2005年:つれづれ観察記
(9月)


9月28日、横浜市戸塚区舞岡公園

 今日は午後から小谷戸の里で「生物調査・記録ボランティア」の会議があるので、散策並びに写真撮影は午前中のみという事になった。そこでいつもより1時間早く起床して出発した。昆虫もだいぶ少なくなり、キノコも生えていそうもないので、合計8枚の写真を撮ることはかなり難しいだろうと考えた訳である。今日も昨日と同じに曇り空で、気温は昨日よりかなり下がった。しかし、風は逆に少し強くなったから蚊取り線香無しに散策出来て有り難いものの、撮影にはかなり苦労した。今日は最近比較的色々なものが見られる三枚畑を中心にその近辺を徹底的に歩き回った。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、キツリフネ、ヤマホトトギス、ホトトギス、ヤマハッカ、シロヨメナ、カントウヨメナ、コセンダングサ、アメリカセンダングサ、ツルボ、タイアザミ、ミゾソバ、フジカンゾウ、ヌスビトハギ、アキノノゲシ、ツリガネニンジン、タカサブロウ、カナムグラ、トキワハゼ、ゲンノショウコ、ヒヨドリジョウゴ、ヤブマメ、キンミズヒキ、ミズヒキ、ワレモコウ、ツユクサ、ヒヨドリバナ、コスモス(写真上左)、メキシコヒマワリ等。蝶/モンキアゲハ、ナガサキアゲハ、クロアゲハ、アサギマダラ、ヒメアカタテハ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、ヒカゲチョウ、ウラナミシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/ヤマトシリアゲ、オジロアシナガゾウムシ、キボシカミキリ、テントウムシ、エサキモンキツノカメムシ、クサギカメムシ、アオクサカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、キバラヘリカメムシの幼虫、アキアカネ、アオバハゴロモ、クダマキモドキ、セスジツユムシ、ハネナガイナゴ、ツチイナゴ、ツチイナゴの幼虫、クルマバッタモドキ、イボバッタ、ホソアシナガバチ(写真上右)、キイロスズメバチ等。キノコ/ニオイコベニタケ?、ツルタケ等。鳥/モズ、アオゲラ等。その他/シマヘビ、ナガコガネグモ、ジョロウグモ、ヒヨドリジョウゴの実、ヨウシュヤマゴボウの実等。


9月27日、東京都町田市小野路町・図師町

 今日は曇り日ということもあって、本当に涼しい一日であった。自宅に帰って気象情報で確認すると、町田市の最高気温は20度であった事が分った。天気図を見ると、大きく大陸の高気圧が張り出している。暑さ寒さも彼岸までとは良く言ったもので、これからは例え晴れていようとも過ごしやすい日々が続くことだろう。お陰で車のクーラーは未使用で、ガソリンの消費もかなり少なく、長袖で散策した事も手伝って、薮蚊の被害は僅少で済んだ。久しぶりの平日の小野路町、図師町は、曇り日でほとんど風が無かった事も手伝って、本当に静かな心洗われるフィールドであった。 詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、キバナアキギリ、カシワバハグマ、ノハラアザミ、シロヨメナ、シラヤマギク、ヨメナ、アキノノゲシ、コミカンソウ、ツルボ、ヤブツルアズキ(写真上左)、ヤマハギ、ナンテンハギ、ヤブマメ、ゲンノショウコ、ミズヒキ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス、シュウカイドウ等。蝶/ナガサキアゲハ、クロアゲハ、キアゲハ、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、クロヒカゲ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ(写真上右)、ベニシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/キイロテントウ、ナナホシテントウ、ベッコウヒラタシデムシ、クロウリハムシ、アキアカネ、ナツアカネ、ヒメアカネ、マユタテアカネ、ハネナガイナゴ、ササキリ、ヤブキリ、オンブバッタ、ショウリョウバッタモドキ、ヒシバッタ、コカマキリ、オオカマキリ、ツクツクボウシ、アオクサカメムシ等。キノコ/コトヒラテングタケ、コガネヤマドリ、ヒメカバイロタケ等。その他/ヤマカガシ、ウスカワマイマイ、クサギの実、アワブキの実等。


9月26日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 せっかくの23日からの3連休は、後半の2日間が台風の余波で荒れ模様となってしまった。かつてサラリーマンをしていた頃は、もうどうしょうもなく地団駄踏んで天気の神様を恨んだものだが、比較的時間が自由の身になると、身体を休めるための天からのお恵みだと思うようになった。まことに勝手なものだ。今日は3日ぶりのフィールド行きで、何処にしようかなと考えたが、高騰するガソリン代がかからず、しっかりとした無料の駐車場がある所という事で、寺家ふるさと村へ行った。昨日、そんな悪天候にもかかわらず寺家ふるさと村へ3日間日参した駒沢公園のNさんから電話があって、キノコは下火との情報を事前に得ていた。それでは撮るものがないかなとも思ったが、先日行った足立区の舎人公園だって、そこそこのものが撮影出来たのだから何とかなるだろうと思った訳である。昨年末から東京都内23区内の公園巡りをしているが、何処へ行っても何かしらの撮影対象があると学んだ事が一番の成果であった。「遠くの環境の良い所へ行けないから、良い写真なんて撮れませんよ」等と愚痴を言う方がいるが、風景写真でなければ、緑地さえあれば命あるものの写真は美しく撮れるのである。
 そんな思いを抱きながら散策を開始したが、まず最初に行った鴨志田公園にはキノコのキの字も見当たらなかった。上記した台風の余波のため雨が降ったが、今日は9月26日、またキタマゴタケやテングタケ等が再び生えて来るとは思えず、今年のキノコの爆生はもうやって来ないだろう。しかし、まだまだポツリポツリと様々なキノコが生えて来るに違いない。そんな訳で、一回もシャッターを切らずに熊野池に降りて来たが、前にも撮影したワレモコウやアレチヌスビトハギ、クサギカメムシやヒメジャノメを目にするだけだ。これは困ったなあととぼとぼ歩いていると、山野草を販売している家の垣根からマユミに似た実がたくさん垂れ下がっている。ニシキギ科である事は間違いないが、いったいこれは何の実だろう。そう思って撮影して、自宅に帰って図鑑を調べて見ると、ツリバナの実である事が分った。山地や丘陵地に普通に見られると書かれてあるが、多摩丘陵や舞岡公園等ではお目にかかった事がない。これでやっと一枚写真を手にしたが、なんとなく今日は貧果が予想されるのでナツアカネをカメラに納めていると、昆虫好きでは大先輩のOさんに出会った。その昔、ちょくちょく寺家ふるさと村に足を運んでいた頃も何遍ともなく出会っている方だ。「お久しぶり」と挨拶すると、「今年は昆虫の数が本当に少なかったねぇ」とおっしゃる。このOさんも蝶が大好きだから、ゼフィルスの発生が極端に少なくてとても寂しかったのだろう。年老いても200ミリマクロ付の一眼レフカメラに三脚を抱えて、20年後の私を見るかのようであった。
 こんな貧果な時でも何か必ず見つかる道路際の日陰に行ってみると、ツルニンジンが再び大きな花をつけ、相変わらずユウガギクが純白に咲いていた。しかし、今日の主役はなんと言ってもミゾソバであろう。寺家ふるさと村のこの場所に咲くミゾソバは、他所と異なって赤紫が強くて本当に美しい。ここのミゾソバを愛でに来るだけでも、きっと満足するに違いない。そんなミゾソバをああでもないこうでもないと撮影していると、野草好きのご婦人がやって来て、「ほらあそこに、イヌショウマが咲いてますよ」と教えてくれたので、横構図では絵にならないし、脇役も何も無かったが可愛らしく切り取ってみた。
 これでなんとか今日の写真撮影も格好がつきそうになったので、駐車場に戻って弁当をぱくついた。後はぶらり三輪町のヒガンバナ咲く妙福寺の方へ行って、山越えでキノコを探しながら一日を終了しようとまた散策を開始した。午前中、田んぼの畦にイボクサやコナギの花が咲いていたので、これも撮ろうと思っていたのだが、近づいてみるともう花はすっかり萎んでいた。きっと午後になると花を閉じる植物なのだろう。舞岡公園の甘味厳禁ヤマイモおじさんは、子供の頃、イボが出来るとイボクサの汁をつけて取ったと言っていたが、イボクサの名の謂れはそこから来ているようだ。今では皮膚科に行って、細いガラス棒の先に付けた劇薬で、ちょいと焼いてもらえばイボさんさようならとなるから、イボクサも寂しい思いをしているに違いない。三輪町の谷戸へ入ると何処も彼処もヒガンバナで一杯だ。そんなヒガンバナが咲いている場所で、赤く色付いたホオズキを見つけた。いつも風情溢れるものの出会いを待ち望んでいるのだが、今日のホオズキも今一歩というものであった。いよいよ山越えの道に入って、「キノコちゃん、何処だぁーい」と探し回ったが、やっとシロオニタケモドキに巡りあったのみであった。再び山を下り谷戸のメインストリートに到着すると、蚊取り線香はすっかり燃え尽きていた。道路際ではオシロイバナが満開だ。夏の間は夕闇迫った頃に咲くが、もう既に秋、開花の時期がだいぶ早くなったようである。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、イヌショウマ(写真下右)、ミゾソバ(写真下左)、ツルボ、ノハラアザミ、ツルニンジン、イボクサ、コナギ、オモダカ、アレチヌスビトハギ、ゲンノショウコ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ユウガギク、カントウヨメナ、ダイコンソウ、ミズヒキ、キツネノマゴ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤマホトトギス等。蝶/アオスジアゲハ、メスグロヒョウモン、ツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ、コミスジ、クロヒカゲ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ、クロウリハムシ、マメコガネ、ナツアカネ(写真中右)、アキアカネ、マユタテアカネ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、ツクツクボウシ、エビイロカメムシ、マルカメムシ、クサギカメムシの幼虫、アミガサハゴロモ、ハネナガイナゴ、ササキリ、ヤマトフキバッタ等。キノコ/テングタケ、シロオニタケモドキ(写真中左)等。その他/ツリバナの実(写真上左)、ホオズキの実(写真上右)


9月23日、神奈川県川崎市麻生区黒川〜小山田緑地

 どうも接近する台風の影響で、明日あたりから天気が悪い日が続くようである。毎週一回、日曜日に行くことにしている小野路行きも危ぶまれる。それなら今日行っておこうかなとも思ったが、余りにも間隔が狭すぎる。寺家ふるさと村も休日は芋を洗うようだし、キノコの発生も一段落に違いない。そこで久しぶりに黒川と小山田緑地へ出かけた。いつもと同じ時間に家を出たにもかかわらず、道路が非常に混んでいる。きっと、お彼岸のお墓参りで、雨が降らないうちに行っておこうと言う事なのだろう。私もお墓参りに行かなければならないのだが、綱島駅へ行く途中にお寺があるからと、いつも事前か事後のお墓参りと決めている。こんな事をしていてはいけないのかもしれないが、ご先祖様を敬い感謝する心持は誰にも負けないつもりである。
 そんな訳で黒川に着いたのは、いつもより30分も遅れてしまった。それでも谷戸奥に向って右手と左手の谷戸の小道は歩き尽くすぞと車を離れた。いつもたくさんの昆虫に出会う日陰の下草は綺麗に刈られている。これではお手上げで谷戸のどん詰まりまでは田んぼや畑に差してある棒の先を見て歩く事になった。どうやら完全にアキアカネが高原や山地の避暑先から戻って来たようで、ほとんど全ての棒の先に止っている。僅かにネキトンボとナツアカネが混じる位だ。これで清々しい秋晴れなら一句浮かんで来るはずだが、生憎の曇り空で異常に湿度が高い。やはり明日から天気が崩れるのだろう。いくらか下草の残る場所にはコカマキリが鎮座している。どういうわけか今日も含めて、今年はコカマキリが多い。小さくて鎌に白い点があるからすぐ分る。ちなみにチョウセンカマキリは胸に鮮やかな橙色のバッチをつけ、ハラビロカマキリは羽に粋な白紋をつけている。カマキリの仲間の顔は、なんとなく詐欺師やサド顔で好きにはなれなかったが、この顔がとっても凛々しく可愛いとおっしゃるご婦人が舞岡公園にやって来る。そこでしげしげと観賞するようになったら、可愛らしく見えて来たのだから不思議である。
 右手の谷戸はあまり成果が無かったので早々と切り上げ、左手の谷戸へ行った。途中、様々な園芸植物の花が植えてある畑では、キバナコスモス、ヒメヒマワリ、ハナトラノオ、クジャクアスターが見事であった。ことに小さな花をこぼれんばかりに付けて咲くクジャクアスターは大好きな花で、これに昆虫が止ってたりすると最高だが、今日はチョウセンカマキリが花の中で獲物を待ち伏せていた。左手の谷戸は様々な野の花がたくさん咲いていて、ことにマメ科のヤブマメ、ノササゲがたくさん見られた。また、小さな実をつけたスズメウリや、早くも抽象画家のダリの髭のようなセンニンソウの実が微笑ましかった。左手の谷戸も昆虫の仲間は少なく、僅かにササキリやハネナガイナゴが見られた。ここでもアキアカネは一杯で、路傍にたくさん見られたマユタテアカネは全て追い払われてしまったようだ。やはり数は力で、圧倒的な数の前には、ただひれ伏すしかなかったのかもしれない。とんでもなく議席を落として凋落した民主党が、そうなっては日本もお終いである。
 そんな訳で時計は12時を楽に回って1時を過ぎている。こんな時間ならお蕎麦屋さんも空いているだろうと思ったが、やはりお墓参りの方々が多いためか、ザル蕎麦を食べるのに20分も待たされ、僅か5分で胃袋に納められた。以上、今日は遅れに遅れて小山田緑地に到着した。期待したキノコは僅かにコガネヤマドリやタマゴタケが生えている位で寂しかったが、ここでも野の花は随所で咲いていた。ことに秋たけなわが盛期の筈の真黄色のヤクシソウが咲いているのには驚いた。野球場に隣接する草原に行くと、雲の間から太陽が顔を出して、斜光にキンエノコロが燃えるように群生していた。これはチャンスと三脚を立てたが、あっと言う間に太陽は雲に隠れて、金色に光り輝く草原は濃緑色へと変わってしまった。また、野球場に隣接する砂地にトノサマバッタがいて、産卵している個体も見られたが、こちらも接近を感知されて飛びたってしまった。そこでまた太陽が雲間から顔を出すのではないかと水飲み場で休んでいると、もう秋だというのにゴマダラカミキリが木の幹を登っているのを発見した。今年は僅かに一度しか出会っていなかったので嬉しくなった。やがて太陽が雲間から顔を出したので先程のキンエノコロの群生する草原へ行ってみたが、雑木林の梢に太陽の光は遮られて燃え立つような美しさは再現されなかった。“秋の陽は釣瓶落とし”とは良く言ったものである。

<今日観察出来たもの>花/スズメウリ、ノササゲ(写真中左)、ヤブマメ(写真中右)、ツルマメ、ノハラアザミ、ヤクシソウ(写真上右)、ノコンギク、シラヤマギク、ツルボ、ウド、ゲンノショウコ、ミズヒキ、アキカラマツ、ツユクサ、クズ、ヤブカラシ、イボクサ、キンエノコロ、キバナコスモス、ヒメヒマワリ、ハナトラノオ、クジャクアスター(写真上左)等。蝶/モンシロチョウ、ルリタテハ、メスグロヒョウモン、ツマグロヒョウモン、コミスジ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、クロコノマチョウ、ウラギンシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/ヒメクロホシジャク、ヨツボシホソバ、オニヤンマ、ウスバキトンボ、アキアカネ、ナツアカネ、ネキトンボ、トノサマバッタ、ハネナガイナゴ、ミヤマフキバッタ、ササキリ、ウスイロササキリ、オオニジュウヤホシテントウ、ゴマダラカミキリ(写真下左)、ツクツクボウシ、クサギカメムシの幼虫、コカマキリ(写真下右)、チョウセンカマキリ等。キノコ/タマゴタケ、コガネヤマドリ、クサハツ等。その他/ノブドウの実、カラスウリの実、スズメウリの実等。


9月22日、東京都足立区舎人公園

 いよいよ東京23区内の公園巡りも、まだ行っていない区は規模の小さい公園ばかりが多くなった。中野区とか豊島区なんて、何処へ行ったら良いのかと迷ってしまう。そこでネットで調べてみると、足立区の舎人公園が比較的規模が大きく期待出来そうに感じられた。横浜から見ると足立区は都心を挟んで反対側だが、直通電車があるので遠い割にはそれ程の時間はかからなかった。公園内には水草や葦が生える池があって、セスジイトトンボとアオモンイトトンボが観察出来た。他の場所は公園化が激しいが、今だ造成中で、出来上がれば広大な公園になるようだ。また、日暮里駅からの新線が建設中なので、アクセスもとても便利になるだろう。詳細は「東京23区内道端自然観察館」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/キクイモ、ツユクサ、ワルナスビ、ヘクソカヅラ(写真上左)、アカツメクサ、ヤブカラシ、カントウヨメナ、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、アゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ等。昆虫/アキアカネ、ノシメトンボ、アオモンイトトンボ、セスジイトトンボ(写真上右)、ショウリョウバッタ、ハネナガイナゴ、ツユムシ、ホウズキカメムシ、ミンミンゼミ、モンシロドクガ、マメコガネ等。その他/エゴノキの実、ウメモドキの実、コナラの実、アカガシの実、ノブドウの実、アメリカハナミズキの実、サンゴジュの実等。


9月21日、横浜市戸塚区舞岡公園

 今日はこのHPの開設3周年記念日である。そこで何処へ行こうかと考えたが、開設当初からこのHPを毎日のように見てくれている方々がやって来る舞岡公園へ行った。と言う事は舞岡公園へ行き出して何年位になるのだろう。そこでフィールド日記を紐解いてみると、1999年頃からのようで、7年前くらいからお世話になっているようだ。10年一昔という位で7年では少し足りないが、もうかなりの古株になっている事は確かなようだ。今日は曇り日で到着した頃はほとんど風も無く、絶好の散策日和、撮影日和となった。あたかも天気の神様が開設3周年記念日を祝福しているかのようである。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、ツルボ、タイアザミ、ボントクタデ、ミゾソバ、アキノウナギヅカミ、フジカンゾウ、ヌスビトハギ、アキノノゲシ、ツリガネニンジン、タカサブロウ、カナムグラ、ヘクソカズラ、トキワハゼ、ゲンノショウコ、ヒヨドリジョウゴ、ツルマメ、クズ、センニンソウ、クコ、キンミズヒキ、ミズヒキ、ワレモコウ、アゼムシロ、ツユクサ、コスモス等。蝶/モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、ツマグロヒョウモン、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、チャバネセセリ(写真上右)、イチモンジセセリ等。昆虫/ヤマトシリアゲ、テントウムシ、オオヒラタシデムシ、エサキモンキツノカメムシ、クサギカメムシの幼虫、アカスジキンカメムシの幼虫(写真上左)、チャバネアオカメムシの幼虫、キバラヘリカメムシ、アキアカネ、コノシメトンボ、オオアオイトトンボ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、アオバハゴロモ、クルマバッタモドキ等。キノコ/キタマゴタケ、ニオイコベニタケ、ハナサナギタケ、ツエタケ等。その他/ナガコガネグモ、ジョロウグモ、ヒヨドリジョウゴの実、トキリマメの実等。


9月19日、東京都町田市小野路町・図師町

 今日は昨日と同様に青空一杯だが湿度が高いようでかなり蒸している。とは言っても、8月のような滝のような汗は流れることなく、快適とは言い難いものの散策日和であった。夏の間はあまり人と出会うことは無かったが、軽い里山歩きに来ている方に多く出会った。このところ自然度が高い筈の小野路町、図師町もぱっとしない日々が続いたが、様々な秋の花が咲き出し、早くもクサギの実が色づき始めていた。昆虫ではバッタやキリギリス、アカトンボの仲間が一杯で、確実に夏は去って秋にバトンタッチがなされている。初秋の代表的な野の花であるヒガンバナは、小野路町でもお彼岸に満開となるようだ。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、ノハラアザミ、オトギリソウ、シラヤマギク、コミカンソウ、ツルボ、フジカンゾウ、ヌスビトハギ、ウド、ゲンノショウコ、ミズヒキ、ヘクソカズラ、ツユクサ、ツルマメ、ノササゲ、ナンテンハギ、ヤブツルアズキ、クズ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス、タマアジサイ、ミソハギ、シュウカイドウ等。蝶/ルリタテハ、キタテハ、メスグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、イチモンジチョウ、クロヒカゲ、ウラギンシジミ、イチモンジセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、アキアカネ、ナツアカネ、ヒメアカネ、マユタテアカネ、クルマバッタ、ハネナガイナゴ、ミヤマフキバッタ、ハンミョウ、キボシカミキリ、コクワガタ、アブラゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ等。キノコ/シロオニタケ、オニテングタケ?、タマゴタケ、コガネヤマドリ等。その他/クサギの実(写真上左)、アワブキの実(写真上右)、ナルコユリの実、ホウチャクソウの実等。


9月18日、神奈川県足柄上郡中井町雑色〜平塚市土屋

 近頃ずっと雲って欲しい曇って欲しいと祈っていたが、今日は晴れてくれ晴れてくれと祈った。なぜなら年に一度の中井町へヒガンバナを撮りに行く日だからだ。ヒガンバナは青空がとっても似合う。確かに霧雨が着いたものも風情があるが、なにしろ“天高く馬肥ゆる秋”なのだから。そんな願いは叶えられて抜けるような青空が広がった。風はやや強いものの湿度が無いから頬にとても気持ちが良い。やっと待ちに待った仕事も入り、軍資金も出来たから東名高速道路に乗った。しかし、こんな気持ちの良い連休に家に閉じこもっているのはもったいないと、みんなレジャーにと大渋滞である。実りの秋と言われるように、ブドウ狩りや栗拾いの季節なのだから仕方があるまい。そんな渋滞でも今日の目的は焦るものではないので、サイモン&ガーファンクルのCDを聞きながら心は秋晴れである。秋は何故かフォークソングを聞きたくなる。乾いたギターの音色が耳に心地良いのだ。それに何となく哀調を帯びて牧歌的なフォークソングは秋こそぴったりなのだろう。サイモン&ガーファンクルをご存知の世代は、このHPにアクセスしていないかもしれない。何しろソロバン片手のトニー谷を知らない方々ばかりなのだから。そんな学生時代に聞いた曲を耳にすると、下宿生活を送った松本市の秋の光景が眼前に現れた。あの頃はスターキングという真っ赤になるリンゴが栽培されていて、リンゴ畑の向こうに常念岳がピラミダルに聳えていた。
 渋滞も横浜インターを過ぎると解消して、なんとか午前中に中井町雑色に到着した。ヒガンバナがたくさん咲いている田んぼに行くと、例年とは異なって、やや花の開花が遅いようである。このぶんではやはり来週のお彼岸の頃が見頃のようだ。それでも毎年恒例の田んぼの畦に咲いているものがあって、ほっと胸を撫ぜ下ろして、毎年恒例の同じアングルで撮影した。その後、たまには異なった絵柄で撮影したいと散策したが、写欲を誘うものは無かった。そこでまた舞い戻って、蕾に止るナツアカネを青空に抜いて撮った。ヒガンバナとアキアカネ、ナツアカネはとても似合うが、花が開いては止る場所が無くなってしまうのだ。また、田んぼの主とも言えるハネナガイナゴもヒガンバナとマッチするが、こちらは稲刈りが済んだ後の方が居場所が無くなって、ヒガンバナの茎にしがみつている場合が多い。また、ヒガンバナを写していた時に、ナガサキアゲハやキアゲハが飛んで来たが、私という人間の存在を察知してUターンしてしまった。もっと焦点距離の長いレンズやコードの長いレリーズ等を使えば、ヒガンバナに吸蜜するアゲハの仲間を撮影出来るだろう。いつか試みたいと試みたいと思っているのだが、じっと待っているのが苦痛で、今日も試す事は無かった。
 午後からは勝手知ったるお馴染みだが久しぶりの平塚市土屋へ行った。神奈川県でももっとも田舎を感じさせる地帯である。きょうも出会った農家の方と立ち話をしたが、そんな事を言っても本当の事だから苦笑いを浮かべるだけであった。もちろん午後からも雲一つ無い晴天だから、入り組んだ日陰になる谷戸の小道を散策した。まずはツリフネソウを撮影して、その奥の湿地に生えているミゾホウズキの花を撮った。図鑑を開くと山間の田んぼや水辺に多いと書かれてある。どうりで多摩丘陵や舞岡公園ではお目にかかれない訳である。一つの小さな谷戸の小道を往復して、次なる小さな谷戸の小道へ入り込むと、なんと簾のようにツルニンジンが垂れ下がっている。ツルニンジンも決して稀少種では無いのだが、なかなかお目にかかれない野の花である。こんなに多く自生していて、こんなに多くの花や蕾を見るのは初めてである。しかし、蔓性の植物だからなかなか絵になるように撮るのは難しい。ツルニンジンの谷戸には他の野の花も昆虫も少なく、また次なる小さな谷戸の小道へ行った。するとオニヤンマが棒に止っていて、接近を感知して飛び去った。しかし、一往復して来るとまた同じ棒に止った。この場所がお気に入りのようである。そこで接近して撮影を試みたが、90ミリマクロレンズでは近づき過ぎるから逃げてしまった。この場所が好きだからまた戻って来るだろうと、今度は180ミリマクロレンズを着けて待っていると、やっぱり舞い戻って来た。焦点距離が2倍になったから楽々ホイと撮影出来た。「オニヤンマ君、今度は違う棒に止ってね」と飛び立たせて、さっきの棒を抜き去ると、またまた巡回を終えて舞い戻り違う棒に止ってくれた。そんな事を何べんも繰り返していたら、やっぱりオニヤンマは遠くへ飛び去ってしまった。今日は被写体そのものの数は少ないが、様々な角度から撮影したから、SDメモリーカードの残量も後僅かとなった。もう一つ昆虫をと広い農道へ出たら、トンボの王様に続いてバッタの王様であるトノサマバッタの夫婦を発見した。これはラッキーと撮影すると、いよいよSDメモリーカードの残量は一桁となり、帰路の渋滞が心配だからと早や上がりで快適に自宅へ戻った。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ(写真上左)、ミゾホウズキ、ツリフネソウ(写真中右)、ツルニンジン(写真中左)、ヌスビトハギ、ゲンノショウコ、カントウヨメナ、ミズヒキ、ツユクサ、ヤブカラシ、クズ等。蝶/ナガサキアゲハ、キアゲハ、キタテハ、チャバネセセリ、イチモンジセセリ等。昆虫/オニヤンマ(写真下左)、ナツアカネ(写真上右)、アキアカネ、マユタテアカネ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、トノサマバッタ(写真下右)、クルマバッタモドキ等。


9月16日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園〜葛が谷公園

 ずっと晴れの日が続くのかと思っていたら、昨日に続いて今日も曇り日。2日間強かった風もどうにか静かになった。こんな日はもちろん絶好の散策日和、写真撮影日よりだ。このところ、ずっとフィールドへ出ていたし、待ちに待った3連休も明日からだ。そんな諸々の事を加味すると、今日はおとなしく家に蟄居しているのが常人だが、なにしろ変人と言われる小泉純一郎首相の出身地である神奈川県人だ。そこで家から車で10分の港北ニュータウンの公園巡りとなった。期待したキノコはみんな崩れていたものの、野の花、昆虫とも勢ぞろいでとても楽しかった。明日は晴天になるらしいから、家に蟄居することにしよう。詳細は「ささぶねに揺られて」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ワレモコウ、ヤマハギ、ネコハギ、アレチヌスビトハギ、ヌスビトハギ、ボントクタデ、ヤブカラシ、イヌホウズキ、キツネノマゴ、ハキダメギク、タカサブロウ、ワルナスビ、ツユクサ等。蝶/アオスジアゲハ、キチョウ、ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/アオドウガネ、ムシクソハムシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、アキアカネ、コノシメトンボ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、アオバハゴロモ、エサキモンキツノカメムシ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫、クルマバッタモドキ、ハネナガイナゴ、アオマツムシ等。キノコ/コテングタケモドキ、テングタケ、アシボソノボリリュウタケ、クロアシボソノボリリュウタケ、オオキツネタケ等。その他/マテバシイの実(写真上左)、コブシの実(写真上右)等。


9月15日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 あれ、どうしたのだろう。今日も晴れだった筈だが。朝起きて雨戸を開けると空はどんよりと曇っている。しかし、風は昨日よりも納まったものの相変わらずとても強い。気温はずいぶん下がって快適である。こうなったら出かけるしかないなと、3連休が控えているというのに、まったく困った人間である。携帯電話、FAX、メール等の発達で、お客様の所へ行かなくとも用事がほとんど済んでしまう。東京にある友達のデザイン事務所に席を確保しているというのに、ほとんど行った事がない。広大なフィールドが事務所のようで、今日は本当に久しぶりに大声を出して雑木林の中で商談を繰り返したのだから、まことに良い時代となったものだ。もう少し稼いでおかないと、医療費はもとより、憧れの南の島や北海道などに遠征出来ない。それに写真集を出版したら買ってくれるというご婦人が府中方面に一人いるので、どうにかして自費出版したいものだ。それにしても、さぞかし雑木林の中に暮らす生き物には五月蝿い存在であった事だろう。
 今日は前回のキノコの爆生の再現を期待して、寺家ふるさと村へ行った。柳の下にドジョウ3匹ではなくて、雑木林の地面にキノコがたくさんと言う訳である。まず最初に、今日も前回と同様に隣接する鴨志田公園へ行った。しかし、花の命以上に短いキノコの命、やはり一週間の間隔はとてつもない時間経過で、あんなに生えていたキタマゴタケもテングタケも跡かたもなく消えていた。それでも丹念に探すと、やっとの事でナラタケモドキを発見した。近縁のナラタケに似ているが、こちらの方は柄につばが無い。山と渓谷社刊「きのこ」によると“多くの地方で食用とされているが、食べ過ぎると消化不良を起こす”と書いてある。キノコの大先輩で、このHPの掲示板に度々ご投稿下さる森のきのこさんも、ナラタケモドキを食べて下痢したというから、私なんぞ夢の超特急となってしまう事だろう。なにしろ氏はフルマラソン完走17回という剛健な身体なのだから。そんな訳で今日の鴨志田公園は、見事に期待が裏切られる結果となってしまった。それでは花よ昆虫よと谷戸奥に向って左手の日陰の道に行ってみたが、生憎の強い風の為に見られる昆虫も少なく、花も揺れに揺れていくら待っても静止しなかった。こうなったら薮蚊の巣窟とも言える尾根に上がるしかないなと、捲り上げた長袖を手首まで伸ばし、蚊取り線香はもちろんの事、虫除けスプレーを露出する部分はもちろんの事、顔や首筋に散布して登って行った。するとさすがにキノコの宝庫、タマゴタケ、シロテングタケ、シロオニタケ、ヤマドリタケモドキ、ブドウニガイグチ、ミドリニガイグチ等が、前回より少ないもののかなり観察することが出来た。しかも、可愛らしいゴイシシジミまでもがおまけについた。だが、薮蚊対策の完全武装も空しく、スプレーを控えた目の下の辺りを3ヵ所も刺されてしまった。まったく薮蚊の巣窟はキノコの宝庫と、何処のフィールドでも決まっていて、薮蚊がいなかった夏休みの嬬恋村及び北軽井沢におけるキノコ散策が懐かしい。
 午後からはヒガンバナが咲いているかもしれない、また、キノコが生えているかもしれないと、町田市三輪町の谷戸を散策しながら妙福寺まで往復して来た。妙福寺は春先にキレンジャク、ヒレンジャクが来るお寺としても著名である。しかし、ヒガンバナはようやく花を開き始めたものがほんの少しあっただけで、やはり見頃はあと一週間はかかるだろう。それでも細長い谷戸は風が吹き込まないようで、ワレモコウ、ノハラアザミ、マユタテアカネ、ベニシジミ等を撮影する事が出来た。田んぼに挿してある竹の棒の先には、必ずと言って良い位にアキアカネが止っていた。もうこうなったら、暑さ寒さも彼岸までという事で、もう少しの辛抱である。今日は道端自然観察及び写真撮影に於いては貧果となってしまったが、広大なフィールドという名の事務所で商談が成立し、自宅に早く帰って携帯電話、FAX、メール等の通信機器を大いに利用して、仕事を完璧に片付けようと家路を急いだ。仕事が入って眼前に様々な夢が少し近づいて、心はハッピーとなった事は言うまでも無い。明日、書店に保育社の「日本原色甲虫図鑑」全三巻を注文しよう等と、取らぬタヌキの皮算用を始めるのだから困った事だ。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、ツルボ、ノハラアザミ(写真上右)、コバノカモメヅル、センニンソウ、ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギ、ゲンノショウコ、ツリガネニンジン、ワレモコウ(写真上左)、ユウガギク、カントウヨメナ、ダイコンソウ、ミズヒキ、キツネノマゴ、ヘクソカズラ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤマホトトギス、クズ等。蝶/ルリタテハ、メスグロヒョウモン、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、ゴイシシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミ(写真下左)、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/アオオサムシ、クロウリハムシ、マメコガネ、カトリヤンマ、ナツアカネ、アキアカネ、コノシメトンボ、マユタテアカネ(写真下右)、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クサギカメムシ、アオバハゴロモ等。キノコ/ナラタケモドキ、タマゴタケ、テングタケ、シロテングタケ(写真中右)、シロオニタケ、ヤマドリタケモドキ?(写真中左)、ブドウニガイグチ、ミドリニガイグチ等。


9月14日、横浜市戸塚区舞岡公園

 今日は抜けるような青空で、しかも風がとても強い。まことに泣けるような一日であった。週始めの天気予報によると今日明後日は曇りとあり、にんまりとしていたと言うのに、今朝の天気予報を見るとずっと太陽のマークが並んでいる。例年なら秋淋と呼ばれる秋の長雨の季節に入っている筈だが、いったいどうした事だろう。この間の台風が、今頃降る筈の雨をすべて集めて一辺に大雨として降らせてしまったから、もうお終いのようである。こんな残暑の厳しい日が続くと、道端自然観察及び写真撮影はとっても楽しいなんて言えなくなる。しかし、そんな悪条件でもなんとか写真を撮れたのでほっとした。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒガンバナ、フジカンゾウ、ヌスビトハギ、アキノノゲシ、ツリガネニンジン、タカサブロウ、ハキダメギク、トキワハゼ、ゲンノショウコ、ツルマメ、クズ、センニンソウ、クコ、キンミズヒキ、ミズヒキ、ワレモコウ、アゼムシロ、ツユクサ等。蝶/アオスジアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ(写真上右)、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/トビナナフシ、ヤマトシリアゲ、テントウムシ、エサキモンキツノカメムシ、クサギカメムシ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、オオアオイトトンボ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、アオバハゴロモ、クダマキモドキ、ミヤマフキバツタ等。キノコ/イヌセンボンタケ、タマゴテングタケモドキ、ツルタケ、カワリハツ等。その他/ナガコガネグモ、コガタコガネグモ(写真上左)、アズチグモ、ジョロウグモ、オオトリノフンダマシ等。


9月11日、東京都町田市小野路町・図師町

 今日は衆議院議員選挙の投票日だが、帰宅してから至近距離の小学校へ投票に行けば良いと家を出た。天気予報によると、午後3時位から雨が降って来ると予想されていた。この為、午前中に写真を確保しておかなければと焦ったものの、いつも様々な昆虫が見られる日陰の下草は綺麗さっぱりと刈られている。オオブタクサ(クワモドキ)に吸汁していた、ベッコウハゴロモ、スケバハゴロモ、アオバハゴロモ等はどうなったのだろうかと心配になった。その答えは来年の夏まで待たなければならないが、したたかな生命力を持つ昆虫達だから、きっと何処かに次世代の卵を産卵しているに違いない。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/コバノカモメヅル、シラヤマギク、コミカンソウ、ツルボ、フジカンゾウ、ヌスビトハギ、ネコハギ、ウド、ゲンノショウコ、ミズヒキ、キンミズヒキ、キツネノマゴ、ヘクソカズラ、ミソハギ、ツユクサ、ツルマメ(写真上右)、クズ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス、タマアジサイ、シュウカイドウ、ニラ等。蝶/キアゲハ、ジャコウアゲハ、スジグロシロチョウ、メスグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、イチモンジチョウ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ウラナミシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、アキアカネ、コノシメトンボ、マユタテアカネ、オンブバッタ、ハネナガイナゴ、ミヤマフキバッタ、ハンミョウ、センノカミキリ、アブラゼミ、アミガサハゴロモ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ等。キノコ/シロオニタケ、タマゴタケ(写真上左)、キタマゴタケ、コガネヤマドリ、アカヤマドリ、ニガグリタケ、カワリハツ、ベニタケの仲間、ヒメカバイロタケ等。


9月10日、横浜市緑区三保市民の森

 このHPの掲示板に度々ご投稿下さる方々も、9月に入って遠征しているというのに、なんとはなしに遠出する気が起きない。今はヒメオオクワガタ観察の適期だし、もう少し経てばツマグロキチョウやベニテングタケのシーズンになるというのに、いったいこれはどう言う訳なのだろう。一つには夏休みの10日間遠征で精力を使い果たして疲れてしまったからかもしれないし、二つには大病した時のためになるべく節約してお金を残そうと、小遣いを減らした為でもある。誰だって好んで病気になる者はいないのだから、医療費くらい無料になっても良さそうなものだが、長期療養を必要とする大病にかかると、都心のワンルームマンションが買える程の大枚が飛んで行くらしい。明日は衆議院議員選挙の投票日だが、郵政民営化論争だけで、こんな社会保障制度が論争されないのは嘆かわしい。暮らして行けるだけの年金が貰え、医療費が無料なら老後になんの心配事も無くなるというのに、特に与党の議員さんたちはとってもお金持ちだから、社会保障なんてあまり頭に無いのだろう。そんな訳で涼しくなったら生命保険を研究してみようとも思うのだが、これまた商売だから此方の思う程の事はないかもしれない。やっぱり喫煙し適度な運動もして、自己免疫力を高めるしかないようだ。
 という訳で今日も駐車場代無料、至近距離でガソリン代がかからず、スーパーの格安なお弁当をぱくつける三保市民の森へ、しかも自宅で入れたお茶をたっぷりと持参した。またまたこんなけち臭い事を書くと嫌われそうだが、500ミリリットルのペットボトルのお茶は自販機では150円だから、2本買うと300円にもなってしまうのだ。8月のように20日間もフィールドへ出かけたら、一ヶ月になんと6000円となり、素晴らしい図鑑が購入出来る。6000円の図鑑を隅から隅まで読破するのは並大抵な事ではなく、やっぱり本はそういった意味からも安いと思う。
 随分と前書きが長くなってしまったが、いつものように土曜日曜祝日だけ開かれる駐車場に車を止めると、前回は残暑厳しい中を梅田川沿いに歩いて行ったが、今日はそんな元気もおこらず日陰の谷戸道へ行くことにした。谷戸道に入る手前の畑にオオケタデが美しく咲いている。どういう訳かは知らないが、畑の片隅にオオケタデを刈らずに残してある畑を良く目にする。そこで不思議に思って図鑑を開いてみると、別段、有用な事柄は書かれていない。きっと、農家の方々は観賞用に残してあるのに違いない。大きなタデだからオオケタデと思っていたが、漢字で書くと大毛蓼となり、大きな長い毛の生えた蓼という事らしい。オオケタデを写し終えると、畑と道路の境界に進入防止の為に竹の棒で柵が作られているが、なかなかお目にかかれないネキトンボが棒の先に止っていた。太陽光線を受けて、その名の謂れとなった羽の根元のオレンジ色が輝くように美しい。ネキトンボのネキはもちろん根黄なのだろうが、どう見ても黄色ではなく赤味の強い橙色だ。今日のネキトンボはとてもおっとりしていて、「お尻を上げてくれないと様にならないよ!」と、指先でお尻を持ち上げても飛び去る事はなかった。背景さえ良ければ広角接写だが、こんなにおっとりとしていて逃げないのだから楽々ホイである。入口に植栽されているポーポーの木は、春に丸坊主に刈られたにもかかわらず、大きな葉をつけて勢いがすこぶる良いのには驚いた。植物の回復力と成長力にはいつも感心させられる。
 谷戸道に入って行くとコバノカモメヅル、ヒヨドリジョウゴ、ノササゲ等の蔓性植物が出迎えてくれた。どういう訳かここのヒヨドリジョウゴはやや紫がかっているのが不思議だった。昆虫では目にも鮮やかなナガメがたくさんいて、梅雨時が発生期だと思っていたキスジホソマダラがいてびっくりした。図鑑を開いてみても7月に出現とあるからどう言う訳なのだろう。谷戸道を往復したが少し時間が余ったから、梅田川沿いに日陰の道を選んで散策した。農家の畑にはナガイモのムカゴが美味しそうで、これをお米に入れて炊いたらと生唾を飲み込んだ。更に歩いて行くとオクラの花がとても見事で、その横にあるツルウメモドキの実もやっと色着いて来た。しかし、いつも見られるキバラヘリカメムシはいない。ここで見られなかった年はないのだから、きっと青々と茂る葉に隠れているのだろう。更にその横にはアオギリの若い木があって、なんとアブラゼミを狙っているハラビロカマキリがいた。顔つきがとっても可愛く小太りな憎めないカマキリなのだが、セミが大好物なのである。午後からは横浜キノコの森に寄ってみたが写欲を誘うものもなく、相変わらず強烈な初秋の陽が射していてキノコ撮影には最悪である。何処かへ行こうかとも思ったが、西陽はいよいよ強烈になったので、蚊取り線香は燃え尽きていなかったが早々と引き上げる事となった。

<今日観察出来たもの>花/コバノカモメヅル、ヒヨドリジョウゴ(写真上右)、ノササゲ、オオケタデ(写真上左)、キンミズヒキ、ミズヒキ、キツネノカミソリ、ゲンノショウコ、ツユクサ、クズ、トキリマメ、クサギ、ムクゲ、ケイトウ等。蝶/クロアゲハ、モンキアゲハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ、クロコノマチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/キスジホソマダラ(写真下右)、ヤマトシリアゲ、マメコガネ、ツヤマルシラホシカメムシ、ハサミツノカメムシ、ナガメ、、ネキトンボ(写真中右)、アキアカネ、ウスバキトンボ、アブラゼミ、ショウリョウバッタ、クルマバッタモドキ、ハラビロカマキリ(写真中左)等。キノコ/ヒトヨタケ、ナカグロモリノカサ、テングタケダマシ、ザエラノハラタケ、カワリハツ、ツチヒラタケ、イロガワリ、マンネンタケ等。その他/ヤマカガシ、ナガイモのムカゴ(写真下左)等。


9月9日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 前回、寺家ふるさと村に隣接する鴨志田公園や熊野池の釣堀周辺を歩いたら、トイレも水飲み場もあるし、とっても快適だった。また、平日なら敬遠していた人出も少なく、かなりのんびりと散策出来る事が分った。それに自宅からも近いし広々とした駐車場も無料で、安心して車を一日中止めておける。更に、この寺家ふるさと村をメインフィールドとてしいるご婦人のHPを見たら“寺家ふるさと村でキノコ爆発”とあった。そこでキノコ以外には左程期待出来ないが、ごく普通の昆虫や野の花なら咲いているから、これからも定期的に通うフィールドにしようと出かけてみた。今日も前回来た時と同じように、曇り日だというのに谷戸奥に向かって左手の雑木林の裾の日陰の道を歩いて行った。ここは前日行った舞岡公園の三枚畑の日陰と同じように、いつ行っても午前中は陽が射さないのだ。それにここが一番の野の花、昆虫の観察場所でもあるのである。野の花ではユウガギク、コバノカモメヅル、ツルニンジン、ダイコンソウ、タイアザミ等咲いていて、蝶ではヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、オオチャバネセセリがたくさん見られた。最近、オオチャバネセセリが減少していると聞いているが、寺家ふるさと村ではそのような事もないようである。また、民家の庭にも見られる普通種のヒメジャノメがやたらと多く、人馴れしているのか簡単に撮影出来るのは有り難い。昆虫ではユウガギクの花に今日もクロウリハムシがお食事中で、マメコガネもお仲間に入っていたので、これはラッキーと撮影した。また、秋だと言うのにエビヅルの葉にブドハマキチョッキリがたくさん見られた。
 前回はむじな池から坂を登って熊野池へ降りたが、坂道は辛いしあまり成果がありそうもないので、また日陰の道を引き返して隣接する鴨志田公園へ行った。寺家ふるさと村でのキノコ観察というと、谷戸奥右手の尾根筋が定番だが、鴨志田公園も隠れた穴場で、しかもアズマネザサ等の下草もないから、自由に背景を選んですっきりとして美しいキノコの写真を手にする事が出来るのである。途中の草叢では相変わらずアレチヌスビトハギの惚けた顔が笑っている。階段を上って公園の木立に到着すると、なんとそこだけ灯が点いたようにキタマゴタケやテングタケが群生していた。去年、キタマゴタケは港北ニュータウンの茅ヶ崎公園の道路端で観察しているが、その後出会っていないから、とても嬉しくなった。どうやらキタマゴタケは雑木林の中より、人間の生活の場に近い所がお気に入りのようである。4本綺麗に並んでいるのを見つけて絞り値や露出補正値を変えて何枚も撮影した。付近には卵から顔を出したばかりのものも多く、週末にはキノコ好きを喜ばせる事だろう。他に絵になるものはないかと探し回ると、テングタケがやや小高くなった場所に生えていた。90ミリのマクロレンズで覗くと、背景に二又に分かれた木の幹が入る。図鑑を作ろうとしている訳ではない私のキノコ写真は、キノコの生えている風景だから、まこと絶好の絵柄である。あまり絞り込むと背景の木の幹が黒々として来て台無しになるし、かと言って絞りを開けるとテングタケが柄まではっきりと写らない。これまた絞り値や露出補正値を変えて何枚も撮影した。
 午後からは寺家ふるさと村でのキノコ観察の定番ともいえる尾根へ登って行ったが、タマゴタケ、コガネヤマドリ、シロオニタケ、ハイカグラテングタケ等が爆生していたが、背景は至近の薮がほとんどで絵にならない。おまけに鴨志田公園に比べると薮蚊の数がとっても多い。これではたまらんと直ぐにまた日陰の道を散策しながら鴨志田公園へ行った。日陰の道には探していたアズチグモがいたものの、腹部背面は真っ白ののっぺらぼうだ。個体によってはここに斑紋が散らばって人面に見えるのである。それでも獲物を待ち伏せする蟹のような格好が面白くシャッターを切った。鴨志田公園に着くともう先程撮影したテングタケの傘は割れていた。ほんの少しの間だったのだが、割れてしまってはやはり絵にならない。そこで午前中は格好はすこぶる良いのだが一本だけ生えていて絵にならんと撮影しなかったヘビキノコモドキを、なんとかものにしようと様々な角度からファィンダーを覗いて、脇役として木の根、ワンポイントとしてキタマゴタケの幼菌を配置して、かなりハイアングルから撮影した。以上、様々な角度から絵作りをすれば、なんとかものになる事も多い。今まで敬遠していた寺家ふるさと村だが、例え普通種でも美しく撮る練習には最適な場所だと確信し、これからもちょくちょく出かけて来ようと心に決めて、家路に着いた。

<今日観察出来たもの>花/コバノカモメヅル、センニンソウ、ツルニンジン、ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギ、ゲンノショウコ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ユウガギク、カントウヨメナ、ダイコンソウ、ミズヒキ、タイアザミ、キツネノマゴ、ヘクソカズラ、ツユクサ、ヤブカラシ、ホトトギス、ヤマホトトギス、クズ等。蝶/アゲハ、クロアゲハ、メスグロヒョウモン、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ(写真中右)、ヤマトシジミ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/オジロアシナガゾウムシ、ヒメシロコブゾウムシ、ブドウハマキチョッキリ、コフキゾウムシ、クロウリハムシ、マメコガネ(写真下左)、オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、ササキリ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ホシハラビロヘリカメムシ、アカスジキンカメムシの5齢幼虫、ベッコウハゴロモ(写真下右)、アオバハゴロモ等。キノコ/タマゴタケ、キタマゴタケ(写真上右)、テングタケ(写真上左)、シロオニタケ、ヘビキノコモドキ(写真中左)、シロテングタケ、ハイカグラテングタケ、ブドウニガイグチ、コガネヤマドリ等。


9月8日、横浜市戸塚区舞岡公園

 各地に大きな爪痕を残して台風14号はオホーツク海に抜けた。このため今日は抜けるような青空が広がる台風一過の一日となった。こんなピーカンで気温が高い日は、良い写真も撮れないし身体もばててしまうが、3日間も悪天候で家に閉じ込められていたのだから我慢出来ずに舞岡公園へ行った。出会うものは手当たり次第なんでも撮らないと、この観察記や舞岡公園散策手帖を飾る計8枚の写真を確保出来ないぞと頑張ったが、やはり蚊取り線香が燃え尽きるまでの6時間の散策で、思うような写真は撮れなかった。それでも、同じ気持ちの同好者が多数やって来て、話に花が咲いた事は言うまでも無い。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/タカサブロウ、トキワハゼ、ヌスビトハギ、ゲンノショウコ、ツルマメ、センニンソウ、クコ、キンミズヒキ、ミズヒキ、ワレモコウ、ガガイモ、アゼムシロ、ツユクサ、クサギ等。蝶/ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ(写真上左)、キタテハ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/ユウマダラエダシャク、ヤマトシリアゲ、オジロアシナガゾウムシ、キボシカミキリ、シロテンハナムグリ、アオオサムシ、ヤマイモハムシ、オオニジュウヤホシテントウ、テントウムシ、チャバネアオカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシの4齢幼虫、キバラヘリカメムシの5齢幼虫(写真上右)、アカサシガメ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、ショウリョウバッタ、ヒシバッタ、ミヤマフキバツタ、ツチイナゴの幼虫等。キノコ/ミドリニガイグチ、テングタケダマシ、ウコンハツ、コウジタケ、ツエタケ、イヌセンボンタケ等。その他/タイワンリス、ナガコガネグモ、ジョロウグモ、オオトリノフンダマシの卵のう等。


2005年9月4日、東京都町田市小野路町

 とても自然度の高い小野路町、図師町であるが、6月に入ってから、なんとなく期待外れが多く、芳しくない結果が続いている。平地産ゼフィルスの発生は極端に少なかったし、美しい雑木林のクヌギの樹液の出も悪かった。そんな事もあって、今日は気を引き締めて散策した。まず目に付いたのは様々なマメ科の仲間だろう、フジカンゾウ、ヤマハギ、ヌスビトハギ、ネコハギ等が各所で咲いていた。昆虫では珍稀種ではないが、センノカミキリが見られた。キノコは期待していなかったが、タマゴタケ、シロオニタケも生えていた。きっと来週からはキノコデーとなるだろうが、薮蚊の多さには閉口した。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/フジカンゾウ、ヤマハギ、ヌスビトハギ、ネコハギ、コニシキソウ、ウド(写真上左)、コマツナギ、キクイモ、ゲンノショウコ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ガガイモ、キツネノマゴ、カラスウリ、ヘクソカズラ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス、シュウカイドウ、ニラ等。蝶/アゲハ、キアゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ、モンキチョウ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ルリタテハ、ヒメアカタテハ、イチモンジチョウ、クロコノマチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ等。昆虫/ヨツボシホソバの雄、オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、マユタテアカネ、ヤブキリ、セスジツユムシ、ハネナガイナゴ、ミヤマフキバッタ、センノカミキリ、キボシカミキリ、クロカナブン、コクワガタ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ等。キノコ/シロオニタケ、タマゴタケ、カワリハツ、ベニタケの仲間、ヒメカバイロタケ等。その他/アサガオの実、ナガコガネグモ(写真上右)等。


9月3日、横浜市緑区三保町梅田川〜横浜キノコの森

 昨晩外へ出たら「リュー、リュー」とアオマツムシの鳴き声が樹上から聞こえて来た。夜に草原等へ出向けば、きっと様々なキリギリスやコオロギの鳴き声が聞こえて来る事だろう。その昔、カレッジポップスと呼ばれたホークソング華やかし頃、コンサートに出かけた事があった。幕が開くと司会の北山修が「チンチロリン、チンチロリンと鳴く虫の…、季節は移り行くなあ」等といった感じの開会の言葉があって始まった。今年も早いものでもう9月、差し込む太陽光線こそ今だ強烈だが、吹く風は秋の風だ。秋は様々な芸術の季節だが、昆虫たちの世界も次第にキリギリスやバッタやコオロギ等の直翅目の季節となって、草原では夕方から野外音楽会が開かれる。また、高原や雑木林の中で暑さを避けていたアキアカネやナツアカネ等のアカネ類(アカトンボ)の天下となる。そんな事を思うと、今年のこれまでの道端自然観察及び写真撮影がなんとはなしに不本意な結果で、矢の如くに過ぎ去ったように感ずる。身体の具合が今一優れなかった事、去年の台風の影響か様々な昆虫、特にゼフィルスが見られなかっ事、まあ、そんな事もあるのだろうが、やっぱり歳なのかもしれない。道端自然観察及び写真撮影はもう足掛け17年も続けていると記しているが、なんとか30年をオーバーするまでは頑張りたいと思う。何事もそうだが、ただ単なる年月の多さのキャリアでは無く、稀種珍品にどれたけ出会ったかでももちろんなく、例え短期間でもどれだけどっぷりと自然を味わったかだ。そんな事もあってか、センチメンタルジャーニーではないが、昔、毎週のように歩いた緑区三保町へ行った。最近、相互リンクした「かぜくさ」さんのHPではないが、様々な小道に回り道をしながら発見の喜びを感じようと言う訳である。
 土曜日曜祝日だけ開かれる三保市民の森の駐車場に車を止めると、梅田川沿いに新治小学校に向けて歩き始めた。今日も残暑が厳しいので日陰の道を選んで散策したが、路傍にはツユクサとゲンノショウコが咲き乱れていた。ツユクサは漢字で書くと「露草」で、「梅雨草」ではない。夏の初めから咲き出すが今が一番の盛期である。もう少し秋が深まれば露が降りるようになるが、その頃までは咲いていないだろう。そう思って図鑑を開いてみると、早朝に咲き始めて昼にはしぼんでしまうから、朝露のごとくという事のようだ。また、ゲンノショウコであるが、これまた相互リンクしている「海華」さんのHP「自然に乾杯」によると、山口県はほとんどが紅色の花だと言う。しかし、首都圏平地は逆にほとんどが白色の花である。図鑑を開いてみると西日本は紅花、東日本は白花と書かれているが、その境界線はいったいどの辺になるのだろう。また、話はややっこしくなるが、その中間色の花もあると言う。そんな事を思いながら撮影していると、民家のチョウセンヨメナの咲き終わった花に、ツヤマルシラホシテントウが吸汁しているのを発見したり、琵琶のような独特な格好の薄緑色のホシハラビロヘリカメムシの幼虫を発見したりしてにんまりする。その後、新治小学校まで梅田川沿いに歩いて行ったが、コスモスが咲き始め、切花用に栽培されているケイトウが見事に咲き誇っていた。
 午後からは横浜キノコの森へ行った。台風11号は多くの雨をもたらしたが、その後、雨が降っていないからキノコの発生はあまり期待していなかったが、やはりその予感は的中した。キノコの発生にはシトシトピッチャンの長雨が必要なのだ。それでも第1キノコの森に入って行くと、クヌギの樹液はまだ滲み出ていて、サトキマダラヒカゲ、ルリタテハ、クロカナブン、コクワガタが吸汁していた。さすがにもうカブトムシの姿は見られなかったが、夏の名残りを惜しむかのようにクロカナブンを撮影した。何かキノコは生えていないか、はたまたまだゴマダラチョウがいるのではないかと森の中を散策していると、クロコノマチョウが数匹飛び立った。しかし、飛び立ってもクロコノマチョウは地面の枯葉や煩雑とした繁みに止るので、なかなか絵になるように写せない。それでもやっと細いシラカシの幹に止ってくれたので慎重に撮影した。この森は近くに休耕田があるためか、とんでもなく薮蚊が多い。もっとクロコノマチョウを撮りたいとの欲求があったが、薮蚊に取り囲まれてほうほうの体で退散した。こんなに薮蚊が多くては、キノコ屋さんや冬虫夏草屋さんはまこと大変だなあと思った。それでも横浜キノコの森を一周しなければと歩き始め、ススキ等が多い草原を通ると、なんとアオメアブ君が撮って下さいとポーズをとってくれている。再び雑木林の中に入って行くと、蜘蛛の巣にハイイロチョッキリが切り落としたコナラの小枝が引っかかっていて苦笑した。なんとか近場でハイイロチョッキリの産卵風景を撮りたいと思っているのだが、目の高さにあるドングリには見当たらない。それならば下草の葉に休んでいるのではと思って探して見たが駄目であった。本当にハイイロチョッキリは、コナラの小枝に上手くしがみついているのだなと納得した。その後、一回りしたもののマンネンタケが見られる位で、これと言ったキノコは見られず、苔むした丸太に生えているコキララタケを撮影して、薮蚊の巣窟から逃げ出すように車に戻った。

<今日観察出来たもの>花/オオケタデ、キンミズヒキ、ミズヒキ、オニドコロ、キツネノカミソリ、ゲンノショウコ、ツユクサ、クズ、トキリマメ、クサギ、ムクゲ、ケイトウ(写真上左)等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、ルリタテハ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ、クロコノマチョウ(写真中左)、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/ホタルガ、ヤマトシリアゲ、オジロアシナガゾウムシ、キボシカミキリ、コクワガタ、クロカナブン、マメコガネ、ツヤマルシラホシカメムシ(写真下左)、ホシハラビロヘリカメムシの幼虫、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、ショウリョウバッタ、クルマバッタモドキ、ミヤマフキバツタ、ツチイナゴの幼虫、アオメアブ(写真中右)等。その他/コナラの実(写真上右)、コキララタケ(写真下右)、ザエラノハラタケ、カワリハツ、マンネンタケ等。


9月1日、横浜市戸塚区舞岡公園

 いよいよ今日から待ちに待った9月である。そう喜んで起床してみたものの、太陽はさんさんと輝いてとても暑い。暦の上では涼しい秋の筈だがと首をひねったが、「生物記録ボランティア」の初仕事も待っているからと、こんな日なのもかかわらず舞岡公園へ行った。なるべく木陰になる所を選んで散策したが、風がほとんどないから、立ち止まって撮影に熱中していると汗が噴出して来た。それでも昆虫達も真夏が過ぎ去った事を知っているかのように、葉の上に鎮座していた。首都圏の秋はとても長く、ほぼ12月の始めまで続くのだから、まあ、あせらずじっくりとやって行こうやと休み休みの散策となった。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/キツリフネ、クコ、ナンバンギセル、キンミズヒキ、ミズヒキ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ヤマイモ、オニドコロ、ガガイモ、キツネノカミソリ、アゼムシロ、ヒルガオ、ツユクサ、アカツメクサ、ハス、クサギ、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、コチャバネセセリ(写真上右)、ダイミョウセセリ等。昆虫/ホタルガ、ヤマトシリアゲ、シロコブゾウムシ、オジロアシナガゾウムシ、キボシカミキリ、トラフカミキリ、ヨツスジトラカミキリ、クワカミキリ、クロカナブン、マメコガネ、チャバネアオカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、ハサミツノカメムシ、オオトビサシガメ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、アジアイトトンボ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、ヤブキリ、ミヤマフキバツタ、ツチイナゴの幼虫等。その他/ナガコガネグモ、ジョロウグモ、オオトリノフンダマシの卵のう、ツルタケ(写真上左)等。



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