2005年:つれづれ観察記
(8月)


8月30日、横浜市青葉区寺家ふるさと村

 「今日も8月、明日もまだ8月、早く9月になってくれないかな、そうしないと恐怖の1ヵ月20日間以上の道端自然観察行きとなる」、そう恐れていたのだが、今日は午後から曇り日となる絶好の散策日和、「今日行くとちょうど20回目となってしまうが、仕方ないな、行くしかないかな」と夏太りで益々体重の増えた身体を引きずるようにして寺家ふるさと村へ行った。動作が鈍くなる肥満は、道端自然観察及び写真撮影には大敵なのである。誰か腹部を細くする方法を教えて貰いたいものである。28日の夕刻、おトイレを借りに「四季の家」へ寄ったら、N仙人とばったり会ってしまった。N仙人とはかつて何処かで紹介した筈の、寺家ふるさと村の主的存在の駒沢のNさんの事だが、いつのまにかその風体と薄暗い森の中で冬虫夏草を探して昼飯もとらずに一日中出てこないので、そう呼ばれるようになったのである。そのN仙人が「ツクツクボウシタケが腐るほど生えていましたよ」と言うのに刺激され、その場所まで教えてもらった。また、3日に一度位にメールで送られて来る「寺家通信」に、スズサイコ、コバノカモメヅル、ツルニンジン、アジアイトトンボ等の写真が載っている。発行している若草台のOさんに、「たまには寺家にもおいで下さい」と、お誘いされているようにも感じた。しかし、寺家ふるさと村は観光地化が著しく、土曜日曜祭日等に行けば、目抜き通りはちょっとした繁華街を歩いているような賑わいとなるので敬遠していたのだ。自然観察とは人間を観察するのではなく、もちろん他の生き物を観察するのだから。しかし、今日は火曜日、「四季の家」も「熊の池の釣堀」も定休日だから、人出も少ないと踏んだのである。その思惑は的中して、とってものんびりとした散策が出来た。
 まず最初にN仙人に教えてもらったツクツクボウシタケが爆生すると言う場所へ行った。するとN仙人の言うが如くに、地面から軸が茶色で頭が白いマッチ棒が束ねられたような格好で各所に生えていた。なんとなくハナサナギタケにも似ていたが、これがツクツクボウシタケではないかなと目星をつけて、ナイフを取り出して掘ってみると、確かにツクツクボウシの幼虫から生えていた。セミから生える冬虫夏草は、ニイニイゼミからはセミタケ、アブラゼミからはオオゼミタケが生えると紹介されているが、ヒグラシやミンミンゼミやクマゼミからはどのような冬虫夏草が生えるのかは書かれていない。また、聞いた話によると、そのセミの発生時期を合わせて、これらの冬虫夏草が見られるのだと言う。すなわちニイニイゼミはトップバッターだから、そのセミタケも7月中が多いらしい。よって今はツクツクボウシの発生時期だから、ツクツクボウシタケがたくさん発生していると言う訳なのである。いったいいつ頃、これらの冬虫夏草の胞子はセミの幼虫に取りつくのだろう。セミの幼虫は成虫になる前に地面の表面近くに上がって来るので、この時が冬虫夏草の胞子が取りつくチャンスなのではなかろうか。そうでなければ、産卵された卵に取り付くチャンスとばかりに胞子を飛ばすのだろうか。でも、ご存知のようにセミの幼虫は長い間地中で暮らし何回も脱皮成長を繰り返すのだから、卵に取り付いても意味が無いと思われる。しかし、今日も梢でツクツクボウシの大合唱だったから、今後の羽化はほとんどないだろう。と言う事は、ことによったら後者からかもしれない。いずれにしてもセミの幼虫から発生する冬虫夏草の生態はまこと興味深々である。
 今日の第一目標はN仙人のお陰で軽くクリアーし、お次は、スズサイコ、コバノカモメヅル、ツルニンジン、アジアイトトンボを探しに行った。途中、寺家ふるさと村では初めて出会うハグロトンボを追いかけたり、赤紫のウッドペッカー顔のアレチヌスビトハギの花を撮ったりした。若草台のOさんに生えている場所を聞いた訳ではないが、寺家通信に載っている写真からおおよその見当はついた。スズサイコは撮っても絵にならないからどうでもよいが、コバノカモメヅル、ツルニンジンには出会いたかった。その両方共に出会えたのだが、ツルニンジンは今一写欲が湧かず、各所に見られたコバノカモメヅルを撮影した。さてお次はアジアイトトンボと頑張ったが、湿度が次第に高くなって太り気味の身体はとても重く、小野路号を静かな場所に止めて惰眠をむさぼった。やはり健全な道端自然観察及び写真撮影には、健康と肥満対策が必要のようである。「若者よ、身体を鍛えておけ、美しい心が逞しい身体に辛くも、支えられるその日が来る、その日の為に身体を鍛えておけ、若者よ!」と、中学生の頃に良く歌わされたが、それは本当だったのだ。

<今日観察出来たもの>花/コバノカモメヅル(写真上左)、ボタンヅル、センニンソウ、ツルニンジン、アレチヌスビトハギ(写真上右)、ゲンノショウコ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ユウガギク、カントウヨメナ、ダイコンソウ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ガガイモ、キツネノマゴ、カラスウリ、ヘクソカズラ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、ホトトギス等。蝶/キアゲハ、アカタテハ、メスグロヒョウモン、イチモンジチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ(写真下左)、サトキマダラヒカゲ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/クロウリハムシ(写真中左)、マメコガネ、ハグロトンボ、オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、ヤブキリ、ササキリ、ショウリョウバッタ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ホシハラビロヘリカメムシ、アカスジキンカメムシの5齢幼虫(写真中右)、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ等。その他/ツクツクボウシタケ(写真下右)、ナガコガネグモ、ジョロウグモ、オニグモ等。


8月28日、東京都町田市小野路町・図師町

 今日はとっても涼しい日で、やっと秋がやって来たという感じの散策日和であった。もちろん台風11号が過ぎ去った後の爪痕が各所に見られたが、これと言った災害は無かったようである。この為、クリ畑の実がかなり落ちていて、もう茶褐色の実が覗いていた。夏の暑さの為に夏眠していたメスグロヒョウモンも飛び出し、アズキ畑には南からの秋の使者であるウラナミシジミもたくさん飛んでいた。棚田に沿った小道を歩くとハネナガイナゴ、クルマバッタ、ショウリョウバッタが盛んに逃げ惑っていた。しかし、キノコに関しては前回来た時より少なかった。しかし、これから週を追う毎に秋が深まって行くことだろう。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ツリガネニンジン、ワレモコウ、ゲンノショウコ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ガガイモ、キツネノマゴ、カラスウリ、ヘクソカズラ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス、シュウカイドウ、ニラ、モミジアオイ(写真上左)等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ、キアゲハ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、イチモンジチョウ、コミスジ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ、コジャノメ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/オニベニシタバ、オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、マユタテアカネ、ヒメアカネ、ヤブキリ、ササキリ、ミヤマフキバッタ、カブトムシ、カナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、スジクワガタ、アブラゼミ、アカスジキンカメムシ、スケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ等。キノコ/コガネヤマドリ、カワリハツ、クサハツ、シロテングタケモドキ等。その他/ヤマカガシ、クリの実(写真上右)、コガネグモ等。


8月27日、神奈川県川崎市黒川〜野津田公園〜小山田緑地

 なんと8月は長いのだろう。嬬恋村の10日長期滞在夏休み道端自然観察で、もう夏も8月も燃え尽きてしまった。行く所もなくなり見たいものもなくなり、のんびりとしていたいのだが、生まれ持った貧乏性としかも土曜日である。夏の全国高校野球大会はとっくに終わり、いい加減に涼しくなって欲しいものだが、台風11号が過ぎ去った昨日、今日と蒸し風呂のような暑さが続いている。そんな訳で登り下りの無い平坦で楽ちんな黒川のフィールドへ久しぶりに行ってみようと、重い腰を上げた。到着した当初はぎんぎらぎんの真夏の太陽が照りつけていたが、どういう風の吹き回しか薄曇になって、疲れた身体には有り難い。まずはいつものように一番右の谷戸へ行ったが、雑木林に沿った小道は台風のために小枝や葉がかなり落ちていた。それにコナラの実(ドングリ)が付いた小枝を切り落とすハイイロチョッキリの季節でもあるので、その切り落とした小枝もかなり加わっていた。このハイイロチョキリを観察するには、目の高さにドングリドングリがたくさん見られるコナラの木を見つけ出さなければならず、大木が多い首都圏の雑木林では難しい。そこでハイイロチョッキリとその切り落とした小枝に関しては、2004年8月15日、長野県埴科郡坂城町びんぐしの里公園の観察記をご覧頂きたい。
 そんな訳で前回来た時にはオニヤンマを始め、様々な収穫があった右の谷戸では一回もシャッターを切らずに、左の谷戸へ行ってみることにした。車を中央の谷戸と左手の谷戸に分かれる分岐点に移動して歩き始めると、民家の庭先や畑に、キバナコスモス、ヒメヒマワリ、ハナトラノオが咲いている。もちろん畑の縁に植えられたニラの花もかなり咲いている。いつもたくさんのアジアイトトンボが見られる田んぼに行ってみると、どういう訳か今年は一匹だにいない。どうした訳なのだろう。ヤゴの生息が不可能な程の農薬散布や水抜き等があったのだろうか。「今日はどうも芳しくないな」とぼやいていると、農道の縁にツルボが、田んぼの畦にはオモダカが咲いている。更に農道を歩いて行くと日陰になった小川の縁にタマアジサイが見事だ。日陰が途切れて日向になると、センニンソウやクズが咲いている。暑い暑いと言いながらもフィールドは晩夏から初秋の花で一杯である。今日は花虫とおるの花デーにしようかと、これらの花を丁寧に切り取りながら歩いて行く。最後に農道はかなり細くなって谷戸奥のどん詰まりに至るが、ここからがいつも様々な昆虫で一杯の場所だ。今日は木陰に真っ赤に色づいたマユタテアカネがたくさんいて、可愛らしいヒメキマダラセセリがキツネノマゴに吸蜜していて思わず微笑が浮かんだ。しかし、なんと言っても今日の特筆事項はクワカミキリであろう。クワカミキリは舞岡公園等の他所にもいるのだが、今年はまだお目にかかっていなかったのである。半日陰のような場所にクワやヤマグワがあったら、その小枝に注意してみよう。小枝の皮を一生懸命に大顎で削ってお食事中の場面に出くわす事が出来るだろう。
 午後からは野津田公園にナンバンギセルとキリギリスに会いにほんの少しの時間を割いて寄り道して、小山田緑地へ行った。野津田公園の上の原広場の畑では、奈良北団地のK女史らのグループが多くの子供たちと一緒に収穫祭を開いていた。なんの収穫祭かと言うと小麦で、6月に収穫したのだが、乾したり脱穀したりしたから今日となったらしい。自分達で育て収穫した小麦を石臼で挽いて小麦粉にし、うどんをつくって食べたと言う。また、小麦を炒った麦茶が飲み放題との事で戴いてみると、市販のものと異なってふくよかで苦味の無い味が口中に広がった。子供たちはお腹が一杯になったようで麦藁細工に熱中していた。その昔、ストローなるものが無い時代には、麦藁がストロー代わりで、しゃぼん玉遊びも麦藁であった。K女史が小声でお仲間のご婦人に、「小野路に良く来てたくさんの写真を撮っていて、写真も上手いし自然も良く知っているんだけど、遊び人よね」と紹介しているのが耳に入って来た。遊び人と言うと夜の繁華街をうろつく危ない男を連想するが、「フィールド遊び人」と解釈すれば腹も立たない。まあ、K女史にはかなわないから馬耳東風としたが、「雨の日に送ってあげたお礼の弁当、早くお願いね」と言って笑った。その後、ゴマダラチョウやキノコを期待して小山田緑地を一回りしたが、樹液は枯れ始め、キノコもあと一雨と言った状態であった。

<今日観察出来たもの>花/タマアジサイ(写真上右)、ツルボ(写真中右)、オモダカ(写真中左)、クズ(写真上左)、ユウガギク、ゲンノショウコ、ミズヒキ、キンミズヒキ、アキカラマツ、ツリガネニンジン、ヘクソカズラ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、カラスウリ、キクイモ、コマツナギ、キツネノマゴ、タカサブロウ、ヒメヒマワリ、ハナトラノオ、キバナコスモス、シュウカイドウ、ニラ等。蝶/ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、モンキチョウ、モンシロチョウ、キチョウ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲ、オオチャバネセセリ(写真下右)、イチモンジセセリ、ヒメキマダラセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/オニヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、ナツアカネ、アキアカネ、マユタテアカネ、アブラゼミ、ベッコウハゴロモ、スケバハゴロモ、アオバハゴロモ、ヤブキリ、ミヤマフキバッタ、ハネナガイナゴ、クルマバッタモドキ、キリギリス、ショウリョウバッタ、クワカミキリ(写真下左)、キボシカミキリ、イタドリハムシ、カナブン、シオヤアブ等。キノコ/コガネヤマドリ、シロオニタケ、コテングタケモドキ、ツルタケ等。


8月24日、横浜市戸塚区舞岡公園

 台風第11号が近づいている。このため明日、明後日は荒れ模様の天気となるらしい。たとえそうであても、今日は歴戦の疲れを癒すために完全休養日としようと思っていたが、昨晩、このHPの掲示板に、舞岡公園宮田池にはアジアイトトンボもアオモンイトトンボも両方とも生息していますよとのご投稿があった。今までずっと舞岡公園にはアジアイトトンボのみが生息すると思っていたので、これは是非調べて来なければならないと、疲れた身体に鞭打って出かけてみた。家を出た時には身も心も重く、眼には乳白色のゼラチンフィルターがかかっていたが、散策を開始するや否やいつもの調子となるのだから、まるでパブロフの犬のようである。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ミズオオバコ、ナンバンギセル、キンミズヒキ、ミズヒキ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ヘラオモダカ、ヤマイモ、オニドコロ、ガガイモ、キツネノカミソリ、キキョウ、アゼムシロ、ミソハギ、ヒルガオ、コヒルガオ、ツユクサ、アカツメクサ、セリ、ハス、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、サトキマダラヒカゲ、ウラギンシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/キボシカミキリ、ベッコウヒラタシデムシ、クロカナブン、カナブン、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、ブチヒゲカメムシ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、アジアイトトンボ、アオモンイトトンボ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、ササキリ、ヤブキリ、ミヤマフキバツタ、ツチイナゴの幼虫、ハラビロカマキリの幼虫等。その他/シマヘビ、ナガコガネグモ(写真上右)、ジョロウグモ、オオトリノフンダマシ、オオトリノフンダマシの卵のう(写真上左)等。


8月23日、東京都台東区上野恩賜公園

 東京23区内の公園巡りも、そろそろ行って無い区が限られて来た。そこで今日は有名な上野恩賜公園へ行った。もっとも午前中は仕事があったから、午後からとなり、しかも通り雨にもあったから、正味3時間程の散策となった。当初、博物館や美術館の立ち並ぶ上野恩賜公園だからセミ位でほとんど期待できないと思ったが、不忍池周辺や不忍池に面する斜面は各種のアカネ類等がいて楽しさ一杯であった。まったく行って見なければ分らないと言う事が良く分かった。博物館や美術館の立ち並ぶ地域は時間がなくてほとんど駆け足だったが、その先の谷中の墓地も含めて、是非、また機会をみて訪れてみたい公園である。詳細は「東京23区内道端自然観察館」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヒヨドリジョウゴ、キンミズヒキ、イヌタデ、タカサブロウ、ハキダメギク、ヨウシュヤマゴボウ、ジュズダマ、ヒルガオ、コヒルガオ、ワルナスビ、ヘクソカズラ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ミソハギ、ハス、ムクゲ等。蝶/アオスジアゲハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ(写真上左)、イチモンジセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/コシアキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、アオモンイトトンボ(写真上右)、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クサギカメムシ、ホウズキカメムシ、アミガサハゴロモ、ミドリグンバイウンカ、サビキコリ、サンゴジュハムシ、マガリケムシヒキ、トノサマバッタの幼虫等。


8月21日、東京都町田市小野路町

 なんと20日ぶりの小野路町である。愛車「小野路号」もさぞかし来たかった事だろう。今日は昨日よりも風が強く、写真撮影の三重苦である「高温」・「ピーカン」・「強風」に見舞われた。クヌギやコナラ等の樹液も出ていないし、今日はお手上げで帰りたくなった。しかし、昨日、「こんな三重苦の日で、しかも身近なフィールドでも、その気になりさえすれば写真が撮れる事が分った」等と生意気な事を言ってしまったので頑張った。雨が降らないからキノコも発生していないのでわと思ったが、どうしてどうしてキクバナイグチ等の面白いキノコも発生していた。やっぱり小野路町は自然度が深いのだろう。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ゲンノショウコ、ミズヒキ、ヘクソカズラ、ハエドクソウ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス(写真上左)、シュウカイドウ、ニラ等。蝶/カラスアゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ、ルリタテハ、イチモンジチョウ、コミスジ、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ、イチモンジセセリ、ヒメキマダラセセリ等。昆虫/コシロシタバ、オニヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、マユタテアカネ、ヒグラシ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ヤブキリ、ミヤマフキバッタ、カナブン、コクワガタ、スケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、アオバハゴロモ、アオメアブ等。キノコ/コガネヤマドリ、キクバナイグチ(写真上右)、シロオニタケ、コテングタケモドキ等。


8月20日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園〜鴨池公園

 昨日あたりから空が真っ青となって、太陽光線が強烈に降り注ぐようになった。大気が澄んで来て秋が近いことが感じられる。フランスの小説家カミユの作品「異邦人」に、こんな焼け付くような情景描写があった事を思い出す。しかも風が強いから、写真撮影の三重苦である「高温」・「ピーカン」・「強風」の真っ只中に出て撮影した訳である。このため自慢出来るような写真は撮れなかったが、こんな三重苦の日で、しかも身近なフィールドでも、その気になりさえすれば写真が撮れる事が分った。アオスジアゲハやアゲハが池の畔で吸水していたが、熱射病にかからないように、何遍とも無く水を飲んだことは言うまでも無い。詳細は「ささぶねに揺られて」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカラシ、イヌホウズキ、キツネノマゴ、ハキダメギク、タカサブロウ、カラスウリ、ワルナスビ、ツユクサ、アカツメクサ、タマアジサイ、ムクゲ、サルスベリ等。蝶/クロアゲハ、キアゲハ、アゲハ、アオスジアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、キチョウ、ルリタテハ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/シロテンハナムグリ、カナブン、アオドウガネ、オオヒラタシデムシ、アブラゼミ(写真上左)、ミンミンゼミ(写真上右)、ヒグラシ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、コノシメトンボ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ギンヤンマ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、アオバハゴロモ等。


8月18日、横浜市戸塚区舞岡公園

 舞岡公園で良く出会う同好のご婦人が、なんとタマムシを発見してしまって写真まで撮った。そこで、是非、私も撮りたいと昨日も行ったのだが、遠征の疲れが残っていて昼寝ばかりしていた。去年、小山田緑地で飽きる程にタマムシを撮っているが、舞岡公園のタマムシは非常に価値があるのだ。しかし、そんな思いがあると他の昆虫や花が目に入って来ないので、今日はいつものなんでも屋に戻ったら、様々な野の花や昆虫が目に入って来た。遠征していた嬬恋村に比べるととんでもなく暑い舞岡公園だが、もうツクツクボウシが鳴き、ツリガネニンジン等が咲いて、秋はすぐそこまでやって来ていると感じた。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ナンバンギセル、キンミズヒキ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ゲンノショウコ、キツネノカミソリ、キキョウ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ヒルガオ、アカツメクサ、セリ、ハス等。蝶/アゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ(写真上左)、ルリタテハ、キタテハ、イチモンジチョウ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ(写真上右/8月17日に撮影)、ヒメジャノメ、ヤマトシジミ等。昆虫/コシロシタバ、ハグルマトモエ、カブトムシ、クロカナブン、カナブン、エゴヒゲナガゾウムシ、トウキョウヒメハンミョウ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、アジアイトトンボ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、アオバハゴロモ、ミヤマフキバツタ、ヤブキリ、ウシアブ等。その他/コウジタケ、コガタコガネグモ等。


8月15日、群馬県吾妻郡嬬恋村プリンスランド〜倉渕村榛名西麓広域農道

 いよいよ今日が帰宅の日で、長かった夏休みの最終日である。毎年、雨さえ降らなければ午後3時位まで散策して帰宅の途に着く。昨晩、もし明日散策出来たならば、10日間の夏休みはパーフェクトで終了と思い、半日でも天気が持つようにと天気予報を何べんも見た。すると長野県側より群馬県側の方が比較的雨の降り出しが遅いようである。また、Uターンラッシュが見込まれていて、高速道路は大渋滞になるとも予測されていた。そんな事もあって、名残惜しいプリンスランドに11時頃迄いて、前回行って楽しかった倉渕村の榛名西麓広域農道へ寄り道してみようと思った。長野県側にいてはどうしても碓氷峠を越えなければ帰れないので、渋滞した場合の逃げ道がないのだ。その点、高崎辺りまで辿り着いていれば様々な迂回路があると言う訳である。そんな様々な思いがあって起床してみると、なんと真っ青な青空が広がっていて、ここへ来て初めて煙を吐く浅間山が一番くっきりと美しく望まれた。これでパーフェクトとなるなとほくそえんだが、こんな良い天気では下界に降りて行ったら暑くって堪らないだろうなあとも感じられた。あまりした事の無い掃除をして、荷物を全て車の中に放り込んで、忘れ物は無いか、電気の消し忘れは無いか、火の元は大丈夫かと何べんもくどいように確認して出発した。とは言っても僅か5分の軽井沢白樺高原教会までだ。前回、一日中キノコ観察をした時に見つけたアカヤマドリの幼菌が、今日あたり立派に傘を開いているのではないかと思った訳である。その予想は見事に的中して、2本並んで仲良く傘を開いているからたまらない。被写体としては最高の状況である。更に絵になるような場所に生えている。しかもアカヤマドリなのだからとかなり時間をかけて慎重に撮影した。他にはなにか撮影すべきものはなすかなと目を光らせるのだが、どうしてもキノコ目になってしまう。するとウスタケという独特な格好をしたものや前回見られなかった様々なキノコやなんと平地でも普通なヒトヨタケまで生えていた。ほんとうにここはキノコの宝庫である。そんな訳でかなり時間をとられた後にプリンスランドを出発した。
 北軽井沢を過ぎ、浅間大滝の横を通って二度上峠を越えて倉渕村に至る。言わば北軽井沢と高崎側との裏道とも言える9日と同じコースをとった。二度上峠からは雄大な浅間山はもちろんのこと、独特な山容の鼻曲山が至近に見える。浅間牧場、北軽井沢、嬬恋村と広々とした平いらな樹林帯は実に見事だ。急ぐ車を先に通してから、充分にエンジンブレーキをきかせてゆっくりと降りて行った。パソコンやカメラの中にはなんと9日分の成果が詰まっているので、慎重そのものである。九十九折の曲がりくねった山道を下りきると、こんな山奥なのに「はまゆう山荘」なる名前の保養施設がある。そこを通ってすぐに左手に入ると「わらび平森林公園」だ。以前はかなり素晴らしい自然観察地であったが、今はただの林間のキャンプ場である。ずっと前にこの近辺でオトシブミを撮影しているので、もしかしたらいるのではと車を路肩に停めて少し散策してみると、赤に近い鮮やかな上羽を持ったオトシブミをすぐに発見した。数多くのオトシブミの仲間を撮っていても、本家本元たるオトシブミを撮影していないと片手落ちと思っているのだ。更に下って倉渕村の中心街に出る手前にかなり規模の大きいチップ工場があって、そこには様々な山から切り出された丸太が積んである。もちろん工場内は進入禁止であるが、たくさんのカミキリムシやタマムシが産卵に来ているのでないかと思って、車道から観察出来る丸太を調べて回ったが、期待していた昆虫は一匹もいなかった。やはり山から少し離れた平らな場所では、昆虫たちはやって来ないようである。また、産卵しても粉々に砕かれてチップとなってしまうのを知っているのかもしれない。それでもオオハンゴンソウ、キツネノカミソリ、ダイコンソウ、ツユクサ等の花が咲いて、普通種の昆虫たちは路傍にたくさん群れていた。
 午後からはもちろん前回とても面白かった榛名西麓広域農道へ行った。国道から上って行くとスミナガシがいた棚田横に生える数本のクヌギの木の横を通るが、今日は樹液にスミナガシとヘビトンボが来ていた。スミナガシは前回撮影しているので、ヘビトンボを是非撮影したいと思ったのだが、残念なことに片方の触覚が途中から切れていた。また、通り雨があったから路上は濡れていて、スミナガシが吸水していたので近づいてみると、そこには車に轢かれてぺちゃんこになった昆虫の遺骸があった。スミナガシはただ単に水分を補給していただけでなく、お食事も兼ねていたのである。榛名西麓広域農道へ到着すると、もちろん丸太がたくさん積んである所へ行ったが、今日は通り雨の影響かルリボシカミキリをはじめとして、なんにも昆虫はやって来ていなかった。それではと前回カブトムシがたくさんいたクヌギ林に行ってみると、オオスズメバチがいる位で何もいない。きっと昨日一昨日が土日だったし、お盆休みでもあったから子供連れの方々に採集されてしまったのだろう。そこで次なるミヤマクワガタが2匹いたクヌギ林へ行ってみると、なんと大型のミヤマクワガタが吸汁していた。これ程大きいと実に立派で、怒らせると大顎を上げて威嚇ポーズをとるから怖い位だ。まこと昆虫ながらあっぱれな存在である。その横のクヌギにはスミナガシとコムラサキが来ていて、良く樹液の出る傷口をとろうと争っていたが、スミナガシに軍配が上がった。さらにその奥にはなんと羽化したばかりのオオミズアオが幹に止まっていた。路上に交通事故に出会ったものが見られたのでもしやと思っていたが、今はオオミズアオの2化の季節なのだ。最後にアカアシクワガタをとヤナギ林に車を走らせたのだが、今日はお留守であった。遠く雷鳴が響いて、そろそろこの10日間の夏休みのエンディングの合図のようである。長袖シャツを半袖に、長ズボンを短ぱんに、長靴をサンダルに履き変えると、自宅目指して下って行った。

<今日観察出来たもの>花/キオン、オオハンゴンソウ(写真上左)、コバギボウシ、ヤブカンゾウ、キツネノカミソリ、クズ、アレチマツヨイグサ、ヘクソカズラ、ゲンノショウコ、キツリフネ、ツリフネソウ、ダイコンソウ、ツユクサ等。蝶/カラスアゲハ、オナガアゲハ、オオムラサキ、コムラサキ、ルリタテハ、スミナガシ(写真下左)、サカハチチョウ、スジボソヤマキチョウ、キチョウ、サトキマダラヒカゲ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、コジャノメ等。昆虫/オオミズアオ(写真下右)、カブトムシ、ミヤマクワガタ、コクワガタ、アオカナブン、オオゾウムシ、オトシブミエ(写真中右)、ゾゼミ、オニヤンマ、ミヤマアカネ、アキアカネ等。キノコ/アカイボカサタケ、コウジタケ、アカヤマドリ(写真上右)、ウスタケ(写真中左)、オニイグチ、ニオイコベニタケ、ニッケイタケ、ヒトヨタケ等。


8月14日、群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢高原

 いよいよ明日は帰宅の日である。10日間の夏休み長期嬬恋村滞在は、いつも中日まではとっても長く感じられ、いったい我慢出来るのだろうかと思ったりするが、終わりに近づくととっても短かかったなあと感ずるようになる。いつもなら帰宅の途中、鹿沢高原に寄り道してが毎年の恒例となっていたが、どうも明日は天気が芳しくないようである。そこで今日は一日中良い天気ということで、夏休みの初日であった8月6日にも行った鹿沢高原へ再びという事になった。初日と最終日は鹿沢高原で過ごすのが、かなり前からの約束事となっているのである。また、前回から一週間も月日が過ぎ去っているので、高原の様相もだいぶ変わっている筈である。良くガソリンを入れるスタンドの若者によると、「嬬恋村は北海道と同じ気候、8月20日を過ぎれば寒くなる」と言う事なので、言わば今週あたりが嬬恋村の夏の終わりという事になるのだろう。また、前回行った時は高山蝶のベニヒカゲも非常に少なく、クジャクチョウやシータテハやキベリタテハ等の綺麗どころのタテハチョウも見られなかった。やっぱりこれ等の蝶に出会ってこそ、高原に来たんだという実感に湧き上がって来る。また、これらの蝶は曇り日ではお出ましにならないので、そういう意味からも今日行く事にしたのである。
 午前7時前に起床する癖がついてしまったので、ゆっくりと朝食をとったが、至近距離だから高原入口に着いたのはまだ9時前である。前回と同じくヤナギの木があると車を停めて小枝を見やりながら、最初の花園たる開けた場所に着いた。今日はコムラサキはいるかなと思って荒地に行って見ると、前回同様に焚き火跡にたくさん来ていた。前回は近寄ると遠くに全て飛び去ってしまったが、今日は付近の地面や樹木の葉に止まって、「なんだあの人、食事中に失礼な奴、早く消えてくれないかな」と待っている。そこで「撮らせてくれたら退散するからね」と話しかけて近寄るのだが、そう簡単には撮らせてくれない。しかし、次第に彼らもこの胡散臭い人間との追いかけっこに疲れたようで、なんとか撮影することが出来た。今日はそればかりでなく車を停めた場所近くのミズナラの幹に樹液が出ていて、コムラサキはもちろんのこと、エルタテハやクロヒカゲが吸汁していた。高原でミズナラの木から樹液が出ているなんて、めったに無いことだから、ここでなんと2時間ばかりも粘ってしまった。もっとも、撮影のために近寄ると何べんも逃げられたから、またやって来るまで花園で花やクジャクチョウを撮って時間潰しも大いにしていたのだ。
 ようやくイメージ通りの写真が撮れたので、今年はまだミヤマハンミョウを撮っていなかったと気づいて、更に登って次の荒地に行った。途中、崩落防止のコンクリートの壁や切通しの崖に、前回より多くのエルタテハが見られた。ざっと見渡しても10頭位はいるだろう。今年はエルタテハの当たり年のようである。小石混じりの荒地に足を踏み入れると、すぐに多くのミヤマハンミョウを見つけて撮影した。車に戻る途中、地面から2頭のシータテハが飛び立って近くに舞い降りた。これはラッキーと近寄るとコムラサキ同様に逃げ去る。しかし、すぐに舞い戻って来て、最初、飛び立った辺りに着地した。近づいてみると、そこにはなんと黒々とした獣糞があった。シータテハは獣糞でお食事中であったのだ。獣糞では焚き火跡よりなお頂けない。しかし、何べんも飛び立たせて近くに止まらせ、これもどうにかカメラの中にゲットした。そんなこんなで早くもお昼、今日は「民宿わたらせ」で、ヤマメの塩焼き定食を食べる日である。夏休み初日は天ぷら定食、最後の日は塩焼き定食というのも、夏休みのお約束事になっているのだ。途中、大きな岩が露出する場所で、キベリタテハを発見したが、お楽しみは食後にと「民宿わたらせ」へ急いだ。
 食事がすんでキベリタテハがいた場所に戻ってみると、いましたいました、それだけでなくエルタテハ、クジャクチョウ、シータテハ、ギンボシヒョウモン、ミドリヒョウモンと、みんな大集合しているのだから堪らない。そればかりか数えた訳ではないが、なんと50頭ものアサギマダラが岩からしみ出る水分を吸っている。大きな岩には鈴なりでぶら下っているし、付近を飛んでるものも多数いる。もちろん崖下のヒヨドリバナに吸蜜しているものまでいる。こんなに多数集まっているのを見るのは始めてである。いったいこれはどうした事なのだろう。高原の花を観察にやって来たご婦人に指差すと、「凄い、感激、美しい」との言葉が返って来たのは嬉しいが、「なにか良からぬ事が起きる前兆かしら」と言うので、ことによったら大きな地震か浅間山の噴火があるのではないかと頭を過ぎった。もしかしたら、ここにこのように集まって、そろそろ南への大移動を開始するのかもしれない。いづれにしても今日は上天気でアサギマダラも喉が渇いていたのだろう。そんなこんなでなんと1ギガのコンパクトフラッシュを使い切ってしまったのだから、今日の道端自然観察および写真撮影の充実が推測される事だろう。明日は帰宅の日、早く戻ってその準備をするのにもちょうど良いかなと、満面に笑みを浮かべて滞在先に戻った事は言うまでも無かろう。

<今日観察出来たもの>花/ヤナギラン(写真上左)、ハンゴンソウ、コオニユリ、ワレモコウ、ツリガネニンジン、ヨツバシオガマ、ヒヨドリバナ、クサレダマ、ハクサンフウロ、クガイソウ、シシウド、チダケサシ、ヤマハハコ、ヤマホタルブクロ、ヤマオダマキ、オカトラノオ、ノアザミ、シモツケソウ、シモツケ、オオカメノキ等。蝶/ミヤマカラスアゲハ、アサギマダラ、キベリタテハ(写真中左)、エルタテハ、シータテハ(写真下左)、クジャクチョウ(写真中右)、コムラサキ、ギンボシヒョウモン(写真下右)、ミドリヒョウモン、ヒョウモンチョウ、ベニヒカゲ、クロヒカゲ、オオチャバネセセリ等。昆虫/アキアカネ、ノシメトンボ、ミヤマアカネ、ミヤマハンミョウ(写真上右)等。


8月13日、長野県小県郡丸子町信州国際音楽村周辺

 昨日で行きたい所は全て行って、撮ろうとしていたものは殆んど撮ったような気がして、これで自宅に帰っても良いなと感じられた。やっぱり1週間はとても長い。しかし、後3日、せっかく来たのだから何処かへ行こうと思ったのは言うまでも無い。今回撮りたくて撮れないでいるものにシロスジカミキリがある。それに今年はまだ撮影していない大型のノコギリクワガタとタマムシがいる所と考えたら、以前にも行った事のある丸子町の信州国際音楽村周辺が頭に浮かんだ。信州国際音楽村はバブル期に造られたようで、とっても立派な施設が建ち並んでいる。しかし、その後、利用者も少なく、また維持費の削減等によってか、かなり傷んでいる施設も多い。こんな良い場所にこんなに素晴らしい音楽施設があるというのに、県外の音楽関係者も含めて利用しないとは、まことに不思議である。おそらく都会のクーラーの効いた施設で、合宿等が行われているのだろう。また、ここへ辿り着く道しるべがバイオリンを模しているのだから、クラッシック音楽専用の施設かもしれない。最近のクラシック愛好家がどの位いるのか分からないが、私が多感な若者の頃には「レコード芸術」という雑誌が出ていて、クラッシック音楽の様々な事柄が紹介されていた。まだ廃刊にはならずに同じ名前で刊行されているのだろうか。今、レコードなんていうしろ物を知っている人間は少数派に陥っているのだから。
 しかし、このような田園に立つ施設を利用してこそ、その感性が大いに培われるのではなかろうか。かの有名なベートーベンは、アカヤマドリのように雄大でオオムラサキの羽ばたきのように力強い交響曲第3番、言わずと知れた寸分の狂いも無い哲学的で模索的な交響曲第5番、そして何べんともなく打ち消しながらも諦念を越えて高らかに人生を歌い上げた交響曲第9番が有名だが、田園として親しまれている交響曲第6番も忘れられない存在だ。私が一番最初に所有した兄から貰ったモノラルレコードが田園である。自然が好きだから田園が好きになったのか、田園の影響で自然が好きになったのかは定かではないが、擦り切れるまで聞いた事が懐かしい。しかし、ベートーベンは旧軽井沢のような所で暮らしたドイツ人だから、やはり鳴く鳥はカッコーであった。今は山地や高原にはあまり行かず、ウグイスやカエルが合唱する里山ばかりに行っているので、それらが鳴く交響曲があったら良いと思う。こんな曲の作曲はベートーベンには不向きだろうから、あのブラームスのような作曲家を舞岡公園や小野路町に連れて来たいものである。自慢ではないが、フラメンコの道を究める親戚の者やバイオリンの道を歩んでいる親戚の者も、時たまこの道端自然観察館をクリックしてくれているらしい。芸を極めようとするものは、その道だけでなく、やはり自然に対しても大いなる理解者でなければならぬと思う。
 とっても前置きが長くなってしまったのだが、実は今日はとてつもなく貧果で、書く事もないからと言う事でもあるのだ。信州国際音楽村の閑散とした駐車場に車を停めると、いつものようにノウゼンカズラを撮りに行った。今年はかなり開花の進行が早いようで、まばらに咲き残っているだけであった。施設の周りは雑木林で、一周する事にして歩いて行くと、とっても若いおばあちゃんとお孫さんがススキをとっている。ここ信州と言えども里山だからまだ穂は出ていない。「お盆だから飾るんですよ」とおばあちゃんが言う。「そうか、旧盆なんだ」とドキッとする。こんな気楽な長期滞在夏休みを送れるのも、亡き父や母や義父たちのお陰なのである。まったく私の人生、自分の力で生きて来たなんて事は殆んど無く、親のお陰で生きながらえているようなものである。帰ったら墓参りに行かねばならん。そんな事を考えながら散策していると、クヌギの幹に変な格好をしているミンミンゼミを発見した。死んでいるのかな、それとも何かに捕食されたのかなと近づいてみると、交尾しているではないか。アブラゼミの交尾は観察しているがミンミンゼミは初めてである。90oのマクロレンズでも逃げないだろうと近づいたら、建物が入って絵としてはつまらない。そこでシャッターを切っておけば良かったものの、絵になるバックを求めて動いたら、なんとミンミンゼミは交尾したまま草叢に落ちてしまった。手で掬い上げたら交尾を解いて、2匹とも飛び去ってしまった。面倒臭がらずに、より長焦点距離のレンズにかえておけば良かったと悔やまれた。
 午後からもコンビニで購入したおにぎりを食べて雑木林の中を散策したが、飛び古したオオムラサキがたくさんいただけで、目的とする昆虫には出会えなかった。撮影対象としていないから無造作に近づいたのだが、ここのオオムラサキは逃げようともしない。飛び古して来ると、人間と同じようにずうずうしくなるのかなと苦笑した。以上、今日はそんな訳でとんでもなく貧果で、ベートーベンの交響曲ハイライトなるCDを聞きながら、こんな事もあるさと嬬恋村に戻った。嬬恋村では盆踊り大会が開かれていた。今はどんな曲が流れるいるのだろう。私の子供の頃は「あの日、ローマで眺めた月が、今日は都の空に咲く」と言う出だしの、三波春夫の東京五輪音頭であった。このHPをご覧下さる方々の多くは、「いったい何、その曲?」って思われるかもしれないが、結局、ミコを背負って信濃路を歩けなかった「愛と死をみつめて」と同じゅうして、大ヒットした曲なのである。今日は道端自然観察記ではない駄文だらけで、「もう好い加減にしてよ」との声も上がっているようなので、これでパソコンの電源をOFFとしよう。

<今日観察出来たもの>花/マルバルコウソウ、ガガイモ(写真上右)、ツルフジバカマ、アカツメクサ、クズ、ヘクソカズラ、ムクゲ、サルスベリ、ノウゼンカズラ(写真上左)、アスター、ヒャクニチソウ等。蝶/アサギマダラ、オオムラサキ、ルリタテハ、キタテハ、コミスジ、キマダラモドキ、サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ジャノメチョウ、ヒメジャノメ、ヒメキマダラセセリ等。昆虫/カブトムシ、アオカナブン(写真下右)、エゾゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、オニヤンマ、オナガサナエの雌(写真中右)、シオカラトンボ、コフキトンボ(写真中左)、ノシメトンボ(写真下左)、ヒメアカネ、キイロスズメバチ等。その他/モズ、アオダイショウ、タヌキの遺骸等。


8月12日、群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢〜嬬恋村プリンスランド


































































 今日は昨日の天気予報によれば、一日中雨という事であった。そこで昨晩はいつもより遅く寝床に入った。大粒の雨が屋根をたたく音がうるさい程だ。自宅はマンションの1階だから雨の音とも縁遠かったが、天井の無い作りだから懐かしい雨の音が直に聞こえて来るのだ。それでもぐっすり眠って、朝の7時に目覚めた。どうせ雨だからもっと寝ているつもりでいたのだが、こちらに来てからはいつも7時前に目覚めてしまう。そこで朝食をとって洗面、トイレ等をすませてから、また寝床に入る事にした。その前にちょっとパソコンに向かってフリーセルで遊んでいたら、No.16463がかなり難しくて何回もやり直すこととなってしまった。するといつの間にか屋根をたたく雨の音がしなくなった。これはいったいどうしたのだろうと外を覗くと、雨が止んでいるではないか。そこでメモ用紙にNo.16463と書き入れて、帰ってから再挑戦することにして、大急ぎで仕度をした。まったく思ってもみなかった幸運に恵まれた訳だが、またいつ雨が降って来るか分からないので、滞在しているプリンスランド内と北軽井沢周辺を散策することとした。
 まずは去年たくさんのキノコを観察し撮影した軽井沢白樺高原教会周辺に行った。8月6日からいつもキノコの発生に注意していたが、今年は去年よりかなり少ないなと思っていた。しかし、夜になると雨が降ることが多かったから、今日あたりはたくさん出ているかもしれないと期待したのである。まずは何と言ってもアカヤマドリに会いたかった。昨年は出会えたのだが幼菌であったので、今年はすっかり傘が開いた成菌をと望んでいたのだ。アカヤマドリはその名のごとくオレンジ色のキノコで、幼菌の時は小豆色をしている。その柄は太くて頑丈で、傘も肉厚で固くとても中身が充実していように感じられる。しかも傘の表面は成長するとひびが入って、なんとも言えない美しさをかもし出すのである。更に聞くところによるととても美味しいらしい。まさにその姿はキノコの女王陛下で、蝶で言ったらオオムラサキのような存在である。そこで去年生えていた女子従業員の宿舎の前に行ってみると、なんと図鑑にあるように美しく傘を開いていて3本も生えていた。思わず「やったー」とにんまりした事は言うまでもない。
 女子従業員前で、ああでもないこうでもないとかなりの時間を費やして撮影すると、近くの同じようにカラマツが植栽されている場所を重点的に探したら、成菌が1本、幼菌が2本も生えていて、なんと合計6本ものアカヤマドリと対面したことになった。しかもキノコは蝶のように飛び去ったりしないから、充分に時間をかけて絞り値や露出補正値を変えて何枚も撮影した事は言うまでも無い。それを見て夏休みでやって来た少年兄弟に「何をしてるんですか」と尋ねられてしまった。少年たちはクワガタムシを探しているとの事で、幹に止まっていたアカアシクワガタを見つけたと虫篭の中を見せてくれた。そこでアカアシクワガタはヤナギの小枝にいるんだよと、付近に生えていたヤナギの下で懇切丁寧に指導した事は言うまでも無い。ノコギリクワガタを是非とも見つけたいとの事だったが、この辺は標高が高いからミヤマクワガタだと思うよと教えてあげた。聞くところによると横浜市泉区中田からやって来たと言うので、帰ったら地下鉄に乗って舞岡公園へ行くと良いよと、サジェスチョンした事は言うまでも無い。
 昼食は久しぶりに美味しい定食を食べたいと北軽井沢へ行って、行きつけの店でサバの味噌煮定食を食べた。脂が乗っていてとても美味しく味付けも最高だった。北軽井沢にやって来たのにはもう一つ理由があって、去年、小川沿いの別荘の庭にヒイロウラベニイロガワリをはじめとする様々なキノコがたくさん生えていたからだ。今日からお盆休みに入った方々も多いらしくて、行き交う車の量は10倍程にも増えている。目指す別荘の近くに車を停めて行ってみると、今年も赤いユキダルマがたくさん苔の上に生えていた。しかも別荘の持ち主も来ていないから、遠慮なく不法侵入して撮影出来た。なるべく足跡は残さないつもりでいたが、雨上がりで地面が軟弱になっていたために長靴の跡がついてしまった。長靴を履いた胡散臭い中年男が他人の別荘の庭にいる等と通報されるのが怖かったので、そそくさと撮影した事は言うまでも無い。
 北軽井沢から戻って来るとまた軽井沢白樺高原教会周辺に行った。ここは若い男女に人気の結婚式場でもある。その周辺を長靴を履いた胡散臭い中年男が徘徊しているのだから様にならない。しかし、各種のキノコがこれでもかこれでもかと次々に現れるのだから仕方無い。去年も感じた事だが、キノコの発生期に2、3ヵ月滞在し、ミニバイクで周回して見つけたキノコを採集して戻り、しげしげと図鑑と照らし合わせたり、傷をつけてみたり、試薬をかけてみたり、胞子紋をとってみたり、顕微鏡で胞子を見たりする毎日を送ったら、とても難しいキノコの種名判別のノウハウをきっと身につけられるに違いないと思った。しかし、私はキノコ屋さんではないし、首都圏の里山に生える見栄えの良いキノコを写真に撮るだけの人間だから、その計画が実行に移される事は無いだろう。しかし、それ程までに魅力的なキノコが一杯なのであった。午後3時を過ぎると雨が降って来た。去年と同様に女子従業員の宿舎、他人の別荘の庭、結婚式場である教会の回りをうろついて、まこと褒められた事ではなかったが、憧れのアカヤマドリをはじめ様々なキノコをカメラに納めて、今日は本当にラッキーであったとほくそえみながら滞在先に戻った。

<今日観察出来たもの>花/キオン、キツリフネ、ツリフネソウ、ゲンノショウコ、ツリガネニンジン、ヤマウド、ワレモコウ、ウツボグサ等。蝶/サカハチチョウ、ベニシジミ等。昆虫/キマワリ、コエゾゼミ、ツノアオカメムシ等。キノコ/ベニヒガサ、ウラムラサキ、キツネタケ、テングタケ、タマゴテングタケモドキ、ドクツルタケ、アカイボカサタケ、シロイボカサタケ、ヒイロウラベニイロガワリ、アメリカウラベニイロガワリ、イロガワリ、ヌメリコウジタケ、ブドウニガイグチ、ミドリニガイグチ、アカヤマドリ、オニイグチ、クサハツ、ニオイコベニタケ、ニッケイタケ、ツチグリ、ズキンタケ等。
写真/アカヤマドリ/アカヤマドリの幼菌/ヒイロウラベニイロガワリ/種名調べ中/ツチカブリ?/ブドウニガイグチ/種名調べ中/ヌメリコウジタケの幼菌/アメリカウラベニイロガワリ/オニイグチ/ミドリニガイグチ/テングタケの幼菌?/種名調べ中/クロイグチ?/アカイボカサタケ。


8月11日、長野県上田市上田市民の森公園〜東部町

 今日は軽井沢町の小瀬林道を歩いてみるつもりで出かけた。しかし、様々な背の高い広葉樹に鬱蒼と蔽われ、林道は日陰になる場所が多く、あまり期待出来そうもないなと感じられた。また、こんな山深い林道はどうも感覚的にも苦手で、ほんの少し歩いてみただけで何処か別の場所に行こうとの考えに至った。そこで旧三笠ホテル前を通って、まるで原宿のようなお店が立ち並ぶ目抜き通りを経て、国道18号線に出た。目指すは上田市民の森である。上田市民の森は過去にも何回ともなく行ったのだが、これといったものが見られる場所ではないものの、なぜか今年の予定に入れていた。途中、高峰高原に通ずるチェリーパークラインを横切るが、高峰高原に行ってみようかなとの思いが瞬時だが通り過ぎたが止めにした。高原に行けば涼しいし、ニッコウキスゲを始めとする様々な花々が咲き乱れ、高原でしか見られない蝶もいるのだから、何故行かないのと不思議に思われるかもしれないが、里山が大好きなのだから仕方が無い。特に高原の花々は私にとってはそれこそ高嶺の花で、いくら背伸びをしても手にすることの出来ない上流階級の人々のようである。その点、里山の花々や昆虫たちは、とっても庶民的でいつでも気軽に遊んでくれるのである。いったい里山とはなんぞやと思われるかもしれないが、面倒臭いその定義はやめにして、汗が噴出し薮蚊がたくさんいる所と定義すればなんとなく分かって貰えると思う。しかし、今日はとても気温が低い曇り日で、信州の里山に遊んでも汗一つかかなかった。
 余り期待していない上田市民の森に着いて雑木林の中に入って行くと、様々なキノコが爆生しているのには驚いた。特に大好きな緑色のアイタケがたくさん生えていて嬉しくなった。傘の表面の地は薄い緑色で暗緑色の大小の破片が不規則に散らばっている。このためキノコ初心者の私でも容易に判別出来る。図鑑によると食べられるとあるが、こんなに生えていても地元の方に見向きもされないのだから、それ程美味しくはないのかもしれない。一生懸命に撮影していると地元のご婦人がやって来たので「これ食べられるんだよ」と言うと、「夏のキノコは気をつけないと当たるよ」と注意された。どういう根拠なのかは分からないが、付近に猛毒のドクツルタケも生えていた。また、多摩丘陵もそうだが何処の里山へ行っても一番多く見られるカワリハツもたくさん生えていた。これはキノコのモンシロチョウのような存在である。これも食べられるとあるのだが、誰からも見向きもされないようだ。この他、チギレハツタケ、クサハツ、ヤブレベニタケ等、ベニタケ科の仲間で一杯だ。緑色のアイタケを撮ったから、今度は紅色が良いなとヤブレベニタケに的を絞ったのだが、その名の通り、端正な姿で生えているものは無かった。この他、ドクヤマドリを始め様々なイグチの仲間やツルタケを始めテングタケの仲間も一杯で、お昼までキノコの撮影三昧に興じてしまった。地元の方が「今年はキノコの当たり年やで」と言っていたが、雨が降らずにキノコの不作の地方もあるのだから、当たり前だが日本列島は一筋縄では行かない程広い。
 午後からは午前中はキノコを撮ったからと、花よ蝶よ昆虫よと探してみたが、花ではカワラナデシコがピンクに美しく咲いていた。昆虫は草むらでチョン、ギースとキリギリスが鳴き、ケヤキの幹で緑色に光.るツノアオカメムシが這っていて、交尾している個体も見られた。ここ上田市民の森はクヌギやコナラの雑木林もあるのだが、どう言う訳か樹液が出ていない。いくらか標高が高いためか、下草を綺麗に刈ってある為か、木が生長し過ぎているためか、水場が遠いためかと様々に憶測されるが、この様な雑木林は何処へ行ってもとても多くなった。我が国の雑木林は開発や畑地化でとても乾いているのである。生命体を占めるもののほとんどは水なのだから、水気がなければ生き物の多様性は失われる。横浜の舞岡公園はとても昆虫の種類が多いが、谷戸田や湿地や池が多いことがその命を繋ぐ重要なるものとなっているのだろう。いずれにしても、このまま上田市民の森にいても成果はないなと判断し、8月8日に行ってとても面白かった東部町の雑木林へ車を走らせた。
 今日は曇り日で風も無く写真撮影には絶好で、前回風が強い為に撮影を諦めたカセンソウをまず撮った。このカセンソウは多摩丘陵でも僅かに一箇所だけ自生している所を知っているが、崖上なので撮影出来ずにいたのである。そんなカセンソウはもちろんキキョウまで見られるのだから、かなり開発が進んでいて雑木林も荒れ放題だが、信州の里山はやはり面白い。今日もまたここへ来た目的の一つ、シロスジカミキリを見たいと言う願望で、またまた雑木林の中に入って行ったのだが、残念ながら発見する事は出来なかった。そればかりでは無く前回着た時に比べて、いくぶん昆虫の姿も少ないようだ。やっぱり夏の昆虫は晴れていて気温が高いほうが活動的なのかもしれない。そこで横浜に帰ってもごく普通に見られるサトキマダラヒカゲやヒメジャノメを撮った。特にヒメジャノメは都会の公園等にも姿を現すのだが、かなり敏感で接近すると逃げ去ってしまうのだ。しかし、今日はカナブンやオオムラサキやルリタテハに占領されたクヌギの樹液酒場に未練たっぷりなようで、逃げられてもすぐに舞い戻って来るから、これはチャンスとばかりにしこたまシャッターを切った。普通種でも撮れる時に撮っておかないと後悔の山を築く事になる。天気予報では明日明後日ともに無常にも雨が予想されている。そこで昼の樹液酒場の閉店時間まで頑張ったのだが、左程の成果は上がらなかった。

<今日観察出来たもの>花/カワラナデシコ(写真上左)、コバギボウシ、ミヤコグサ、カセンソウ(写真上右)、アカツメクサ、ツルフジバカマ、クズ、ヒルガオ、ヘクソカズラ、ムクゲ、サルスベリ、ノウゼンカズラ、アスター等。蝶/オオムラサキ、ルリタテハ、サトキマダラヒカゲ、ジャノメチョウ、ヒメジャノメ等。昆虫/アオカナブン、カナプン、キマワリ、ゴマフカミキリ、エゾゼミ、ニイニイゼミ、ツノアオカメムシ(写真中右)、ブチヒゲカメムシ、オニヤンマ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ヒメアカネ、ミヤマアカネ、キリギリス(写真中左)等。キノコ/オオホウライタケ、アンズタケ、ツルタケ、カバイロツルタケ、ツルタケダマシ、ドクツルタケ、テングタケ、ドクヤマドリ、クリイロイグチモドキ、コウジタケ、アイタケ(写真下右)、クサハツ、チギレハツタケ、ケショウハツ、ヤブレベニタケ、カワリハツ、種名調べ中等(写真下左)。


8月10日、群馬県多野郡吉井町牛伏山自然公園赤谷ため池

 今日は10日間の夏休み長期滞在自然観察の中日である。やはり昨日あたりから疲れが出て来たので、今日は滞在先から至近距離の北軽井沢周辺をのんびりと散策しようと考えていた。それに長野県は雨と予報されていたので、峠越えもはばかれた。しかし、朝起きてみると無常にも雨が降っている。一日中、森の中の家に閉じこもっているのもとても苦痛なので、もしや長野県側は晴れているかもしれないと出かけてみた。一番至近距離で長野県側を見渡せるのは峰の茶屋だから、そこまで行って今日の行動を決断しようと車に乗った。しかし、峰の茶屋に着いて長野県側を見渡すと、いくらか雲は薄いものの雨が降っている。「これは困った!どうしよう!」ということになったが、それならば上信越道に乗って、群馬県の富岡あたりまで降りて行けばなんとかなるかもしれない。今日は8月10日で帽子の日であるとラジオが告げていたが、帽子は英語でハットだから、富岡市位まで行けばハット驚く曇り日になっているのではないかと期待したのだ。しかし、上信越道に乗って行けども降りれども雨は止まない。そこで甘楽パーキングエリアまで来て、車の中で昼寝をする事にした。今日は散策出来ずにUターンとなるだろうなと考え、気分的にも諦めモードでのんびりと横になった。これまでの疲れがだいぶ溜まっていたからか、すぐに眠りに落ちた。しばらくして車内がとても暑くなった。そこで一旦目が覚めたのだが睡魔には勝てずにまた眠りこけたが、車内は耐えられない程の暑さとなった。外を見ると雨はやんで薄日が差していた。
 そこで時計を見るともうすぐ正午、ここで食事をしようと店の中に入って行くと、モツ煮定食が名物とある。しかも、どういう理由からか分からないが、8月一杯は普段より一割程安くなっている。そこで迷わず注文したが、看板に偽り無しで、高速道路のパーキングエリアとは思えない優秀な味であった。さてとこれから何処へ行こうかと地図を開くと、次のインターである吉井から至近の距離に、牛伏山自然公園なるものを見つけた。地方に来て何処へ行ったら良いかと迷ったら、自然公園、森林公園等と名の付く所へまず行ってみるのが正解である。確かにレクリエーションの為の施設が必ずあって、かなり開発されてはいるものの、それなりの自然環境だから公園になった訳で、今まであまり裏切られた事が無い。牛伏山自然公園は有難い事に吉井インターを降りると本当に至近で、最初、牛伏山の頂上を目指したが、林道沿いはサクラやアジサイが植栽され森は杉等の針葉樹が多くて、これでは頂上まで行っても多くは期待できないと、途中通った大きな溜池に戻った。ここは赤谷ため池と呼ばれ、牛伏山自然公園の一部のようで、かなり整備されていて付近に各種の施設があった。また、流れ込む沢はホタルの生息地で、大切に保護管理されていた。
 赤谷ため池は周りがほとんど石堤で護岸されていたが、菖蒲田や蓮田に面している所だけ水辺に行くことが出来た。池は一面にヒシが浮かんで良質な水である事が察しられた。これはイトトンボの仲間がいるのではと、目をイトトンボモードに切り替えた。舞岡公園のアシアイトトンボもそうだが、普通の虫目モードでは発見が難しいのである。さっそく目に飛び込んで来たのはクロイトトンボの雄である。バラギ湖にもたくさんいて撮影したのだが、パソコンで拡大して見たら羽が痛んでいたので、早速ようこそと撮影した。他になにかいないかと目を凝らすと、イトトンボモードに目がなっているから、たくさんのクロイトトンボが目に入って来た。しばらくして、なんだか少し身体の紋様が異なるトンボも混ざっている事に気付いた。水色の横じまが等間隔にあるではないか、オオイトトンボである。これはラッキーとまたしても慎重に近づいて撮影した。身体は細くて飛翔能力もあまり無いが、イトトンボの仲間は人の接近を敏感に察知するのである。他にイトトンボはいないかなと探したが、クロイトトンボとオオイトトンボばかりであった。そこで目をイトトンボモードから普通の虫目モードに切り替えたら、なんとコフキトンボがたくさんいるのに気づいた。
 ため池を離れてホタルの生息場所となっている沢に出向いてみると、ハグロトンボがたくさんいた。沢上にはオニヤンマがゆっくり飛んでいる。沢沿いの道を歩いて行くと、オニヤンマを少し小さくして尾端がいくらか膨らんでほんのちょっぴり曲げている大型のトンボが、地面止まっている。良く注意すると河原の岩にも止まっているではないか。これはオニヤンマではなくてコオニヤンマである。共にオニヤンマと名がつくが、分類上は少し離れ科を違えている。以上、今日は前述したように午後だけの散策となったが、様々なトンボに出会えてトンボデーとなったが、付近にちょっとした雑木林があったので、何がいるかなと行ってみると、なんと樹液にオオムラサキとスミナガシが来ていた。他にもゴイシシジミやヒメキマダラセセリもいて、下草の葉にはハグルマトモエやミヤマアカネまで止まっていた。今日はいったいどうなることやらと思われたし、予期せぬ高速代も使ったが、ここまで来て本当に良かったと満足した。夕方、軽井沢を通り嬬恋村に帰ったが、どうやらこちらの雨も午前中だけのようであった。それを見て「行って損した」とも思ったが、すぐに様々なトンボが眼前に浮かんで、即座に「行って良かった」と訂正したのは言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>花/ナツズイセン、クズ、アレチマツヨイグサ、ヘクソカズラ、ハス(写真上左)、ムクゲ等。蝶/オオムラサキ、ルリタテハ、スミナガシ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、ゴイシシジミ、ヒメキマダラセセリ等。昆虫/ハグルマトモエ、コクワガタ、アオカナブン、カナブン、クロカナブン、アブラセミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、オニヤンマ、コオニヤンマ(写真中左)、ギンヤンマ、ミヤマアカネ(写真上右)、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コフキトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、クロイトトンボ(写真下左)、オオイトトンボ(写真下右右)、ハグロトンボ(写真中右)、ブチヒゲカメムシ、クサギカメムシ等。その他/シロオニタケ、カワセミ等。


8月9日、群馬県群馬郡倉渕村榛名西麓広域農道

 昨日、信州の里山へ行ったからと言う訳ではないが、今日は上州の里山へ行った。なぜなら天気予報によると今日は曇り日であるとあったからだ。ここ数日続いている猛暑は、気温に関しては首都圏平地より群馬県の前橋や高崎等の内陸部の方が高いようで、35度を越える日々が続いている。そんな事もあって倉渕村の榛名山麓へは、曇り日に行こうと考えていたのである。しかし、天気予報は見事に外れて薄日差す暑い日となった。もっとも風がかなり強いから体感温度は幾分低く感じられる。このような気象庁泣かせの天候は、本州がすっきりと太平洋高気圧に被われている訳ではなく、寒気が東北地方に居座っているからである。このところ下界で辛抱しているお仲間の動向を掲示板で探ってみると、タマムシとルリボシカミキリに花が咲いているようである。そこで以前見つけた丸太がたくさん積んである場所を知っていたので、「タマちゃんやぁーい!ルリちゃんやぁーい!」と期待した訳である。その期待は半分は叶えられた。すなわちルリボシカミキリはたくさんいたが、タマムシには出会えなかったのである。渋い色合いのものが多いカミキリムシの中でも、瑠璃色をしているルリボシカミキリはやはり昆虫界きってのスターだ。しかも低山地の丸太が積んである所へ行けば必ず見られるという普通種だからたまらない。今日も数多くの個体を観察出来た。しかし、その顔つきはかなりきつい顔をしていて、他のカミキリムシとはずいぶん異なっている。一方、タマムシだが、ここが比較的標高が高いこともあってか、また、丸太が日当たりの良い所にある事もあってか、残念ながら観察する事が出来なかった。今までのタマムシの観察例としては、山間地に入るより麓の民家周辺の雑木林の縁等に多く、また、付近に棚田等があって湿気があると尚更多いように感ずる。このように、きんきらきんのタマムシは、人里大好きな昆虫なのである。
 こんな訳で今日も昨日に続いて午前中はぱっとしない成果となった。「まあ、午後があるでよ」と一人ごちてみたものの、昨日より自信がない。この倉渕村のポイントは2度目で、昨日の東部町の雑木林より状況把握が出来ていないのだ。いくら昆虫を探し出すのに慣れているとは言っても、度々、足を運んでいるマイフィールドでないと自信が持てない。その点、マイフィールドたる多摩丘陵や舞岡公園ではあらゆる道を歩いているから、ちょっとその気になりさえすれば数多くの写真を手にする事が出来る。珍しい昆虫や生息場所が限定されているものはいた仕方ないが、どんな昆虫でも良いから絵になる写真を手に入れようと思うのなら、熟知しているマイフールドが一番である。午後は一旦昼食のために倉渕村の中心部にまで降り、再び、もしやタマちゃんが来ているのではないかと異なる道で、丸太置き場まで戻った。この異なる道を通ったことで、棚田脇のクヌギの木にスミナガシが来ているのを車から発見した。なにしろ車などほとんど通る事のない道だから、超低速で登って来たという訳である。車を路肩に停めて近づいて見ると、スミナガシは羽を開いて吸汁している。スミナガシはオオムラサキとは異なって、吸汁している時は羽を水平に必ず開いているから大助かりである。それでは逃げられない前にと、まずは絵としては今一たが数回シャッターを切った。するともう1頭やって来て、先客のスミナガシとの場所争いとなって2頭とも飛び立った。しかし、こんな美味しい樹液酒場は近くには無かろうからきっと戻って来ると待っていたら、すぐに1頭舞戻って来た。今度は絵になる写真を撮るんだとファィンダーを覗くと、どうしても枯れた小枝が邪魔だ。そこで三脚の脚を伸ばして取り除いたが、スミナガシは平然と吸汁し続けている。やがて何枚も写真を撮ってこれで良しと思ったら、今度はヒメスズメバチがやって来てスミナガシを飛び立たせてしまった。スミナガシはまだお腹が満ち足りていないようで、付近のクヌギの葉の裏側に羽を開いて止まっている。良く見るともう1頭いるではないか。合計2頭のスミナガシが至近距離で葉にぶら下っている光景はまこと得難いものであった。
 スミナガシを無事に撮影すると、丸太置き場に戻ったが、やはりタマムシは発見出来なかった。そこで前回来た時に観察したアカアシクワガタを探しに、ヤナギの木がたくさん生えてる場所に行ってみた。アカアシクワガタは小枝に口器で傷をつけて、そこからしみ出る樹液を吸っている事が多い。しかし、今日は小枝では発見出来ずに幹から滲み出る樹液を吸っていた。しかし、なんと小さな雄がたった1匹、これでは絵にならんやとぼやいていたら、ぽとりと地面に落ちて探し出す事が出来なかった。こうなったら今日も昨日と同じクヌギやコナラの樹液に集まる昆虫を撮るしかないな、もしかしたら昨日出会えなかったシロスジカミキリがいるかもしれないと期待する事にした。しかし、東部町の雑木林に比べるとその産卵痕の数はぐっと少ない。それでも手頃な雑木林に入ってみると、数多くのカブトムシに混じって、ミヤマクワガタを発見して胸を撫ぜ降ろした。以上、今日はなんとかこの観察記を飾れる最低枚数の写真しか撮れなかったが、美しいスミナガシと無骨なミヤマクワガタに出会えて、ここまで来て良かったとの一日となった。

<<今日観察出来たもの>花/コバギボウシ、ヤブカンゾウ、ナツズイセン、クズ、アレチマツヨイグサ、ヘクソカズラ、リョウブ、ムクゲ等。蝶/カラスアゲハ、オオムラサキ、ルリタテハ、アカタテハ、スミナガシ(写真上右)、キチョウ、サトキマダラヒカゲ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヒメジャノメ、コチャバネセセリ等。昆虫/カブトムシ(写真上左)、ミヤマクワガタ(写真中右)、アカアシクワガタ、コクワガタ、ゴマフカミキリ、ルリボシカミキリ(写真下左)、トゲバカミキリ(写真下右)、センノカミキリ、アオカナブン、シロテンハナムグリ、オオゾウムシ、エゾゼミ、アブラセミ、ヒグラシ、オニヤンマ、ノシメトンボ、ヒメスズメバチ(写真中左)、オオスズメバチ等。その他/シロオニタケ、ホトトギス等。


8月8日、長野県小県郡真田町古城緑地広場〜東部町

 今日は鳥居峠を越えて真田町から東部町へ行った。今日もとても暑い日であったが、高原巡りだけしていても仕方ないので、意を決っしたと言う訳である。真田町や東部町に広がる雑木林は、言わばこの地域の里山に当たっていて、多摩丘陵や舞岡公園の信州版と言う事が出来よう。まず最初に信綱寺のある古城緑地広場へ行った。毎年恒例となっているが、見られる昆虫の種類も個体数も減じているのは寂しい限りだ。いつものようにこの地域のご婦人の有志が管理しているムクゲを撮った。なぜかここへ来ると撮らなければ落ち着かないのである。花はピンクで花芯が赤の一番好きな色合いのムクゲで、しかも山や青空をバックに撮影出来るからとても美しく撮れるのである。次に子供の遊具が置いてある広場へ行ったら、またしても休憩の為の東屋の屋根裏にキイロスズメバチの巣があった。以前にも観察しているから、キイロスズメバチにとっては、まことにお気に入りの場所らしい。これはラッキーとこわごわ撮影し、管理のご婦人にその旨を報告した。何しろ子供たちが遊びに来る場所なのだから、万が一刺されたら大変である。「どれどれ」とご婦人と同行して指し示すと、そのご婦人はかなりの至近距離まで近づいた。「蜂は巣をいじったり触ったりしなければ大丈夫」と、さすが真田町で暮らしているだけあって、蜂の生態については詳しい。
 巣の処理に関してはそのご婦人に任せて、ムモンアカシジミ等の蝶や昆虫はいないかと尾根沿いの雑木林に行った。しかし、期待したムモンアカシジミは見られず、また、樹液の出も悪くてオオゾウムシが無心に吸汁していただけであった。更に登って行くとカラマツの幹にエゾゼミを見つけた。これはしめたと機材をセットすると、いたはずの場所にエゾゼミはいない。良く見るとかなり上の方まで登ってしまった。それでもなんとか写そうと思ったが、登る歩みを止める事がない。残念ながらそれがエゾゼミの習性なのだからと撮影を諦めた。尾根上はこれと言ったものに出会えずに降りて来て、以前、ミヤマクワガタがいたオニグルミの木を見に行った。しかし、ここも樹液の出が芳しくなく昆虫はなにも見られなかった。しかし、沢を隔てたオニグルミの高い枝になんとカブトムシとオオムラサキが吸汁しているのを発見した。首都圏平地に住んでいると、蝶や昆虫が集まるのは、クヌギ、コナラ、ヤナギ、シラカシ等と思っているが、ここへ来て初めてオニグルミの樹液にも集まるのだとかつて知ったのである。今日はその蝶も昆虫たちも越すに越されぬ沢の向こう、しかも高所だからお手上げである。
 そんな訳で古城緑地広場ではほとんど成果が上がらず、毎年恒例の駅前食堂で昼食を済ませると東部町の雑木林へ行った。ここは言わば斜面緑地で、あまり足場は良いとは言えないが、いつもクヌギの樹液の出がとても良く、しかも何本もあるのだから堪らない。また、樹液に来る昆虫ばかりで無く、各種アカネ類やオトシブミ、以前はカマキリモドキも見つけている。いつもの木陰に車を停めて、その下の斜面を覗いて見たら、クヌギやコナラの幹にシロスジカミキリの産卵痕がたくさんついている。最近、多摩丘陵ではめったにお目にかかれない光景である。このシロスジカミキリやオオスズメバチ等が存在することによって、樹肌は傷つき更に傷が広がって、良好な樹液の出が約束される訳であるが、近頃の多摩丘陵の樹液の出の悪さは、これらの昆虫たちの減少もその一因ではないかと納得する。久しぶりにシロスジカミキリとご対面と期待して雑木林の中に入って行ったが、お留守であった。と言うより梢でお昼寝中と言った方が良かろう。なぜならシロスジカミキリは夜行性なのである。しかし、転んでもただでは起きないと言う訳で、葉に止まっているエゾゼミを発見した。葉なら古城緑地広場のようにどんどん登って行ったりしないから、時間をかけて撮影出来た。
 更に雑木林に沿った小道を登って行くと、オオムラサキの雌が吸汁していた。今日は8月8日だと言うのにかなり新鮮な個体だ。やっぱりオオムラサキの発生も今年は遅れたようである。それならば撮っておこうと機材をセツトしてファィダーを覗いていると、なんと雄がやって来てちょっかいを出して飛び立たせてしまった。「なんだよ」と愚痴が出たが、雌雄ともに付近の下草の上に止まって羽を開いてにらめっこをし始めた。「なんだよ」の愚痴が、「これはラッキー」となって素早く撮影した。オオムラサキの雌雄はこのように、にらめっこをしながら雄が雌に求愛するのである。古城緑地広場では貧果に鳴いて、今日はいったいどうなることやらと天を仰いだが、午後の東部町の雑木林は快調そのもので、穴から顔を出しているコクワガタや昼間なのに吸汁に現れたミヤマカミキリも見つけた。更に極め付きはオニヤンマだろうと思っていたトンボが、オニヤンマとは異なった仕方で枯れ枝に止まるので近づいて確認すると、なんと初めてのオナガサナエの雄であった。まったく道端自然観察および撮影は、終了間際まで結果は分からない。今日、郵政民営化法案は参議院で否決され、その結果、小泉首相は衆議院を解散した。その結果は投票日の投票終了間際まで分からない。しかし、選挙より道端自然観察および撮影の方が、何があるかは分からないのだ。だからこそ止められない止まらないと言う事となる。

<今日観察出来たもの>花/キキョウ、カセンソウ、ツルフジバカマ、クズ、ヒルガオ、ヘクソカズラ、ムクゲ(写真上左)、サルスベリ、ノウゼンカズラ、アスター等。蝶/オオムラサキ、ル(写真中左)リタテハ、アカタテハ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、ジャノメチョウ等。昆虫/カブトムシ、コクワガタ、ミヤマカミキリ(写真下右)、アオカナブン、シロテンハナムグリ、オオゾウムシ、ルイスアシナガオトシプミ、エゾゼミ(写真中右)、ミンミンゼミ、オニヤンマ、オナガサナエ(写真下左)、シオカラトンボ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ヒメアカネ、キイロスズメバチ(写真上右)等。


8月7日、群馬県吾妻郡嬬恋村バラギ湖

 今朝は嬬恋村も気温がだいぶ高いし、おまけに湿度もかなりあるようだ。ここが標高1000メートルの避暑地なのと疑ってしまう程なのだから、首都圏平地の暑さはきっと耐えられない程のものではないかと予想された。今日も滞在地から至近距離のバラギ湖へ行く事に決めた。あまりにも暑いので鳥居峠等の峠を越えて平地に降りて行く気が起きない。しかし、週間天気予報を見るとずっと晴天続きのようだから、そんな軟弱な事を言っていられなくなって、いずれ降りて行くことになるだろう。嬬恋村に住んでいらっしゃる方々はとても花が好きだ。まあ、嬬恋村に限らず地方へ行くと民家の庭先はもちろんの事、畑の片隅や道路際にたくさんの花が植えられている。都市とは異なって広大な土地があるのだから出来る事と言ってしまえばそれまでだが、道行く人の乾いた心を癒してくれるのは確かである。どんなものが見られるかというと、ヒマワリ、アスター、ヒャクニチソウ、ルドベキア、オオテンニンギク、サルビア、マリーゴールド、そして早くも咲き出しているコスモス等である。毎年、車を路肩に停めて写真を撮ったものだが、今年はこれらの園芸品種の花ばかりでなく野の花であっても撮影意欲が減退している。ハンドルネームが「花虫とおる」なのだから、もっと花を撮らなければならないのだが、やはり作品としての花は、デジタルカメラではなくフイルムでと思っているからだろう。
 道路が広くて快適だから、あっと言う間にバラギ湖へ着いてしまった。バラギ湖もご多分に漏れず開発が進んで、生き物の多様性が失われつつあるのは残念だが、丹念に探せば高原ならではの動植物・キノコに出会える。今日の目的の一つはフシグロセンノウである。この花の花言葉は青春に関連したものであるが、赤みを帯びたオレンジ色は情熱の血のたぎりそのものである。かつて大学1年の頃、高校時代のお仲間と大菩薩峠へ行った時にたくさん咲いていて、鮮烈に記憶に残っているのである。その頃も「自然に親しむ会」等という名称の会をつくって色々な場所へ行ったのだから、今と左程変わりない日々を送っていたとも言えよう。その時、ギターを弾ける女の子がいたので、みんなでビリーバンバンの「白いブランコ」を歌った事や、星座に詳しい者もいたから、みんなで夜空を見上げて、ベガ、デネブ、アルタイルを結んで出来る真夏の大三角形を教えてもらった。その仲間の内の二人はもう夜空に輝く星となっている。心臓に毛が生えていて絶対に死なないと思った女の子も召されてしまったのだから、人の運命を予想する事等出来っこない。そんな思い出の花、フシグロセンノウは変わりなく美しく今日も出迎えてくれた。
 これで花は一つ撮影したからもう一つと散策すると、花穂がかなり伸びてしまったがコバイケイソウが咲いていた。やはりここは堰き止め湖であっても水が豊富なのである。お次は蝶を撮ろうと目を光らせるとウラギンヒョウモンが飛んでいる。高原に行けば最も普通のヒョウモンチョウだが、発生は梅雨明けと同時位だから飛び古したものが多かった。更に散策路を歩いて行くと、アサギマダラがやはりヒヨドリバナに吸蜜していた。アサギマダラは本当にヒヨドリバナの仲間が好きで、秋になると南の島に移動するため平地にも降りて来るが、その時、フジバカマが咲いていると必ず立ち寄るようで、以前、武蔵丘陵森林公園にて目撃している。アサギマダラは昨日紹介したから別の蝶と思っていると、スジボソヤマキチョウが飛び出して葉の上に止まった。普通、葉の裏に止まるのが常なのにと不思議に思ったが、撮影するには好都合である。しかし、敏感な蝶で何べんともなく逃げられてしまったが、抜き足差し足忍び足で近づいてなんとか撮影出来た。その後、今日のバラギ湖での目的はフシグロセンノウ以外にもう一つキマダラモドキがあったので、木立の幹にも目を配ってゆっくりと歩いて行った。すると一頭だがミズナラの幹に止まっていて、雰囲気ある写真を手にする事が出来た。キマダラモドキは一見するとサトキマダラヒカゲやヒメキマダラヒカゲにも似ているが、羽の曲がりがやんわりとしていてとても上品な蝶である。
 これで当初の目的を無事に果たしたからと湖畔を一周して、なにかトンボの仲間を撮影しようと岸辺の草や棒に注意したが、クロイトトンボがたくさんいた位でこれと言ったものには出会えなかった。やっぱり人造湖なのである。昼飯は牛丼一杯をなんと800円という観光地値段で食べ終わり、さあ午後の部と思ったものの、通り雨がやって来た。車の中で雨をやり過ごしたが、高原の雨は大粒である。下草も葉の上もびっしょりと濡れてしまった。今日もこれで早上がりしようかなと思ったら、観光施設の周りにオオハンゴンソウ、ルドベキア、オオテンニンギク、チョウセンヨメナ、キキョウ等がたくさん咲いている。こんな高原に来て園芸品種の花もなんだし、そこに訪れている昆虫を撮影するのもちょっとと思ったが、なんとルドベキアの花の真ん中にベニシジミが鎮座していたり、チョウセンヨメナにツユムシやセマダラコガネまでもが静止していた。今日の観察記に紹介する写真ではないが、とっても絵になるので慎重に撮影した事は言うまでも無い。

<今日観察出来たもの>花/フシグロセンノウ(写真上左)、コバイケイソウ(写真上右)、メタカラコウ、サワギキョウ、キツリフネ、ツリフネソウ、ヤナギラン、コオニユリ、ワレモコウ、コバギボウシ、ヨツバシオガマ、ヒヨドリバナ、オオハンゴンソウ、クサレダマ、クガイソウ、シシウド、チダケサシ、ヤマハハコ、オカトラノオ、ノアザミ等。蝶/アサギマダラ、スジボソヤマキチョウ(写真下左)、クジャクチョウ、ウラギンヒョウモン、キマダラモドキ(写真中左)、クロヒカゲ、ベニシジミ、オオチャバネセセリ等。昆虫/ヒョウモンエダシャク(写真中右)、クロイトトンボ、アキアカネ、ノシメトンボ、オニヤンマ、カワトンボ、コエゾゼミ、セマダラコガネ、アカハナカミキリ(写真下右)等。その他/キイボカサタケ等。


8月6日、群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢高原

 今年は身体の調子が悪かったから、いったいどうなるかとも思ったが、今日から例年通りに長期滞在の夏休みを送る事が出来そうである。なにはともあれ健康第一、精神的な状態もより良き方向に変えようと、のんびりとした夏休みにする事に決めて自宅を後にした。そんな訳で今年は嬬恋村からの新潟等の遠征は控える事にしたし、また、遅くまでがつがつ写真を撮る事もしないつもりだ。夏休み初日は例年通りに至近距離にある鹿沢高原へ行った。広大に続くキャベツ畑から林道に入ってしばらく行くと、ヤナギの木がたくさん生えている所に出る。毎年、運が良ければヒメオオクワガタがいるのではないかと立ち寄るのだが、より普通なアカアシクワガタにさえもまだ出会っていない。夏休みに慣れて来たら榛名山麓へ行くつもりだから、きっとそこで出会えることだろう。更に上って行くと平らな場所に出るが、車に驚いて多数の蝶が飛び立った。いったいなんだろうと車を路肩に停めて行ってみると、コムラサキが焚き火跡に集まっていたのだ。そんな場面も生態的には貴重な写真となるのだが、糞とか蛇等の遺骸と同様に、そんな場所に集まっている蝶だけはどうしても撮りたくない。そこで一旦飛び立たせれば近くに止まるのではないかと脅してみたら、みんな遠くに飛んで行ってしまった。その平坦な場所は花の宝庫でもあって、ヤナギラン、オカトラノオ、ノアザミ等が群落をつくって美しく咲き、荒地には、その名のごとくアレチマツヨイグサがたくさん見られ、その向こうには白根山等の山並みが見える。
 更に登って行くと両側が崖地になっている場所を通る。いつも各種タテハチョウが崖からしみ出る汁を吸っている。どのような成分が含まれているかは定かではないが、ルリタテハ、キベリタテハ、アカタテハ、エルタテハ、クジャクチョウ、シータテハ、コムラサキ、各種大型ヒョウモンチョウ等は、みんなお気に入りである。コンクリートで崖地を被覆した所や、コンクリートブロックで崩落するのを防いでる場所等でも、コンクリートからしみ出る液を吸っている。おそらくそれだけでは活動のエネルギーは得られないものの、生命維持に必要なミネラル成分が含まれているに違いない。こんな場所を知っていれば上記のタテハチョウの仲間に容易く出会えるが、岩石なら良いものの人工的なコンクリートでは興醒めで、どう撮っても良い写真とはなりにくい。今日はそんな崖地に現れたのは、ほとんどがエルタテハで、まだキベリタテハには時期が早いようであった。また、路傍にたくさん生えているヒヨドリバナには、美しいアサギマダラがたくさん吸蜜していた。やはり高原にはそよ風のようなアサギマダラが良く似合う。
 林道の最高地点まで到着すると、車を停めてゆっくり付近を散策するのが毎年の恒例となっているが、期待したベニヒカゲの姿はとても少なかった。長野県から採集に来ている方の話では、発生が例年より遅れているのだろうとの事であった。今年はウスバシロチョウを始め多くの蝶の発生が遅れていたが、高山蝶のベニヒカゲもその例外ではなかったのである。これは困ったな、この観察記を飾る写真が撮れないかもしれないとの不安がよぎった。そこでコオニユリやヤナギランを撮り、首都圏平地では少なくなっていると言われるオオチャバネセセリも撮影した。葉の上に止まるもので、あまりにも絵としてはいただけないが、そんな事を言ってはられないという訳である。やっぱり花には来ない蝶は別だが、美しい蝶は美しい花に吸蜜に来ているものこそ最高だ。また、高原に避暑に来ているノシメトンボ、アキアカネ等も、なるべく絵になるものをと、ワレモコウ、コオニユリ、ヤナギランに止まっているものを選んで撮影した。ただ単に棒の先に止まっているものをマクロレンズで背景をぼかして切り取っても、秋に多摩丘陵で写したものとほとんど変わらなくなってしまうからだ。とは言っても何も撮影出来なかった時の保険で、高原に来たら高原でしか撮れないものを撮影したいのは当たり前の事である。
 お昼はもちろん民宿「わたらせ」の天ぷら定食である。もう10年以上もお盆休みになると現れるので、店のご夫婦と顔馴染みである。今日は、タラノメの若葉、ヤマウドの蕾、ヤマブドウの蔓、ハリギリの若葉がナス等の各種野菜とエビとともに食べる事が出来た。さて、午後はどうするかと思ったが、民宿「わたらせ」の周辺や午前中にとても良かった場所を再び回ることにした。すると採集者が網を振るうのがはばかれるためか、また、標高がいくらか低いためか、民宿「わたらせ」の周辺の方がベニヒカゲがたくさんいて、ベストショットとはいかないまでも、なんとかカメラに納める事が出来た。また、崖地では粘りに粘ってエルタテハを撮影した。そんな訳で初日の今日は早じまいとし、ただで何泊も宿泊させてもらう事もあって、せめて伸び放題の草を刈ろうと滞在先に戻った。

<今日観察出来たもの>花/ヤナギラン、コオニユリ(写真上左)、ワレモコウ、ツリガネニンジン、ヨツバシオガマ、ヒヨドリバナ、クサレダマ、ハクサンフウロ、シモツケソウ、クガイソウ、シシウド、チダケサシ、ヤマハハコ、ヤマホタルブクロ、オカトラノオ、ノアザミ、アレチマツヨイグサ(写真上右)、シモツケ、オオカメノキ等。蝶/アサギマダラ(写真中右)、エルタテハ(写真中左)、コムラサキ、コヒョウモンモドキ、ヒョウモンチョウ、ベニヒカゲ(写真下左)、ウラゴマダラシジミ、オオチャバネセセリ(写真下右)等。昆虫/アキアカネ、ノシメトンボ、オニヤンマ、コエゾゼミ、ヒナバッタ等。その他/コケモモの実、アオダイショウ等。


8月2日、横浜市戸塚区舞岡公園

 仕事より先に夏休み前の里山フィールド巡りをすませておこうと、舞岡公園へ行った。今日は曇り日ではなかったが、意外と気温は低く、絶好の散策日和となった。これで後夏休みに入る前に、ほんの少し仕事をして、夏休みへの準備に入れば良い訳でほっとした。今日の特筆事項はなんだろう。目聡い助手も今日は見えず、一人で頑張ったが、樹液に来ているアカボシゴマダラやクロコノマチョウを撮影した。しかし、なんと言ってもカブトムシを合計8匹も見たことだろう。その内、雄が3頭だから、いよいよ雌がたくさん見られる季節に入った訳である。母は強しでこれから1ヵ月以上生きのびて産卵する。詳細は「舞岡公園散策手帖」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/キツネノカミソリ、キキョウ、アゼムシロ、カワラナデシコ、オニユリ、ヤマユリ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ヒルガオ、ツユクサ、アカツメクサ、セリ、シモツケ、ムクゲ、ヒマワリ等。蝶/ジャコウアゲハ、キアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、アカボシゴマダラ、キタテハ、クロコノマチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメジャノメ、ルリシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリ等。昆虫/カブトムシ、クロカナブン、カナブン、エゴヒゲナガゾウムシ(写真上右)、トウキョウヒメハンミョウ、マメコガネ、チャバネアオカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、クサギカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ、オニヤンマ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、ツチイナゴの幼虫、ササキリの幼虫、ハラビロカマキリの幼虫(写真上左)等。その他/カバイロツルタケ、カワセミ等。


8月1日、東京都町田市小野路町・図師町

 いよいよ8月に入った。何処かで書いたように6日から恒例の嬬恋村長期滞在夏休みに入るので、多摩丘陵等の平地の里山とはしばしのお別れである。また、この小野路図師紀行は8月は2回と減らして予定しているので、夏休み前に一回は消化せねばならないと出かけてみた。また、スミナガシやゴマダラチョウにも出会えるかもしれないと期待したのだが、どうも今年の樹液の出は悪いようである。しかし、ベッコウハゴロモ、スケバハゴロモ、アミガサハゴロモの三角翼の昆虫は異常発生のようで、至る所に見られた。野の花はヤマユリが満開である以外、秋風が吹くまでお休みのようである。詳細は「小野路図師紀行」をご覧下さい。

<今日観察出来たもの>花/ミヤコグサ、ヤマユリ、オオバギボウシ、コマツナギ、ソクズ、ヘクソカズラ、ハエドクソウ、ミソハギ、アキノタムラソウ、ツユクサ、ヤブカラシ、ヤブミョウガ、ヤマホトトギス、ハス、ダリア、ヒマワリ、ルドベキヤ、ヒャクニチソウ、シュウカイドウ等。蝶/オオムラサキ、キタテハ、ルリタテハ、メスグロヒョウモン、コミスジ、ジャノメチョウ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ、ヒメキマダラセセリ等。昆虫/コシロシタバ、クロスジギンヤンマ、コシアキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、コノシメトンボ、ヒメアカネ、マユタテアカネ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ヤブキリ、ヒメクロオトシブミ、クロカナブン、カナブン、キマワリ、カブトムシ、スケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ(写真上左)、アオメアブ(写真上右)、ナガメの幼虫、ササキリの幼虫等。キノコ/コガネヤマドリ、コトヒラシロテングタケ等。その他/シュレーゲルアオガエル、アマガエル、トウキョウダルマガエル等。



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