2005年:つれづれ観察記
(7月)


7月31日、神奈川県川崎市麻生区黒川〜横浜キノコの森

 もうすぐ年に一度の夏休みの長期遠征があるので、疲れた身体を労わって、昨日は土曜日というのに一日中蟄居していた。それはどうやら正解だったようで、昨日は暑さに加えて、異常に湿度が高かった。まったくサウナ風呂に入ったような一日だったのだから、観察に出かけていたら熱中症に罹っていただろう。今日は久しぶりの曇り日とあるので、真ん中の字が異なる熱虫症を癒すために、久しぶりに黒川へ出かけた。黒川は山裾の平坦な道を歩くだけだから、大いに気楽で落ちんなのだ。いつものように一番左の谷戸をまずは詰めてみた。ここの山裾は日陰になっているから、様々な昆虫が羽を休めている筈だと思って期待したのだが、ササキリの赤ちゃん、ヤマトフキバッタ、ベッコウハゴロモ等がいる位で、これと言ったものに出会えなかった。それもそうだろう、曇り日の筈が青空一杯になって真夏の太陽が顔を出してしまったのだから、虫たちも草むらに隠れてしまったのだろう。「今日は別段一枚も良い写真が撮れなくとも良いや、そうしたらこの観察記を書かなければ良いだけだもん」と気楽に歩いて行くと、畑に見慣れぬ花が咲いている。葉を見るとゴボウのようである。ゴボウはアザミの親戚だから似ていてもおかしくはない。どうして一株だけ残してあるのだろう。種子を採取するためだろうか。ゴボウの栽培方法については知識が無いが、初めての出会いに嬉しくなった。
 更に谷戸奥へ行くと丸太が積んである場所が三箇所あるが、タマムシ君が産卵に来ていないかと期待したが、こんなカンカン照りだから他の昆虫も何も来ていなかった。畑にはたくさんの竹の棒が地面に挿してあって、ショウジョウトンボの雌、オオシオカラトンボ、シオカラトンボが止っている。トンボの仲間は暑さには非常に強い。しかし、これらの普通種は撮り飽きていたので、ネキトンボがいないかと引き続き探して見たら、大型のヤンマが止っている。尾端の膨らみからウチワヤンマかタイワンウチワヤンマだろう。しかし、付近に大きな池が無いのにどうしたことだろうと不思議に思いながら近づいてみたら、なんと飛び去ってしまった。これは残念と地団駄踏んでいたら、悠然とオニヤンマが飛んで来た。人間に比べれば極小だが、昆虫のそれぞれの最大種は存在感がとてもある。カブトムシ、シロスジカミキリ、トノサマバッタ、オオムラサキ、ヤママユ等、みんなお辞儀をせずにはいられない。何処かに止ってねと心の中で呟いたら、オニヤンマは最初、マダケの棒に止ろうとしたが、これは少し太すぎるし表面はつるつるだから失敗したが、枯れたアズマネザサの棒に止ってくれた。これなら抱き着くのに手ごろの太さだし、枯れているから表面もザラザラしている。なんとか一カット撮影し、もっと美しくとアングルを変えたら無常にも飛び立ってしまった。それならば持久戦だと日陰に腰を降ろしていたら、背後の草むらにスケバハゴロモがたくさんいたし、律儀にもまたオニヤンマが戻って来て、今度は枯れた細いマダケの小枝の先端に止った。今度はなんとか3回もシャッターを切ることが出来た。「これで今日は万万歳だ! 後は月並みの物でも撮れば良いかな」と余裕綽々で他の谷戸へ回ったが、これと言ったものには出会えなかった。
 午後からはキノコは皆無だろうが、横浜キノコの森まで戻った。それはクヌギの樹液に来ているゴマダラチョウを撮りたいが為だ。しかし、去年は同時期に見られたのに1頭だに見られない。去年に比べて樹液の出もあまり芳しくないようである。それならばキノコとばかりに目を光らせるのだが、写欲の湧かないカワリハツ、テングタケダマシ、ツルタケがほんの少し残っているだけであった。しかし、雑木林の中の涼しい風の吹く日溜まりに、メスグロヒョウモンの雄が飛んでいた。メスグロヒョウモンは他の平地産のヒョウモンチョウと同じように、夏場は雑木林の中で暑さをしのぐのである。そのためか、日溜まりのメスグロヒョウモンの雄は他所に飛んで行く気配も見られず、撮って下さいとばかりに下草の葉に止って羽を開いていた。こんな事もあるもんだなと嬉しくなった。最後にヒグラシがたくさん樹木の幹に止っていたので、ストロボを取り出して日中シンクロにて撮影した。時計を見るとまだ3時であったが、カンカン照りの草原に行く元気も起きず、健康のため今日は早々の帰宅とした。

<今日観察出来たもの>花/ヤマユリ、オオバギボウシ、コマツナギ、ソクズ、ヘクソカズラ、ハエドクソウ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヨウシュヤマゴボウ、ワルナスビ、チダケサシ、イヌゴマ、ガガイモ、セリ、アレチマツヨイグサ、カラスウリ、オモダカ、キバナコスモス(写真上左)、ムクゲ、ゴボウ(写真上右)等。蝶/クロアゲハ、メスグロヒョウモン(写真下左)、ツマグロヒョウモン、キタテハ、ジャノメチョウ、ヒメウラナミジャノメ等。昆虫/コシロシタバ、オニヤンマ(写真中左)、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ヒグラシ(写真中右)、ニイニイゼミ、ヤブキリ、カナブン、スケバハゴロモ(写真下右)、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、ササキリの幼虫等。キノコ/テングタケダマシ、ツルタケ、カワリハツ等。


7月29日、東京都葛飾区都立水元公園

 明日からの週末は曇り日が続き、夏の日の散策日和となるようだが、台風が過ぎ去ってから炎熱地獄が数日続いている。今日も晴れとあるが、7月に入って一度も東京23区内の公園巡りをしていないので、ここで中断とは余りに惜しいし、行くしかないなと覚悟を決めて出かけてみた。もっとも、水辺多き水元公園だから少しは涼しいのではと期待したのだが、大きな運河の岸辺は涼しいものの、そこから離れるとすぐに炎熱地獄がやって来る。そんな訳でなるべく木陰を選んで散策し、おまけに花々も咲いていないので貧果となったが、憧れのチョウトンボをしっかりカメラの中に納める事が出来た。また、ウチワヤンマもたくさんいた。詳細は「東京23区内道端自然観察館」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒルガオ、ワルナスビ、ヘクソカズラ、ケキツネノボタン、アカツメクサ、ヤブカラシ、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、アゲハ、スジグロシロチョウ、ゴマダラチョウ、ヤマトシジミ等。昆虫/ウチワヤンマ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、コシアキトンボ、シオヤアブ(写真上右)、アカスジキンカメムシ(写真上左)、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、アオイラガの幼虫等。その他/エゴノキの実、メタセコイヤの実、コサギ、コゲラ、カワウ等。


7月27日、横浜市戸塚区舞岡公園

 上陸が心配された大型の台風7号は、次第に勢力を弱めながら、房総半島を昨晩かすめるように過ぎ去った。山沿いでの降雨量は相当なものであったが、平地では左程の事はなかった。そこで今日は台風一過の青空、こんな日は気温が高く湿度も高くて炎熱地獄となる事は分っていたが、舞岡公園散策手帖を7月も4回としようと出かけてみた。本来なら7、8月は2回の予定でいたが、前述したようにミヤマクワガタの雌を発見してしまったので、雄も探そうと行く回数が多くなった訳である。8月は夏休みの長期遠征もあるので2回となる予定である。今日の舞岡公園は予想通りの炎熱地獄で、見られる昆虫の数も少なかった。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/キキョウ、アゼムシロ、カワラナデシコ、オニユリ、ミソハギ、イヌゴマ、アキノタムラソウ、ヒルガオ、ツユクサ、アカツメクサ、ネムノキ、シモツケ、ムクゲ、ヒマワリ(写真上左)等。蝶/モンキアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、、アオスジアゲハ、アカボシゴマダラ、キタテハ、コミスジ、モンシロチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、ウラギンシジミ、ベニシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/カブトムシ(写真上右)、クロカナブン、カナブン、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、キマワリ、チャバネアオカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、アカサシガメ、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、アジアイトトンボ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、ツチイナゴ、ササキリの幼虫等。その他/マミジロハエトリ、ナガコガネグモの幼生等。


7月24日、東京都町田市小野路町

 本当に梅雨明けしたのだろうか、今日もとても涼しかった。しかし、午前中は粉か雨が降っていて、天然の雨傘たる雑木林の梢に頭上を覆われた道端に足止めされた。このまま雨が本降りになるのではないかなとの危惧もあったので、見つけたら即撮影と頑張った。それでも様々な昆虫が葉上にいて、特に鬼の顔をしたウシカメムシの幼虫がいて嬉しくなった。また、ササキリの幼虫を正面から綺麗に撮ろうと頑張った。この他、ベッコウハゴロモの幼虫もいたが、既に成虫になっているものも見られた。有り難い事に午後からは雨が止んで、一回りして帰宅の途に着けたのは幸いであった。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヤマユリ、オオバギボウシ、コマツナギ、ヤブカンゾウ、ソクズ、ヘクソカズラ(写真上左)、ハエドクソウ、ミソハギ、アキノタムラソウ、オカトラノオ、ツユクサ、アカツメクサ、シロツメクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヨウシュヤマゴボウ、トマト、ハス、ダリア、ヒマワリ、ルドベキヤ、ヒャクニチソウ、シュウカイドウ等。蝶/アオスジアゲハ、キアゲハ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/コシロシタバ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ヤブキリ、カシルリオトシブミ、ヒメクロオトシブミ、アカガネサルハムシ、カナブン、ナガゴマフカミキリ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、ハサミツノカメムシ(写真上右)、ウシカメムシの幼虫、ササキリの幼虫等。キノコ/タマゴタケ、コガネヤマドリ、カワリハツ、チチタケ、コトヒラシロテングタケ、コテングタケモドキ等。その他/ブルーベリーの実、ブラックベリーの実等。


7月23日、東京都町田市都立小山田緑地

 オオムラサキの発生も終わり、梅雨時のキノコの発生も終わり、何処のフィールドへ行っても同じようなものだが、きんきらきんに光輝くタマムシがいるかもしれないと小山田緑地に出かけてみた。去年は正門前の材木屋さんの丸太に、一目数匹という状況が長らく続いたが、どうやら今年は材木屋さんの丸太が気に入らないらしい。また、ことによったらその発生数が少ないのかもしれない。そこで今日は久しぶりに尾根道からアサザ池の方に歩いて行くことにした。何処かに丸太が積んであるかもしれないし、また、キノコが少しぐらい残っているかもしれないと期待したのだ。しかし、結果は花ではオトギリソウが咲いている位で、昆虫ではニイニイゼミが見られる位であった。もちろん、アサザ池と名付けられている位だから、咲き残ったアサザやコウホネは咲いていたが、距離が遠くて断念する。しかし、このあたりの民家を交えた小道を歩くのはとても好きで、何だか遠い地方へやって来たような気がするのだ。民家の庭先には、ノウゼンカズラ、サルスベリ、スイセンノウ、セイヨウノコギリソウ、クサキョウチクトウ、アルストレメリア等が咲いていて、朗らかな気分になれるからである。
 午前中はそんな訳でほとんどシャッターを切る事のない惨状であったが、気温が低く散策には好適だったから、午後への気力体力は充分に残った。今日は午後も何処へも行かず小山田緑地で過ごし、本園の方を散策することにしていた。散策路を登って行くとまずはヤマユリが咲いていた。ヤマユリはどうして頭を垂れなくてはならないような大きな花をつけるのかと毎年不思議に思うが、「実る程、頭を垂れる稲穂かな」と言う諺があるが、これと同じで「美なる程、頭を垂れる山百合かな」という訳なのであろう。この私もこの歳になって、「知る程に、頭を垂れる道端自然観察かな」という境地に至っているので、ヤマユリの気持ちが良く分かるのである。ヤマユリを無事に撮影すると、トラフカミキリが昨年見られた丘の上の桑の古木を見に行ったが見られなかった。そこで丘の天辺のたくさんあるニセアカシアの大木を見回ると、今年初めてのアブラゼミを発見した。アブラゼミが発生したから、いよいよ夏本番であるが、それにしても今日は本当に涼しい。ここのニセアカシアの木の中に、カミキリムシにやられたらしい幹の各所に穴が開いた弱った木がある。その木の穴からなんと頭だけ出しているヤマトフキバッタを見つけた。何をしているのだろう、ことによったら死んでいるのかなと近づいて見ると、穴に腹部を入れて産卵しているようである。「えっ、もう産卵しているの、ちょっと早過ぎない」と感じた。なにしろヤマトフキバッタは晩秋まで見られるバッタであるからだ。そんな不思議な思いにかられたが、穴から顔を出している姿が面白かったのでシャッターを切った。次にオオムラサキ自生地にある先日オオムラサキを撮影したクヌギの木を見て回ったが、古びたものでさえ見られなかった。決してオオムラサキは死滅してしまった訳ではなく、8月に入ってからも見られるのだが、今日は低温のために活動する気が起きないのだろう。しかし、同所でコナラの幹にじっとしているノコギリカミキリを見つけた。ノコギリカミキリは夕方から活動するので、今はお休み中なのである。その名の由来はもちろんギザギザした触覚から来ていて、指でつかむとキーキーと音を立てる。
 以上、そんな訳で午前中の貧果を徐々に回復するが、決定打がなかなか出ない。そこでオオムラサキ自生地に隣接する草原に下りていったら、羽化したばかりのヒメアカタテハがアカツメクサに吸蜜していた。さすが英名でペインテッドレディー(おめかしした貴婦人)と呼ばれるだけあって、羽を開いた状態はもちろん、閉じた状態でも美しい。しかも、地面や葉の上に止っているのではなくてアカツメクサの花の上だ。これを撮り逃がしたら今日の観察記は地味なものになってしまうと、かなりしつこく頑張ってものにした。また、草原を歩いていると他のアカツメクサの花にマメコガネが止まっている。こちらは花弁を食べるアカツメクサにとっては害虫なのだが、私にとってはラッキーな場面とばかりに驚かさないように撮影した。このマメコガネは驚かすと後ろ足を跳ね上げ、触覚をたたみ、顔を伏せてしまうから生き生きとした表情が失われてしまうのだ。これで何とか午前中の貧果は完全に払拭出来たが、今日はキノコを一枚も撮っていないと思い起こして各所を探し回ったものの、ツルタケが一本だけ生えているのみであった。いよいよ多摩丘陵のキノコちゃんとも秋冷の頃までお別れのようである。

<今日観察出来たもの>花/アサザ、コウホネ、ヤマユリ(写真上左)、アレチマツヨイグサ、オトギリソウ、ヤブカンゾウ、アキノタムラソウ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ヤブカラシ、アカツメクサ、ツユクサ、ルドベキア、スイセンノウ、セイヨウノコギリソウ、クサキョウチクトウ、アルストレメリア、サルスベリ、ノウゼンカズラ、ムクゲ等。蝶/モンキアゲハ、ヒメアカタテハ(写真中左)、キタテハ、ルリタテハ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、ゴイシシジミ、ヤマトシジミ、ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/コシロシタバ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、アブラゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ヤブキリ、トノサマバッタ、ヤマトフキバッタ(写真下左)、ナキイナゴ、ルリボシカミキリ、ゴマフカミキリ、ノコギリカミキリ(写真下右)、キマワリ、カナブン、マメコガネ(写真中右)、トウキョウヒメハンミョウ、シオヤアブ、アミガサハゴロモ、ベッコウハゴロモ等。その他/ツルタケ(写真上右)、ガビチョウカ等。


7月21日、横浜市戸塚区舞岡公園

 梅雨が明けたと報道されているが、今日の舞岡公園は晴れていはいるのだが、とても涼しい日であった。こんな日だからなのだろうか、様々な昆虫がお出ましになって、またしてもとっても楽しい散策の一日となった。午前中にバードウォッチングを中心とした自然観察会が開かれていたが、こちらはそれ程芳しく無かったようである。樹木の葉は完全に夏の濃緑となっているのだから、致し方無い事であろう。また、野の花やキノコも一服状態で、やはり夏の舞岡公園は昆虫天国なのである。特に舞岡公園名物のトラフカミキリは、なんと合計10匹前後も観察出来たのだから素晴らしい限りだ。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/オトギリソウ、キキョウ、アゼムシロ、ヤブカンゾウ、クサレダマ、チダケサシ、ミソハギ、オカトラノオ、イヌゴマ、アキノタムラソウ、ヒルガオ、ツユクサ、アカツメクサ、ネムノキ、アジサイ、シモツケ、コムラサキ、クマヤナギ、アオツヅラフジ等。蝶/モンキアゲハ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、アゲハ、モンシロチョウ、キチョウ、キタテハ、イチモンジチョウ、コミスジ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ミドリシジミ、ヤマトシジミ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/カブトムシ、クロカナブン、カナブン、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、トラフカミキリ、ヒメヒゲナガカミキリ、キマワリ、チャバネアオカメムシ、ハサミツノカメムシ、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ(写真上右)、コロギス(写真上左)、シャチホコガの幼虫等。鳥/ホトトギス、ウグイス等。その他/トリノフンダマシ、ナシの実、カラタチの実等。


7月19日、山梨県甲斐市(仮称)オオムラサキ散歩道





















































 昨晩は露天風呂にゆったりと入って、これ以上に考えられない程に身体の隅々まで洗って垢と汗をすべて流し、かなり早く寝て睡眠を充分にとったから、気力体力ともにこれ以上になく快調である。何だか関東地方は昨日梅雨が明けたと言うことだが、甲府盆地は曇っていて、この時期としてはとても涼しい。今日はオオムラサキ散歩道をゆっくりと歩くだけだから、至って気持ちも楽である。この観察場所を具体的に書こうとも思ったが、知人が「教えない方が良いよ」と言うので、甲斐市オオムラサキ散歩道等という怪しげな名前をつけた。採集家や業者の方々が入ったら荒らされてしまう恐れがあるからである。まあ、一昨日行った横浜キノコの森と同じような理由なのだ。私はいたって気前の良い人間だから、絶好の観察場所を内緒にして独り占めしよう等という魂胆は無いのだけれど、生き物が一生懸命に生活している場所は、ずっと静にそのままにしておいてあげたいのだ。この甲斐市オオムラサキ散歩道へ迷い込んだのは、もうかれこれ15年程も前の事だが、それ以来これといった環境変化も無く、オオムララサキは年々の発生の増減はあるものの、いつもかなりの個体数が見られるのである。石砂山のギフチョウもそうだが、少なくとも私が足腰立つうちは、行けば必ず出会えるという観察場所は実に貴重なのだ。
 いつものように大きな台場クヌギの木陰に車を停めると、格安で手に入れたベルボンの大型自由雲台付き中型カーボン三脚、トキナーの80〜400ミリズーム、サンパックのフラッシュ、それにキャノン20D、ケーブルレリーズという機材を車から取り出した。もちろん日中シンクロ中心の撮影になるから、撮影モードはマニュアルである。小山田緑地でテストを重ねた結果、絞り値はF8〜F10、シャッター速度は1/60秒前後が好結果であった。今日はマムシ君がいるような草むらには入り込まないから、足元はスニーカーで実に快適である。これからの夏場は温室のようになって蒸れてしまう長靴はなるべく避けたいのである。歩き始めるとすぐにオオムラサキが梢をかすめて飛んでいる。この光景は実に清々しく力強くて嬉しくなる。芽吹きの始まった雑木林の地面近くを、軽やかだが弱々しく飛ぶギフチョウと対照的である。歩き始めて100メートルも行かないうちに、樹液に群がるオオムラサキの集団を発見した。今年は本当にオオムラサキの発生がすこぶる良いようである。こんな場所に陣取っていれば、確実に良い写真が撮れるのだ。カナブンやスズメバチによってだけでなく、オオムラサキ同士が喧嘩したり、あるいは他所から飛んで来たりして、クヌギの幹や梢に羽を開いて止る場面に出くわすからだ。今日はそんな良い場所が1キロメートル程の散歩道に3箇所程あった。雨がたくさん降り続いたから樹液の出も順調のようである。
 のんびりと散歩道を最後まで行っては引き返して車に置いてある水を飲み、また、オオムラサキ撮影に挑戦と歩き始める。今日はそんな往復を計4回も繰り返した。もちろん他の蝶や昆虫もたくさんいるのだが、クヌギの樹液酒場のみに目がいっているので、ルリタテハ、キタテハ、カナブン、アオカナブン、ハチモドキハナアブ等が目に入って来る位であった。時期がもう少し後になれば、これらにプラスしてゴマダラチョウ、スミナガシ、コムラサキ等も加わるのだが、今日は残念だがいない。もちろん雑木林の中には多摩丘陵では見られないアイタケ、ドクヤマドリ等のキノコが爆生していて、キノコ好きの方にも最高の場所である。また、オオムラサキ散歩道から少し離れて棚田や溜池に行けば、各種のトンボも飛んでいる。しかし、今日の目的はオオムラサキ、こんなに見られると多摩丘陵のオオムラサキと異なって有り難味はなくなるものの、何回とも無く羽を開いてじっとしている場面に出会えたのだから最高である。涼しい木陰を選んで歩きながら、オオムラサキと対話していたら、あっと言う間に蚊取り線香は燃え尽きた。正味6時間の散策がこれ程短く感じられたのも久しぶりであった。

<今日観察出来たもの>花/ツユクサ、ホタルブクロ、ビロードモウズイカ、ヒマワリ、ヘメロカリス、ルドベキア、ネムノキ、ムクゲ等。蝶/オオムラサキ、ルリタテハ、キタテハ、ウラギンシジミ、キマダラセセリ等。昆虫/カシワマイマイ、タマムシ、カナブン、アオカナブン、キマワリ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、キリギリス等。キノコ/アイタケ、ドクヤマドリ、テングタケ、テングタケダマシ、オキナクサハツ、ヒメカバイロタケ等。
写真/クヌギ酒場に集まったオオムラサキ、オオムラサキの雌、オオムラサキの雄、ルリタテハ、キタテハ、カシワマイマイ、ニイニイゼミ、アオカナブン、ヒメカバイロタケ、種名調べ中、イロガワリ、アイタケ。


7月18日、東京都町田市小野路町・図師町

 今日は夕方に甲府盆地に向け出発する日である。前は丹沢山麓や御殿場や相模湖等のもう少し遠い場所で観察した後に出発したものだが、今年はこのパターンがずっと続いている。今年は小山田緑地にて手ごたえあるオオムラサキの写真を手に入れたし、明日は甲府盆地で思いっきり撮影出来る筈だからと思うのだが、やはり小野路町でもオオムラサキに出会いたい。しかし、残念なことに今日は1頭だに出会う事が出来なかった。気温と湿度が高い一日で、これといった野の花や昆虫にも出会えなかったが、タマゴタケ、シロオニタケ、コガネヤマドリ、アカヤマドリ等の大物のキノコがたくさん生えていた。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヤマユリ、オオバギボウシ、オトギリソウ、コマツナギ、ヤブカンゾウ、ソクズ、ヘクソカズラ、ハエドクソウ、ミソハギ、アキノタムラソウ、オカトラノオ、ツユクサ、アカツメクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヨウシュヤマゴボウ、ハス、ダリア、ヒャクニチソウ等。蝶/アゲハ、クロアゲハ、メスグロヒョウモン、ムラサキシジミ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ダイミョウセセリ等。昆虫/コシロシタバ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ(写真上左)、ショウジョウトンボ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ヤブキリ、カナブン、ベッコウハゴロモの幼虫、ササキリの幼虫、ツユムシの仲間の幼虫(写真上右)等。鳥/キジ、ガビチョウ等。キノコ/タマゴタケ、シロオニタケ、コガネヤマドリ、アカヤマドリ、カワリハツ、チチタケ、コトヒラシロテングタケ、コテングタケモドキ、キヒダタケ等。


7月17日、東京都町田市野津田公園〜横浜キノコの森

 今日は昨日オオムラサキフィーバーで午後に予定していた野津田公園へ行けなかったので、午前中は野津田公園へ行き、午後は梅雨シーズンのキノコの発生終期を迎えている横浜キノコの森が気になったので、両フィールドはかなり離れているのだが行ってみることにした。いつものように駐車場に車を停めて丸太が積んである場所に行ったが、期待していたタマムシはおろかカミキリムシ等一匹も昆虫の姿は見られなかった。同所にはかなり太いクワの木が何本もあるから、トラフカミキリはいないかなと探してみたが駄目だった。ここはお盆を過ぎるとススキの根元にナンバンギセルがたくさん見られるのだが、むしむしする暑さの中で、ススキの中に入ってみる気にはなれなかった。上の原広場を一周して陸上競技場のある方へ行ってみたが、これといった写欲をそそるものは無い。せめて昨日は樹液に集まる昆虫たちばかりを写して、この観察記が地味な色合いになったので、園芸品種の花でも良いから撮りたいと思った。しかし、プランターに植栽されているペチュニアやバラ広場のバラや咲き残っているビョウヤナギでは様にならない。何とか夏の花であるムクゲを撮りたいと思ったが、ピンクの一重で中心が赤いものは絵になるように咲いていなかった。公園の方には怒られそうだが、白の八重なんて風情の無いムクゲは植栽しないで欲しいものだ。
 そんな訳で時間がかなり経ったが一枚も写真が撮れない。そこで今日の野津田公園の目的である2本の樹液滴るクヌギの木を見に行った。野津田公園にもオオムラサキが生息する事を確認したかったのである。しかし、オオムラサキはおろか何の昆虫も見当たらない。今日は日曜日だから、昨日今日と2日連続で子供たちがカブトムシ探しにやって来て、昆虫達はみんな避難したのかもしれない。冬に幼虫探しをするとオオムラサキが見つかると言うから、いつの日にか確認したいものである。そこで湿生植物園に行けば何かしらのものが撮影出来る筈と行ってみると、ミソハギが鮮やかに咲いていた。池にはギンヤンマ、コシアキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボがいたが、戯れ遊んでいて棒にはいっこうに止る気配は無い。「せっかく野津田公園に来たのにミソハギだけ」と溜息が出て、仕方無しに駐車場近くの草原に最後の期待を抱いて行ってみた。目的はもちろん多摩丘陵ではここが確実なる観察場所となるキリギリスだ。キリギリスは地方へ行けばごく普通なのだが、首都圏平地では稀少種である。キリギリスの仲間はたくさんいるが、その本家本元たるキリギリスを観察しなければ片手落ちと思うのである。キリギリスは今年も無事にあちこちで、「チョン、ギース、チョン、ギース」と鳴いている。草原に踏み込んで追い出すが、今日はキリギリスの活動はとても盛んですぐに逃げ去ってしまう。それでもなんべとも無く試みたが、草いきれの暑さに耐え切れずにギブアップしてしまった。「せっかく野津田公園に来たのにミソハギだけ」とまた溜息をつくや否や、草原に黄色いイトトンボが止っているのを発見した。首都圏ではそれこそ10年ぶりかそれ以上のキイトトンボである。もちろん慎重に近づいてなんとかものにする事が出来て、急に顔がほころぶのだから面白い。「今日は野津田公園に来て本当に良かった」となって、意気揚々と横浜キノコの森に向かった。
 横浜キノコの森に到着して雑木林の中に入って行くと、一時の爆生とは程遠いものの、ヤマドリタケモドキ、チチタケ、コトヒラシロテングタケ、オニイグチモドキ等の新顔が顔を出していた。梅雨なのに雨が降らずにキノコがちっとも生えなかった地方もあるらしいが、首都圏平地の梅雨シーズンのキノコの発生は順調だったのではなかろうか。もうすぐ梅雨が明けてキノコの発生は9月の秋の長雨の季節までお別れとなるが、今日はその締めくくりとばかりにしっかりと撮影した。またキノコを探すキノコ目は、マヤランやオオバノトンボソウまで探し出すのだから嬉しくなる。ひとしきりキノコを撮影した後、雑木林に囲まれた草原に行ってみると、オカトラノオは咲き残り、ダイコンソウが咲き始めてた。しかも春の第1化の時は撮りそこなったが、人懐こいコミスジが現れて、思う存分撮影する事が出来た。始めはどうなる事かと思ったものの、終わってみれば万々歳の一日となったと言う訳である。

<今日観察出来たもの>花/マヤラン、オオバノトンボソウ、イヌゴマ、ダイコンソウ(写真上右)、ミソハギ(写真上左)、アキノタムラソウ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ヤブカラシ、アカツメクサ、ルドベキア、ハルシャギク、ノウゼンカズラ、ムクゲ等。蝶/キタテハ、コミスジ(写真中右)、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、ダイミョウセセリ等。昆虫/コシロシタバ、オニヤンマ、ギンヤンマ、コシアキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、キイトトンボ(写真中左)、ヒグラシ、ニイニイゼミ、クルマバツタ、キリギリス、クサキリ、ヤブキリ、キボシカミキリ、カナブン、マメコガネ、センチコガネ、コフキゾウムシ、トウキョウヒメハンミョウ、キマワリ、シオヤアブ、アミガサハゴロモ、ベッコウハゴロモの幼虫、ササキリの幼虫等。キノコ/カワリハツ、チチタケ、ツルタケ、テングタケ、テングタケダマシ、コテングタケモドキ、コトヒラシロテングタケ(写真下右)、オキナクサハツ、ツチカブリ、クリイロイグチ、ヤマドリタケモドキ(写真下左)、キヒダタケ等。


7月16日、東京都町田市都立小山田緑地

 今日は3連休の初日である。いつもの時間に家を出たのだが非常に道路が混んでいて、到着が30分程も遅れてしまった。この3連休を何処のフィールド巡りに当てようかと考えていたが、やはり国蝶オオムラサキが確実に見られる所ということで、初日は都立小山田緑地を選んだ。駐車場に車を停めて石畳の道を登って行くと、クヌギの樹液が滴る大木に「スズメバチが来ていますので、蝶や昆虫の観察の方は注意しましょう。騒いだり近寄ったりすると、刺される場合があります」との立て札が立っていた。オオスズメバチ等のスズメバチの仲間は、樹液に吸汁に来ている場合は刺したりしないが、至近距離に近寄ったり虐めたりしたらどうなるのかは分らない。立て札のように本当に刺すかもしれないが、そんな危険を侵す事をしたことが無いので分らない。充分な距離をとって静に観察していれば安全な事は保障する。子供の頃からの経験もプラスすれば、もう約30年間、毎夏にこんなことをしていて危険な目に遭遇した事が無いのである。しかし、大きくオオムラサキを写そうと90ミリクラスのレンズで近寄るのは、危険というよりもオオムラサキが驚いて飛び立ってしまうこともあるから、やはり200ミリ以上の焦点距離のレンズが必要となる。
 今日は石畳の道には1頭のオオムラサキもいなかったが、いつものオオムラサキ自生地に行ってみると、先客が3人もカメラを構えていた。見ると樹液にオオムラサキが止っている。熱心にカメラを構えている方の中に、見覚えのある方が一人真剣にファィンダーを覗いている。五箇山男さんだ。他の2人は舞岡公園で度々出会うTさん夫妻である。「今日は向こうの木にも2頭来ていますよ」との事で、まさにオオムラサキ観察日和と言う訳である。Tさんはこれで3度目の小山田緑地となる筈で、「もう今年はこれでお終いと前に言ってらっしゃたのに、今日もまた来たんですか」と聞くと、「どうしてもオオムラサキの雌に会いたくなったんでね」という事であった。しかし、後でもう1頭現れてたが、みんな雄ばかりで雌は現れない。それでも合計なんと4頭ものオオムラサキが眼前にいるのだから素晴らしい。五箇山男さんは「もう50カットも撮ってしまいましたよ」と笑顔で言う。このようにみんな和気藹々とおしゃべりしながら、オオムラサキが羽を開くのを待ち続けた。そんな訳でオオムラサキ自生地での時間は瞬く間に過ぎて行った。「今日は弁当を持参していないので、一回りしからご飯を食べて野津田公園へ行きます」と挨拶してその場を離れた。もう2本見たいクヌギの木があったし、キノコの発生具合も気になったのである。
 まず最初にいくらか細いクヌギの木を見に行くと、こちらには、ルリタテハ、クロヒカゲ、ジャノメチョウ、コシロシタバ等の小型の蝶や昆虫が樹液酒場で酩酊していた。「よし今日は樹液酒場の賑わいに的を絞って撮影してやれ」と考え、まずはルリタテハとクロヒカゲとジャノメチヨウをカメラに納めた。すると普通昼間は羽を完全に閉じていて美しい下羽の白い紋様が見えない筈のコシロシタバが、僅かにその白い紋を見せて吸汁をし始めた。これはチャンスとばかりに大急ぎで撮影した。いつ羽を閉じて地味な姿に戻ってしまうか分らないからである。コシロシタバという和名は、小さい白い下羽を持つ蛾という意味なのである。夜になると下羽が赤いオニベニシタバ、黄色い各種のキシタバも集まって来て樹液に夢中になるに違いない。最近、人間様の酒場でも終夜営業する店もあるようだが、雑木林の樹液酒場は一日中開いているのである。多分、今年はしないと思うが、夜の11時まで懐中電灯を片手に夜の樹液酒場を巡回した事が度々あったが、蝶やスズメバチは全て姿を消して、これらのシタバガの仲間をはじめ、セスジスズメ、ベニスズメ、フクラスズメ、ハグルマトモエ等の蛾や、甲虫ではカブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、ミヤマカミキリ、ウスバカミキリ、キマダラカミキリ等の大物が現れる。昼の樹液酒場はもちろんとっても面白いが、夜の樹液酒場はそれにも増して面白いのだ。
 駐車場に戻る途中、もう一本の気になるクヌギに寄って見ると、なんと羽化したばかりのオオムラサキの雌が吸汁していた。かなり粘ってなんとかカメラの中にその姿を納めたが、時計を見ると12時を大幅に過ぎている。そこで止む無く駐車場に戻り、遅い昼飯を食べに行った。そんな訳で今日の午後は野津田公園へと思っていたのだが、新鮮な雌の鮮やかで大きな姿が忘れられず、午後も小山田緑地へ舞い戻った。紫色に光輝くのは確かに雄だが、雌の雄大さは格別で、まさに蝶の女王とも言える貫禄である。心配していたが舞い戻っても雌は同じ場所にいてくれて思う存分シャッターを切って、まだまだと思っていたら、小鳥が飛んで来て近寄り、それを感じてオオムラサキは梢の彼方に消えてしまった。今日は本当に菓子パンをザックの中に忍び込ませてこなかったのが悔やまれる一日となった。

*上記写真は全て日中シンクロにて撮影していますので、やや不自然な感じに見えるかもしれません。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカンゾウ、アキノタムラソウ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ヤブカラシ、リョウブ、ルドベキア、ノウゼンカズラ、ムクゲ等。蝶/オオムラサキ(写真上左右)、メスグロヒョウモン、ルリタテハ(写真中左)、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ(写真中右)、ウラナミアカシジミ等。昆虫/コシロシタバ(写真下左)、オニヤンマ、ニイニイゼミ、ヤブキリ、カナブン、マメコガネ、トウキョウヒメハンミョウ、シオヤアブ、オオスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ(写真下右)等。キノコ/チチタケ、ツルタケ、カバイロツルタケ、コテングタケモドキ、タマゴタケ、ドクベニタケ、キチャハツ、オキナクサハツ、ノウタケ等。


7月13日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園

 今はこれと言った花はないし、梅雨シーズンのキノコの発生もそろそろ終期に至っているだろうと、あまり期待せずに出かけてみた。しかし、行ってみてびっくりした。テングタケ科やイグチ科の大きなキノコがたくさん生えていたのだ。近代的なマンションや瀟洒な住宅が立ち並ぶ中にある公園に、どうしてこんなに様々なキノコが生えているのかと不思議に思った。昆虫ではウシズラヒゲナガゾウムシとの別名も持つ、エゴヒゲナガゾウムシが枯れた細い草の茎に止っていたので、クズの葉に移動してもらって様々な角度から撮影した。これと言って左程の観察するもの撮影するものは無いだろうと思われる公園だが、どっこいとても散策しがいのあるコースだと、またしても感じ入ってしまった。詳細は「ささぶねに揺られて」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカラシ、ヒメジオン、ブタナ、ワルナスビ、ツユクサ、アカツメクサ、アジサイ、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、ルリシシセミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/ウスバカゲロウ、ウシズラヒゲナガゾウムシ、カナブン、アオドウガネ、コフキゾウムシ、シオヤアブ、アオメアブ、サキグロケムシヒキ等。キノコ/アメリカウラベニイロガワリ(写真上右)、クリイロイグチ、テングタケ、テングツルタケ、ツルタケダマシ、チチタケ、カワリハツ、アイタケ、オキナクサハツ、クサハツ、ニオイワチチタケ、カレバキツネタケ、クロアシボソノボリリュウタケ、ニオイコベニタケ、アンズタケ、その他不明種多数等。その他/ハナグモ(写真上左)等。


7月12日、横浜市戸塚区舞岡公園

 ゼフィルスの季節は終わったし、舞岡公園にはもちろんオオムラサキは生息していないし、夏の昆虫達がお出ましになるまでしばらく休憩と考えていた。そんな訳で、7月、8月の舞岡公園行きは月に2回に減らそうと考えていたのだが、今日、曇り日であることも手伝ってか、様々な昆虫に出会えてとても面白かった。特に目星をつけておいた樹液の滴るコナラとクヌギの木に、なんとミヤマクワガタの雌、ノコギリクワガタの雌、コクワガタの雌がいたのには驚いた。もちろんカブトムシのおっさんやカナブンのお兄さんもいたのだから楽しくなった。このぶんではしばらく舞岡公園への週1のペースは変わりそうも無い。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/アゼムシロ(写真上右)、キツリフネ、ヤブカンゾウ、クサレダマ、チダケサシ、ミソハギ、オカトラノオ、イヌゴマ、アキノタムラソウ、ヒルガオ、ツユクサ、アカツメクサ、ネムノキ、アジサイ、シモツケ、コムラサキ、キンカン等。蝶/モンキアゲハ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ヒカゲチョウ、ミドリシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/カブトムシ、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、トラフカミキリ、ゴマダラカミキリ、ナガゴマフカミキリ(写真上左)、キボシカミキリ、ヒメカメノコハムシ、オジロアシナガゾウムシ、アカスジカメムシ、チャバネアオカメムシ、トノサマバッタ、ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ等。鳥/ムクドリ、スズメ、ホトトギス、ウグイス等。キノコ/ニオイコベニタケ、アラゲキクラゲ、ツノマタタケ等。その他/ナシの実、カラタチの実等。


7月10日、横浜市緑区三保市民の森

 今日は夕方から用事があるので、1頭だにオオムラサキが見られなかったという昨日の無念を晴らしに小野路町まで行く時間は無い。そこで三保市民の森とその周辺を短時間だが散策してみる事にした。かつてこの周辺、上白根町、三保町、新治町にはオオムラサキが確実に生息していた。観察ノートにて記録をたどってみると、1991年7月27日に、上白根町にある西ひかりがおか団地裏のクヌギに吸汁しているものを2頭も目撃している。その後、新治町を毎週訪れて蝶の観察を続けているTさんに聞いてみたら、見ていないというから、オオムラサキは絶滅してしまったのだろう。そんな訳で今日はクヌギ、コナラ、樹液等という言葉は頭の中にはなく、何でも良いから観察し写真を撮ろうと考えていた。
 まずはいつものように三保市民の森の谷道へ行った。これだけ気温が高くなりもうすぐ夏となると、この谷道を賑わしていたハムシやオトシブミ等の小さな甲虫やカワトンボは見られなくなる。しかし、たくさんの雨が降り続いたからキノコはいたる所で姿を見かける。まず最初に見つけて感動したのは、とっても大きなヤマドリタケモドキだ。これは食べられるキノコで、ヨーロッパでは近縁のヤマドリタケが好んで食べられていると図鑑に書いてある。そのヨーロッパにあって日本にはないヤマドリタケに似ているから、ヤマドリタケモドキと名が付けられたようである。たかがキノコだが、これだけ大きいと存在感溢れていて実に素晴らしい。そんな物言わないが自己主張のあるヤマドリタケモドキを撮影していたら、森の中に真っ白なドクツルタケが目に入って来た。こちらは猛毒も猛毒、欧米では「死の天使」という異名を持つキノコである。かつて「トリカブト殺人事件」なる推理小説が流行ったが、そのうち「ドクツルタケ殺人事件」なる推理小説が登場するかもしれない。そんなキノコを撮影していると散歩にやって来た方がドクツルタケを見て、二つのキノコが並んで生えているですかと聞かれた。真っ白な大きな傘の下の小さな傘は「つば」と呼ばれている部分であるが、確かに見ようによってはぴったりと柄が重なり合って2本のキノコが生えているようにも見える。
 谷道は日陰の道だが昨晩の大雨の後の晴天だから、湿度が異常に高くじっとりと汗が滲んで来る。昨日の低温の快適な散策とは大違いである。きっと今日は小野路町の美しい雑木林に、オオムラサキが複数現れている事だろうと想像する。「まあ、オオムラサキだけが蝶ではないわい」等と減らず口を叩きながら散策するが、日陰の小道には蝶の姿は少ない。確かにキノコはかなり見られるのだが、この観察記をキノコ写真だらけで埋め尽くすのは本意ではない。そこで午後からは各種の園芸品種の花々が見られる新治町寄りの民家周辺の小道を散策し、色どりを添えようと考えた。まずは今盛んに咲いているモントブレチアの花を撮った。次に撮ろう撮ろうと考えていながら絵になるものに出会えないでいたツユクサを見て回っていると、なんとササキリの赤ちゃんが花の中に鎮座していた。「これは絵になるわい」とマクロレンズで覗くと、なんとツユクサのおしべの花粉が一杯詰まった葯をほうばっているではないか。誰にも教えてもらった訳ではないのに、小さいなから良くぞ自分のお昼ご飯は花粉と知っているものだなあと感心する。更に歩みを進めると、畑地にたくさん植栽されたすっと伸びたリアトリスにモンシロチョウが群がっていた。オオムラサキに比べるとモンシロチョウは以下同文の庶民だが、何とか美しくとらえようとかなり頑張って撮影した。また、青い目の外人さんならぬ緑の目をしたアオメアブがいたが、今一絵になる所に止っていないので、ハスの蕾とは言わないまでも何処か良い場所に止ってと草の茎でつつくこと数回、それでも毎回ダサイ場所に止って、そのうちに遠くに飛んで行ってしまった。車に戻る途中、栗畑の栗の幹にニイニイゼミの抜け殻がついていたので、これでも撮ろうかと近づいて行くと、なんと動いているではないか。まだ、時間は午後2時30分というのにどうした事だろう。栗林の中は確かに暗いが、ニイニイゼミは太陽が没してから穴から這い出て来る筈と不思議に思ったが、喜び勇んで撮影したことは言うまでもない。

<今日観察出来たもの>花/オカトラノオ、アキノタムラソウ、ホタルブクロ、チダケサシ、タケニグサ、ツユクサ、シロツメクサ、ヒメジオン、ヒマワリ、ルドベキア、モントブレチア(写真上左)、ハルシャギク、スイセンノー、ダリア、グラジョウラス、リアトリス、ムラサキカタバミ、タチアオイ、アジサイ、ムクゲ、ノウゼンカズラ等。蝶/ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、アゲハ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、キタテハ、メスグロヒョウモン、モンシロチョウ(写真上右)、キチョウ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ダイミョウセセリ等。昆虫/ベニカミキリ、エグリトラカミキリ、ヒメクロオトシブミ、ハスジカツオゾウムシ、カナブン、セマダラコガネ、マメコガネ、トホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、ヤマトフキバッタ、アオメアブ、サキグロムシヒキ、シオヤアブ、ベッコウハゴロモの幼虫、ササキリの幼虫(写真下右)、ニイニイゼミの幼虫(写真下左)等。キノコ/ヤマドリタケモドキ(写真中左)、ドクツルタケ(写真中右)、テングタケ、テングタケダマシ等。


7月9日、東京都町田市小野路町

 国蝶オオムラサキ月間に入ったので期待して小野路町へ行ったが、気温が低くどんよりと曇っているからか、一頭だにクヌギの樹液には来ていなかった。朝早くから来ていた同好の森のきのこさんも見ていないというから、今日は活動を停止しているようだ。オオムラサキばかりでなくその他の蝶の姿も少なく、昨日より確実に気温は低くどんよりと曇っているという証拠のようである。しかし、散策はとても楽で風はほとんどないから撮影もいたって楽で、早くもハスの花が咲き、なんとヤマホトトギスまで咲き始めていた。キノコは小野路町でもかなり見られ、やっとキノコ山にもコテングタケモドキが爆生していた。オオムラサキを見たかったら、やはり天気の良い日を選んだ方が良い様である。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカンゾウ、オオバノトンボソウ、アキノタムラソウ、ヒヨドリバナ、ヤマホトトギス、オオバギボウシ、タケニグサ、ツユクサ、ネジバナ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ヘクソカズラ、コンフリー、ハス(写真上左)、ヒマワリ、ヒャクニチソウ、ナンテン、ナス、スイカ、ヘチマ等。蝶/モンシロチョウ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等。昆虫/カブトムシ、カナブン、コクワガタ、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、トホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、ヤブキリ、トノサマバッタ、オオスズメバチ、コスズメバチ、ベッコウハゴロモの幼虫、フタボシツチカメムシの幼虫(写真上右)等。キノコ/ムラサキヤマドリタケ、チチタケ、ドクツルタケ、ツルタケ、ノウタケ、タマゴタケ、タマゴテングタケモドキ、コテングタケモドキ、カワリハツ、ドクベニタケ、シロオニタケ、ヒメカバイロタケ等。その他/アオダイショウ、アマガエル、キジ、ガビチョー、オニグルミの実、ブルーベリーの実、ブラックベリーの実等。


7月8日、東京都町田市都立小山田緑地

 今日は待ちに待った国蝶オオムラサキを小山田緑地へ見に行く日である。オオムラサキは山梨県内に行けば何処でも普通に見られるものの、近場で観察してこそ価値があると思っているのだ。なぜなら開発が進む前の武蔵野や多摩丘陵の代表的な美蝶であったからだ。朝起きてパソコンを開いて町田市の天気予報を再確認すると、一日中曇りで昼前後に太陽がのぞくとある。これは良かったと朝食をすませて車を走らせると、港北ニュータウンのあたりから雨が降って来た。これは天気予報と違うわいと思ったが、そのうち止むだろうと思って車を走らせた。集合場所の小山田緑地の駐車場についても雨が降っていたが、すぐに止んで胸を撫で下ろした。今日参加なさった方々は信じられない位に多く、舞岡公園で野鳥や蝶の撮影している方々が全員集合したような賑やかさであった。蝶にはあまり興味の無いはずの日限山機長さんもいるので、「どうしたんですか、遠路遥遥」と聞くと、「なんたって国蝶には一度お目にかかっておきたいからね」という事であった。まさに自然観察を趣味となさる方には興味津々の対象と言う訳で、一度は見ておかないと方手落ちと思うのだろう。長い間蝶の観察と写真撮影を続けているが、是非、会っておいた方が良いですよと勧めるのは、ギフチョウ、ウスバシロチョウ、平地産ゼフィルス6種、オオムラサキ、アサギマダラ、クジャクチョウと言うことになる。そんな訳でその発生の順番に集まりを催して来た訳だが、その中でも国蝶なのだから今日が最も人が集まったのは当然であろう。
 それでは出発となって、毎年必ずオオムラサキが見られる樹液したたるクヌギの木を目指した。到着して見るとお目当てのオオムラサキの姿は無い。その内にやって来るだろうと、ゴイシシジミやトラフシジミを求めて散策していると、「来ましたよ」との携帯電話が鳴った。こんな時は本当に文明の利器たる携帯電話は重宝だ。そこで急いで戻ってみると1頭だが羽化したてのオオムラサキの雄が吸汁していた。早速、参加者全員が三脚をたてて、シャッターを押し続ける。私も取り合えず何コマかを指でシャッターボタンを押して撮り、シャッター速度が余りにも低いので、絞りを開けISO感度も上げ、ケーブルレリーズをつけてさあ再びと思ったら、オオムラサキは無常にもオオスズメバチのちょっかいが入って何処かへ飛び去ってしまった。それでも舞岡公園で野鳥撮影に手馴れていて、ずっとここでオオムラサキ一本で頑張っていた方々は何とか羽の開いた写真をものにしたようである。とにかく雨も止みオオムラサキが現れたのだから最低限の今日の目的は達成され、誰からもブーイングの声は上がらないだろうと胸を撫で下ろした。写真の良否は別にして、全員がオオムラサキを観察出来たのだから素晴らしい。結局今日は後で鎌倉のNちゃんと寒川山ちゃんが、もう一度大きな雌を観察しただけで、オオムラサキの出現は芳しくなかった。
 それでも舞岡公園では絶滅したという噂もあるゴイシシジミがかなりいて、特に写真のものは羽化したてなのだろうか、飛び立ってもすぐに止ってくれるという大サービスを披露してくれた。小山田緑地でもリョウブの花が満開で、トラフシジミが複数やって来ていた。本当にトラフシジミはリョウブの花に目がないようである。また、帰りがけに舞岡公園では僅少となり、多摩丘陵でも今年はほとんど発生しなかったウラナミアカシジミが現れ、鎌倉のNちゃんと寒川山ちゃんはこれで今年だけで平地産ゼフィルス6種全部をカメラの中に納める事が出来、下倉田のKさんは残念な事に撮り逃がしてしまったが、これで平地産ゼフィルス6種を全て観察する事が出来て、目出度し目出度しとなり、来年もっと素晴らしいゼフィルスの写真を手に入れるぞと固く心に誓っているようであった。また、ミズイロオナガシジミやオオミドリシジミも見られたから、今年のゼフィルスは天候からか発生がかなりだらだら続いたようにも感じられた。その他、小山田緑地正門入口前の材木屋さんの丸太に、金ぴかのタマムシこそまだ発生していなかったが、美しい水色のルリボシカミキリが動かずポーズをとってくれて、舞岡から来た方々には大感激となった筈である。最後に、昆虫ではないが昨日鍛えてトリノフンダマシ探し名人になる事が出来たから、今日はトリノフンダマシとシロオビトリノフンダマシを発見する事が出来た。また、雨が降らずにキノコの発生がほとんど見られない地方の方には申し訳ないが、撮ろうとすれば数多くのキノコが爆生していてもう撮り飽きていたのだが、とんでもなく大きく立派なハイカグラテングタケを初めて見つけたので、最後のお土産として撮影して小山田緑地を後にした。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカンゾウ、アキノタムラソウ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ネジバナ、ヒメジオン、ツユクサ、ヤブカラシ、リョウブ、ルドベキア(写真上左)、トケイソウ、ノウゼンカズラ等。蝶/カラスアゲハ、クロアゲハ、オオムラサキ(写真中左)、ツマグロヒョウモン、コミスジ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、クロヒカゲ、モンシロチョウ、オオミドリシジミ、ミズイロオナガシジミ、ウラナミアカシジミ、トラフシシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ゴイシシジミ(写真中右)、ヒメキマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/オニヤンマ、ウスバキトンボ、ニイニイゼミ、ヤブキリ、トノサマバッタ、ヤマトフキバッタ、カナブン、マメコガネ、ルリボシカミキリ、キボシカミキリ(写真下左)、トウキョウヒメハンミョウ、シオヤアブ、アオメアブ、オオイシアブ、オオスズメバチ、コガタスズメバチ、キアシナガバチ等。キノコ/ハイカグラテングタケ(写真上右)、ツルタケ、カバイロツルタケ、コテングタケモドキ、コウジタケ、アンズタケ、ドクベニタケ、キチャハツ、オキナクサハツ、ノウタケ等。その他/シロオビトリノフンダマシ、トリノフンダマシ(写真下右)等。


7月7日、横浜市緑区新治市民の森〜横浜キノコの森

 明日は同好のお仲間と小山田緑地へオオムラサキを見に行くことになっているので、今日は自宅にずっといて溜まっている仕事をこなすつもりでいた。しかし、窓を空けると久しぶりに花曇りである。今週は月曜火曜と東京に出て仕事をしたし、昨日は舞岡公園で雨のためにほんの短時間の散策となってしまった。そこでかなりストレスが溜まっていたので、昼食を食べに行くついでに、新治市民の森と横浜キノコの森に行って見ることにした。
 まずは昼飯まで少し時間があったので、新治小学校裏の梅田川へ行って、ハグロトンボに挑戦した。子供の頃、小川で魚釣りをしたことがある方なら、羽の真っ黒なハグロトンボをご承知の事と思う。このため別名をオハグロトンボとも呼ばれている。雌は胴体も黒褐色だが、雄は緑色の金属光沢を持つ美しいトンボである。このハグロトンボは水が綺麗な小川に生息していて、更に上流、谷戸の細流になると見られなくなる。このためちょうど魚釣りに良さそうな小川が生息場所となる訳なのだ。鶴見川流域は開発が進んでハグロトンボの生息場所は限られているが、嬉しいことに梅田川にはかなりたくさんの個体が生息している。もちろんハヤやヤマベ等の魚も見られ、流れの水音も涼しく、いつまでも梅田川がこの環境を維持して欲しいと願うのは、私ばかりではないと思われる。今日のハグロトンボは気温が高いせいか、最も絵になる流れの中の石には止ってはくれず、川岸に生える草の葉に止る事が多かった。この点、同じ仲間のミヤマカワトンボやカワトンボとは少し性格が違うのかもしれない。無事にハグロトンボを撮影したので、もうオニヤンマが発生している筈だと谷戸入口の細流に行って見ると、まだほんの僅かな数の羽化殻しか見られず、やはりオニヤンマの発生も遅れているように感じられた。
 昼食をすますと横浜キノコの森に向かった。こちらは梅田川と異なって蚊取り線香をぶら下げて行かないと薮蚊の来襲に逃げ出すはめとなるので、一巻き6時間の蚊取り線香をちょうど半分にして火をつけた。すなわち持ち時間正味3時間の散策とした訳である。このところ雨が降り続いたので、横浜キノコの森は目が飛び出る程にキノコが爆生している筈と期待していた訳であるが、第一陣のキノコはすっかり姿を消していて、第二陣のキノコに入れ替わったと言った按配で、爆生には程遠かった。いくら雨が降ったとはいえ、カビの花であるキノコを咲かし続けるには、地下の菌糸体も相当のエネルギーが必要となる筈で、第一陣のキノコは休憩に入ったようなのだ。と言う事は去年、一昨年のようなキノコの爆生となるためには、雨の降り始めの時期や降り続く期間等によって左右されるように感じられた。すなわち足の置き場に困るような爆生は、例え雨が降ったとしてもそうやすやすと毎年ある訳ではないようなのだ。それでも相変わらずカワリハツが見られ、例年ならもっと早くに発生する筈のスジオチバタケ、ハナオチバタケもかなり見られた。しかし、何と言ってもキノコの中のキノコだが、生憎の毒キノコたるテングタケ、ドクツルタケが生えていて嬉しくなった。
 期待したキノコは上記のような按配だったので、少し趣の変わったものを撮ろうと、黒色に色づいたハナイカダの実を撮った。若葉は天ぷらで食べられると何処かで書いたと思うが、この実も食べられるのである。写真の熟した実の横に寄り添う小さな実は、多分、受粉に失敗して成熟出来ないものと思われるが、葉の真ん中に2つ熟した実が見られるものもあった。しかし、大多数は葉の真ん中に一個だけである。ハナイカダの実を撮ったら、同じ丸っこいトリノフンダマシの仲間を急に撮りたくなった。図鑑によるとトリノフンダマシの仲間は、雑木林に隣接するススキの葉裏についている事が多いとあるが、これは野津田公園でもそうであった。その後、気をつけて見ていると、伸び始めたメダケの竹の子の先端の葉も好きなようである。こんな知識が頭に入ったので、雑木林の中のススキの原に出向いてみた。ここはススキ林の住人たるジャノメチョウが多い所である。すかさずシロオビノトリノフンダマシを見つけたが、こちらはもう紹介しているので別種が良いと欲張った。しかし、見つかるのはシロオビノトリノフンダマシばかりであったが、やっとカマキリの顔に擬態していると言われるオオトリノフンダマシを見つけ出した。慎重に撮影して胸を撫ぜ降ろすと、ちょうど蚊取り線香は燃え尽きてのお帰りの時間となったが、トリノフンダマシ探し名人になる事が出来たようである。

<今日観察出来たもの>花/オカトラノオ、アキノタムラソウ、ツユクサ、アカツメクサ、ヒマワリ、ハルシャギク、スイセンノー、アジサイ、ムクゲ等。蝶/アゲハ、アオスジアゲハ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ムラサキシジミ、キマダラセセリ、コチャバネセセリ等。昆虫/ハグロトンボ(写真下左)、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、シロコブゾウムシ、マメコガネ、オニヤンマの抜殻(写真下右)等。キノコ/カワリハツ(写真上左)、イロガワリ、ドクツルタケ、テングタケ(写真上右)、テングタケダマシ、コテングタケモドキ、ツルタケ、スジオチバタケ、ハナオチバタケ、ダイダイガサ、ヒトヨタケ、ツチヒラタケ、オキナクサハツ、アンズタケ、アミスギタケ、アラゲキクラゲ、マンネンタケ等。その他/ヒメコウゾの実、ハナイカダの実(写真中左)、ミツバウツギの実、オオトリノフンダマシ(写真中右)、シロオビトリノフンダマシ等。


7月6日、横浜市戸塚区舞岡公園

 実は7月1日にも舞岡公園へ行ったのだが、すぐに雨が降って来てしまい、ほとんど観察も撮影も無しに帰って来たと何処かで書いたと思う。今日も特にお昼前後は雨となって、これまた連続しての無念の帰宅となり、この観察記も書け無い事になるかもしれないと思われた。しかし、夕方遅くなっても何とか8枚の写真を撮るんだと覚悟を決めたら、その覚悟が天に通じたらしく、午後3時頃より雨は止んでくれた。そんな訳で短時間の道端自然観察および写真撮影となったため、これと言った稀少種には出会えなかったものの、雨が上がって昆虫達が一斉に現れ、とても楽しかったとも言えるだろう。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカンゾウ、クサレダマ、チダケサシ、ミソハギ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ワルナスビ、イヌゴマ、アキノタムラソウ、ドクダミ、ヒルガオ、ツユクサ、ミヤコグサ、アカツメクサ、アジサイ、シモツケ、コムラサキ等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、キチョウ、ヒカゲチョウ、アカシジミ、ミドリシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ、キマダラセセリ(写真上右)等。昆虫/カノコガ、チャドクガ、ショウジョウトンボ、アジアイトトンボ、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、ゴマダラカミキリ、ジンガサハムシ、ヒメカメノコハムシ、イタドリハムシ、シロコブゾウムシ、オジロアシナガゾウムシ、ハスジカツオゾウムシ、カツオゾウムシ、チャバネアオカメムシ等。鳥/カワセミ、ホトトギス、ウグイス等。キノコ/ツルタケダマシ、タマゴテングタケモドキ、コキララタケ、ヒダサカズキタケ、カレバキツネタケ、キツネタケ、ニオイコベニタケ、アラゲキクラゲ、キクラゲ、シロキクラゲ、ツノマタタケ(写真上左)等。その他/ヒメコウゾの実、ナシの実、カラタチの実等。


7月3日、東京都町田市小野路町・図師町

 雨がかなり降ったからキノコはだいぶ発生しているだろうが、それ以外は余り期待していなかったが、それでも先週来た時とはだいぶ様相が変わっていた。様々な夏の野の花が咲き始め、ジャノメチョウ等の夏の昆虫達も現れていた。今日は一日中曇り空で気温もそれほど高くなく、写真撮影にも散策にも絶好の日和となった。もっとも、蝶に関してはそんな日和のためか左程見られなかったものの、咲き出したヤブカラシに新鮮なアゲハが吸蜜にやって来ていた。しかし、何と言っても今日熱中したのは、ベッコウハゴロモの幼虫の撮影である。このHPをご覧下さるご婦人たちがみなさん撮っているので、私も頑張ったと言う訳である。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/カセンソウ、オオバギボウシ、ミヤコグサ、コマツナギ、ウツボグサ、ノアザミ、タケニグサ、チダケサシ、ツユクサ、ネジバナ、ドクダミ、ホタルブクロ、ヒマワリ、ヒャクニチソウ等。蝶/アゲハ、モンシロチョウ、キチョウ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ミズイロオナガシジミ、ウラナミアカシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミ、ムラサキシジミ等。昆虫/トウキョウヒメハンミョウ(写真上右)、マメコガネ、セマダラコガネ、ウスモンオトシブミ、ヒメヒゲナガカミキリ、ベニカミキリ、テントウムシ、トホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、ムーアシラホシテントウ、ジンガサハムシ、ヒメカメノコハムシ、ヒメアカネ、マユタテアカネ、オオシオカラトンボ、ヤブキリ、ナキイナゴ、ホソアシナガバチ、キイロスズメバチ、オオスズメバチ、ベッコウハゴロモの幼虫等。キノコ/ドクツルタケ、ツルタケ、タマゴタケ、タマゴテングタケモドキ、コテングタケモドキ、カワリハツ、ドクベニタケ、ヒメカバイロタケ、シロオニタケ幼菌、ヘビキノコモドキ?等。その他/ホトトギス、クマヤナギの実、オニグルミの実(写真上左)等。


7月2日、東京都町田市都立小山田緑地〜野津田公園

 今日は少なくとも午前9時までは雨ということで、ゆっくりと寝坊して、何処かへ行ってみようと考えていた。しかし、目覚めて雨戸を開けると外の道路は濡れていない。「なあんだ、また天気予報が外れた」と愚痴が出て来た。昨日は一日中曇りという事で舞岡公園まで行ったが、すぐに雨が降って来てのトンボ帰りとなった。この時期の天気予報は梅雨前線の動き一つで変わってしまうので、予報が難しいと気象予報官が言われていたが、まあ、言い訳ではなく本当の事なのだろう。そんな訳で自宅を出発したのは、いつもより1時間30分も遅れてしまった。近場へ行けば良いとも思ったが、オオムラサキはもう発生したか、たくさんのキノコが生えていないかと気になって、また、6月のこのコースでは、あぶれ無しのとんでもなく面白い道端自然観察が出来た事もあって、都立小山田緑地から野津田公園のコースを散策しようと車を走らせた。どういう訳か小山田緑地は左程の自然度があるとは言えないものの、緑地はかなり湿度が高く、キノコの観察には好適なフィールドである。また、この適度な湿度が蝶達にも好まれているようで、国蝶オオムラサキは言うまでも無く、かなりの種類数が観察出来るのである。それに田んぼの畦にヤブカンゾウも見事で、これも新鮮な内に撮影したかったと言う訳なのだ。
 小山田緑地へ到着すると、管理事務所の方が七夕飾りをつけた竹を門に立掛けようとしていたので、一段落つくのを見計らって、「オオムラサキは発生しましたか?」と聞くと、「まだみたいよ、今年はなんでも遅れているね、なにせまだセミが鳴かないもの」という事であった。毎日、公園内を歩いている方にオオムラサキの発生状況を聞くのが一番確かである。しからばと、去年、たくさんのルリボシカミキリ、タマムシが這えずり回っていた材木屋さんの丸太を見に行くと、僅か一匹のルリボシカミキリが見られただけで、金緑色に光るタマムシの姿は無かった。これでは今日はキノコの写真が中心になるなと思いながら、舞岡公園でトラフカミキリが発生しているのだから小山田緑地でも発生しているはずと、丘の上の桑の古木を見に行ったが、トラフカミキリは発生していなかった。そこから毎年オオムラサキが吸汁にやって来るクヌギの木を3本見回ったが、オオスズメバチ、カナブン、ヒカゲチョウのみであった。しかし、前回来た時には樹液はほとんど出ていなかったのだから、いよいよオオムラサキ登場の舞台は整えられたとも言えよう。そんな訳でキノコでも撮影しておこうと、いつもたくさん見られる場所に行くと、なんと真っ赤なタマゴタケが2本、とんでもなく大きく成長したイグチの仲間等を観察し撮影した。もっと時間があり本格的にキノコの種名判別の勉強をすれば、恐らく今日だけで15種類位を簡単に見分ける事が出来ただろう。しかし、コナラの根元から出ている美しいタマゴタケを、自分なりの寸分の狂い無き構図で撮影出来たと思い、やっぱり小山田緑地へ来て良かったと眉を下げた。
 これでキノコは確保したので、次は花が撮りたくなった。すると小山田の谷にたくさんのヤブカンゾウが咲いていて、緑をバックにしてオレンジ色を浮き立たせて撮影した。時計を見ると正午は楽に回っている。やはりそろそろお腹が空いて来たので、石畳の道を通って戻る事にした。途中、オカトラノオが群落をつくって美しく咲いている場所に出ると、メスグロヒョウモンの雌が2頭も吸蜜していた。まだ、何処も破損していない新鮮な個体である。メスグロヒョウモンはこれから暑くなると涼しい所で夏眠し、秋もかなり遅くなるまで生きている生命力溢れるチョウである。まだ7月に入ったばかりだから、こんなに早い時期に羽が破損しては大変な事になると言う訳なのだ。この他、ジャノメチョウが発生し、ゴイシシジミもかなり見られた。やっぱり小山田緑地は定期的な観察をし続けるに値する、見るもの撮るもの一杯のフィールドなのであると感じ入った。
 午後からと言うか、遅い昼食をとったのでなんと午後2時からの短時間の野津田公園の散策となった。まず、最初に萌芽更新をしている雑木林が伐採されて広々とした草地になっている所へ行ってみたが、今日は何も見られず、その入口に積んである丸太にも何も来ていなかった。秋になるとナンバンギセルがたくさん咲く草原の中にある大きな桑の木を見て回ったが、トラフカミキリは見られなかった。そこで今日は、シロオビトリノフンダマシという人間の顔のような腹部上面に紋様を持つクモを探してみる事にした。なにしろススキの葉裏に静止している事が多いし、去年は秋に観察しているので期待したという訳なのだ。シロオビトリノフンダマシはかなり小さいが、それでもある程度の重みがあるから、シロオビトリノフンダマシが鎮座していればススキの葉は他の葉よりも地面に向かってしなだれると言う訳なのである。そんなつもりで道端のススキを観察して行くと、すぐに見つける事が出来た。このようにコツを掴んでしまったので、いつものコースを一周しただけで、なんと4匹も見つける事が出来た。こんど舞岡公園へ行ったら、クヌギ休憩所前のススキの原で、今日会得した発見術を駆使して、シロオビトリノフンダマシを見つけてやろうと思った。その他にはこれといったものには出会えなかったが、湿生植物園入口にはハルシャギク、ルドベキア、オオキンケイギクが咲いていて、ジャノメチョウが吸蜜にやって来ていた。また、池の周りにハグロトンボが舞っていた。最後に、信州などへ行けば何処にも普通たが首都圏ではほとんど見られないキリギリスがいる草原に行ってみると、ヤブキリやトノサマバツタが立派に生長して葉上で胡坐をかいていた。

<今日観察出来たもの>花/イチヤクソウ、ヤブカンゾウ(写真上右)、ノカンゾウ、アキノタムラソウ、ホタルブクロ、オカトラノオ、ネジバナ、ヒメジオン、ツユクサ、ドクダミ、ハルシャギク(写真上左)、ルドベキア、オオキンケイギク、シモツケ等。蝶/メスグロヒョウモン(写真中左)、キタテハ、ジャノメチョウ(写真中右)、ヒカゲチョウ、キチョウ、ゴイシシジミ、オオチャバネセセリ等。昆虫/ヤブキリ、トノサマバッタ、カナブン、シロテンハナムグリ、マメコガネ、ルリボシカミキリ、ヨツスジハナカミキリ、トウキョウヒメハンミョウ、ショウジョウトンボ、ハグロトンボ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、シオヤアブ、チャイロオオイシアブ、マガリケムシヒキ、アオメアブ、オオスズメバチ、コガタスズメバチ、キイロスズメバチ等。キノコ/タマゴタケ(写真下左)、タマゴテングタケモドキ、コテングタケモドキ、ヒトヨタケ、トガリニセフウセンタケ、コウジタケ、ドクベニタケ、キチャハツ、カワリハツ、アシボソノボリリュウタケ等。その他/シロオビトリノフンダマシ(写真下右)等。



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