違いない。
<今日観察出来たもの>花/ボケ、アセビ、トサミズキ、ツバキ、ブンゴウメ、ウメ、マンサク、ミツマタ、サンシュユ、キブシ、ウグイスカグラ、カキドオシ、タチツボスミレ、キランソウ(写真下右)、クサボケ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、セイヨウタンポポ、オオアラセイトウ、ハナニラ、フキノトウ、ツクシ、ビオラ、スイセン(写真下左)、シバザクラ、スノーフレーク(写真上右)等。昆虫/コガタルリハムシ、ナナホシテントウ等。鳥/ルリビタキ、シメ、ヤマガラ、シジュウカラ(写真上左)、メジロ、アオジ、ツグミ、ムクドリ、ヒヨドリ、カルガモ、カイツブリ等。その他/コナラの芽生え(写真中右)、ジュウニヒトエの芽生え(写真中右)等。
3月19日、横浜市緑区新治市民の森〜三保市民の森
今朝はまだ冬型の気圧配置が残っているらしく北風が強い。しかし、気温は高いのでなんとなくおかしいなとも思ったのだが、上空には暖かい春の大気が一杯なのだろう。今日から3日連休である。何処へ行こうかと考えあぐねていたが、初日は近場へ行こうと、久しぶりに新治市民の森から三保市民の森へ行った。いつも車を路上駐車するあたりに、たくさん植栽されているユキヤナギがちらほら咲き始めている。モモの蕾ははじけ、ソメイヨシノの芽もだいぶ大きく膨らみ始めた。日当たりの良い畑の斜面は路傍の野の花々で一杯で、眠たそうにナナホシテントウが日向ぼっこをしているかと思うと、ナミホシヒラタアブが甘い蜜を求めて飛び回っている。いつものように谷戸奥に向かって左手の道を登って行くと、小さな墓地の脇にシキミが咲き出しているのが目に止った。シキミはもちろん野生の樹木だが、植物体全てが有毒で特にその実は猛毒だから、悪霊を退散させるために寺社や墓地の傍らに植えられるのだろう。図鑑によるとその名の由来は「悪しき実」から来ているのだとある。いずれにしても早春に花咲くモクレンの仲間に近い常緑の広葉樹である。
丘の上の畑に登って行くと、チンゲンサイやコマツナの花が咲いている。しかし、もう冬野菜の季節は終わったのだろう、耕運機がうなりを上げて畑の土を掘り返している。少し高くなった路傍にはセイヨウタンポポが咲いていて、雲一つない青空に浮かんでとても美しい。ここでヒバリでも鳴けば尚一層春がやって来たという風情が増すのだが、へたくそに囀るウグイスの囀りに笑ってしまう。まだそれほど気温が上がらないのか、それとも風が強いからか、期待したモンシロチョウやキタテハ等の蝶は現れない。冬鳥もだいぶ帰ったようで、ジョウビタキ、ツグミ、シロハラが見られる位である。路傍の花はもうたくさん撮影しているので、何か目新しいものはないかと目を光らせるのだが、これと言ったものにはお目にかかれない。時計を見ると昼までにはまだだいぶ時間があるので、谷戸奥まで行ってみることにした。すると左程のものは無かったが、小さな水溜りからヒキガエルの鳴く声が聞こえて来た。今年は例年に比べるとだいぶ遅れたようだが、やっとヒキガエルの恋の季節が到来した様である。
谷戸奥のハンノキ林に行くと、遠く東京の神田から来たという野鳥撮影カメラマンが二人陣取っている。
「何か出ましたか」と聞くと、「今日は駄目だね」との事であった。聞くところによると今日の狙いはアオゲラとの事で、囀りも木をつつく音もしないと言う。そこでカワセミがいるから、もう撮り飽きたけれども狙っているのだと言う。新治市民の森は自然度がとても深そうだが、これまで野鳥の写真撮影をしている方に出会ったことが無い。私も野鳥撮影用機材で一回りしてみたが、野鳥の出が少ないばかりか近づく事が難しいフィールドであった。「何処の公園へ行っても野鳥がとても少なくなったので来てみたんです」との事である。その方々の足繁く通うフィールドはあの有名な埼玉県浦和の「秋が瀬」ということなので、「今年はレンジャク類は来ましたか」と聞いてみると、「まだ来ていない」との事で、町田市の妙福寺にも来ていないようだから、今年はレンジャク類が関東地方の平地に来ない年なのだろうか。そんな訳で午後からは野鳥撮影との意気込みはすっかりそがれ、三保市民の森をぶらついてムラサキシジミを撮影したのみとなった。今日は花粉が異常に多く飛んでるようで、花粉症ではないはずの私も目がゴロゴロ、喉はなんとなくいがらっぽいし、頭はお世辞にもクリアーとは言えないので、明日明後日の事を考えて早々とフィールドを後にした。
<今日観察出来たもの>花/シキミ(写真下右)、ユキヤナギ、モモ、トサミズキ、ツバキ、ブンゴウメ、ウメ、マンサク、ミツマタ、サンシュユ、キブシ、ニワトコ、ウグイスカグラ、イヌコリヤナギ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ(写真上右)、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、セイヨウタンポポ(写真上左)、オオアラセイトウ、ハナニラ、フキノトウ、ツクシ等。蝶/ルリタテハ、モンシロチョウ、キチョウ、ムラサキシジミ(写真中左)。昆虫/コガタルリハムシ、ナナホシテントウ、ナミホシヒラタアブ(写真中右)等。鳥/ジョウビタキ、シジュウカラ、エナガ、アオジ、ホオジロ、シロハラ、ツグミ、ムクドリ、カワセミ等。その他/ヒキガエル(写真下左)。
3月16日、東京都渋谷区代々木公園
今日は渋谷に仕事の用がほんの少しあったので、渋谷から一番近い代々木公園へ行ってみた。東京23区内道端自然観察館は、一応月に2回のペースのつもりだから、今日あたり行っておかないとまずいとも思ったのだ。まだ昆虫はお出ましになっていないし、今まで各所で撮影している花のオンパレードとなり、これと言った特筆すべきものには出会えないとも思ったが、気温は非常に高くて春爛漫の散策となった。詳細は
「東京23区内道端自然観察館」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ミツマタ、サンシュユ、ウメ、ヤブツバキ(写真上左)、サツキ、クサイチゴ、アセビ、サクラの一種、ジンチョウゲ、ホトケノザ(写真上右)、ナズナ、タネツケバナ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、クリスマスローズ、アイリス、クロッカス等。鳥/ツグミ、シロハラ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ハシブトガラス等。昆虫/クマバチ、ヒラタアブの仲間等。キノコ/ツバキキンカクチャワンタケ等。その他/アジサイの芽吹き、マユミの芽吹き、ヤツデの実等。
3月15日、横浜市戸塚区舞岡公園
今日はモンシロチョウやベニシジミ等の蝶が飛んでいないか、トガリアミガサタケが生えていないか、そして冬鳥の最後の撮影だとばかりに期待したのですが、冬に逆戻りしたような低温で曇天、一本もイチョウやカツラの木は無く、冬鳥もだいぶ旅立ったようで期待は見事に裏切られてしまいました。しかし、ブンゴウメは勿論のことキブシやミツマタも咲き始め、フデリンドウには小さな蕾が見られ、各種の花はますます賑やかさを増し、暖かい春分の日をお待ちかねでした。詳細は
「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ツバキ、ブンゴウメ、ウメ、マンサク
(写真上左)、アカバナマンサク、ミツマタ、サンシュユ、ヒイラギナンテン、キブシ、ニワトコ、ウグイスカグラ
(写真上右)、イヌコリヤナギ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、フキノトウ、ツクシ、クロッカス、フクジュソウ等。鳥/アオゲラ、ジョウビタキ、シジュウカラ、エナガ、アオジ、モズ、シロハラ、ツグミ、ムクドリ、コサギ、カルガモ、カワセミ等。
3月13日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園〜葛が谷公園
今日は茅ヶ崎公園自然生態園に於いて午後3時から集会があるので、時間のロスを最小限とするために港北ニュータウン公園巡りとした。昨日はとても暖かだったが、今日は冬に逆戻りである。しかし、天気が良かったのでなんとか寒さをしのぐことが出来た。今日は前回と異なって各種の花を求めて散策したが、ツバキキンカクチャワンタケが散策路に植栽されたツバキの根元にたくさん生えていた。また、撮影は出来なかったがルリビタキ、ジョウビタキも現れてくれた。詳細は
「ささぶねに揺られて」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ジンチョウゲ、トサミズキ、ウメ、ツバキ、ボケ、サンシュユ、アセビ、フキノトウ、ウグイスカグラ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、ラッパスイセン等。昆虫/イボタロウカイガラムシ(写真上右)。鳥/ジョウビタキ、ルリビタキ、シジュウカラ、ツグミ、ムクドリ、アオジ等。キノコ/ツバキキンカクチャワンタケ(写真上左)、エノキタケ、ツチグリ、アラゲキクラゲ等。
3月12日、東京都町田市小野路町
今日の午前中は本当に暖かい日和だった。天気予報によると18度と予想されていたので、おそらくそのくらいの気温になっていたのだろう。牧場付近の草原にはモンキチョウが4頭も見られ、やって来た暖かい春を歓迎してペアで踊りを踊っていた。また、実を取る為の梅林はやっと満開となって、青空と対比してとても眩しく感じられた。しかし、午後に入るとどんよりと曇り始め気温もぐんぐん低くなり風も強くなった。春の気候とは、そんな変化が激しいのも特徴なのだと言われている。詳細は
「小野路図師紀行」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/サンシュユ、ツバキ、ジンチョウゲ、ウメ、ウグイスカグラ、タチツボスミレ(写真上左)、オオアラセイトウ、ナノハナ、ナズナ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ハコベ、フキノトウ、ネコヤナギ等。蝶/モンキチョウ。昆虫/コガタルリハムシ、タテジマカミキリ、ハナアブ等。鳥/ツグミ、モズ、ジョウビタキ、ムクドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、ウグイス、カシラダカ、ホオジロ等。キノコ/トガリアミガサタケ、エノキタケ、ヒイロタケ、アラゲキクラゲ、タマキクラゲ等。その他/ヤブカンゾウの芽(写真上右)等。
3月10日、神奈川県相模原市相模原公園〜道保川公園
使用してないカメラやレンズを神田のカメラのキムラで委託処分して、念願のペンタックスistDsを手に入れた。持っているMFシグマ24oマクロをどうしても使いたかった事と、これにプラスしてフイルムカメラであるMZ‐3を併用しても、とっても軽い機材となるのである。勿論、他にタムロンAF90oマクロとタムロンAF28〜200oズームを持って行くが、それでもスタコラサッサと歩き回れる軽さなのである。野鳥撮影を抜かして、いよいよこれからの今年一年はこのスタイルで散策が出来る。小野路、図師等の多摩丘陵よ待っててねと言う訳なのだ。そんな訳で取り扱い説明書を熟読し自分流のセッテイングをしたから、どうしても試し撮りがしたくなったのだ。そのためには赤、青、黄、緑等、パステルカラーのものを撮るのが一番だと、このHPの掲示板に度々ご投稿下さるぶんちゃんの縄張りである相模原公園まで出張してみた。去年の観察記で詳しく書いてあると思うが、相模原公園は入園料無料、平日なら駐車場も無料、しかも時期になれば数ある神奈川県ならびに東京都の公園の中で群を抜いて素晴らしいピカ一の花園なのである。もっとも今日は春が始まったばかりだから花の種類は少なく、また、寒さや降雪によって花びら等が痛んでいるものが多かったが、それでも試し撮りする位には咲いていた。
駐車場に車を停めて園内に入る前に、地元の方々によってプランターに様々な季節の花が植えられている。ここが意外や意外、良い写真が撮れる格好の場所で、プランターに植栽されていたってタムロンAF90oマクロレンズを着ければ、istDsなら1.5倍まで、MZ‐3なら1倍まで撮れるから、あまり絞りを絞り込まずに写せば、各種の花をファンタスチィックに撮影出来るのである。今日咲いていた花は、プリムラポリアンサ、ノースポール、パンジー、ビオラ、デージー、カレンデュラとハボタンであった。これまた去年も観察記で書いてると思うが、私が一番好きな春の花であるビオラは、たくさんあったにはあったものの、痛んでいたりして残念ながら良い写真は撮れなかった。やはりビオラは3月下旬にならなければ美しく咲き誇る事はないようである。一通り試し撮りをした後、今の時期の相模原公園の最大の見物である数え切れない程咲いているクロッカスを撮りに行った。確か2年前、クロッカスを写しに来た時、30人程の野鳥ファンが大砲のようなレンズを構えて、ヤツガシラと言う珍鳥を狙っていた。この時、ぶんちゃんは、仕事を休んで毎日ヤツガシラを見に来ていたというのだから、きっとその中にいたのだろう。そんな一群に対して白い目で見ていたこの花虫とおるであるが、その後、野鳥撮影にのめり込んだのだから世の中とても面白い。
午後からは、ここまで来たのだからとこれまたぶんちゃんのテリトリーである道保川公園へ行った。面積的には狭いものの水清き美しい公園で、じっくりと野鳥撮影に専念したかったからだ。しかし、ルリビタキはもう旅立ったのか不在で、トラツグミは猫に食べられたと言う事で今年は現れる事は無かったと言う。トラちゃん、ルリちゃんがいないととてもしまらない。あの松竹映画「男はつらいよ」の主人公は車寅次郎ことトラちゃんで、リリーと言う名の浅丘ルリ子と共演した作品が一番面白かった。やっぱりトラちゃん、ルリちゃんが揃った「男はつらいよ」はその魅力が格段に増す。道保川公園もトラちゃん、ルリちゃんが揃い踏みでこそ素晴らしいのだ。そんな訳で、ツグミ、シロハラ、ヒヨドリ、シジュウカラ、アオジ、メジロ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、コサギ等の常連さんだけではつまらない。しかし、ジョウビタキの女の子が道保川公園でも人馴れしていて、盛んにポーズをとってくれるので、トラちゃんの妹のサクラちゃんだよねとばかりに撮影した。お兄さんがいなくても、しっかり柴又ではなくて道保川公園で生活している姿は、まことに涙、感動の健気な姿であった。
<今日観察出来たもの>花/サンシュユ、マンサク、ウメ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ウグイスカグラ、プリムラポリアンサ、プリムラマラコイデス、ノースポール(写真下左)、パンジー、ビオラ、デージー、カレンデュラ、ラッパスイセン、クロッカス(写真下右)、クリスマスローズ、ハボタン等。鳥/ツグミ、シロハラ、ヒヨドリ、シジュウカラ、アオジ、メジロ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、コサギ、ジョウビタキ(写真上右)等。その他/りりちゃん橋のりりちゃん(写真上左)等。
3月8日、横浜市戸塚区舞岡公園
今日は本当に暖かい日でした。スキー帽を普通の帽子に代え、トックリのセーターとラクダの股引は即座に脱ぎすてて散策しました。こんな暖かい陽気だから、今年初めてモンシロチョウを観察しました。また、越冬していたキタテハもたくさん飛び出し、春が本番と言った感じでした。しかし、野鳥の姿はすっかり少なくなって、そろそろ冬鳥が旅立ち始めたのかもしれません。雑木林の日溜りにはタチツボスミレが一輪咲いていました。後一週間位すれば、舞岡公園に春爛漫の光景が随所で見られる事でしょう。詳細は
「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/アセビ、ウメ、マンサク、アカバナマンサク、ウグイスカグラ、イヌコリヤナギ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ(写真上右)、フキノトウ、クロッカス、フクジュソウ、ブロッコリー(写真上左)、アブラナ等。蝶/モンシロチョウ、キタテハ。昆虫/セイヨウミツバチ。鳥/アオゲラ、ジョウビタキ、エナガ、アオジ、モズ、シロハラ、ツグミ、ムクドリ、コサギ、カルガモ、カワセミ、スズメ等。キノコ/エノキタケ等。
3月6日、東京都町田市小野路町
天気予報は見事に外れて、晴れこそしなかったが、雪や霙が降る事はなかった。そこで少し寒そうだが小野路町、図師町へぶらりと行ってみることにした。今日の特筆事項は何と言ってもタヌキだろう。いつもモズに近づくと逃げられていたので、森のきのこさん流に竹薮に入ってモズを待っていたら、モズは近寄っては来なかったがタヌキが現れ、農道をこちらの方へすたすた歩いて来る。これは絶好のチャンスと焦ってしまい、少しぶれたピントの甘い写真となってしまったのは残念である。詳細は
「小野路図師紀行」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ウメ、オオアラセイトウ、ナノハナ、ナズナ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ハコベ、ウグイスカグラ等。鳥/イカル、ツグミ、モズ、ジョウビタキ、ルリビタキ、ムクドリ、シジュウカラ、カシラダカ、ホオジロ、ハクセキレイ、キジバト、コサギ(写真上左)等。キノコ/スエヒロタケ、ツチグリ、エゴノキタケ、チャカイガラタケ、ヒイロタケ、タマキクラゲ等。その他/タヌキ(写真上右)、ヤマコウバシの枯葉、ヤマコウバシの冬芽、クラウンゴール等。
3月5日、横浜市港北区新吉田町〜茅ヶ崎公園
昨日、お昼頃まで雪が降った。新聞によると3月としては1995年以来の大雪であると書いてある。横浜市港北区は海に近いから、積もった雪も昨日の午後にはほとんど溶けてなくなったが、町田市等の多摩丘陵ではかなり残っていることだろう。雪景色や雪を題材として様々なものを撮影するのには絶好だが、このところの体調不良のための元気の無さと、もう3月に入ったのだから雪=冬はパスという思いもあって、雪がほとんど無いと思われる自宅から至近の新吉田町へ行った。それでも朝の内は日陰になった北斜面などには雪が薄っすら残っていた。風も午前中はかなりあって、積もった雪の上を通って来るのだからとても冷たい。しかし、お昼近くになると穏やかなぽぽかとした3月ならではの陽気となった。朝の内はもちろん雪の中から顔を出している様々な路傍の花、雪の上に落果したツバキや紅梅等の風情溢れる光景も見られたが、3月という事もあって心うきうきするものを探し求めた。まず最初にジンチョウゲがたくさん植栽されている植木屋さんの丘の上の畑に行ってみると、開花しているものもあったが写真のように蕾のものが多かった。もっとも降雪と低温で開いていたものが閉じてしまったのかもしれない。植木屋さんの畑に
ある小道には変梃りんな格好のハタケチャダイゴケというキノコがいつも見られるが、雪の中から顔を出したものなら面白いと探してみたものの、既に地面の雪はほとんど溶けていて、おまけに中の黒い種子のような粒もほとんど飛び散っていた。次第に空が暖かい青空に変わったので、微笑顔のキウイの葉痕を青空に抜いて写すのも春らしいと思ったものの、伸び放題だった枝は綺麗に選定されていた。生命力の強い植物であるから、秋にはまた伸び放題の姿となっている事だろう。
木へんに春で椿だからツバキもそろそろ見頃ではないかと思ったが、ヤブツバキに近い園芸品種のものだけ午前中の太陽に輝いて咲いていた。ツバキは茶花としても有名なように侘び寂びの世界が似合い、コントラストの激しい写真では趣が無い、曇り日にしっとりと撮影したものこそふさわしい。そこで午後から行った茅ヶ崎公園で帰り際に曇って来たので、今こそチャンスとばかりに木漏れ日による玉ボケを入れて撮影した。次に丘の上の植え溜にあるシナマンサクはどうなったかと見に行くと、すでに生き生きとした風情は無くなっていた。ここはとても日当たりが良い場所なので、またまだ日陰にあるものや多摩丘陵あた
りでは、今が見頃なのではなかろうか。ウメも白梅、紅梅、豊後系など様々な品種が咲き誇っているが、梅は2月の花で3月の花ではないと通り過ぎる。もっとも町田市の薬師池公園は多摩丘陵の一角で、しかも谷戸地形だから、きっと今頃が一番の見頃、撮影し頃であるに違いない。丘の上から農家が点在するあたりに降りてくると、相当前から咲いていたオウバイが満開である。バックに黄色い花を暈して散らすととても賑やかとなって、咲き始めの寒々とした中の風情とは随分異なるのでシャッターを切った。畑の縁にはナズナ、ホトケノザが急激に背が伸びたようで、トウダイグサも徐々に地面に占める割合を広げている。ことによったらもうネコヤナギが咲いているのではないかと思ったが、まるまると太った真っ白の綿毛の蕾が青空の中に存在感溢れて浮かんでいた。この他、竹林脇の日溜りにはオオアラセイトウ、ハナニラがほんの少しだが花開いているものの、昨日の降雪で花弁が汚れているのが残念あった。また、栗林の下のフキノトウは前回来た時より更に数を増していて、褐色の地面に小さな緑の島々が点在していた。
昼食をすませた後、午後は何処へ行こうかと思案したが、三ツ池公園は今日は駐車場が有料である。また、昨日の雪でエノキタケがたくさん見られるだろう横浜キノコの森へ行くのも気が進まない。もうキノコはトガリアミガサタケ、アミガサタケ、ハルシメジが発生するまでしばらく休憩という感が強い。町田市三輪町妙福寺には、今年はまだヒレンジャク、キレンジャクがやって来てないようだ。そこで3月3日に歩いたばかりの茅ヶ崎公園へ行った。前回来た時にアセビが咲いていたので撮りたいと思っていたのだ。一般撮影用機材でアセビがたくさん咲いていた所まで行く途中、苔むした地面にはツチグリがたくさん生え、枯れたコナラの枝にはタマキクラゲが水を吸って自己主張を繰り返していた。やっぱりキノコ達には水分が何よりのご馳走と言う訳である。無事にアセビを撮り終えると野鳥撮影用機材で一回りしたものの、前回に比べると野鳥の出が悪かったが、自然生態園が開いていたので、ボランティア仲間の蝶が大好きなNさんとしばし談笑した。今日は5日で啓蟄、来週は暖かくなるので、もうすぐ蝶よ花よ鳥よの超忙しいシーズンの幕が上がる。今年はザゼンソウもセツブンソウも見に遠征しなかったし、体調不十分であったものの、だましだまし近場で結構楽しめたなあとほくそ笑み、早々、茅ヶ崎公園を後にした。
<今日観察出来たもの>花/ウメ、ツバキ(写真下左)、ボケ、サンシュユ、アセビ(写真下右)、オウバイ(写真上右)、シナマンサク、ジンチョウゲ(写真上左)、ネコヤナギ(写真中左)、イヌコリヤナギ、オオアラセイトウ、ハナニラ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トウダイグサ、ナズナ、オオイヌノフグリ、フキノトウ等。鳥/カルガモ、カワセミ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ハクセキレイ、キセキレイ、モズ、ツグミ、ムクドリ、スズメ、キジバト等。キノコ/タマキクラゲ
(写真中右)、アラゲキクラゲ、ツチグリ、スエヒロタケ、エゴノキタケ等。
3月3日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園
一昨日、アオゲラを観察しているし、もうそろそろ冬鳥達も旅路の支度をし始めたかもしれないと、午後に時間が出来たので、港北ニュータウンにある茅ヶ崎公園から大原みねみち公園に行って見た。昨日の舞岡公園では鳥の出がすこぶる悪かったから心配されたが、茅ヶ崎公園から大原みねみち公園にかけては、いつもと変わらぬ状況であった。今日の特筆事項はカシラダカに1羽出会えた事だろうか。詳細は
「ささぶねに揺られて」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ウメ、ツバキ、ボケ、サンシュユ、アセビ等。鳥/カルガモ、カワセミ(写真上左)、コゲラ、ジョウビタキ、ルリビタキ、ヤマガラ、シジュウカラ、ハクセキレイ、シメ、モズ(写真上右)、ツグミ、ムクドリ、スズメ、アオジ、カシラダカ、キジバト等。
3月2日、横浜市戸塚区舞岡公園
今日はぽかぽかとした陽気で、まさか金曜、土曜に雪が降ると予想されているのが嘘のような一日でした。特筆事項としてはオジロアシナガゾウムシがモミジの小枝にしがみついていました。あんなに寒かったのに、早くも冬眠から目覚めたのでしょうか?
また野鳥の出は悪かったのですが、帰り際に下倉田のKさんがアカゲラを見つけてくれて、初めてその美しい姿を見ました。しかし、残念ながらぼけぼけの証拠写真しか撮れませんでしてた。こんな時にデジスコなら大きく撮れた事でしょう。でも、久しぶりにアカハラにも出会え、小さくとも鮮明に撮影できました。そんな訳で今日はとっても楽しい一日となりました。詳細は
「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。
<今日観察出来たもの>花/ウメ、マンサク、アカバナマンサク、ウグイスカグラ、イヌコリヤナギ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ(写真上右)、トウダイグサ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、フキノトウ、クロッカス、フクジュソウ等。鳥/アカゲラ、アカハラ、ウグイス、ジョウビタキ、シジュウカラ、アリスイ、アオジ、カシラダカ、コゲラ、モズ、ツグミ、シメ、メジロ、コサギ、カルガモ、カワセミ、スズメ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ。キノコ/エノキタケ、アラゲキクラゲ、カワラタケ等。その他/ニワトコの芽吹き(写真上左)等。
3月1日、横浜市緑区長津田町
今日から弥生、いよいよ3月に入った。2月はとても寒く天候も芳しくなく体調的にもすぐれなかったが、昨日、病院へ行ったら大したことはないとの事で、漢方薬とビタミン剤を何と1ヵ月分も貰った。副作用が無い薬ならばたらふく頂いても安心である。これを普通の薬局で買ったら目が飛び出る程の金額になる筈だが、高い健康保険料を支払っているのだから、たまには保険が適用されて牛丼一杯の値段であるのも当然である。担当医にしかと病名は聞いてないものの、疲れから来るものであるのだろう。今年に入って冬鳥が飛来してから、行け行けどんどんであったから当然の事と言えよう。また、とても上等の防寒服を買ってあるのに、スーパー稲毛屋の1980円のものや、日本橋馬喰町で買った5000円の防寒作業服を愛用していたからかもしれない。戦後の物の無い時代に育った世代は、物をとても大切にするのである。しかし、撮影機材にお金をかけるよりも、もっと服装にお金をかけるべきであると反省しきりの今日この頃である。しかし、いよいよ本格的な春である3月に入ったと、とても心うきうき期待していたのだが、朝起きてみると空は灰色に曇っている。気温はとても低く、おまけに北風も身を切るようにかなりある。これでは今日は安息日であるなと諦めたのだが、午前10時を回る頃から陽の光が窓から入って来た。そこで大急ぎで支度をして、このところしばらく行っていない長津田町
の国道246号の森へ行ってみることにした。
途中、一時間ほど通り道の茅ヶ崎公園へ寄り道した。この枝に止まったらとても絵になるといつも狙いを定めている場所があるのである。今まで止ってくれた野鳥はシメとツグミだけだけど、そのうち超大物が止まるのではないかと期待しているのである。しかし、そんな思惑は見事に外れて、遠くオナガがギャーギャーと騒いでいる。鳴き声は褒められたものではないが、尾が長くてとても上品で優雅なカラスの仲間である。オナガは距離を縮められない野鳥だから私の野鳥用撮影機材では小さくしか撮れないのだが、もしや気のいい奴がいるかもしれないと頑張ったのだが、やはり距離を縮める事は出来なかった。そんなオナガを追い掛け回していたら、赤いベレー帽を被った中型の野鳥が陽に照らされて鮮やかに目に入って来た。アオゲラである。まさか港北ニュータウンの森にアオゲラがいるとは思わなかったが、正真正銘のアオゲラであったので胸がキュンと高鳴った。普通、アオゲラはどんどん木をよじ登って行くから撮影が難しいのだが、かなりじっとしていてくれたので撮影する事が出来たが、残念な事に空は曇っていて、写真としては褒められたものとはならなかった。しかし、これから歳をとったらメインのフィールドと考えている港北ニュータウンの森にアオゲラが生息している事が分かって、とても嬉しくなった。
久しぶりの長津田町の国道246号の森へ到着すると、風も止んで太陽の光が降り注いで来た。やっぱり3月の陽の光はとても暖かい。こんな事なら舞岡公園へ行くべきだったなと後悔したが、戸塚区方面はどうやら雲っている。空を見上げると今日は鶴見川より東京寄りが天気が良いようだ。今日は3月1日、本格的な春への幕が上がった訳だから、キノコや冬芽を登場させるのは不本意で、畑の周りの様々な路傍の花にカメラを向けた。また、各種の園芸品種の樹木を植栽している農家の周りに行くと、ソシンロウバイは終わっていて、サンシュユやボケの蕾が膨らんで、カジイチゴやアジサイの芽からは小さな緑の葉が可愛らしく開いていた。雑木林に入るとモミジイチゴの芽はほころび、もちろんウグイスカグラの花も咲いていた。なんやかんやと言っても季節は正確に時を刻んで、今度暖かい日があったら、モンシロチョウ、モンキチョウ、ベニシジミが羽化して軽やかにナノハナ畑の上を飛び始める事だろう。さあ、身体の具合が悪いなんて言ってられないぞ、春は命あるもの全てに希望を与える季節、きっと花虫とおるもフィールドの隅々まで軽やかに舞う事だろう。
<今日観察出来たもの>花/サンシュユ(写真上右)、ウメ、ウグイスカグラ、ナノハナ、ホトケノザ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ(写真上左)、オオイヌノフグリ、フキノトウ(写真下右)、ニホンスイセン等。鳥/ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、アオゲラ(写真下左)、モズ等。昆虫/ナナホシテントウ。