横浜市都筑区

ささぶねに揺られて
(4)


自宅から最も近くてカメラ片手にさまざまな生き物と触れ合える所は何処かと考えたら、港北ニュータウン内各所にある公園、また、それらを結ぶ緑道が最適だとの結論に至った。もう少し経つと自宅の近辺に横浜市営地下鉄の新路線の駅が出来るから尚更良い。主に「ささぶねの道」と呼ばれる都筑中央公園から、葛ヶ谷公園、大原みねみち公園などを通って茅ケ崎公園に達する緑道をメインに、港北ニュータウン内ではないが隣接する新吉田町も含めて、定期的にカメラを持って散策を開始することにした!












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2005年 2月3月 4月5月 6月7月 8月9月 10月11月


2005年9月16日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園〜葛が谷公園











ヤマハギネコハギアレチヌスビトハギツユクサ











イタドリキツネノマゴアシボソノボリリュウタケクロアシボソノボリリュウタケ











ヒカゲチョウヒメジャノメムラサキシジミサツマノミダマシ











コノシメトンボアキアカネアオドウガネムシクソハムシ











エサキモンキツノカメムシチャバネアオカメムシクサギカメムシの幼虫アオバハゴロモ











アオマツムシクルマバッタモドキ(緑色型)クルマバッタモドキハネナガイナゴ

 ずっと晴れの日が続くのかと思っていたら、昨日に続いて今日も曇り日。2日間強かった風もどうにか静かになった。こんな日はもちろん絶好の散策日和、写真撮影日よりだ。このところ、ずっとフィールドへ出ていたし、待ちに待った3連休も明日からだ。そんな諸々の事を加味すると、今日はおとなしく家に蟄居しているのが常人だが、なにしろ変人と言われる小泉純一郎首相の出身地である神奈川県人だ。そこで家から車で10分の港北ニュータウンの公園巡りとなった。期待したキノコはみんな崩れていたものの、野の花、昆虫とも勢ぞろいでとても楽しかった。その中での特筆事項はムラサキツバメを2頭観察した事だろう。ムラサキツバメは温暖化の影響か、クロコノマチョウ、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハと同様に箱根の山を越えた蝶だ。皇居の北の丸公園にもいるし舞岡公園にもいる。最近では多摩丘陵でも見られるという。食樹はマテバシイである。今日行った港北ニュータウンの公園にはマテバシイがたくさん植栽されているから、ムラサキツバメが見られても当たり前の事だが、今日が始めての観察となった。生憎、証拠写真すら撮れなかったものの、いつかは良いチャンスに恵まれる事だろう。残念だったのはキノコが見られなかった事で、台風の大雨が降った後の5日目あたりが良かったのではないかと思われた。明日は晴天になるらしいから、久々に家に蟄居することにしよう。

<今日観察出来たもの>花/ワレモコウ、ヤマハギ、ネコハギ、アレチヌスビトハギ、ヌスビトハギ、ボントクタデ、ヤブカラシ、イヌホウズキ、キツネノマゴ、ハキダメギク、タカサブロウ、ワルナスビ、ツユクサ等。蝶/アオスジアゲハ、キチョウ、ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等。昆虫/アオドウガネ、ムシクソハムシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、アキアカネ、コノシメトンボ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、アオバハゴロモ、エサキモンキツノカメムシ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、アカスジキンカメムシの幼虫、クルマバッタモドキ、ハネナガイナゴ、アオマツムシ等。キノコ/コテングタケモドキ、テングタケ、アシボソノボリリュウタケ、クロアシボソノボリリュウタケ、オオキツネタケ等。その他/マテバシイの実、コブシの実等。


2005年8月20日、横浜市都筑区茅ヶ崎公園〜大原みねみち公園〜鴨池公園











イヌホウズキミンミンゼミアブラゼミツクツクボウシ











アミガサハゴロモアオバハゴロモオオシオカラトンボシオカラトンボ











ショウジョウトンボコノシメトンボウスバキトンボアゲハ











アオスジアゲハルリタテハコミスジサトキマダラヒカゲ











キチョウイチモンジセセリキマダラセセリカノコガ

 昨日あたりから空が真っ青となって、太陽光線が強烈に降り注ぐようになった。大気が澄んで来て秋が近いことが感じられる。フランスの小説家カミユの作品「異邦人」に、こんな焼け付くような情景描写があった。しかも風が強いから、写真撮影の三重苦である「高温」・「ピーカン」・「強風」の真っ只中に出て撮影した訳である。このため自慢出来るような写真は撮れなかったが、こんな三重苦の日、しかも身近なフィールドでも、その気になりさえすれば写真が撮れる事が分った。アオスジアゲハやアゲハやキチョウが池の畔で吸水していたが、熱射病にかからないように、何遍とも無く水を飲んだことは言うまでも無い。今日の特筆事項は、何と言っても各種セミの多さだろう。アブラゼミ、ミンミンゼミ等は、自然度の高いフィールドより公園等に多いが、まったく港北ニュータウンの各公園はセミの天国のようであった。散策路に入るとあらゆる樹木に一匹は止っているかのようで、中には一本の幹に複数のセミが止っているのも稀ではなかった。また、秋が近くなると発生するツクツクボウシや夏の初めから鳴いているニイニイゼミの鳴き声は小さいから、アブラゼミやミンミンゼミの鳴き声に消されてしまっている。また、こんなにいると手づかみでも捕らえる事の出来るセミも多く、親子連れが捕虫網無しで捕らえていた。こんなに暑いと日向には出て行く気がおきないが、各種の昆虫も日陰や雑木林の中に涼んでいて、コノシメトンボ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ等が休んでいた。日向で元気が良いのは、池のトンボと広場の空を舞うウスバキトンボ位であった。

<今日観察出来たもの>花/ヤブカラシ、イヌホウズキ、キツネノマゴ、ハキダメギク、タカサブロウ、カラスウリ、ワルナスビ、ツユクサ、アカツメクサ、タマアジサイ、ムクゲ、サルスベリ等。蝶/クロアゲハ、キアゲハ、アゲハ、アオスジアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、キチョウ、ルリタテハ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ等。昆虫/シロテンハナムグリ、カナブン、アオドウガネ、オオヒラタシデムシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、コノシメトンボ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ギンヤンマ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、アオバハゴロモ等。