横浜市都筑区

ささぶねに揺られて
(3)


自宅から最も近くてカメラ片手にさまざまな生き物と触れ合える所は何処かと考えたら、港北ニュータウン内各所にある公園、また、それらを結ぶ緑道が最適だとの結論に至った。もう少し経つと自宅の近辺に横浜市営地下鉄の新路線の駅が出来るから尚更良い。主に「ささぶねの道」と呼ばれる都筑中央公園から、葛ヶ谷公園、大原みねみち公園などを通って茅ケ崎公園に達する緑道をメインに、港北ニュータウン内ではないが隣接する新吉田町も含めて、定期的にカメラを持って散策を開始することにした!


2005年 2月3月 4月5月 6月7月 8月9月 10月11月


2005年7月13日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園











ツユクサヤブガラシブタナアカツメクサ











ワルナスビハナグモアオドウガネカナブン











ウシズラヒゲナガゾウムシシオヤアブサキグロケムシヒキニイニイゼミの抜殻











種名調べ中アメリカウラベニイロガワリクリイロイグチオキナクサハツ











クサハツ種名調べ中カワリハツアイタケ











ニオイコベニタケチチタケニオイワチチタケテングタケ











ツルタケダマシ?テングツルタケカレバキツネタケ?クロアシボソノボリリュウタケ

 今はこれと言った花はないし、梅雨シーズンのキノコの発生もそろそろ終期に至っているだろうと、あまり期待せずに出かけてみた。しかし、行ってみてびっくりした。テングタケ科やイグチ科の大きなキノコがたくさん生えていたのだ。近代的なマンションや瀟洒な住宅が立ち並ぶ中にある公園に、どうしてこんなに様々なキノコが生えているのかと不思議に思った。茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園は細い流れに沿っているから、きっと湿度が常に高いのだろう。多分、その先の葛ヶ谷公園、鴨池公園、都筑中央公園まで足を伸ばしてもキノコが爆生しているに違いない。こんな近くにキノコの観察場所があると、これは本腰を入れて種名確認の術を身につけ、今後も定期的に調べてみようという羽目に陥った。昆虫ではウシズラヒゲナガゾウムシとの別名も持つ、エゴヒゲナガゾウムシが枯れた細い草の茎に止っていたので、クズの葉に移動してもらって様々な角度から撮影した。エゴヒゲナガゾウムシはとんでもなく愉快な顔をしていて、どうしてそんな風に進化せねばならなかったのかと不思議に思う小さな昆虫である。茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園にかけてはたくさんのエゴノキが植栽されているし周りの雑木林にも生えているから、今後とも絶滅することは無く観察する事が出来るだろう。これと言って左程の観察するもの撮影するものは無いだろうと思われる公園だが、どっこいとても散策しがいのあるコースだと、またしても感じ入ってしまった。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカラシ、ヒメジオン、ブタナ、ワルナスビ、ツユクサ、アカツメクサ、アジサイ、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、ルリシシセミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/ウスバカゲロウ、ウシズラヒゲナガゾウムシ、カナブン、アオドウガネ、コフキゾウムシ、シオヤアブ、アオメアブ、サキグロケムシヒキ等。キノコ/アメリカウラベニイロガワリ、クリイロイグチ、テングタケ、テングツルタケ、ツルタケダマシ、チチタケ、カワリハツ、アイタケ、オキナクサハツ、クサハツ、ニオイワチチタケ、カレバキツネタケ、クロアシボソノボリリュウタケ、ニオイコベニタケ、アンズタケ、その他不明種多数等。その他/ハナグモ。


2005年6月13日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園











キンシバイホタルブクロアマチャドクダミ











ギンリョウソウオオミズアオダンゴ虫の仲間ヤナギマツタケ











ヒイロベニヒダタケドクベニタケ?種名調べ中種名調べ中











キツネタケウラムラサキ種名調べ中種名調べ中

 今日は道端自然観察及び写真撮影はお休みの日、仕事をしたり家の回りの片付けをした後、愛車のオイル交換と壊れてしまったのでシェーバーを買おうとコジマ電機へ行くことにした。昼食は茅ヶ崎公園入口の家庭中華料理「嘉門」でとり、腹ごなしに茅ヶ崎公園へ行ってみると、なんと大好きなキノコであるニオイコベニタケ等がたくさん生えていた。実は6日も今日と同じようにぶらりと散策してみたら、羽化したてのオオミズアオとギンリョウソウに出会って狂喜した。まったく港北ニュータウンのど真ん中にありながら、目の離せない公園なのである。オオミズアオは私の子供の頃は至る所で見つける事が出来た。かなり多くの樹木の葉を食し、年に2回発生するから尚更である。写真を見れば分るように薄緑色のヤママユガ科の大型の美しい蛾で、こんな趣味を持ち始めて17年にもなるが、今まで撮影出来ずにいたのである。もちろん、山梨県等では何べんも出会っているが破損個体ばかりで、天敵のアオバズクに食べられた残骸を多摩丘陵でたくさん見ているので、いつかは多摩丘陵でと思っていたのだが、なんと茅ヶ崎公園で見つけたのだから狐につままれたような面持ちであった。また、ギンリョウソウであるが、これまた自然度のとても高い所にしか発生しないのではないかと思っていたのだが、歩道脇の植え込みに生えていたのでびっくりした。この他、キノコの種類も発生数も他所に比べてとても多く、去年はキタマゴタケも見つけている。きっと、「ささぶねの道」と呼ばれているように、細い流れに沿ったあり陽が射さない北斜面沿いだからなのだろう。もちろん土曜日曜にしか入れない茅ヶ崎公園生態園の存在も多いに寄与しているに違いない。

<今日と6日に観察出来たもの>花/アジサイ、アマチャ、キンシバイ、ビョウヤナギ、ヤマボウシ、テイカカズラ、スイカズラ、ギンリョウソウ、ホタルブクロ、ツユクサ、ヒメジオン、ドクダミ、シロツメクサ、ニワゼキショウ等。蝶/クロアゲハ、アゲハ、ミズイロオナガシジミ等。昆虫/オオミズアオ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、オオヒラタシデムシ、セボシジョウカイ等。キノコ/ニオイコベニタケ、ニッケイタケ、ヒイロベニヒダタケ、ドクベニタケ?、ウラムラサキ、キツネタケ、イグチの仲間を含む不明種多数等。その他/ダンゴムシの仲間等。








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